2023年2月特別号 (1)
2面   3面   4面
副都心の整備予算
武蔵浦和と浦和美園に880億円投じても
日進・宮原は22年間で実質ゼロ

 さいたま市が抱える最大の問題は、大宮と浦和の地域格差です。ここ数年はようやく大宮駅周辺の開発に予算が回ってきましたが、郊外の副都心の整備予算は依然として浦和に集中。2月議会では日進・宮原の予算は合併以来、実質ゼロだったことを市が認めました。
 さいたま市は大宮駅・新都心周辺と浦和駅周辺の2つの都心に加え、日進・宮原と武蔵浦和、浦和美園、岩槻の4地域を副都心と位置付けています。
 2月2日の本会議で、合併以来22年間で副都心に投じた都市基盤整備予算を質問したところ、浦和の2つの副都心が880億円に対して日進・宮原は32億円で、27分の1以下しかないことが明らかになりました。
 日進・宮原は大宮市の頃から「北部拠点」として副都心に位置付けられ、旧中山道から植竹中学校前にかけて広大な富士重工(スバル)の工場跡地を核に、商業・業務機能(ステラタウン)や行政サービス機能を整備する計画でした。
 そして大宮市は市役所を移転するために、96年に旧中山道に面した富士重工の工場跡地の一部を107億円で購入しました。
 しかし01年の合併で市役所移転の話は消え、市有地にはプラザノース(北区役所)と病院が建ちましたが、相川前市長は公共施設を浦和に集中建設し、市有地の南側は09年に35億円で島忠(現ニトリ)に売却されました。

吉田一郎 ということは、結局さいたま市になって日進・宮原に投下した郡市基盤整備の予算はゼロということか。
篠崎都市局長 大宮市は事業費を支出したが、合併後は収支の均衡が取れている。

 「収支が均衡」などという言葉で誤魔化していますが、合併後に浦和の副都心には880億円も投じているに、大宮の副都心は予算はゼロ(実際にはマイナス3億円)だったと白状したようなものです。

歩道がない道だらけ
道路整備は絶対必要

 この22年間で日進・宮原は商業施設やマンションが増えましたが、道路などの都市基盤は大宮市の頃からほとんど進んでいません。
 ステラタウンには4車線道路(加茂宮広路線)があっても、行き止まりのまま放置されています。
 日進駅は10年に橋上化し北口が開設されましたが、駅前開発は行われず駐車場が広がるだけです。
 私は2月2日の本会議でこの現状を追及しました。

吉田一郎 ステラタウン周囲は休日には渋滞しているし、宮原駅西口は駅前通り以外には歩道がなく、日進駅の南側もほとんどの道は歩道がない。こういう道路の基盤整備を行うべきだ。
篠崎都市局長 今後事業を展開する中で、道路整備は検討していきたい。

 多額の予算を投じて発展する武蔵浦和や浦和美園と比べて、「副都心とは名ばかり」の日進・宮原を住み良い街にするためには、十分な予算が必要です。
 私は今後も追及や提案を続けます。
2023年度の施設整備予算
 【旧大宮市】  
 市役所新庁舎整備  4498万円
東大宮コミュニティセンター中規模修繕 4億5056万円 
 旧大宮区役所解体 5億5507万円 
 大宮体育館中規模修繕 5億7158万円 
 さいたま北部医療センター跡地利活用 2267万円 
 大宮ふれあい福祉センター中規模修繕 3億8456万円 
 東楽園再整備 27億9561万円 
 猿花キャンプ場トイレ整備 7518万円 
 天沼児童センター大規模修繕 1億9658万円 
 宮原児童センター大規模修繕設計 1445万円 
 東大成保育所中規模修繕 6593万円 
 サーマルエネルギーセンター整備 57億1230万円 
 春おか広場施設修繕 4976万円 
 見沼グリーンセンター本館大規模修繕 3億2668万円 
 中央食肉卸売市場移転と道の駅整備 2億1217万円 
 七里駅橋上化 3億3727万円 
 染谷地区公園整備 1億5675万円 
 セントラルパーク整備 11億8941万円 
 市営馬宮住宅建替 6億9938万円 
 消防団東部分団車庫移転 293万円 
 大和田地区小学校整備 1億1737万円 
 指扇小学校改修 1億0200万円 
 大宮北小学校改修 7億2000万円 
 三橋小学校改修 14億1700万円 
 大成小・日進小改修 1億3900万円 
 大宮北中・三橋中改修 1億1400万円 
 大宮南公民館改修 3億3234万円 
 旧大宮市計 168億0553万円 
 【旧浦和市】
 浦和市役所跡地利活用  723万円 
 市民会館うらわ解体・移転 62億7309万円 
 文化センター中央監視装置修繕 2778万円 
 浦和駒場体育館エレベーター設置 631万円 
 高等看護学院外構整備 5996万円 
 市立病院及び看護師寮施設整備 8億7412万円 
 領家保育所中規模修繕設計 2億7815万円 
 クリーンセンター大崎基幹的設備改良 34億0996万円
 農業交流施設整備 5億8793万円 
 見沼通船堀及び公園整備 9336万円 
消防団三室第2分団車庫移転 7068万円 
 消防団土合第1分団車庫建替 1191万円 
 武蔵浦和義務教育学校整備 3億3815万円 
 針ケ谷小学校改修 4億9800万円 
 谷田小学校改修 1億6800万円 
 西浦和小学校改修 5400万円 
 尾間木小学校改修 4億0800万円 
 原山小学校改修 10億9200万円 
 本太中学校改修 4億3600万円 
 浦和南高校大規模改修 1億4488万円 
 上木崎公民館改修 3億6261万円 
 西浦和公民館改修 3億5180万円 
 南浦和・大古里公民館改修設計 3397万円 
 田島公民館エレベーター更新 3784万円 
 南箇公民館エレベーター設置設計 1572万円 
 旧浦和市計 156億4145万円 
 【旧与野市】  
 上峰コミュニティセンター中規模修繕  1億5415万円
 八王子スポーツ広場夜間照明LED化 4389万円 
 次世代スポーツ施設整備 589万円 
 中央区保健センター解体設計 759万円 
 口腔保健センター整備 655万円 
 ひかり会館中規模修繕設計 4億1096万円 
 鈴谷西・東保育所の統合建替 6355万円 
 下落合団地・与野本町保育園の統合建替 7250万円 
 北与野駅北口地下駐車場平面化改修 9878万円 
 与野中央公園整備 3億4491万円 
 組合区画整理事業推進事務所中規模修繕 3億2886万円 
 旧中央消防署解体 239万円 
 上落合小学校改修 13億4000万円 
 大戸小学校改修 6億5600万円 
 与野西中学校改修 6億1300万円 
 与野本町公民館改修設計 2320万円 
 旧与野市計 41億7222万円 
 【旧岩槻市】  
 岩槻本町保育所中規模修繕  4億6818万円
 市営浮谷住宅建替 1234万円 
 城南地区消防出張所建設 2155万円 
 消防団和土分団車庫移転 1446万円 
 新和小・岩槻小改修 3億7700万円 
 岩槻小・中学校改修 4600万円 
 真福寺貝塚整備 3688万円 
旧岩槻市計  9億2097万円 

 合併以降の都市開発予算総額
   市街地再開発  土地区画整理
 大宮 222億6049万円  894億0622万円 
浦和   602億1173万円  953億8711万円 
 与野 21億7000万円  154億0382万円 
岩槻  260億4643万円
他に浦和駅立体高架化事業に474億7500万円

4つの副都心の合併以来の都市基盤整備予算
   総額  2023年度
 日進宮原 32億0915万円 
武蔵浦和  345億1563万円 
浦和美園  534億7368万円  4億3919万円 
 岩  槻  148億2396万円  5億1429万円

 2023年度の都市開発予算
 【旧大宮市】
 大宮駅周辺地域戦略ビジョン推進  4億1051万円 
 大宮駅GCS化構想推進 1億9841万円 
 大宮駅西口第三地区まちづくり推進 62億1271万円 
 大宮駅西口第四地区土地区画整理 8億1600万円 
 大宮駅西口第五地区まちづくり推進 2206万円 
 桜木駐車場用地活用 1206万円 
 指扇土地区画整理 7億3700万円 
 大和田駅北口周辺まちづくり推進 3867万円 
 旧大宮市計 84億4742万円 
 【旧浦和市】  
 浦和駅西口南高砂市街地再開発  28億8820万円
 浦和駅周辺まちづくり推進 3518万円 
 西浦和駅周辺まちつくり推進 5242万円 
 武蔵浦和駅周辺まちづくり推進 217万円 
 東浦和第二地区土地区画整理 10億5300万円 
 浦和東部第一特定土地区画整理 4億9500万円 
 浦和東部岩槻南部地域整備推進 7056万円 
 大門下野田特定土地区画整理 1億3700万円 
 美園地区まちづくり推進 4087万円 
 旧浦和市計 47億7440万円 
 【旧与野市】  
 与野駅西口土地区画整理  4908万円
 与野本町駅周辺まちづくり推進 9078万円 
 南与野駅西口土地区画整理 3億2000万円 
 南与野駅西口まちづくり推進 9112万円 
 さいたま新都心(西口)賑わい創出 1億3169万円 
旧与野市計  6億8267万円 
 【旧岩槻市】  
 岩槻駅西口土地区画整理  3億4764万円
 岩槻駅周辺まちづくり事業 6754万円 
 江川土地区画整理 1億7000万円 
旧岩槻市計  5億8518万円 
吉田一郎市政報告会 3月5日(日) 14:00~16:00 プラザノース第3セミナールーム(入場無料)
2023年2月特別号(2)
1面   2面   3面   4面
岩槻までの地下鉄建設
大宮経由→ラッシュ、地下鉄→日中
偽りのデータ比較を暴く
 清水市長は23年度、岩槻への地下鉄建設を埼玉高速鉄道に国への申請を要請すると言っています。
 私は12月22日の本会議で、建設費や市の負担、浦和美園と岩槻の間の中間駅の開発費、採算性を問いただしましたが、9月議会と同様ですべて「試算中」「協議中」「これから計算」でした。
 さらに地下鉄の黒字化に向けて「速達性向上計画」を策定すると、560万円の補正予算を計上しました。

吉田一郎 速達性向上計画によって、岩槻から東京都心まで所要時間は何分縮まるのか?
真々田都市戦略本部長 岩槻から永田町まで66分が52分に短縮される。
吉田一郎 そのために建設費の追加費用はいくらかかるのか。スピードを上げるのなら変電所や高架橋の増強、追い越し設備も必要だ。
真々田都市戦略本部長 追加費用は想定していない。

3千億円の地下鉄よリ
ルミネ前に改札復活を

 つまり地下鉄に快速を走らせて普通電車を追い抜き、スピードアップを図るのではなく、「岩槻から東京都心まで地下鉄なら現在の大宮経由より速い」とアピールするだけのようです。
 しかし私が調べたところ、岩槻から永田町まで現行の大宮・池袋経由は朝ラッシュ時の所要時間で、地下鉄開通後は日中の所要時間で計算していることが判明。
 日中なら野田線には急行があり、湘南新宿ラインも大宮~池袋間を25分で走るので、岩槻~永田町は66分ではなく59分のはずです。
 また永田町より多くの人が向かう東京や新橋、新宿、渋谷の各駅への所要時間を比べると、地下鉄開通後も大宮経由の方が圧倒的に速いと明らかになりました。
 私は23日の本会議で「ラッシュ時と日中の時間というインチキな比較で『地下鉄ができると速達性が向上します』などと言うのは認められない」と批判。数分の時間短縮なら大宮駅での乗換を改善すれば可能だと指摘しました。
 新幹線が開通する前、東口の改札はルミネ1前(京浜東北線の乗り場横)にあり、野田線を降りて階段を上がれば、すぐ国鉄に乗り換えられました。
 岩槻から東京都心への時間短縮なら、何千億円もかけて地下鉄を建設するよりも、大宮駅のルミネ1前の改札を復活させる方が、手っ取り早くて効果的です。

 岩槻からの所要時間(平日・日中)
   現行ルート  地下鉄延伸後 
 目的地  乗換    乗換  
東 京  大 宮  46分  王 子   55分
 新 橋  大 宮 49分  王子・東京 64分 
 新 宿  大 宮 44分  四ッ谷 62分
 渋 谷 大 宮  49分  永田町  64分
 永田町 大宮・池袋 59分 な し 52分 
  乗換時間はいずれも5分で計算

 小学校の社会科副読本 
「浦和中心」の内容改め
偏りのない教育を実現
    各地域の

歴史冊子も提案
 小学校3・4年生は社会科で、郷土の様子や歴史を学ぶ副読本を使います。
 合併当初の副読本は浦和駅周辺のことは詳しく教えても、大宮駅や新都心のことは紹介しませんでした。
 私は10年9月の決算審査で「浦和中心の偏向教育」を徹底追及するとともに、「大宮の子どもたちに大宮を知る教科書を」と呼びかけて集めた署名を教育委員会と清水市長に提出。11年度の副読本から旧4市の地理や特色、大宮駅の開設に尽力した白井助七翁の功績などが掲載されました。
 現在の社会科副読本はどうなのか、10月4日の決算特別委員会で確認しました。

吉田一郎 どういった点に留意して編さんしたのか。
指導1課長 なるべく偏らないように、10区すべてに何かしらか身近な物があるように編集した。
吉田一郎 地域バランスは良くなったが、他にも以前と比べて「歴史と将来」を教えるようになったのは良い。昨年度の副読本には大宮市、与野市、浦和市が合併し、後に岩槻市が加わってさいたま市ができたとわかりやすくまとめ、「さいたま市のこれから」として新都心のことが載っている。ただ歴史に関しては、合併前の例えば「岩槻には岩槻城があって、なぜ城ができてどんな藩主がいたか」は載っていない。さいたま市全体の副読本の他に、大宮・与野・浦和・岩槻のサブの冊子も作って、それぞれの街の歴史も教えたらどうか。
指導1課長 提案はしっかり承ります。副読本はどうしても歴史の部分が薄く軽く触れるだけなので、小学5・6年生で地域の歴史をもっとしっかり学ぶところで、役立てていけると思う。

盆踊りを楽しむために
学校で「大宮をどり」を

 大宮には♪ここは大宮ノ~ホホホイ♪で始まる『大宮をどり』があり、盆踊りでは定番です。
 各小学校で教えている踊りを教育委員会に調査させたところ、ソーラン節82校、花笠踊り33校、エイサー32校、八木節3校、浦和おどり1校で、大宮をどりを教えている学校はゼロでした。

吉田一郎 盆踊りは子どもたちが興味を失い、廃れていると報道されたが、大宮では大宮をどり、浦和は浦和おどりを教えるべきだ。
指導1課長 各学校は教育指導要領で例示されているものを選んでいるが、教育委員会としては地域の踊りは大事だと思う。
吉田一郎 私は小学生の体育の授業で大宮をどりを習ったが、歌詞には大宮の歴史が練り込まれている。
指導1課長 地域の歴史を教えていくのは大事だと思う。踊りであったり大宮の歴史も含めて、しっかりやっていきたい。

 伝統的な行事である盆踊りを継承するためにも、全国的にブームになった踊りだけでなく、各地域に伝わる踊りを大切にすべきです。

●公共施設の管理運営が「利権の温床」に!?
 指定管理者制度とは、公共施設の管理運営を民間企業や外郭団体に任せる制度です。さいたま市では248施設で導入し、コスト削減やサービス向上の一方で、巨額の管理料をめぐって「利権の温床」になりかねません。
 清水市長は12月議会で今後2~5年間の12施設の管理運営に、総額70億8856万円を支払う議案を提出しました。指定管理者は応募した企業や団体から、価格の他に運営体制、提案、安全、職員体制などを得点で評価して選定しますが、大宮体育館(見沼区)とさいたま記念体育館(桜区)では、これまで指定管理を行っていた企業に「実績評価点」が加算され、高得点だった企業を逆転した結果、大宮体育館で1000万円、記念体育館で3846万円も高い価格で契約する内容でした。
 そこで私は12月1日の本会議で追及しました。

吉田一郎 実績評価点をなぜ審査に加えているのか。
鶴田スポーツ文化局長 これまでの実績を採点に反映させることで、安定した施設運営が期待できる。
吉田一郎 素晴らしい提案をして値段が安い企業が、ひっくり返されるのはおかしくないか。
鶴田スポーツ文化局長 指定管理料の提示額は様々な項目の1つとして位置付けているので、現在の管理者の実績も評価したのは適正な審査の結果と考えている。

 市民会館の指定管理者の公募では、かつては「500席以上のホールを5年以上管理した経験がある市内の団体」と、それまで契約していた相川前市長の後援会長がトップに就いた外郭団体しか応募できない条件をつけ、市民会館おおみやの移転時には非公募で契約を継続させています。
 公共施設の管理運営が「利権の温床」にならないよう、指定管理者の公募はできるだけ広く行うべきです。

●「新都心への市役所移転」もっと積極アピールを
 昨年4月の議会で「合併以来、最大の課題」だった浦和から新都心への市役所移転が可決しました。しかしどれだけの市民が知っているのでしょう?
 12月22日の市庁舎特別委で、市は周知活動について、市報こ3回掲載し、公共施設や駅で資料を2600部置き、出前講座を4回行ったと報告しました。
 各区の区民まつり会場では「市役所本庁舎は令和13年度に新都心に移転します」というバッジを配布しましたが、受け取ったのは全区合わせて15人で(うち1人は私)、12月議会では移転に反対した浦和の議員が「バッジ制作費を住民訴訟で清水市長に弁償させる」と追及していましたが、制作費は合計わずか270円でウヤムヤになりました。
 そこで私はいくつか提案をしました。

吉田一郎 都市局や水道局は市報とは別に、独自の冊子を全戸配布しているのだから、市役所移転の『特製パンフ』を作って全戸配布したらどうか。
都市経営戦略部参事 さまざまな節目の段階で、効果的な周知方法について対応したい。
吉田一郎 大宮駅や浦和駅で、市役所の建物の被り物をしたヌウが「ボク、新都心へ行くよ!」とアピールする楽しいイベントとか、小学校と連携して未来を担う子どもたちが「こんな市役所がいいな」と自らのアイデアで建物を描くお絵かきコンテストを開催したらいい。
都市経営戦略部参事 ご提案頂いたアイデアも含めながら、さまざまな形で市民に広く伝えるよう周知する。

 他の大宮の議員からも「新都心バスターミナルに『ここに市役所が移転します』の看板を立て、移転の経緯のパネルも設置すべきだ」という声が挙がりました。
「現在の浦和の市役所の土地を売却すれば、新たな財政負担は不要」も含め、積極的に宣伝すべきです。
2023年2月特別号(3)
1面   2面   3面   4面
大宮駅東口に上下エスカレーター設置
東口再開発を待たず今すぐ建設を
 大宮駅は1日70万人が乗降しますが、東口で利用者が多い北階段にはエスカレーターがありません。
 私はこれまでも上下のエスカレーター設置を求める住民からの請願を提出し、19年2月5日のまちづくり委員会で問い質しました。

吉田一郎 エスカレーター設置は構造的に無理なのか。
交通政策課長 JRから詳細に調査しないとわからないと聞いている。
吉田一郎 JRに調査するよう申し入れるべきだ。
交通政策課長 利用者や市民の安全性や利便性の確保を勘案して、JRと早急にできることはないか両者で検討を進めていきたい。

 しかし立憲民主党(民主改革)が「大宮駅GCS化構想(東口再開発)で検討するという方針の中、現状の整備は二重投資の可能性が高い」と言い出し、自民・公明も同調。請願はいったん廃案になり、否決されました。
 「エスカレーターを付けると階段が狭くなり危険」という意見もありましたが、昨年の火災後、階段の幅が半分になっても危険ではありません。
 私は昨年12月に改めて東口北階段に上下のエスカレーター設置を求める住民の請願を提出。2月2日の本会議で審議されましたが、立憲民主党は再び「大宮駅GCS化構想の中で進めるべき」と主張。請願に賛成したのは無所属と共産党だけで否決されました。
 今後何十年かけても実現するかわからない「大宮駅GCS化構想」を口実にして、いま市民に求められているエスカレーター設置を葬ることは許されません。

 土呂駅エスカレーター
 議会の決議無視し放置

 土呂駅は市内JR各駅で唯一エスカレーターがありません。北区自治会連合会が要望書を出したほか、私も市民からの請願を提出し、まちづくり委員会で「市が費用を負担してでも実現を」と追及した結果、20年10月16日の本会議でエスカレーター設置を求める決議が全会一致で挙がりました。
 私は2月2日の本会議で、市がその後2年以上もJRと積極的な交渉をせず、放置していると批判。地元の総意であり議会全体の意思でもある土呂駅のエスカレーター設置を、早急に進めるべきだと訴えました。

●議員の「エロ動画」販売禁止ガイドラインは可能
 市議選で立候補予定の立憲民主党公認のタレント新人女性が、男性を性的に興奮させることを目的とした映像(動画配信やDVD)を現在も30本近く販売し続けていることについて、議員になった場合は映像作品の販売を続けないようガイドラインの制定を求める市民からの請願が、1月26日の議会運営委員会で審議されました。
 審議の参考に委員が実物を見ることについて、立憲民主党の委員は「見て不快になる人もいる」と反対。それを販売し続けたまま公認する立憲民主党の姿勢に、他の委員から失笑が起きました。
 ガイドラインの制定は公選法には抵触せず、議会で決められるという選管の見解が明らかになり、2月議会で継続審議することになりました。
 世田谷区議選でセクシー女優を擁立するNHK党は、1月21日に「所属事務所から『作品の販売停止をしなくて大丈夫ですか』と、女性の権利に気遣ってもらえた」と発表。「党としてのモラル」に差があるようです。

 吉田一郎が反対した議案 
■一般会計補正予算(10) 《2面参照》
■浦和東部第一特定土地区画整理事業補正予算(1) 西大宮駅南口の道路整備は長年放置して、浦和美園の道路整備は積極的に進める「浦和優先」は許せません。
■議員のボーナス増額■一般会計補正予算(9)■市長・副市長・教育長のボーナス増額 《4面参照》
■納税証明書の電子申請の手数料引き下げ■戸籍謄本のコンビニ交付の手数料引き下げ コンビニ交付の手数料を400円から350円に値下げ。従来の窓口交付のコストが1件2407円に対して、コンビニ交付はわずか226円。250円に値下げして普及を。
■NACK5スタジアム大型映像装置改修工事請負契約 入札に参加した9者のうち8者が同じ金額を提示。談合が疑われます。
■国道463号-ランプ橋上部工事請負契約増額 国道463号と122号の浦和美園の交差点を、総額32億円かけて信号無しの立体交差化。吉野町や田島の立体交差のように、右左折は信号に従う方式なら費用は少なく済み、1か所に予算を集中するより三橋など複数の渋滞箇所を立体交差化すべきです。
■見沼通船掘再整備工事請負契約増額 再整備するならポンプを設置して水量を増やし観光客を船に乗せ、パナマ運河より183年早く開通した「浦和のパナマ」として世界的にアピールすべきです。
■指定管理者の指定(子ども家庭総合センター) 年間運営経費を開館前は23億円と説明していたのが、昨年度は33億円になり、人件費を含むと51億円に膨張。子どもの遊び場「ぱれっとひろば」利用者は、浦和4万5917人に対して大宮1万5265人、岩槻は331人です。浦和への公共施設の集中は許せません。
■指定管理者の指定(大宮体育館)(記念総合体育館) 《2面参照》
■指定管理者の指定(にぎわい交流館いわつき) 外郭団体を救うために、耐用年数に達していない岩槻区役所を取り壊して駅前ビルに移転。自治会連合会を先頭に反対した岩槻住民を「区役所機能の一部を残す」と騙して、結果的に人形博物館の売店とカフェに。
■議員定数の見直し 《4面参照》
■帯状疱疹ワクチンを定期接種にすることを求める意見書 不活性化ワクチンで約9割に副反応が出ますが、「安全性や有効性に関する調査を早急に打ち切り、定期接種を強く求める」のでは賛成できません。
2023年2月特別号(4)
1面   2面   3面   4面
 桜木駐車場 
240億円の土地を企業が「安値」で半永久使用!?
大宮市の計画もとに国立漫画館の誘致を提案
 鉄道工場向かいの桜木駐車場は、大宮市が複合文化施設を建設するために240億円で購入した土地です。しかし清水市長は年間1億3500万円で企業に貸し出そうとしています。私は大宮市の公文書を調べたところ、漫画の文化施設「ユーモアセンター」の計画書を国に提出して土地を購入したことが判明。2月議会で企業に「安値」で貸すより、国立漫画館の誘致を提案しました。
 かつて大宮市は鉄道・盆栽・漫画を「大宮の三大文化」と位置付けていました。
 92~93年に大宮市は国鉄清算事業団から鉄道病院跡地を240億円で購入しましたが、ユーモアセンターなどの複合公共施設の計画書を国に提出し、それを指定用途として随意契約で購入できたのです。
 購入翌年の94年に策定された『大宮市総合振興計画 第4次中期5カ年計画』にユーモアセンターは「新しい都市文化の創造と国際的な文化の交流拠点として、美術館機能と漫画文化の創造及び交流機能を有する施設」と記載されています。
 合併後「浦和優先」の相川前市長は公共施設を浦和に集中建設し、ユーモアセンター構想は忘れられて鉄道病院跡地は桜木駐車場になり、清水市長は企業に提供しようと画策しています。
 昨年6月議会で私は69億円で売却しようとしていたことを暴露し、「損害を住民訴訟で清水市長に請求する」と警告。売却は中止になりましたが、かわって年間1億3500万円で30~70年契約で貸し出そうと、企業を公募しています。

 超党派の国会議員で
 漫画施設の予算要求

 世界的にもファンが多い日本の漫画やアニメ、特撮、ゲームなどの原画や資料を保存・公開する国立漫画館(仮称:MANGAナショナル・センター)の建設を目指して、国会では「マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟」が政府に予算確保を求めています。
 09年に麻生政権は、世界から年間60万人の来場者が見込まれると、用地買収と建設費117億円を計上しましたが、民主党政権に替わって「国立漫画喫茶だ」と執行停止されました。
 その後、立憲や維新の議員も加わった超党派の議連が結成され、改めて「日本が世界に誇る漫画コンテンツ」の拠点施設の建設に向けて気運が盛り上がっています。
 そこで私は2月2日の本会議で提案しました。

吉田一郎 大宮市が桜木駐車場の用地を購入した時、ユーモアセンター構想を国に提出したはずだ。
篠崎都市局長 用地取得時の調査報告書に、ユーモアセンターの記載があるので、土地購入時の考えの1つにあったと思われる。
吉田一郎 いま国会の議連で国立漫画館の建設の動きがあるが、桜木駐車場に誘致したらどうか。
篠崎都市局長 桜木駐車場の活用は、東日本の対流拠点の機能強化を目指し、民間企業からの提案に基づき進めることにしている。
吉田一郎 世界中から年間60万人の観光客が見込まれる国立漫画館であっても誘致せず、絶対に民間企業に貸すつもりか。
篠崎都市局長 現在は民間企業のアイデアを導入して事業を進めているので、国立漫画館を誘致する考えは今のところない。

 鉄道博物館と連携で
 世界的な集客施設に

 桜木駐車場を国立漫画館の用地として貸与すれば、国は用地買収費が不要になります。一方でさいたま市は、赤字垂れ流しの盆栽美術館や岩槻人形会館とは違って、建設や運営に新たな財政負担なしで、世界的な集客施設が実現できるのです。
 桜木駐車場は年間80万人の来場者がある鉄道博物館と大宮駅の間に位置しています。鉄道と漫画の「二大殿堂」が大宮駅から北に一直線に配置されれば、相乗効果をもたらすはずです。
 民間企業に「安値」で半永久的に使わせるより、大宮市の購入目的に沿った施設を誘致して活用すべきです。

 不正の温床=
  政務活動費
ガソリン代返還を要求
 家族でドライブしても
 半分は公費から支出
 私は議会には自転車か電車・バスで通っていますが、多くの議員はマイカーを使用しています。
 「政務活動費の運用指針」では、議会への出席や政党活動、プライベートで車を使用したガソリン代を政務活動費で支出するのは禁止され、政務活動で使った分を走行距離で按分することが規定されています。
 しかし、自民・公明・立憲民主の議員は全体の走行距離とそのうち政務活動で使った走行距離を報告せず、毎回「給油したガソリン代の50%」を政務活動費で支出しています。
 特に中島隆一議長が提出した領収書は手書きで、給油したガソリンの量すら記載されていません。
 私は1月24日、中島議長が22年度上半期と21年度下半期に支出した2万9161円のガソリン代を返還するよう求める市民の請願を議会に提出しました。
 休日に家族とマイカーで出かけても、ガソリン代の半分は政務活動費を使うことがまかり通る「悪習」は即刻改めるべきです。

 政務活動費のガソリン代支出
(2022年度上半期、北区選出)
小川ひさし(立憲民主党)3万7256円
伊藤まなぶ(自民党)  2万4758円
関 ひろみ(公明党)  1万6005円
伝田ひろみ(立憲民主党)  8020円
神田 義行(共産党)      0円
川崎 照正(自民党)      0円
吉田 一郎(無所属)      0円

●「物価上昇」口実に議員と市長のボーナスアップ
12月議会で清水市長は議員と市長など特別職のボーナス引き上げを提案しました。
 私は12月23日の本会議で、議員報酬は04年に「合併で政令指定都市になった」というだけの理由で34.8%、政務活動費は一気に70%もアップし、4年ごとに支給される市長の退職金も37.2%アップしたことを指摘。
「それだけ上げたのに、さらに上げる必要はない」と反対しましたが、自民2会派と公明・民主改革(立憲)・さいたま未来が賛成して可決されました。
 さいたま市議会では、14年度から19年度まで議員のボーナスを6年連続でアップしました。特に前回の市議選を控えた18年度は選挙で不利になることを恐れてボーナス増額の議案を全会一致で否決したのに、「金を用意させておく」ためボーナス増額分の補正予算は可決。私が「まるでペテン師だ」と批判したところ発言が中止させられ、選挙が終わった後に共産党も賛成して2年分まとめて増額したのです。
 それに比べて今回は「物価上昇」を口実に、自民・公明・立憲らは選挙前でも姑息な手段は使わずに、すんなりと議員ボーナスの増額に踏み切れたようです。

  ボーナスアップで増える年収
     2013年   2021年   2022年
  議 員   1313.6万円→   1348.7万円→   1354.5万円
 (他に政務活動費が408万円)   
  市 長  1989.6万円→   2310.8万円→   2320.7万円 
 (退職金は4年ごとに2904万円)   
 副市長    1619.8万円→  1816.2万円→   1823.9万円 

●政務活動費を廃止して人口増に応じた議員数を
 さいたま市議会の議員は60人ですが、区ごとの人口に応じて選出されます。市議選を前に「1票の格差」が問題になり、定数を見直すことになりました。
 まず「議員の数を減らすべきだ」という市民の声を抑えるために、22年6月議会で学識経験者らによる調査機関を設置。私は「市外在住の学者が議員の数を勧告するのは住民自治に反する」と反対しましたが、各会派が賛成して「議員の総数は60人のままでいい」という答申を出してもらいました。
 続いて各会派の代表が議長応接室に集まり、区ごとの定数を話し合いましたが、「緑区1増、桜区1減」の1増1減か、「大宮区1増、見沼区1減」も加えて2増2減にするかで紛糾。定数見直しに消極的だった桜区選出の阪本議長(民主改革)が辞職したことで一挙に話が進み、12月7日の本会議で各会派と私を除く2人の無所属議員が「1増1減」の見直し案を共同提出しました。
 08年に議員定数を64→60に削減した時、私は「合併前に旧4市の議員は合計131人いて半分以下になったのに、さらに減らせば少数意見が反映できなくなる」と反対しましたが、自民・公明・民主は「政令指定都市では人口2万人に議員1人が適切」だと主張したのです。
 当時のさいたま市の人口は120万人でしたが、現在は134万人です。12月7日の本会議で私は「人口2万人につき議員は1人と決めた以上、議員定数は1増1減ではなく7増とすべきだ」と主張。議員を7人増やすと年間報酬は約1億円増えますが、政務活動費を廃止すれば2億4480万円浮くと指摘しました。
 議員の数は民主主義の根幹にかかわり、減らせば大政党の議員ばかりになりかねません。経済状況に配慮するなら議員報酬や政務活動費を見直すべきです。
 このままでは大宮が危ない!
不正の温床=政務活動費の廃止

 さいたま市議選は4月9日投票です
 ボランティアスタッフを募集しています!

・3月25日(土)に選挙はがきのシール貼りを手伝ってくださる方
・3月31日(金)の告示日lこ掲示板にポスターを貼ってくださる方
・3月31日~4月2日に法定ビラの証紙貼りを手伝ってくださる方
 詳しくは3月5日(日)14時~16時にプラザノースの市政報告会で
 もしくは080-5654-0038までご連絡ください
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

HOME | TOP| 市政レポート一覧
inserted by FC2 system