このままでは 大宮が危ない
浦和がこれだけ賑わったのは、さいたま市が予算を集中投入したからです。湘南新宿ライン停車のための立体高架化やホーム新設などに投じた税金475億円を加えると、さいたま市は浦和駅周辺の再開発に1000億円以上の予算を投じています。 中央図書館や市民活動サポートセンター、国際交流センターなど、市内に1つしかない中核的な公共施設を浦和駅東口に集中して建設し、浦和コミュニティセンターも開設。市民の文化・交流の中心地になっています。17年には子ども総合センターも浦和区に設置されました。 一方で大宮駅周辺は放置されています。東口では大型店の撤退が相次ぎ、パチンコ屋になりました。地元商店も呑み屋に変わり、東口全体の「南銀化」が進んでいます。買い物客が減少して、銀座通りの歩行者は10年間で3割減少、駅前通りは7割も減りました。 公共施設は充実するどころか、統廃合が進められています。清水市政は大宮区役所と大宮図書館を統廃合して、19年5月に街外れに移転。図書館の面積は3割も縮小しました。 さいたま市は、かつて大宮市が大宮市民の税金で購入した一等地を、次々と売り払おうとしています。 大宮市が市役所の建設予定として購入した富士重工跡地の一部や下町庁舎は売却され、240億円で購入した西口の鉄道病院跡地(市営桜木駐車場)も、清水市長は民間企業に年間1億3500万円で半永久的に貸す方向で準備を勧めています。 旧大宮区役所の跡地も、市は「東日本の交流拠点として活用できなければ、売却も否定しない」と言い、旧大宮図書館の建物は戸田建設に貸し出され店舗とオフィス(Bibli) になりました。 かつて大宮市民の血税で購入した一等地を次々と売り払って浦和の開発に充て、浦和駅前に「市民のための公共施設」を、大宮には「企業のため施設」を集中させるのが、さいたま市の政策です。
4つの副都心のうち、武蔵浦和には高層ビルが建ち並び、田畑が広がっていた浦和美園は住宅街とショッピングセンターに生まれ変わりましたが、日進・宮原の都市基盤整備予算は1ケタ少なく、ステラタウンの開発と日進駅の橋上化が行われたくらいです。 ステラタウンだけ道路を整備しても接続する道は旧態依然のままで休日には渋滞が常態化。宮原駅西口で歩道があるのは駅前通りだけで、日進駅周辺はすれ違うのもやっとな道ばかり。土呂駅は市内のJRの駅で唯一エスカレーターがありません。「副都心」とは名ばかりの現状を変えなくては、住み良い街になりません。 ■許せない!「人の命も浦和優先」 かつて大宮市は、大宮医師会市民病院で内科と小児科の24時間診療を実施するなど、全国的にも充実した医療体制を誇っていました。 しかし旧浦和市長だった相川前市長は「浦和西部にも公的な総合病院を」という浦和市の計画をもとに、09年に大宮医師会市民病院を閉鎖し市民医療センターとして移転。私の追及で小児科のオールナイト診療は大宮総合病院(現:さいたま北部医療センター)で継続できましたが、内科は中止になったままです。 市民の税金421億円をかけて20年に建替えた市立病院へ行くバスは、浦和からは1日289本出ているのに大宮からは30本だけで、大宮からの患者は浦和の5分の1以下に過ぎません。 さらにさいたま市は、浦和美園に800床の順天堂大学病院を誘致するために、土地の無償提供に加え建物や医療機器、救急医療への補助など莫大な予算をつぎ込もうとしています。 高齢化社会を迎え、夜中に具合が悪くなった時にいつでも診てもらえる病院の存在は重要です。私はさいたま北部医療センターでの内科オールナイト診療の復活や、外科の休日診療の実施に引き続き取り組むとともに、北区や見沼区から市立病院へのバス路線の実現を目指して頑張ります。 ■大宮発展のために北口開設と「大宮新都心構想」を提案 さいたま市は大宮駅周辺の整備を打ち出していますが、一向に進展がありません。相川前市長の大宮駅周辺地域戦略ピジョンは、「おもてなし、あふれるまち」という、まるで田舎の温泉観光地のようなキャッチフレーズを決めただけで終わりました。 清水市長は大宮駅グランドセントラルステーション化構想を策定し、東口一帯の大規模な再開発を目指しましたが、銀座通り沿いにはペンシルビルの建設が相次いで、地権者らは「再開発に協力するつもリはない」という意思を明確にしています。 そこで私が提案しているのが、「大宮駅北口開設」と「大宮新都心構想」です。大宮駅と大栄橋との間の線路上に、新宿駅南口のような人工地盤を作り、大栄橋から直接入れる北口と北口広場を開設して、それを取り囲んでデパート、オフィス、ホテルなど新しい街を建設するのです。 旧中山道や国道17号を北から、旧16号を東西から来るバスやタクシーを北口発着にすれば、駅周辺の交通渋滞の解消になり、東口、西口に新たな玄関口である北口が加わることで、中心街の回遊性も向上します。 そして大栄橋から北へ1km以上続く鉄道工場を東大宮の車庫へ移転し、跡地を「大宮新都心」として市とJRで共同開発する構想も提案しました。 線路も鉄道工場も地権者はJRです。市は東口地権者を抜きにJRとだけで協議を進め、東日本全域と新幹線で結ばれた地の利を生かし、大宮飛躍のための大胆な街づくりを進めるべきです。
■財布をきっちり分けなくては、大宮に未来はない 浦和に予算が一極集中するのを防ぐためには、合併前の旧4市ごとに財布を分け、大宮の税収は大宮で使う仕組みが必要です。そして政令指定都市になって新たに増えた財源を、新市役所建設のようなプロジェクトや、旧4市間の格差是正に使えば良いのです。 さいたま市が抱える市債(借金)4825億円は、合併以来これまで投じた予算額に応じて、旧4市で分割して返済に責任を負うべきです。 日本はこれから高齢化が進み、本格的な人口減少社会を迎えます。さいたま市が浦和の開発や公共施設の建設に多額の予算を投じ、続いて無謀な地下鉄建設のために岩槻や浦和美園の開発を推し進め、将来「さて、これから大宮の番だ」となった時、すでに財源は無くなり、大宮は朽ち果てるままになりかねません。 吉田一郎は「このままでは大宮が危ない」という危機感を持って、ふるさと大宮の発展のために、全力で取り組みます!
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