2018年12月特別号 (1)
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5年連続!
議員・市長・職員のボーナスアップ審議
可決されれば累計で年間38億円の財政負担増

 清水市長は12月議会で、議員や市長・副市長など特別職の期末手当、市職員の勤勉手当を、5年連続でアップする議案を提出し、審議されています。4月に給与をアップした教職員を含めると、トータルで年間38億円もの財政負担増になります。来年消費税が引き上げられることで、さいたま市に交付される地方消費税は57億円増える見通しですが、その多くが議員や市長、職員のボーナス増額で消えてしまうのでは、一体何のための増税かわかりません。
 さいたま市議会議員の報酬は、月額80万7000円です。これに期末手当(ボーナス)が夏は184万2986円、冬は201万8508円で、年収合計1354万5494円です。
 会派に所属している議員は月額34万円の政務活動費も支給され、合わせると約1763万円になります。
 今回のボーナスアップ案は、議員の期末手当を夏冬合わせて5万9千円増額し、政務活動費を加えると約1768万円に増やそうというものです。

合併で議員の報酬や
政務活動費大幅増額

 大宮市と浦和市、与野市が合併してさいたま市になった当時、議員報酬は年間1058万円、政務活動費(当時は政務調査費)は240万円でした。
 しかし03年に政令指定都市になると「議員の報酬も大阪や名古屋並みに」と、翌04年に議員報酬を一挙に35%アップしようとしました。
 議員になる前だった私は、浦和の市役所前で3日間のハンガーストライキで抗議。全国的に報道されたことで、上げ幅を30%に抑えさせましたが、政務活動費は自民・公明・民主・共産などすべての会派が賛成して、7割もアップしました。
 05年に合併した岩槻の議員報酬は、月29万円から80万7500円へ2・8倍アップ、政務活動費は年間24万円から408万円へ17倍もアップしています。
 合併で住民にはメリットがないどころか、大宮住民にとっては予算を浦和に奪われ、住民の命を支える病院や警察署までも浦和との境に移されるなどデメリットばかりなのに、議員だけは合併で報酬も政務活動費も大幅に増額し、さっさと恩恵を受けているのです。

年末に可決されても
夏に遡ってアップ!?

 市長や副市長、教育長、市長特別秘書などの特別職や、市職員のボーナスも、一斉に上げようとしています。
 財政への影響額について、私は11月29日の本会議で確認しました。

吉田一郎 5年連続アップ前の14年度と比べて、議員の期末手当引き上げによる財政負担増はいくらか。
山崎総務局長 年収ベースで約2822万円。
吉田一郎 市長などの特別職の分の財政負担増は?
山崎総務局長 年収ベースで約416万6千円。
吉田一郎 職員給与の改定による財政負担増は?
山崎総務局長 市人事委員会の試算による各年度の影響額を合計すると、約23億9千円。【動画で見る】

 今回ボーナスアップが見送られた学校数職員は、4月に給与アップしています。それを含めると、議員、市長など特別職、職員、教職員の5年連続の給与やボーナスアップで、財政負担の増加は毎年38億円になることが明らかになりました。
 議会でボーナスアップ案の採決が行われるのは、12月議会最終日の21日です。
 もし可決されたとして、実施は来年のボーナスからと思いきや、すでに支給済みの冬のボーナスや、6月に支給された夏のボーナスの分も遡ってアップされ、1月に差額分を支給すると言います。
 こんなおかしなやり方は、民間では考えられません!

市議選が過ぎるまで
議員の分だけ凍結か

 来年4月には市議選が控えています。
 さいたま市議会では、現職が批判されないように市議選の直前に議員報酬などを引き下げ、選挙が終われば増額することが繰り返されてきました。
 11年の市議選では、直前の2月議会で議員報酬を10%、政務活動費を12%減額しましたが、2年後に元の金額に戻しました。
 15年の市議選では、2月議会で議員のボーナスアップが廃案になりましたが、選挙後の6月議会で可決。反対したのは私と川村準議員(無所属・南区)の2人だけでした。
 昨年の議員のボーナスアップでは、自民浦和派が「実施は19年春の市議選後まで延期しよう」と言い出しましたが、今回は他の会派も含めて、市民の目を欺くような姑息な動きが出るかも知れません。

 ボーナスアップで増える年収
    2013年  2017年   2018年案
 議 員   1313.6万円→   1354.5万円→   1360.4万円
    (会派所属議員は他に政務活動費408万円)
  市 長   1989.6万円→   2320.7万円→   2330.5万円
    (退職金は4年ごとに2904万円)
  副市長   1619.8万円→   1823.9万円→   1831.7万円

  ボーナス・給与改定で増える財政負担
      今回    14年度比
議 員  353万円   2822万円
市長等  54.8万円  416.6万円
職 員  1.8億円   23.9億円
教職員   ─     13.4億円
 (教職員は18年4月に給与アップ済み)

県から買った土地にアスベスト入り砂利
撤去費用1500万円は負担!?
 アスベスト(石綿)は断熱や絶縁に優れ、建築資材で盛んに使われていましたが、発ガン性などが問題になり、現在では製造禁止。古い建物を解体する時はアスベストの除去が慎重に行われています。
 10月に与野中央公園に敷かれていた再生砕石(解体した建築物の破片を再利用した人工の砂利)に、アスベストが含まれていたことがわかりました。
 この再生砕石はもともと埼玉県が07年に、部長第1公舎(南区)を解体した跡地に敷いたものです。10年に市が県から跡地を購入して別所中央公園をオープンしましたが、再生砕石は撤去して与野中央公園の整地に使用。今年2月議会で鳥海敏行議員(共産・浦和区)が「アスベストが含まれているという情報がある」と指摘したところ、市はその場で「検出されていない」と答弁していましたが、よく調査したら見つかったというものでした。
 11月6日のまちづくり委員会で、市は再生砕石を撤去し、最終処分場で処分すると報告しました。【関連動画】

吉田一郎 撤去費用はいくらかかるのか。
都市公園課長 1立方メートルあたり14~15万円で1500万円。
吉田一郎 「毒入りの石コロ」を販売した業者や、「毒入りの石コロ」をばら撒いた土地を市に売り渡した県に、その費用を一部請求できないのか。
都市公園課長 当時、市は目視でアスベストを確認できなかったので、請求は難しいと考えている。
吉田一郎 土地を買った人が確かめないのが悪いのか。請求が難しいのは法律で決まっているのか。
都市公園課長 法律を確認して、請求できるかどうかこれから確かめる。

 清水市長は12月議会で、再生砕石の撤去費用を含む補正予算案を提出しました。
 私は11月29日の本会議で、改めて問いただしたところ、市は「県から土地を購入した時に、目視や再生砕石の販売元への聞き取り、大気調査などでアスベストを確認できなかったので、その時点でアスベストがあったと立証するのが困難」だと、あくまで撤去費用1500万円は市が負担するとしています
 販売業者が「アスベスト?入ってないよ!」と言えば、実際には混入していても責任なしというのでは、再生砕石は怖くて使えません。
吉田一郎市政報告会 12月23日(日) 14:00~16:00 プラザノース第4セミナールーム(入場無料)
2018年12月特別号(2)
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●台風時の計画運休、帰宅困難者は駅で収容を
 9月30日に台風24号が上陸し、JR東日本では20時以降、首都圏各線を計画運休しました。
 市では市民会館おおみやに避難所を開設して、午後11時から午前0時にかけて、大宮駅から2人、さいたま新都心駅から21人の帰宅困難者を誘導して収容したと発表しました。
 しかし台風上陸による暴風雨が一番激しかった時間帯に、両駅から1km離れた市民会館まで帰宅困難者を移動させるという対応には疑問です。職員も大変なら避難者にも苦痛で、何より危険が伴います。
 震災のような突発的な鉄道の運休では、駅に大量の帰宅困難者が発生するため、市が近くの公共施設に避難所を開設して移動してもらうことが必要ですが、事前に発表された計画運休では、帰宅困難者は原則として駅構内に収容し、市はマットや毛布、水、食糧などの提供で協力するようにすべきだと、私は11月20日に「計画運休時の帰宅困難者への対策改善」を求める市民からの請願を提出しました。
 台風24号では、市民からの要望で浦和の常盤小学校に避難所を開設したものの、避難者はゼロでした。浸水が予想される地域ならともかく、それ以外の場所でも市民が電話1本すれば避難所を設置して職員が待機する必要があるのか、検証が必要です。

●宮原駅の地盤沈下解決&土呂駅の銅像キレイに
 宮原駅西口北側の階段前は地盤沈下が続き、補修してもしばらく経つと窪んでしまう状態でした。雨が降れば大きな水たまりと化し、私は6月21日に北区役所に応急措置と本格的な対策を申し入れましたが(18年9月号参照)、地下に産業廃棄物が埋まっていることがわかり、10月に撤去作業が完了。きれいに舗装し直されました。
 廃棄物はコンクリート片や木材で、80年代に宮原駅西口広場を整備した時に、埋められたようです。木材が徐々に腐って圧縮されたことが地盤沈下の原因でしたが、撤去が完了したことで今後は窪みになることはなさそうです。
 一方、土呂駅東口の幼い姉弟のブロンズ像が、土呂駅ができた35年前に設置されたまま放置が続き、酸性雨でボロボロになりかけていることを、私は6月13日の一般質問で指摘(18年7月号参照)。建設局長に「詳細に調査し、必要に応じて補修する」と答弁させましたが、11月にメンテナンスが完了し、赤錆やまだら模様はなくなりました。
 私は今後も駅頭活動で気が付いたことは、積極的に改善を働きかけていきます。

●市議会の議事録速報版を自主的に公開
 さいたま市議会の本会議や委員会(議案や請願が審議された時のみ)の議事録は、区役所や図書館で閲覧できるほか、市議会のHPでも公開されています。しかし公開されるのは3~4ヵ月後です。
 実は議員は数日後に「速報版」が閲覧できます。ただし非公式なものなので、誤字や脱字、テープ起こしの際の聞き取りミスなどがあります。9月6日の本会議では「速報版を市民にも公開を求める請願」が審議されました。実際に京都や神戸、札幌、福岡などでは「あくまで非公式の記録です」と断ったうえで速報版が市民にも公開されていますが、公開に賛成したのは私と川村準議員(無所属・南区)だけで、各政党・会派がこぞって反対し、否決されました。
 そこで私は9月議会から、委員会議事録の速報版をHPで自主的に公開することにしました。議会が市民に情報公開を拒むのなら、私が公開するまでです。私のHPは「やっぱり大宮市民の会」で検索してください。

産業道路
バイパス

渋滞解消の切り札!4年前に部分開通のはずが
一軒が移転拒み全通ウヤムヤに!?
 大宮駅周辺を南北に結ぶ道路は、旧中山道、産業道路、国道17号と、いずれも数十年来にわたって渋滞が深刻です。
 その解決策が、旧大宮市が策定した都市計画道路の産業道路バイパスです。
 北袋から天沼・堀の内を通ってサッカー場まで、産業道路の東側に4車線のバイパスを建設するという計画で、完成すれば大宮市街地を通過する車はこちらへまわり、中心部の渋滞解消につながります。
 昨年秋には大宮警察署が浦和との境の産業道路沿いに移転しました。北区で事件が発生した場合、パトカーが渋滞に巻き込まれて現場に到着するまで30分近くかかることもあります。
 4車線バイパス完成は、大宮北部住民の安全のためにも重要です。

移転交渉が難航の間に
国の財政難で補助減額

 市は07年度から用地買収に着手。14年度に北袋から天沼循環バス通りまで(天沼1工区)、19年度に東口駅前通りの旧道まで(天沼2工区)、24年度に旧16号まで(堀の内工区)を開通させる予定でした。
 しかし建設は大幅に遅れ、天沼1工区もまだ開通していません。
一体どうなっているのか、9月18日のまちづくり委員会で問いただしました。

吉田一郎 整備状況の目標と実績はいくらか。
道路計画課長 用地買収率は98%。用地買収に時間を要していた関係で、当初の予定より遅れているが、昨年度から工事に着手した。
吉田一郎 天沼2工区は?道路計画課長 15年度より用地買収を進め、17年度末で買収率27%。
吉田一郎 本来の目標は何%だったのか。
道路計画課長 予算の範囲内で進めていければと考えており、目標はない。

 天沼1工区の用地買収率は、昨年10月の決算審査で質問した時も98%で変わっていません。
 実は1軒の床屋が移転を拒み、用地買収ができないため、開通予定を4年過ぎても建設がストップしているのです。
 1工区の開通が遅れているので、2工区の着手も遅れ、市は19年度の開通予定を21年度に延期しましたが、その間に国の財政難でバイパス建設に対する補助金が減少。用地買収はスローペースになり、開通はさらに遅れること確実です。
 その先の堀の内工区は今年度から用地買収に着手するはずでしたが、メドすら立っていません。
 私は昨年10月6日の決算審査でサッカー場までの全通を要望し、道路計画課長に「堀の内工区の進捗を踏まえて、事業化を検討する」と答弁させましたが、これでは何年先になるか見当もつきません。
 今後は少子高齢化が進んで財政がますます厳しくなり、結局完成しないまま計画放棄と言うことにもなりかねません。

新病院に救急車入れず
強制収用で早期開通を

 たった1人の地権者が移転を拒んでいるために、道路整備が何十年も遅れている場所は、他にもあります。
 第二産業道路は30年以上前から4車線になりましたが、大和田北側で1軒が用地買収に応じず、東武野田線のガードも含めて約1㎞が2車線で残り、渋滞の原因になっていました(昨年買収に応じ4車線化)。
 旧中山道の高島屋~大栄橋は40年以上前に歩道が整備されましたが、一番街入口の八百屋が2年前まで移転に応じなかったため歩道が作れず、その北側は人通りが途絶えていました。
 そして加茂宮広路線(ステラタウンの4車線道路)も地権者が用地買収を拒否して、行き止まりの状態が続いています。

吉田一郎 加茂宮広路線の100㍍の用地買収はどうなっているのか。
土木部長 権利者に丁寧な説明や交渉に務めたい。
吉田一郎 20年間そうやって進んでいない。昨年は何回この家に行ったのか。
土木部長 訪問は1回。
吉田一郎 相手の反応は。
土木部長 意見を聞いたが、協力してもらえない状況。
吉田一郎 強制収用したらどうか。
土木部長 任意交渉で進めて努力していきたい。
吉田一郎 病院ができて救急車のルートになるのに、強制収用しない理由は。
土木部長 相手からもう少し時間を空けてくれと言う要望が出ている。

 日本国憲法では第29条3項に「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる」と規定されています。
 たった1人の地権者により何十年も道路整備が進まず、病院ができても救急車が、警察が移転してもパトカーが通れない状況では、強制収用を決断すべきです。
GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/
2018年12月特別号(3)
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吉野原駅
エレベーター設置は難航
まず段差の改善をと要望
 市ではニューシャトル各駅にエレベーターを設置していますが、唯一残っているのが吉野原駅です。
 ニューシャトルは新幹線の高架脇に線路やホームがありますが、吉野原駅は高架のすぐ横が道路なため、ホームや階段が空中に浮かんだ状態です。また国道16号バイパスを跨ぐ歩道橋に接続しているため、駅舎が中2階にあるなど、複雑な構造をしています。
 市では吉野原駅にもエレベーターを設置する方針ですが、進捗はどうなのか、9月18日のまちづくり委員会で問いただしました。

吉田一郎 吉野原駅はなぜエレベーターをつけられないのか。
交通政策課長 構造が複雑で、費用も非常にかかるので、国と協議して設置には至っていない状況。
吉田一郎 国と協議して構造的に無理だと判断したのか。それとも何とか方法はあってやるつもりなのか。
交通政策課長 国の職員に現地を見てもらい、まず周辺の駅も含めて利用の実態調査をすることになった。国と協議してできるかどうかも含めて検討を続ける。

 私は吉野原駅には3段、4段の細かな階段が多く、真ん中にスロープがあればベビーカーやシルバーカーを担がなくて済むことを指摘。バリアフリーが目的なら、一歩ずつ改善すべきだと提案したところ、執行部も「暫定的にできることがないか、実態調査をした上で、国と協議していきたい」と回答しました。
 エレベーターの設置が構造的に難航しても、複雑な段差の改善にはすぐに取り組むべきです。
   
空中に浮かぶ吉野原駅には細かな段差があちこちに

コミュニティサイクル
予想の(利用者) 2倍でも
大赤字が判明
  市は
もうやめたい…

 オレンジ色の小さな自転車に乗っている人が増えました。
 これは市が大宮区と北区、中央区で実施しているコミュニティサイクルで、駅や公共施設のポート(専用駐輪場)で借り、どこのポートで返しても構いません。
 料金は30分120円、1日600円で、もともと観光用を想定して始めましたが、1ヵ月2900円の定期利用は何回でも乗り降りできるので、駅のポートから自宅へ帰り、翌日駅に返却する通勤通学利用も少なくありません。
 市は昨年度のべ30万回の利用を想定していましたが、実際には58万4040回でした。しかし私が9月18日のまちづくり委員会で確認したところ、大赤字なことが判明しました。

吉田一郎 収支はどうか。
自転車まちづくり推進課長 昨年度は収入が2602・8万円、支出が4419・6万円で、マイナス1816・8万円。
吉田一郎 施設整備でいくらかかったのか。
自転車まちづくり推進課長 24ヵ所のポートの設置や自転車の購入で、今までに1億2722万3千円。
吉田一郎 予想の2倍近い利用者がいるのに、なぜ大赤字なのか。
自転車まちづくり推進課長 自転車の再配置を行う人件費がかかり、システム的に問題があると思っている。

 ポートAでは時間帯によって返す人が集中すると、満車になって自転車を返せなくなります。逆にポートBに自転車を返す人が少なければ、自転車が不足して借りられません。
 その場合、ポートAからBへトラックで自転車を運ぶ必要があります。
 赤字は運営を任せているコンサルタント会社等が負担していますが、赤字をカバーするために、15年度にニューシャトル各駅の市営駐輪場を有料化。コンサル会社に抱き合わせで運営を任せた経緯があります。
 市が投入した公費は回収できず、駅まで普通に自転車を利用していた北区住民に赤字を負担させた形です。

新たに提携の業者は
通勤通学利用困難に

 市はセブンイレブンを拠点にしている民間の「ハローサイクリング」と提携し、100ヵ所以上の公有地を無償で賃して、ポートを設置させると発表しました。

吉田一郎 ようするに市のコミュニティサイクルは、将来無くすということか。
自転車まちづくり推進課長 民間の技術が進んでいるので、できればそうしたい。

 「ハローサイクリング」の料金は15分60円、24時間千円ですが、主に観光や用務客が対象なので定期利用はなく、駅と自宅の通勤通学利用は事実上困難です。
 新たな市民の足として広がりつつあったものを観光用に戻し、市民が使うニューシャトル各駅の駐輪場は有料化されたままという迷走ぶりでは困ります。

ゼネコン倒産で
中学(新設)工事停止
東大成小の歴史紹介し
現実的な対応を提案

 浦和に本社があるゼネコン「エム・テック」が、253億円の負債を抱えて10月1日に民事再生法を申請。再建は困難だと破産手続きに入りました。
 エム・テックは浦和仲町小の増築工事と美園南中(緑区)の新築工事を、19年2月15日完成予定で他社と共同で請け負っています。エム・テック倒産後も他社は工事を継続する意向ですが、新たな工事計画の作成は遅れています。
 美園南中は美園中から分離して4月に開校する新しい中学校です。10月19日の全員協議会では、各会派が子どもたちのために開校を絶対遅らせないようにと追及し、教育委員会は「工事が間に合わなければ、プレハブ校舎の設置も準備する」と答弁していましたが、私は別の視点で提案しました。

吉田一郎 昭和30年代に私の母校の東大成小が植竹小から分離してできた時、学校は4月に開校したが、校舎は完成していなくて植竹小の校舎の一部を使い、9月に校舎が完成し現在の場所に移った。4月に美園南中の校舎完成が間に合わなかったら、美園中の校舎の一部を借りたらどうか。
久保田副教育長 過去に事例があったのは確かなので、検討していきたい。

 ゼネコンが倒産したので、教育委員会を追及しても工事は早くなりません。
 教育委員会は11月22日、美園南中は4月に開校するが、校舎完成は7月末になり、それまで1年生は美園小、2・3年生は美園中の校舎で授業を行うと発表。
 工事中の美園南中にプレハブ校舎を建てるのでは危険でしたが、結局私が例に挙げた「1つの校舎に2つの学校」という柔軟な対応を採ることになりました。

●立憲と自民浦和派が手を組み「議長おろし」
 6月議会から「議長おろし」の風が吹いています。新藤信夫議長(自民真政・大宮区)は、自民党内の「年功序列」で言えば2015年の市議選後に議長になるはずでしたが、「自民浦和派のドン」こと青羽健仁議員(自民・浦和区)の意向で「まず『調整』の経験を積んだ方がいい」と議会運営委員長に就任。桶本大輔議員(自民・南区)が先に議長になり、2年後に交代する「約束」があったとされています。
 桶本議長は17年春の市長選に出馬すると報道され、議員を辞職するかと思いきや、出馬を断念。「ドンの意向」で議長を続投したため、17年2月に新藤議員を含めた大宮・与野の自民党議員が、自民真政市議団を結成して分裂。清水与党に転じました。
 17年6月議会では、自民真政が清水与党の民進と組んで楠本議長の不信任案を提出。会期を10日間延長したうえで桶本議長は辞職し、新藤議員が議長に就きました。
 自民(浦和派)はその後「桶本前議長の仇討ち」とばかりに新藤議長の不信任案提出の機会を虎視眈々と狙っていましたが、今年6月議会では民進改め立憲国民が自分たらに議長を譲るよう突然要求。最終日の6月29日には立憲国民の議員が議長室に詰めかけて新藤議長に辞職を迫り、本会議が何時間もストップする事態になりました。
 結局、副議長に高野秀樹議員(立憲・岩槻区)が就いたことで、「議長おろし」はいったん終息しましたが、9月議会最終日の10月19日に再び勃発。
 18時45分頃に立憲国民が「本日の議事は19時15分までで終了すること」という謎の動議を提出して可決。続けて自民(浦和派)が新藤議長の問責決議案(=事実上の不信任案)を提出し、各会派が「どうするか相談する」となったところで19時15分になり、9月議会はそのまま「流れ解散」に。立憲国民と自民(浦和派)が手を組んで、新藤議長に再度辞職の圧力をかけた形になりました。
 来年4月には市議選があるので、仮に新藤議長が辞職しても新しい議長の任期は半年しかありません。それでも今期限りで引退や落選が予想される議員には「最後に花道を飾りたい」という野望があるのかも知れませんが、議会を混乱させるだけの「議長おろし」には呆れるばかりです。
『吉田一郎 市政レポート』のバックナンバーや、市議会での動画集が、インターネットでご覧になれます!
2018年12月特別号(4)
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大宮駅周辺
再開発計画

東口も西口も「机上の空論」で大渋滞に!?
利用者の実情考え見直しを要求しました 【関連動画】
 これまで浦和の開発ばかりが進められ、放置状態が続いていた大宮駅周辺。合併から17年経ってようやく再開発具体案の検討が始まりましたが、私はその内容が駅利用者のことを考えず、周辺の交通渋滞を劇的に悪化させる恐れがあることを発見。東口と西口の整備計画見直しを求める市民の請願を提出し、11月6日のまちづくり委員会で徹底追及しました。

駅前広場から一般車を排除し
南銀の奥に新たなロータリー

 市が7月に発表した大宮駅グランドセントラルステーション化構想(GS構想)では、東口広場の整備で4つの案を示しています。
 いずれも①駅前通りや広場に入れるのはバスとタクシーに限る、②一般車は旧中山道を通って高島屋南側の新しいロータリーに入る、③銀座通りは歩行者専用の「交流広場」にする…という内容で、バスやタクシーの乗り場の位置や、交流広場の規模が異なるだけです。
 現在、一般車用のロータリーは交番横にあり、駅のエレベーターが目の前なので、高齢者や障害者の送迎には適しています。
 しかしGS構想では、ロータリーは高島屋南側(南銀のカラオケ館付近)に設置され、南銀入口に建つ再開発ビルの中を通らないと駅に行けません。
 高齢化社会を迎える中で、利便性が逆行しています。

銀座通りも封鎖して
旧中山道に車が集中

 大宮駅から宮原や大和田方面に向かうタクシーは、渋滞する旧中山道を避けるため、銀座通りを経由して大栄橋交差点に出ています。
 しかしGS構想では、銀座通りは「交流広場になって、車は通れなくなります。
 さらに一般車が駅前通りに入れず、旧中山道から高島屋南側のロータリーに入るとなれば、旧中に車が集中し、マヒしてしまいます。

吉田一郎 駅前通りを通る車は、バス・タクシー・一般車それぞれ1日何台か。
東日本交流拠点整備課長 12時間で2938台。そのうちバスは569台、タクシー984台。一般車は算出していない。
吉田一郎 将来的に大宮駅東口を大々的に整備していくと、駅に送迎などをする一般車はどのくらい増えると想定して、4つのパターンを作ったのか。

 市は答弁することができず、東口にマイカーが現在何台来ていて、それが何台に増えるのかを全く計算しないまま、ロータリーを設計しようとしていたことが明らかになりました。

吉田一郎 新幹線の巨大ターミナルなら、新幹線に乗る社長を大宮駅まで送ったり、重要なお客さんを大宮駅まで出迎える需要もあるはずだ。東京、大阪、名古屋など新幹線のターミナル駅で、一般車が駅前広場に入れない駅はあるのか。
東日本交流拠点整備課長 把握できていない。
吉田一郎 旧中山道は一日中渋滞しているが、一般車がみんないったん旧中に入って高島屋の南側のロータリーに行くのなら、渋滞対策はどう考えているのか。
東日本交流拠点整備課長 今後シュミレーションを実施して渋滞対策に効果的な整備路線を検討する。
吉田一郎 10年前に銀座通りを北行きの一方通行にする実験をやったら、旧中山道が大渋滞して、実験を中止したことがある。
東日本交流拠点整備課長 その件は把握していない。旧中山道の地下を利用した道路整備や、大栄橋を含む旧16号の拡幅が混雑緩和に有効だと推計している。
吉田一郎 地下道路なんて何十年先にできるかわからないのに、先にロータリーだけ南に移して旧中を渋滞させるのか。
東日本交流拠点整備課長 今後、検討を進めていく中で、市民の皆さんにご迷惑がかからない方策をとる。
吉田一郎 では、旧中の渋滞悪化が懸念されるとなれば、ロータリー案の見直しもあると理解していいか。
東日本交流拠点整備課長 この4つのパターンは発端と言うか基本的な考え方で、まだ検討を進めているところなので、当然ながら市民の皆さんに負担がかかるような広場を作るという考えでは進めていない。

大宮駅の渋滞緩和は
線路上の北口建設で

 GS構想では「中心部へのマイカー乗り入れを抑制するため」として、大宮の街外れに大規模な立体駐車場を建設し、大宮駅周辺までシャトルバスで送迎する案も掲げています。
 私は11月29日の本会議で「高齢者を駅まで送迎できず、シャトルバスに乗り換えさせたら負担になる」「新幹線で来る重要な顧客を大宮駅まで出迎えできず、『シャトルバスに乗って××駐車場に来てください』と案内させるつもりか」と指摘。学者が机上の空論で考えたマイカー抑制策を批判し、再開発にあたっては、東口広場に一般車も乗り入れるスペースを確保するよう強く要求しました。
 東口周辺の渋滞を抜本的に解決するには、やはり大宮駅と大栄橋の間の線路上空に北口広場を建設し、大宮駅の玄関口を増やすしかありません。

桜木町交差点から駅への道を封鎖
旧16号の一部4車線化で代替ルート確保を【関連動画】
 桜木町交差点から大宮駅西口に向かう斜めの道があります。大宮駅に向かう一般車やタクシーは、ほとんどがこの道を通っています。
 市は桜木町交差点の東側(大宮駅西口第3A-D地区)で再開発準備を進め、21年度に着工の予定です。
 完成後は29階建てのオフィス棟と住宅棟が建ち、斜めの道は閉鎖されて歩行者通路になります。
 市は再開発後、桜木町交差点から駅へ向かう車は国道17号を南へ行き、再開発南側の市道に入ればいいと言っていますが、幅8㍍のクネクネした路地です。
 それより旧16号を東へ行き、再開発東側に新設される幅16㍍の桜木1号線に入って駅へ向かうのが現実的です。
 しかし旧16号は桜木町交差点付近が拡幅されるものの、桜木1号線との交差点付近は拡幅されず、右折レーンが作れません。
 一方で、旧16号に沿って「まちなかプレイス」と称する空地が設置されます。
 それならこの空地を利用して、桜木町交差点から桜木1号線まで旧16号を4車線に拡幅すべきだと追及しました。

吉田一郎 再開発区域は旧16号に沿って建物を建てず、広場にするのか。
西口まちづくり事務所長 西口にオープンスペースがないので、広場を作って安心安全な生活を確保する。
吉田一郎 ソニックシティの前に鐘塚公園があり、イベントをやっている。
西口まちづくり事務所長 鐘塚公園は公園で、ここの広場は再開発の高度利用や社会貢献の意味合い。
吉田一郎 東口のGS構想で、大栄橋を含む旧16号の拡幅という話が出ていたが、将来ここを道路用地にする可能性はあるのか。
西口まちづくり事務所長 そのようなことはない。
吉田一郎 先ほど東口側は旧16号の拡幅が必要になると答弁していたが、西口側はあくまで拒否するのか。
西口まちづくり事務所長 現在はそういう考えはないが、総合的な観点で判断していく。

 東口と西口の担当部署で、道路整備の計画が食い違っているのは、あまりにお粗末です。
 現状でも市内有数の渋滞スポットである桜木町交差点をこれ以上悪化させないためにも、再開発と同時に駅へ向かうきちんとした道路を確保すべきです。
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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