2018年9月特別号 (1)
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大宮駅東口
公共施設を統廃合して跡地は売却!?
大宮市民の血税で購入した土地は市民の為の施設を
大宮駅東口周辺の公共施設 さいたま市は、浦和では中央図書館や市民活動サポートセンター、国際交流センター、コミュニティセンター、子ども家庭総合センターなど、市民が集う公共施設を次々建設しました。
 一方で、大宮駅東口では大宮図書館を3割縮小して大宮区役所と一緒にしたり、市民会館を中央デパート跡地の再開発ビルに移すなど、公共施設の移転・統廃合を進めています。
 では公共施設の跡地はどうなるのでしょう?相川前市政はかつて大宮市が購入した下町庁舎や富士重工跡地の一部を売却しました。
 清水市政は「大宮駅東口公共施設再編/公共施設跡地活用全体方針案」を策定しましたが、同じように売却するつもりなのか、6月15日のまちづくり委員会で徹底追及しました。

吉田一郎 いま公共用地として使っている土地を、売却することはないと確認してよいか。
大宮駅東口まちづくり事務所長 その可能性については全く否定しないが、ないものと考えている。
吉田一郎 どっちかわからない答弁だ。
大宮駅東口まちづくり事務所長 3つのエリア(大宮区役所、図書館、市民会館の跡地)に、東日本の交流拠点としてどういった機能がふさわしいかを今年度議論し、そういう機能は必要ないと最終的になったら、売却の選択もあるが、今の時点では3つのエリアでまちづくりを進めていく思い。
吉田一郎 売却は今のところないにしても、公共施設の跡地を、民間ホテルや産業誘致のための企業交流センターに貸すとか、市民の財産である土地が、市民の役には立たないものに化ける恐れはあるのか。
大宮駅東口まちづくり事務所長 ご指摘の「何にするのだ」ということを、これからしっかり議論します。
吉田一郎 もともと大宮市民が日常的に使う公共施設を建てるために、歴代数十年の大宮市民が納めてきた血税で買った土地だ。それを「企業同士の交流の場」とかに使うのでは、市民は理解できない。公共施設の再編は、あくまで市民が使える施設を建てることを第一に考えるべきだ。
大宮駅東口まちづくり事務所長 今までの公共施設としての経緯を承知した上で、今後のまちづくりのための使い方や、具体的な機能について、皆様の意見も頂戴しながら決めていきたい。

 浦和には市民の施設
 大宮には企業の施設

 清水市政が策定した「全体方針案」では、大宮駅周辺の公共施設跡地は、「東日本各地域との連携」や「民間が主体となることも含めた公民連携」の場所としての活用を掲げています。
 16年6月議会では、大宮市が市民生活を充実させる複合文化施設を建設するために、旧国鉄から240億円で購入した市営桜木駐車場を、清水市政はオリンピックを口実に「外国人観光客誘致のためのホテル」へ無償で貸そうとしていた計画が発覚。
 私が「大宮市民1人あたり5万8000円もの血税で購入した一等地を、ホテルにタダで貸すつもりか!? と猛然と抗議し、頓挫させたこともあります。
 大宮市なら、大宮駅周辺の公共用地は、大宮市民全体が使う公共施設のために活用したはずです。
 しかしさいたま市になってから、大宮駅周辺の公共施設を統廃合して、跡地は企業向け施設に売り払い、浦和や岩槻の開発のための資金にし、大宮住民が中核的な公共施設を使うには「浦和まで行け」というのでは、まさに合併の弊害に他なりません。

 どこでも自由に乗り降りできて
 乗合タクシーをもっと便利に!

 さいたま市ではコミュニティバスの他、乗合タクシーを運行しています。
 昨年8月からは見沼区や北区で、みぬま号(東大宮駅~彩の国東大宮メディカルセンター~土呂駅)とカワセミ号(見沼区役所~大和田駅~日大前)の実証運行を始めました。
 乗合タクシーは1年間の実証運行で収支率が40%(経費100円に対して収入40円)以上を達成した場合は、本格運行として継続されます。
 6月18日のまちづくり委員会で1日の乗客数を問いただしたところ、みぬま号は62人で収支率56・8%、カワセミ号は20人で19・1%でした。

吉田一郎 みぬま号は東大宮から満員になり、続行便を出すこともある。1時間1本の運行だが、朝の通院時間に増便する必要がある。
都市計画部長 現在の利用状況は非常に順調だが、増やすことは今考えてない。
吉田一郎 みぬま号もカワセミ号も同じタクシー会社(見沼交通)に運行を委託している。カワセミ号は収支目標の半分以下の乗客しかいないのだから、その車をみぬま号に回して病院行きを増やしたらどうか。
都市計画部長 地域公共交通協議会に現状を報告して、その中で検討されると思う。

 乗客の数に応じて本数を増減するのは、民間なら当たり前です。

 幹線道路を除いては
 フリー乗降を原則に

 乗合タクシーの運賃は300円で、バスより高額ですが、ルートが決まっていて停留所でしか乗り降りできないのはバスと同じです。
 私はタクシーらしく利用できるように提案しました。

吉田一郎 路線は決まっていても、どこでも乗り降りできるフリー乗降区間を設定したらどうか。
交通政策課長 みぬま号もカワセミ号も地元と協議して停留所を設定した。今後運行する岩槻の並木・加倉では、地元がフリーで乗降したいと求めてきたので、フリー乗降区間を設定した。
吉田一郎 住民は素人なので、フリー乗降区間なんて制度は知らない。市の側から「こうすれば便利になり、利用者が増えますよ」と言うべきではないか。
交通政策課長 地元の方にフリー乗降区間の話がきちんと伝わっていない可能性もあるので、話はする。
吉田一郎 幹線道路は別にしても、裏道で自由に乗り降りできたら利用者が格段に増える可能性はあるし、運賃が高いという不満も変わるのでは。他の路線でも市が積極的に提案すべきだ。
交通政策課長 警察との協議も必要で、安全性も十分踏まえ協議していきたい。

 みぬま号は土呂駅東口を出ると、北区内では病院の中と市民の森にしか停留所はありません。
 どこでも自由に乗り降りできれば、普段は徒歩や自転車で土呂駅へ行く地元住民も、大雨や雪の日は乗合タクシーを利用することができます。
 今後新たに乗り合いタクシーを運行する地区でも、幹線道路以外は「どこでも乗り降り自由」を原則にして、住民の利便性向上を図るべきです。
吉田一郎市政報告会 9月17日(祝) 14:00~16:00 プラザノース第3セミナールーム(入場無料)
2018年9月特別号(2)
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議員特権
アメリカへ1人63万円で海外視察
入札行わずに、あえて9万円高いルートを手配 【関連動画】

 1人と提案しておいて
 2人参加の立憲を追及

 「議員特権の1つ」と言われているのが、公費を使った海外視察です。今年は7月に姉妹都市である米・ピッツバーグへの視察が実施されました。
 4月23日の議会運営委員会理事会では参加人数が協議され、立憲国民は「各会派1人ずつに」と言い、自民(浦和派)は「姉妹都市締結20周年だから、参加者を増やすべきだ」と主張。
私は「人数を増やすのは良いが、公費は議長だけで、他の参加者は自費で行くべきだ」と提案しました。
 6月13日の本会議で海外視察の日程や費用、参加メンバーが審議されましたが、新藤信夫議長(自民真政・大宮区)を含めて、自民、自民真政、立憲国民から2人ずつ、計6人が公費で行くという内容でした。
 私は参加者代表の添野ふみ子議員(立憲国民・浦和区)に問いただしました。

吉田一郎 立憲国民は「各会派1人ずつ」と提案していたのに、なぜ2人参加することになったのか。人選の基準は何か。
添野議員 各会派が参加者を推薦した。立憲国民は会派の判断で2人になった。
吉田一郎 「1人ずつ」と主張していたはずだ。
添野議員 会派の中で、適任者が2人いた。
吉田一郎 じゃあ、なぜ1人に絞らなかったのか。
添野議員 4月から時間が経過する中で、2人という判断になった。

 かつて民主党(現在は立憲)の議員は、選挙で海外視察を批判していたのに、当選したら半年も経たずに政務活動費を使ってヨーロッパへ視察に行くという「不祥事」を起こしました。
 今回も「各会派1人ずつ」と提案しながら、実際には2人参加させるのでは、節操がありません。

 なぜ高いシカゴ経由か
 かつて「グルメ視察」も

 議会で審議されたピッツバーグ視察の日程は、7月23日午前に羽田を出発し、シカゴ経由で同日夜にピッツバーグへ到着。帰りは27日午前にピッツバーグを出発し、シカゴ経由で28日午後に成田へ到着するという内容で、費用は1人あたり63万円、6人で計378万円です。
 しかし私が航空運賃を調べたところ、シカゴ経由と比べてトロント(カナダ)経由だと1人往復3万円、ダラス経由だと9万4千円も安く行けることが判明しました。
 私は6月13日の本会議で、地方自治法施行令によれば100万円以上の購入の際には、必ず入札を行うことが規定されているのに、実際には入札を行わずに旅行会社を選定し、議会で可決される前に運賃が高いシカゴ経由の航空券を手配していた問題を指摘。
 シカゴと言えば、かつて民主党の議員が政務活動費147万円を使って海外視察を行った際に、900gの巨大なTボーンステーキやイタリア料理など、「グルメ三昧」を繰り広げた場所ですが、「なぜ今回あえて運賃が高いシカゴ経由にするのかが不透明だ」と、海外視察に反対しました。
 姉妹都市の訪問は「外交儀礼」として必要でしょうが、公費を使う参加者は議長、もしくは現地の事情や語学に精通した議員に限定すべきです。
 また航空券の手配や旅行会社の選定は、できるだけ費用を抑えられる方法で行うべきです。

 議会としての海外視察とその費用
  (随行職員分は含まず)
●2011年11月15~19日 中国・鄭州
  (費用202万3700円)
 【自民】中島、野口、関根、帆足 【公明】小森谷
 【民主】阪本 【改革】村松
●2011年12月24~28日 ラオス・ビエンチャン
  (費用22万0690円)
 【自民】中山
●2012年4月24~26日 韓国・水原
  (費用97万7340円)
 【自民】中山、加藤、関根、新藤 【公明】井上
 【民主】池田 【改革】細沼
●2013年10月28~11月4日 米・ピッツバーグ
  (費用556万0590円)
 【自民】萩原、青羽、桶本、島崎 【公明】井上 【改革】野呂
●2014年8月3~8日 米・リッチモンド
  (費用356万2500円)
 【自民】鶴崎、江原、渋谷 【民主】小川 【改革】細沼
●2014年10月26~11月1日 メキシコ・トルーカ
  (費用174万4189円)
 【自民】武笠、高子 【民主】小柳
●2015年5月29~31日 韓国・水原
  (費用14万4150円)
 【自民】桶本 (関根、萩原、江原=自民と吉田は自費で参加)
●2017年11月14~17日 中国・鄭州
  (費用83万7515円)
 【自民真政】鶴崎 【公明】井上 【民進】神崎

     政務調査費を使った海外視察
   会派  参加者  視察先  目 的  使用金額
 07年度  自民  福島  仏、伊  浦和駅の拠点作り、見沼田圃活用  110,710
   民主  池田、三神  独、仏  男女共同参画と少子化対策  732,000
 08年度  自民  (未提出)  米  物流拠点の企業活動と五輪誘致  362,780
   民主  三神  独  (記載なし)  85,500
   民主  (4人)  米  子ども政策  1,474,140
 09年度  民主  添野、土井  英  明大青山ゼミ中心の視察  343,635
 11年度  共産除く各会派9人   ラオス  中山議長の視察(上の表)に同行  1,635,030
 12年度  民主  (4人)  韓国  多文化共生施設  334504

宮原・土呂の始発電車をもっと早く
JRと積極交渉するよう提案しました
 大宮駅までの京浜東北線は、朝4時半から深夜1時過ぎまで走っていますが、大宮駅から先の東北本線や高崎線は始発が遅く、終電は早くなっています。
 終電は昔よりは遅くなり、終電が出た後は深夜バスが走るようになりましたが、始発電車の時刻は長年変わっていません。
 例えば宮原駅の上り始発は、71年のダイヤで5時50分、現在は5時45分で、47年間経っても5分しか早くなっていません。
 土呂や宮原では始発電車から座れないほど混んでいます。そこで私は6月18日のまちづくり委員会で、始発の繰り上げに市が取り組むよう提案しました。

吉田一郎 東北本線や高崎線は始発が遅い。土呂駅5時50分、宮原駅5時45分だ。京浜東北線は4時30分からあるのに、始発電車を早くするようJRに要望すべきだ。
都市計画部長 東北本線、高崎線については朝夕の通勤通学時間帯の増発・増結を、埼玉県が取りまとめている鉄道整備要望で毎年要望している。
吉田一郎 始発電車の繰り上げはなぜ難しいのか。
都市計画部長 貨物列車が早朝・深夜の時間帯を中心に運行しており、その合間を縫って線路設備のメンテナンス作業を行っているので、電車を早く走らせるのは難しいと認識している。
吉田一郎 新幹線ができる前は、朝4時台や5時台に夜行の旅客列車がいっぱい走っていたが、今では全部なくなっている。小金井や籠原は5時頃に出ているが、それが土呂や宮原に着くのは6時近くになっている。古河折り返しや鴻巣までの電車もあったのだから、古河や鴻巣始発の電車を作ってもらえば、土呂や宮原には5時半頃に着くのではないか。
都市計画部長 JRは旅客の利用状況も注視しながら検討していくというので、粘り強く要望活動をしていきたい。
吉田一郎 ニューシャトルの始発も、加茂宮5時48分で遅い。
都市計画部長 ニューシャトルの始発繰り上げは、埼玉県が取りまとめている鉄道整備要望で継続して要望している。
吉田一郎 ニューシャトルはさいたま市が株主だから、株主として言うべきだ。
都市計画部長 さいたま市も株主で、社長と直接話をする機会もあるので、取締役会や連絡会などで、始発繰り上げについて社長に直接話をする。

 始発の前に大宮駅まで
 早朝パスで足の確保を

 東武バスは大宮から上尾まで深夜バスを走らせ、高崎線の終電が出た後には、多くの利用者がいます。
 新京成バスや西東京バスでは、深夜バスの他に早朝バスも運行しています。
 これは始発電車が走る前に、ターミナル駅までバスで行けるというものです。

吉田一郎 大宮発4時30分や4時50分の京浜東北線に間に合うように、上尾~宮原~大宮の早朝バス運行を要望したらどうか。
都市計画部長 バス会社と協議の場を設けているので、吉田委員の指摘のような可能性について、どういう見解を示すか聞いてみたい。

 大宮駅からは朝4時30分に羽田空港行き、4時50分に成田空港行きのバスも出ています。早朝に大宮駅へ向かう交通手段の確保のために、市は東武バスとの交渉を積極的に進めるべきです。
GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/
2018年9月特別号(3)
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大宮駅東口公衆トイレ
トイレの個室を犠牲に階段設置
4500万円かけた屋上利用は年に1回!?
 昨年5月、大宮駅東口の市営駐輪場の一角に、新しい公衆トイレ「OMテラス」がオープンしました。
利用されないトイレ屋上 私は2月議会で、男子用個室が1つしかないことを批判。旧トイレの使用再開を求める市民からの請願を提出しましたが、女子トイレも個室が3つしかなく、順番待ちの行列ができることがしばしばです。
 1日に75万人が利用する巨大ターミナルの大宮駅前で、なぜ個室の少ないトイレを作ったのでしょう?
 これは建設にあたって、建築家や地元商店街などが6回の意見交換会を開催した結果、屋上にイベントスペースを追加。新たに階段を設けるためにトイレのスペースが縮小したからです。
 トイレを犠牲にしてまで作った屋上スペースの利用状況について、私は6月18日のまちづくり委員会で質問しました。

吉田一郎 OMテラスの建設費と、屋上を作って追加された費用は?
都心整備部長 建設費の総額は1億1700万円。屋上設置により増加した費用は、階段や手すり、エレベ一夕ーなどで4500万円。
吉田一郎 倍近くに膨らんだのか。今年5月までの屋上の利用実績は?
都心整備部長 これまでの実績は1団体で、14日間。
吉田一郎 4500万円も税金を余分に使って屋上を作り、利用はたった1団体か。なぜこんな少ないのか。
都心整備部長 いま試験的にやっているので、今後周知をして利用を増やしていきたい。

 トイレの屋上を借りる料金は、電気代や夜間の監視委託料込みで、1日目は3万7240円、2日目以降は3万2920円です。
 屋上には屋根がなく、雨が降ればびしょ濡れで、夏は炎天下に晒されベンチは高温で座れないほどです。

吉田一郎 復興支援で14日間物販をやり、福島の食べ物などを売ったらしいが、一般的な発想として、トイレの2階にわざわざ上がって食べる気はしない。
都心整備部長 人それぞれの考え方があると思う。
吉田一郎 1日3万数千円も利用料を取るのなら、40~50万円売り上げがないと元が取れない。利用状況を増やすために、せめて料金を見直したらどうか。
都心整備部長 屋上テラスは現在、試験運用だが、今後の本格運用に際しては、料金も含めて整理したい。

 外国人向け無料WiFi
 海外のスマホで使えず

 OMテラスには、スマホでインターネットが利用できる無料WiFiも設置されています。

吉田一郎 無料WiFiは何のために設置したのか。
大宮駅東口まちづくり事務所長 これからオリンピックを控え、外国人のWiFi利用が一つの肝になると思って設置した。
吉田一郎 外国の空港などで無料WiFiを使う時は、その場で簡単に接続できるが、OMテラスのWiFiは事前にアプリをダウンロードしなくてはならない。日本でauやソフトバンクなどと契約していない外国人は、どうやってダウンロードするのか。
大宮駅東口まちづくり事務所長 その件につきましては、今後の課題とさせて頂きます。
吉田一郎 「外国人のため」と言いながら、外国人が事実上使えない。これは大至急改善してほしい。

 その後、市が改めて調べたところ、WiFiを管理するNTTの設定ミスだったことが判明。
 7月には海外のスマホでもWiFiが使用できるようになりました。

 一体誰の為のトイレ?
 抜け落ちた利用者視点

 OMテラスは「新しいまちのあり方を建築によって示した」として、グッドデザイン賞を受賞しました。
 しかし、公衆トイレの建設は、あくまでトイレを使いたい人たちのためです。
 外部の建築家や地元商店街の人たちは、大宮駅前で公衆トイレを使いません。肝心な利用者の視点がまったく抜け落ちてしまったのです。
 建築家の名声のために、多額の税金を使って利用者にとって不便なトイレを建設するのでは本末転倒です。
 閉鎖された旧トイレも使用再開して、大宮駅前のトイレ不足を緩和すべきです。

大宮国際中等教育学校
授業料は無償でも
海外研修に35万円

低所得層への減免を要望
 来年春、市立大宮西高が中高一貫の大宮国際中等教育学校に生まれ変わります。
 2年生で語学研修、4年生ではフィールドワーク(現地調査)で、全員が海外へ行きますが、費用はどうなるのか、私は6月7日の本会議で質問しました。

吉田一郎 市立高校の授業料は、市町村税の所得割額が30万4200円未満の世帯は無償だが、大宮国際でも同じか。
久保田副教育長 後期課程(4~6年生=高校に相当)の生徒も、同様に授業料無償の対象になる。
吉田一郎 アメリカでのフィールドワークが必修だが、低所得世帯の生徒には、授業料のように免除や割引は考えていないのか。
久保田副教育長 今のところ考えていない。【動画で見る】

 私は2月20日の文教委員会でも質問し、その時はフィールドワークの費用は25~35万円の範囲と答えていましたが、入学説明会では35万円になりました。
 入学後に親の年収が大幅に減ることだってあります。海外留学が自由参加なら「経済的に厳しいので行かない」という選択もできますが、全員必修なら転校せざるを得なくなります。
 低所得世帯の生徒のための海外費用の減免制度や奨学金の創設を、開校までに整えるべきです。

●宮原駅西口の地盤沈下、産廃撤去で解決へ
 宮原駅西口の北側の階段前は地盤沈下が進み、雨が降ると大きな水たまりができていました。これまでもアスファルトで窪みを埋めたことがありますが、数年後には再び地盤沈下が進むという繰り返しでした。
 私は6月21日に、宮原駅西口の北階段前で『市政レポート』を配布しましたが、雨上がりの日で水たまりがあり、駅利用者が困っている光景を目撃。
水たまりの状況を写真撮影し、その日に北区役所へ応急措置と本格的な対策を要望しました。
 7月上旬に窪みはアスファルトで埋められましたが、本格対策に向けて調査した結果、地下に大量の産業廃棄物が埋まっていたことが判明。長い年月で産廃の圧縮が進んでいることで、地盤沈下が止まらないことがわかりました。
 産廃の撤去には大掛かりな工事が必要ですが、来年春までに予算を確保して撤去を行い、周りと同じようなタイルで綺麗に舗装し直すことが決定。工事が済めば今後、地盤沈下は起きないはずです。
 宮原駅西口の北側階段では、昨年も鳩が階段の照明部分に巣を作り、出入りする鳩が駅利用者の頭上スレスレを飛んで危険な状況を目撃。北区役所に対策を要望して鳩よけのネットを張ってもらいました。
今後も駅頭活動で気が付いたことはどんどん改善を求めていきます。
埋められた窪み 鳩除けのネット
 埋められた窪み(左)と鳩除けのネット(右)

●大宮公園体育館の建替えと住民への開放を
 大宮公園の旧ボート池向かいに体育館があります。ここは県の施設で団体利用しかできません。
 県は老朽化を理由に閉鎖を検討していますが、それならば市は県に活用を申し入れるべきだと、私は6月13日の一般質問で提案しました。

吉田一郎 大宮公園体育館を県は閉鎖すると言っているが、放っておくのか。老朽化したなら市は県と共同で建替え、団体専用ではなく市民も使える体育館にすべきだと思うが、県に要望を出さないのか。
蓬田スポーツ文化局長 県の行財政改革プログラムで廃止を含め検討中と聞いているが、県から協議の要請がなく、市としては検討していない。
吉田一郎 県が閉鎖すると決めても、市は要望するつもりはないのか。
蓬田スポーツ文化局長 県が今後の方針を検討している段階なので、市が要望する予定はない。【動画で見る】

 3年前に浦和の県立図書館が老朽化を理由に閉鎖されました。私は13年2月議会で「市は県に県立図書館の存続を強く要望してほしい」という浦和住民の請願を提出しましたが、清水市長は「県の意向を尊重する」と要望せずに放置しました。
 一方で、同時に閉鎖される計画だった久喜の県立図書館は、地元自治体の強い要望で県は耐震化工事を実施し、存続が決まりました。
 大宮公園体育館も県が閉鎖を最終決定する前に、市は地域住民の健康作りの拠点施設として活用できるよう、積極的に提案し交渉すべきです。
『吉田一郎 市政レポート』のバックナンバーや、市議会での動画集が、インターネットでご覧になれます!
2018年9月特別号(4)
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浦和美園~岩槻
地下鉄建設促進

707億円もの予算投じて効果ほとんどなし
観光客は大幅減少、岩槻は人口も減

 清水市政は岩槻に地下鉄を建設しようとしていますが、採算予測は「開通しても大赤字」です。
そこで「採算がとれる」という結果を出すために、浦和美園や岩槻に予算を集中投入して人口や観光客を増やそうとしていますが、私の追及で過去7年間に707億円もの血税を投じながら、ほとんど効果は上がらなかったことが判明。それでも引き続き試算すらできないほどの莫大な公費を投じようとしています。


 岩槻まちづくリブラン
 使った金額を把握せず

 市では岩槻での都市開発や、人形博物館やにぎわい交流館などの箱物建設、道路整備、観光振興、イベント開催を進めるために、「岩槻まちづくりアクションプラン」を策定しています。
 14年度からの第1期プランに7事業を新たに加え、18年度から3ヵ年の第2期では、岩槻で32の事業を展開するという内容です。
 私は6月15日のまちづくり委員会で質問しました。

吉田一郎 アクションプランとは行動を起こすという意味だと思うが、第2期のプランを実現するのに、およそいくらかかるのか。
岩槻まちづくり事務所長 部局に跨るため、全体の事業費は把握していない。
吉田一郎 予算を把握しないでプランを作るのはおかしいと思う。じゃあ都市局関連の事業ではいくら見込んでいるのか。
岩槻まちづくり事務所長 うちの事務所で所管している事業では、18年度は岩槻歴史街道事業で1300万円、岩槻駅西口土地区画整理事業は4億1400万円。
吉田一郎 都市局の事業は他にもいくつかあるはずだ。
岩槻まちづくり事務所長 他の課については説明を控えさせていただく。
吉田一郎 第1期は他の部局も含めていくら使ったのか。決算は出ているはずだ。
岩槻まちづくり事務所長 すみません。そちらも把握していない状況です。
吉田一郎 ふつう企業なら、これまで第1期でいくら使い、どんな成果を得られたかの費用対効果によって、第2期はこれを拡大しようとか、これは効果がなかったから予算を他にまわそうとか修正するはずだ。
岩槻まちづくり事務所長 個別の予算ごとの関係もあるので、うちでは把握していない状況です。
吉田一郎 ようするに、使ったお金や予算については、各部局から全然報告がなかったということか。
岩槻まちづくり事務所長 すみません。そういう把握はしていません。

これまで使った金額や費用対効果をまったく調べず、今後いくらかかるのかも考えずに、岩槻で32もの事業を推し進め、予算を集中投入する清水市政のやり方は、常識はずれです。

 浦和美園人口倍増計画
 何百億必要か試算せす

 清水市政は浦和美園~岩槻に地下鉄を建設しようとしていますが、採算性の調査結果は国の基準(B/C=費用対効果1以上)を下回り、着工の目途はたっていません。 そこで12年度から「浦和美園~岩槻地域成長・発展プラン」を策定し、43の方策に予算を集中投入して沿線開発や箱物建設を推し進めています。
 6月22日の広域的交通ネットワーク特別委員会では、プランを改定して22年度までの新たな目標を設定。引き続き浦和美園や岩槻に予算を集中する計画が発表されました。

吉田一郎 22年度までに目標を達成するには、いくら予算がかかるのか。
東部地域鉄道戦略部副参事 そこまでの試算は算定していない。
吉田一郎 これまでいくら予算がかかったのか。
東部地域鉄道戦略部副参事 12年度から18年度までで総額約707億円。
吉田一郎 707億円もかけたのに、岩槻区の人口は減っている。浦和美園も5千人しか増えていない。では定住人口や交流人口の増加1人あたり、いくらかかったのか。
東部地域鉄道戦略部副参事 すみません、計算していません。

浦和美園の人口がいくら増えても、地下鉄利用者の大部分は東京方面へ向かう人で、岩槻への地下鉄利用者は増えません。
 岩槻区の人口は、浦和美園周辺を除くと、11年度から17年度の間に2千人以上減少しています。
 観光客やイベント参加者などの交流人口は、いくら予算をつぎ込んだところで天候に左右され、17年度は大きく減少しています。
 これまでに707億円もの血税を投じながら、地下鉄の採算性向上のためにはほとんど成果を上げていません。
 それにもかかわらず、22年度までに岩槻駅周辺の人口を5割、浦和美園の人口を2倍以上にするために、引き続き巨額の予算を投入し続け、さらに浦和美園に誘致しようとしている順天堂大学病院からは、建物建築や医療機器購入、救急診療などに多額の補助金を要求されています。
 860億円と見込んでいる地下鉄建設費を大幅に上回る金額を、着工前に使ってしまう清水市政のやり方は、税金をドブに捨てるようなものです。

 浦和の次は岩槻に集中
 大宮は「金のなる木」

 17年前の合併以来、さいたま市は浦和に予算を集中してきました。市街地再開発予算の累計総額は、大宮が52億円に対して、浦和は湘南新宿ライン停車のための高架化やホーム新設に投じた税金を合わせると1027億円で、20倍近い格差がついています。
 このうえ岩槻と浦和美園に予算を集中し続けるのなら、私たちの街・大宮の発展は永久に不可能です。

    浦和美園~岩槻地域成長・発展プランの費用対効果
     11年度  17年度  22年度目標
 浦和美園  定住人口  4135人→  9654人→  2万2000人
   交流人口  42.4万人→  36.1万人→  45万人
 岩槻駅周辺  定住人口  (非公表)→  1.2万人→  1.8万人
   交流人口  45.1万人→  42.3万人→  63万人
 投入予算額    707億円  (未定)

大宮と与野を犠牲にして人口減らせば…
許せない!地下鉄推進「悪魔の計画」
 新たに地下鉄を建設するには、国の採算基準(開通後30年以内に黒字転換)を満たす必要があります。しかし市が専門家を集めて行った調査では、B/C(費用対効果、1以上が黒字)は0.7~0.9で、いずれも国の基準は満たせないという結果でした。
 今年3月に市は新たな採算予測を発表。従来通りの方法の試算ではB/Cが0.8でしたが、岩槻と浦和美園の中間駅の開発も大胆に進め、浦和美園以南で東川口と鳩ヶ谷にしか停車しない快速電車を運行すれば、B/Cは1.1になり、「国の採算基準を満たせるかも知れない」という試算結果でした。
 しかしこの試算は、①快速電車の通過で電車が1時間あたり2~3本減ってしまう川口市の同意は得ていない。②岩槻駅で野田線との地下連絡通路を建設するというが東武の合意は得ていない。③日本人の歩行速度がアップして、岩槻駅で野田線から乗換える客が1日1900人増え1万0500人になる。④東武鉄道が中期経営計画で本格的な実施を発表した野田線と伊勢崎線の直通運転実施(吉田プラン)は想定していない…という、都合が良い勝手な条件で計算したものです。
 私は6月22日の広域的交通ネットワーク特別委員会で、試算の不十分さを追及しました。

吉田一郎 さいたま市は「大宮駅グランドセントラルステーション化構想」で、J Rと東武野田線の乗換えを改善するために、新しい東西連絡通路を駅の北側に作ると発表している。そのことは盛り込まないで試算したのか。
東部地域鉄道戦略部副参事 試算の中には盛り込んでいないが、これから考えていく感じ。
吉田一郎 日本人の歩行速度がアップして岩槻駅での乗換え時間が短縮されるから地下鉄の採算性が上がったと言うが、大宮駅でJ Rと野田線の乗換え時間が短くなれば、地下鉄の採算性は悪くなると理解していいか。
東部地域鉄道戦略部副参事 現段階では良くなるか悪くなるかはお答えできません。すみません。

 地下鉄の採算が国の基準を上回るには、岩槻~浦和美園で1日2万8800人の乗客が必要です。しかし市がこの区間で年間3040万円をかけて走らせている快速バスは、1日わずか76人の乗客しかいません。
 中間駅周辺の開発に、いったいいくら税金を投じる必要があるのかも、まったく不明なままです。
 今回の試算では、浦和美園や岩槻に加えて中間駅にも開発予算を集中すれば、2030年の岩槻の人口は従来の予想よりも5000人増加、浦和は3000人増加しますが、その一方で大宮の人口は7000人減少、与野も2000人減少するという見通しが明らかになりました。
 怪しげな試算で無理やり「採算がとれるかも」と見せかけた岩槻への地下鉄建設を強行するために、大宮や与野を犠牲にしてまで、岩槻や浦和美園に予算を集中させることは、絶対に許せません!
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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