2022年11月特別号 (1)
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ゴミ処理場の統廃合で
大宮中心部に収集車を殺到させるな
「大宮西部のゴミは浦和へ」と提案し実現へ
 大宮の家庭から出るごみは西部(指扇)と東部(七里)の環境センターで処理しています。市は401億円を投じて東部をサーマルエネルギーセンターとして建替え、25年度に西部を廃止する予定です。私は大宮西部のゴミ収集車が中心街を横断して渋滞を悪化させないよう追及を続け、9月議会では大宮西部のゴミはできるだけ浦和西部に運ぶよう提案。市は「高崎線を越えない」ように収集エリアを全市的に見直すと応じました。
 かつて浦和では、ゴミ処理施設は大崎(緑区)1か所で、浦和西部の収集車が市街地を横断していました。
 そこでさいたま市は浦和の渋滞緩和のためにと、建設費289億円をかけて、西浦和に桜環境センターを15年に開設しました
 しかし大宮では、ゴミ処理施設を1つに統廃合し、ゴミ収集車の通過で市街地の渋滞を悪化させてしまうのでは許せません!
 私は18年9月議会で、収集車を大栄橋に集中させるなと追及。市は「大成ガード(自衛隊通り)や大成第二ガード(指扇宮ヶ谷塔線)、吉敷町ガードも利用する」と答弁しました。
 しかし自衛隊通りも指扇宮ヶ谷塔線も七里には抜けられず、収集車は旧中山道を南下することになって渋滞が悪化してしまいます。

 収集車の原則を確認
 「高崎線を越えない」


 私はことあるごとにゴミ収集ルートの見直しと大宮の東西道路整備を訴えましたが、今年9月20日の市民生活委員会では、大宮西部のゴミをできるだけ浦和西部へ運ぶよう提案しました。

吉田一郎 西部環境センターが3年後に閉鎖になったら、大宮西部のゴミをどこへ持っていくのか。大栄橋など大宮の中心街に収集車が殺到するのは絶対にやめて欲しいとこれまでさんざ言って来た。宮原や日進は東大宮バイパスを通ってサーマルエネルギーセンターへ行くだろうが、指扇や三橋のゴミは新大宮バイパスを通って桜環境センターへ持っていくべきだ。
資源環境推進部長 収集エリア検討部会を今年設置し、委員ご指摘の例えば大栄橋に集中するとかそういったことがないよう視野に入れて検討していきたい。
吉田一郎 大栄橋を通らなくても、大成ガードや大成第二ガードを通れば収集車が旧中山道に殺到する。
資源環境推進部長 委員ご指摘のように「高崎線を越えない」が1つのポイントになると思う。大成ガードに集中することがないよう全体的に考えていきたい。
吉田一郎 例えば岩槻のゴミをサーマルに持って行き、桜環境センターが担当している浦和のゴミを大崎に一部運んで、大宮西部のゴミを桜環境センターにも回すとか、そういった形で全市的に割り振っていくと理解していいのか。
資源環境推進部長 検討部会の中でご指摘のような方向性も含めて検討してまいります。

 西部環境センターに搬入しているゴミ収集車は1日189台です。これらの収集車が大宮の市街地を通り抜けて渋滞が悪化しないよう、私は今後も具体的な提案を続けていきます。

縦割り行政弊害を打破
病院跡地の隣接地に公園整備を提案
児童センター植竹公民館の
跡地売却が見直しに
 さいたま北部医療センターの跡地について、北区自治会連合会は①体育館を含む運動施設、②植竹公民館や植竹児童センターの建替え、③多目的広場などの要望書を提出していました。
 市は①と②は受け入れても多目的広場の設置は拒否し、半分以上を民間企業に利用させるため9月議会に事業者選定委員会の設置を提案。現在の植竹公民館と児童センターの土地は売却の予定だと発表しました。
 公民館と児童センターの跡地を隣接する盆栽西公園と合わせれば、大きな公園か多目的広場が作れます。
 私は市が過去10年間に新設した公園のリストの公開を要求したところ、浦和区9か所、南区8か所に対して北区は1か所だけと判明。10月7日の決算特別委員会で、公園整備を担当する都市局を追及しました。

吉田一郎 なぜ浦和区や南区は公園がどんどん増えているのに、大宮特に北区は増えないのか。「浦和優先の公園整備」だ。
都市公園課長 北区は区画整理事業で生み出された公園が適正に配置されている。
吉田一郎 北区の中でも日進や宮原、大砂土は公園が整備されているが、植竹地区には大きな公園はない。
都市公園課長 北区の中でも地域差があることは認識している。
吉田一郎 公民館と児童センターの跡地は売却すると言うが、都市局が手を挙げて盆栽西公園と合わせれば、それなりの公園や多目的広場が作れる。
都市公園課長 付近に大きな公園は少ないかなと思うが、小さな公園は充足しているので拡張の予定はない。

 自治会連合会の要望書
 公園担当部署に届かず

 その後の調査で北区自治会連合会が提出した多目的広場などを求める要望書は、病院の跡地利用を進めるスポーツ文化局には届いていても、都市局には届いていなかったことが判明。
 17日の総括質疑で縦割り行政の弊害を指摘し、再び公園建設を提案しました。

吉田一郎 病院跡地に多目的広場を作らないのなら、植竹公民館と児童センターの跡地に公園を作ったらどうか。スポーツ文化局と都市局が連携するべきだ。
高橋副市長 公民館と児童センターの跡地は公共施設マネジメント計画により、コストを抑えるため現在は売却を想定しているが、庁内各部局での有効活用が図れるよう慎重に進めていく。
吉田一郎 北区自治会連合会という地元の総意とも言える要望も踏まえて考えるべきだ。
高橋副市長 地元の声も届いているし、未利用地は行政での使用が最優先となる。

 植竹公民館と児童センターの跡地は、「売却ありき」の方針を改めさせることができました。今後も地元の声が実現できるよう、監視や追及を続けます。
吉田一郎市政報告会 12月10日(土) 10:00~12:00 市民会館おおみや(中央デパート跡地) 6階集会室4(入場無料)
2022年11月特別号(2)
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大宮東口だけ市が独自処理
下水はすべて「県にお任せ」を提案し実現へ
毎年1・5億円、改築費126億円が節約に

 さいたま市の下水は大部分を県の下水処理場(戸田と三郷)で処理していますが、大宮には芝川沿いに独自の下水処理場があり、大宮東口の一部地域の下水はここで処理しています。私が10月の決算審査で確認したところ、老朽化した施設の改築に今後126億円が必要なことが判明。大宮の下水処理場は閉鎖して、コスト削減を図ることを提案しました。
 かつて大宮市は豊かな財政をもとに、県内でいち早く53年から下水道の整備を始め、独自の下水処理場を建設しました。
 一方で埼玉県は72年に戸田に下水処理場を建設し、上尾から川口までの下水をまとめて処理する荒川左岸南部流域下水道を開始。83年には三郷に中川流域下水道の処理場が完成し、岩槻や浦和美園はこちらを利用しています。
 現在さいたま市は112万人が戸田の処理場を利用し、大宮の処理場を利用するのは宮町、大門町、東町、高鼻町、堀の内、天沼の1万1300人に過ぎません。
 市は昨年度、戸田処理場の負担金として県に57億6775万円を支払いましたが、大宮の処理場の運営経費は3億1691万円で、1%の下水処理に5%以上の経費を使っています。
 私は10月7日の決算特別委員会で、大宮の下水処理場を廃止して県に一本化することを、下水道担当の建設局に提案しました。

吉田一郎 県の流域下水道に全部変えた場合、コストは何が増えるのか。
下水道維持管理課長 維持管理の負担金が1億7000万円増える。
吉田一郎 今後も下水処理センターを残したら、修繕にいくら見込まれるのか。
下水道維持管理課長 建物の改築に126億円かかると試算している。
吉田一郎 下水処理センターを廃止すれば毎年1・5億円浮くうえに、126億円を使わずに済む。早急に県に一本化すべきだ。
下水道維持管理課長 委員仰せの通りできるだけ早く廃止した方がいいと我々も思っている。

 隣のし尿処理場も
 廃止し公園拡大を


 下水道がない地域からバキュームカーで集めたし尿は、下水処理センター隣の南部浄化センターと、浦和のクリーンセンター西堀で処理しています。
 環境局はし尿処理場を大宮に一本化することを計画。来年度から50億円かけて南部浄化センターの長寿命化工事を始める予定です。
 一方で都市局は、2つの処理場の北側で、防災拠点を兼ねたセントラルパークを建設するため今年度から用地買収に着手。将来的には処理場を含めた南側にも、セントラルパークを拡大する構想を持っています。
 建設局と環境局、都市局がバラバラな計画を進めている現状に対して、私は10月17日の総括質疑で提案しました。

吉田一郎 下水処理センターの廃止とともに、し尿処理場も南部浄化センターを廃止して西堀に一本化し、2つの処理場の跡地にセントラルパークを拡げられるよう、建設局と環境局、都市局が縦割り行政の弊害を排して連携すべきだ。
小川副市長 これらの事業はそれぞれ関係していることから、下水処理を県の流域下水道に編入した場合の跡地のあり方について、関係部局で調整を図りたい。

 下水処理場を廃止しても隣接するし尿処理場を残すのではチグハグです。
 南部浄化センターの長寿命化は中止して、セントラルパークの整備を優先して進めるべきです。

  日曜にケガや
  火傷したら!?
さいたま北部医療センター
 での休日診療科目に

外科の追加を提案
 大宮休日夜間急患センター(さいたま北部医療センター)では、内科の夜間診療や小児科のオールナイト診療の他に、病院が閉まっている休日に内科・小児科・耳鼻科・眼科の診療を実施し、大宮医師会の医師が交替で担当しています。
 私は外科の休日診療も必要だと、10月6日の決算特別委員会で提案しました。

吉田一郎 土日にケガや火傷をする人もいると思う。外科も加えるべきだ。
地域医療課長 現在外科は考えていない。家庭で対処して翌日以降受診するか、必要に応じて救急車を。
吉田一郎 外科は耳鼻科や眼科より必要性が薄いと言う認識なのか。
地域医療課長 外科は対応できる疾患が限られるので救急病院が対応することにしたと聞いているが、医師会や医療機関と連携しながら必要な体制を整備できるように取り組んでいきたい。

 外科の休日当番医は、さいたま北部医療センターや大宮中央総合病院、市民医療センター、指扇病院、西大宮病院、双愛病院、自治医大などが交替で実施していますが、どこの病院が当番なのか事前に調べて、電話で確認しなくてはなりません。
 さいたま北部医療センターに医師を派遣する仕組みも整えるべきです。

身近な支所で生活相談ができるように提案
 さいたま市には区役所のほか、支所や市民の窓口が19か所あり、北区には宮原と日進に支所があります。
 近年ではマイナンバーカードを使えばコンビニで住民票や戸籍、印鑑証明が取得できるようになり、手数料も安いため(住民票や印鑑証明は区役所・支所300円に対し、コンビニは200円)、宮原支所の利用者は過去5年間で21.0%減少、日進支所は23.8%も減りました。
 かつて銀行の支店には預金を引き出す窓口がたくさん並んでいましたが、ATMの普及で窓口は減り、運用相談などのブースがメインになりました。
 現在の支所では証明書の交付や市税、国保など取り扱う業務が限られていますが、相談業務を中心に変えていくべきだと9月20日の市民生活委員会で提案しました。

吉田一郎 支所では介護保険の手続きは取り扱っていないが、今後は介護認定などの行政相談や生活相談など新しい業務に変えていくべきではないか。
区政推進部長 証明書交付件数の減少や電子申請の普及などで、支所の業務を変化させることも考えられるため、委員ご提案の相談業務の役割を持たせることも含め、支所の役割やあり方について研究していく。
吉田一郎 証明書をもらうならカウンターで十分だが、生活相談などもやるなら周りに聞こえないようにブースの中で座って相談できるよう構造も変えるべきだ。
区政推進部長 建て替えの際に相談業務についてどうあるべきか研究していく。

 住民票の交付経費はコンビニ226円に対して、区役所や支所の窓口では2407円もかかっています。今後はコンビニ交付を積極的に進めるとともに、支所には市民の身近な相談窓口としての役割も持たせるべきです。

 議員は「エロ動画」を販売しないで
 議会でガイドライン制定を審議へ

 来春の市議選に向けてさまざまな新人候補予定者が活動を始めていますが、立憲民主党公認の新人女性が、男性を性的に興奮させることを目的とした映像(DVDや動画配信)を現在も30本近く販売していることが判明。
 10月20日の市民生活委員会では、人権政策・男女共同参画課は「『性の商品化』は問題がある」「そのような女性には、自己がかけがえない個人であることの意識を養う教育や啓発が必要」という認識を明らかにしました。
 市民からはもし議員になった場合には映像販売を続けないようにガイドラインの制定を求める請願が提出され、12月議会で審議されます。
 どんな職業の人でも選挙に出る権利は保障されなくてはなりませんが、公認する政党には「党としてのモラル」が求められるはずです。
 公職に就く者の映像作品の販売に
ガイドラインの制定を求める請願
〈請願の趣旨〉
 議員という公職に就く者が痴漢行為等の犯罪を誘発しかねない映像作品を販売することがないよう、さいたま市議会は選管に確認しながらガイドラインを制定してください。

〈請願の理由〉
 来春の市議会議員選挙に向けて各政党が相次いで立候補予定者を発表しています。立憲民主党も立候補予定者となる現職市議や新人の市政担当政務委員を発表しました。
 北区の新人女性のうち1人は「タレント」としてこれまで数多くのDVD等の映像作品に出演していますが、そのほとんどが男性を性的に興奮させるための作品で、複数の男性に胸を揉ませたり腎部を触らせるなど女性として見るに耐えない内容が含まれており、現在も販売中です。
 25歳以上で日本国籍を有し市内に居住しているのであれば、いかなる者でも被選挙権は保障されなくてはなりませんが、もし当選して議員という公職に就いた場合、自ら「性の商品化」を行い痴漢行為等の犯罪を誘発しかねない映像作品を販売し続けることは道義的に許されないことだと思います。
 そこでさいたま市議会として、被選挙権の制限には抵触しないよう選挙管理委員会に確認しながら、議員が痴漢行為等の犯罪を誘発しかねない映像作品を販売することがないようガイドラインを制定してください。
 以上、地方自治法第124条の規定により、請願します。
           
 (参考資料)
2022年11月特別号(3)
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救急車
消防車

「コロナウイルスを除菌」「車イスごと救助」
宣伝文句に踊らされ高額車両を次々購入

 オゾン発生する救急車 
 除菌効果はまだ未検証

 9月議会では救急車3台を1億0758万円で更新する議案が審議されました。コロナウイルスを除去するためのオゾンを発生する空気清浄機付きだと言います。
 私は9月16日の市民生活委員会で確認しました。

吉田一郎 なんかウサンくさい。オゾンでウイルスを除去できるかは、科学的に実証されているのか。
警防課長 検証の詳しいデータはない。
吉田一郎 この空気清浄機を付けなければ、救急車はいくらで買えるのか。
警防課長 今回の新たなオゾンを発生させる空気清浄機の原価は1台37万円。

 オゾンには殺菌効果がありますが、人体に有害とも言われています。狭い車内にオゾンが充満したら、患者や救急隊員の健康を脅かしかねません。
 持ち運びのできるオゾン発生器なら1万数千円で購入できます。各消防署に1台備えて出動から戻った救急車を除菌すれば十分です。
 
 浦和優先の道路整備で
 最新車両通行に黄信号

 ベンツ製の先端屈折式はしご付消防車を1億7600万円で購入する議案も審議されました。はしごは30㍍で先端の籠は前が開き、車イスをそのまま載せて救助できると言います。

吉田一郎 ビルの窓やベランダからどうやって車イスごと救助するのか。
警防課長 状況を見てからの判断になると思う。
吉田一郎 ベランダには手すりやボードがあるが、電動カッターで切り取って車イスのまま救助するのか。かえって時間がかかる。
警防課長 速やかに救助することを優先するので、車イスのまま救助するよりは抱きかかえてバスケットに乗せると思う。

 このはしご車は北消防署に配備される予定です。北区で一番大規模なマンションは宮原駅西口にあるパークシティさいたま北です。

吉田一郎 ここで火事が起きた場合、北消防署からどうやって行くのか。
警防課長 17号もしくは旧中で宮原駅方面に向かう。
吉田一郎 このはしご車はかなり高いが、踏切を通れるのか?その先も道が狭いが路地を曲がれるのか。
警防課長 踏切も使おうと思えば使えるが、安全を取って新大宮バイパスから行くことも考えられる。

 実際には北消防署から17号を北上しても新大宮バイパスには入れません。
 「コロナウイルスを除菌できる救急車」「車イス対応のはしご車」という宣伝文句に乗せられて、実用面が疑わしい高額車両の購入に飛びつくのには疑問です。
 私は日進・宮原はさいたま市の副都心なのに、道路整備を放置し続ける「浦和優先」の都市基盤整備の現状も批判して反対しました。

 吉田一郎が反対した議案 
■一般会計補正予算(6) 障害者・高齢者施設の職員に週2回抗原検査昇実施。無症状の感染者の場合、抗原検査では6割が「陰性」と出てアテになりません。9月から感染者の全数登録が見直されて買い物外出が自由になり、入国者の検査が廃止されるなど、コロナの「インフルエンザ並み対応」が進む中、施設に入居する障害者や高齢者の家族との面会は緩和すべきでしょう。
■一般会計補正予算(7) 20年度に担当職員の人件費を含めると8億7274万円を使い「国際芸術祭」を開催しましたが、来年もほぼ同額の予算を使って開催。イベントに大金を注ぐやり方には反対です。
■一般会計補正予算(8) 照明、空調、冷蔵庫などを省エネ機器に買い替えた中小企業の補助に、6月議会で1億5千万円を支出したのに、申し込みが多いからと5億円を追加。一方で、一般家庭の省エネ機器買い替えに対する補助は拒否。
■一般会計及び特別会計決算 《4面参照》
■水道事業決算■下水道事業決算 さいたま市の水道料金は県内で12番目、下水道料金は9番目に高い一方で、生活保護で上下水道代が支給されている受給者の料金を無料にし、2億6260万円の減収。これでは市民1人あたり200円を余分に負担させられているようなものです。
■病院事業会計決算 《3面参照》
■さいたま北部医療センター跡地利活用事業者選定委員会の設置 《1面参照》
■市営馬宮住宅解体請負工事 建て替えで216戸から120戸に減少。低所得者向けの市営住宅はむしろ増やすべきです。
■尖端屈折式はしご付消防車の購入■救急車の購入 《3面参照》
■各選挙区から選挙すべき議員の数に関する決議 
来春の市議選に向けて区ごとの定数をどうするか、「選挙後に考えるかも」では意味がありません。

●市立病院の治療費未払いに「硬軟両様」の提案
 決算の審査で私は市立病院の治療費未払いのデータを公開させたところ、17年度の628件3651万円から21年度は1097件5216万円へ1.43倍に激増していたことが判明。10月11日の決算特別委員会で問いただしました。

吉田一郎 なぜ未払いがすごい勢いで増えているのか。
医事課長 
病院の収益が増加した分、未収金も増加した。
吉田一郎 
患者の数が4割も増えたのか。
医事課長 
コロナによる景気低迷の影響もある。
吉田一郎 
コロナ前の19年度まででも毎年増えている。
医事課長 
それ以外にも患者さんの事情もある。
吉田一郎 患
者さんの事情もあるだろうが回収する側の姿勢もあるはずだ。昨年度は248件936万円の治療費が回収できず債権放棄になったが、死亡や破産を除いた95%は5年間回収できずに時効を迎えている。なぜか。
医事課長 
督促状や催告状を郵送したり、電話で支払いのお願いをしているが、郵便が返送されたり電話がつながらなくなり時効を迎えてしまった。

 治療費が未払いになっても手紙や電話で催促するだけで、年間1000万円近くが踏み倒されている実情はあまりにお粗末です。
 私は17日の委員会で「民間の病院と違って市立病院なら、病気で働けず支払い能力がない人には社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度を案内したり、場合によっては生活保護を案内したりもすべきだ」と提案するとともに、支払い能力があるのに払わない人に対しては、市営住宅の家賃滞納のケースと同じように、市は支払いを求めて裁判に訴えることも提案しました。
2022年11月特別号(4)
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 2021年度 清水決算 
無駄を指摘し(巨額な税金の)
吉田一郎は反対
10月22日の本会議で述べた反対理由(抜粋)
●ウケ狙いの記念碑や赤字垂れ流しの箱物はいらない
 清水市政は東京五輪に人件費込みで4年間に20億6905万円を使いました。聖火リレーのゴール地点となる新都心公園に、ウケ狙いでリレー開催前に記念碑を建てようと8000万円を計上していましたが、私が「万が一、聖火リレーが中止になったら爆破するのか!?」と迫ったところ、記念碑の建設は見合わせになりました。
 結局聖火リレーは本市では中止となり、かわりに新都心公園に387人を集めてセレブレーション(祝賀会)を開催し、酒樽並みの小さな記念碑を385万円で建てました。当初よりだいぶ安くなったとはいえ、やってもいない聖火リレーの記念碑は建てるべきではありません。
 建設費10億3405万円をかけた大宮盆栽美術館は、「盆栽村を訪れる新たな観光客が年間15~20万人増える」という触れ込みでオープンしましたが、小中学校の社会科見学や視察、講座出席者などを除いた入館者数は昨年度1万5237人で、1億5405万円の赤字を出しました。開館以来の累積赤字は17億9182万円に達し、5億円で購入した展示品の盆栽は評価額6560万円分が枯れています。
 清水市長は続けて総額42億3000万円をかけて岩槻人形博物館を建設しましたが、昨年度の入館者数は2万9254人で目標の7万4000人には到底及ばず、来場者による経済効果は市の大本営発表でも6000万円に過ぎません。その一方で、収入534万円に対して人件費を含む経費は2億0407万円で、盆栽美術館を上回る1億9872万円もの赤字を出しています。収蔵品の人形5000点のうち「岩槻の人形」は10点に過ぎず、購入時からボロボロの状態で修復作業が続いています。
 赤字を垂れ流すうえに、盆栽は枯れるわ人形はボロボロだわの箱物施設は思い切って閉鎖をすべきです。

●再開発や公民連携の失敗を繰り返すな
 4月にオープンした中央デパート跡地の再開発ビル「大宮門街」は、491億円もの公費を投じたにも関わらず、テナントの多くは賑わいとは無縁なクリニックが占め、旧中に面した1階は銀行や郵便局で土日や夜間は閉店してしまい、人通りが少ない「ブラックホール」と化しています。オープンを待ち望んでいた大宮住民の間からは「大型店は誘致しなかったのか」「JRのエキュートの方がよっぽど個性的な店が集まっている」と失望の声が渦巻いています。多額の補助金を出す以上、そのテナント選定は再開発組合の目先の利害に任せるのでなく、大宮のためになるのか住民のためになるのか、市がしっかりと主導権を握るべきであり、「大宮門街」の失敗は今後の再開発の教訓とすべきです。
「大宮門街」に移転した市民会館おおみやは、搬入用エレベーターが小さすぎる致命的な欠陥のため大道具を運び込むのに支障があり、18年8月の文教委員会では「大規模な演劇やオペラを誘致しようと言う観点では作っていないのか」という追及に対し、文化部長は「企業利用も想定してのこと」と開き直る始末です。
 利用料金は浦和駅前のコミュニティセンターに比べて2~5倍で、市は浦和のコミセンは市民が利用するための施設なので光熱費程度の徴収に留め、大宮の市民会館は企業利用を想定した料金にしたという、まさに「浦和におらずば市民にあらず」の姿勢は断じて容認することができません。市民会館おおみやはその名の通り市民のための施設として料金も設定し直すべきです。
 「浦和優先」の相川前市長は中央図書館や市民活動サポートセンター、国際交流センター、浦和コミュニティセンターなど市民のための施設を浦和に集中建設した一方で、清水市長は大宮の公共施設や市有地を片っ端から企業に使わせようとしています。
 大宮区役所と大宮図書館を統廃合した後に、昨年12月に旧大宮図書館を丸ごと戸田建設に貸してオープンした「Bibli」は、1日平均500人足らずの来場者しかない閑散ぶりで1階のテナントは半年足らずで逃げ出した店もあり、2階の貸オフィスは12室のうちいまだ5室しか埋まらず、公民連携の失敗例です。戸田建設との10年契約を短縮し、旧大宮図書館は隣接する市立博物館の一部にし、市民のための施設として活用すべきです。

●「地下鉄は地震に強い」のウソ宣伝はやめるべき
 沿線開発を含めると3000億円と言われる岩槻への地下鉄延伸ですが、建設費は最終的にいくらになるのかわかりません。開業後は毎年膨大な赤字負担が加わります。
 清水市政は東日本大震災時に埼玉高速鉄道が早く運転を再開したことを例に挙げ、「地下鉄は地震に強い」とアピールしていますが、浦和美園から岩槻までは地上に高架で建設するので当てはまりません。また震源が遠く離れた宮城だった東日本大震災とは異なり、直下型の阪神淡路大震災では復旧まで最も時間を要したのは神戸高速鉄道=地下鉄で、トンネルが陥没したために運転再開まで7か月もかかっています。
 決算審査でそれらの点を問いただすと、未来都市推進部は「そういった点も含めて国と協議しているところ」と曖昧な答弁を繰り返すだけです。それなら「地下鉄は地震に強い」などと宣伝すべきではありません。
 岩槻から東京都心への利便性向上は、まず大宮駅の京浜東北線階段横の改札口を早急に復活させるべきであり、私が9年前の市長選挙で「吉田プラン」として掲げ、その後東武鉄道が中期経営計画に盛り込んだ東武野田線と伊勢崎線の直通運転に市は全面的に協力することによって実現すべきです。
 財政破綻を招く岩槻への地下鉄建設は、今こそきっぱり断念すべきです。

統一教会系
機関誌購読

議員2人が政務活動費を返還
ズサンな会計士のチェック体制
 自民大宮派の議員2人が昨年度、政務活動費で統一教会系機関誌を正規の購読料より高値で購入していました(前号参照)
 私は川村準議員(無所属・南区)や市民2人とともに政務活動費を市に返還するよう求めて住民監査請求を提出しましたが、9月27日に2人は「しっかりと調査して購入すべきだった。不信感をあおる結果となり、申し訳なく思う」と市に計7万2千円を返還しました。
 政務活動費の使い方を巡っては、私は毎年のように住民監査請求を提出していますが、20年1月にも問題を指摘した民主改革の議員3人が計4743円を返還しています。
 さいたま市議会では年間605万円を会計事務所に払って、政務活動費が適正に使われているか領収書などをチェックしています。
 それなのに毎年のように不正や不適切な使用が見つかり、返還する議員が続いているのはどういうことかと、9月30日の決算特別委員会で追及しました。

吉田一郎 過去に返還があった時も同じ会計事務所か。
秘書総務課長 
業務委託は07年度から始めたが、15年度からは一般競争入札で同じ業者にお願いしている。
吉田一郎 
領収書を調べても、ちゃんと調査をやらないから住民監査請求を出されて返すハメになっている。委託料を減額したり、入札に参加させないなどのペナルティはないのか。
秘書総務課長 
昨年度は契約が適正に履行されたかの完了検査も実施済みで、履行状況は適正だと判断した。契約規則や地方自治法で入札参加の制限は難しい。
吉田一郎 
適正ではなく確認がおろそかだから、議員は書類を修正してお金を返したのではないのか。
秘書総務課長 
確認は職員と委託業者がダブルでチェックしたが、今回は見落としがあった。

 議員に自浄能力がなく、チェックもズサンな体制なら、不正の温床=政務活動費は廃止すべきです。

●保養施設で男性従業員が女湯入浴の「悪習」を追及
 市内の小中学生は舘岩自然の家で自然の教室(林間学校)を行っていますが、舘岩は今年4月から中規模修繕工事で2年間閉鎖されているため、同じ南会津町の市の保養施設「ホテル南郷」を使用しています。
 7月にある小学校が利用した際、女子児童が入浴する前に女子教員が女湯を点検したところ、男性従業員が入浴していた事件が起きました。学校では帰校後に保護者会を開き、現場に居合わせた児童1人1人へのケアを行いましたが、ホテル南郷の指定管理を行っている業者からは市の担当部署に報告がなく、保護者から手紙を頂いた私が知人を通じて市に問い合わせ、担当部署は3週間後に事件を知ったという状況でした。
 一体どういうことなのか、9月20日の市民生活委員会で追及しました。

吉田一郎 女湯に男性従業員が入っていたら事件だ。
市民生活部長 
その男性従業員は午前中に浴場清掃を、午後に草刈りをした後、浴場を利用した。
吉田一郎 
従業員が作業後に汗を流すのは当然だが、女湯に男の従業員が入るのは問題ではないか。
市民生活部長 
女湯に入ったではなく、清掃した場所に入ったものと認識している。
吉田一郎 おかしな性的嗜好の男が、これから女性が入って来る浴場に入る事件も含めて問題はないのか。
市民生活部長 
改善が必要な事案だとは捉えている。

 ホテル南郷は08年から市の直営に代わって南会津町の第三セクターが運営するようになり、「食事が美味しくなった」と評価されていました。
 今回の事件でダレた体質が露呈した形になりましたが、過疎地のため事実上他の業者に変えるわけにはいきません。市は指定管理者に具体的な再発防止策を求めるとともに、現地訪問の増加などを通じてチェック機能を強化することになりましたが、子どもたちや市民が安心して利用できるよう指導を徹底すべきです。
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。
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