2022年12月特別号 (1)
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半世紀進まない東口再開発より、JRと共同で
北口開設と「大宮新都心」を提案法
 大宮駅東口は50年以上前に駅ビル(ルミネ1)や高島屋ができた頃から、ほとんど変わっていません。70年代から再開発の計画がありましたが、地権者の反対で頓挫しました。相川前市長が「地域戦略ビジョン」、清水市長は「大宮駅GCS化構想」を発表しましたが、何年間も会議だけが続き、1つも具体化しないままペンシルビルが次々と建っています。私は12月7日の一般質問で、市は地権者の合意形成が困難な大宮駅東口の再開発を後回しにして、JRとの共同で大宮駅北口や「大宮新都心」の開発を優先するよう提案しました。

 線路上の人工地盤で
 大栄橋に大宮駅北口

 新宿駅南口は線路を跨ぐ甲州街道の拡幅に合わせて、線路上に人工地盤を建設し、7階建てのビルや日本最大の高速バスターミナル(バスタ新宿)が16年に完成しています。
 かつて大宮市も、駅と大栄橋との間の線路上に人工地盤を造る計画を、「大宮都心構想」の1つに掲げていました。
 大栄橋の4車線化とともに、北口広場やそれを囲む「新しい街」を線路上に建設すれば、大宮の新たな玄関口が生まれるだけでなく、旧16号の東西や、旧中山道と17号を北から来るバス・タクシーは、大栄橋から直接大宮駅に入れるようになり、東口一帯の渋滞解消の切り札になります。
 私は07年に議員に初当選して以来、再三にわたって「大宮都心構想」の復活、特に北口建設の重要性を力説してきましたが、12月7日の一般質問で改めて問いただしました。

吉田一郎 大栄橋の耐震化工事をしているが、大栄橋は4車線化する計画があるはずだ。
篠崎都市局長 駅周辺の交通渋滞の抜本的な改善案として、必要性について整理しているが、整備時期はまだ決定していない。
吉田一郎 大宮駅と大栄橋の間の線路上に人工地盤を造り、大宮駅北口を開設して、それを囲んでホテルやデパートなどを建設することは、技術的に可能か。
篠崎都市局長 技術的には可能と思われるが、線路上空の広い空間整備には、事業期間が長期にわたり、膨大な事業費が想定されることから、現在のGCSプランでは検討していない。
吉田一郎 東口再開発は地権者がまとまらず50年経っても進んでいない。線路上の地権者はJRだけ(東武は借地)だから、北口建設の方が早くできるはずだ。
篠崎都市局長 JRには確認していないが、長期の期間と費用がかかると想定。
吉田一郎 整備にどのくらい期間がかかるか、JRに確認すべきだ。
篠崎都市局長 新東西通路の調査設計の中で、工期等が出て来ることから、こちらから協議を進めていく。

 新宿駅南口の人工地盤と線路上の「新しい街」は15年間で完成しています。
 大宮駅周辺は17年に、新宿駅南口と同様に国から「都市再生緊急整備地域」に指定されました。
 国の支援を積極的に活用して、大宮駅北口の建設に全力を注ぐべきです。

 鉄道工場を移転して
 国際都市の新都心に

 大宮の鉄道工場は1894年(明治27年)に設置された「鉄道のまち・大宮」の象徴です。しかし大宮駅直近の一等地に明治時代と変わらず鉄道工場があるのでは、宝の持ち腐れです。
「鉄道のまち・大宮」のもう1つの重要施設だった大宮操車場は、「さいたま新都心」として生まれ変わり、政府機関が移転して来まし
た。
 鉄道工場を大宮駅から専用線が伸びる東大宮の車両基地に移し、跡地を桜木駐車場と合わせて市がJRと共同開発して、国際機関や海外企業などを誘致する「大宮新都心」構想を、私は18年12月議会で提案しましたが、その後の市の対応を問いただしました。

吉田一郎 鉄道工場の過去最大と現在の職員数は?
篠崎都市局長 JRに確認したところ、過去最大は46年頃に約5千人、現在は11月時点で約700人。
吉田一郎 鉄道工場がそんなにスカスカなら東大宮へ移転して、跡地を市とJRが「大宮新都心」として共同開発すべきではないか。
篠崎都市局長 JRに確認したところ「当社の鉄道車両の整備の基幹施設の1つであり、現時点で移転等の計画はない」と伺っている。
吉田一郎 市がJRに国際機関や海外企業の誘致など共同開発を提案すべきだ。
篠崎都市局長 JRが移転等の計画はないと言っているので、市から話をする意向はない。

 JRは東海道線の拠点だった田町電車区を13年に閉鎖。跡地は国から「都市再生緊急整備地域」に指定され、国際ビジネス拠点を目指す高輪ゲートウェイに生まれ変わっています。JRは利益を生むと判断すれば再開発に積極的なのです。
 本格的な人口減少社会を迎えて「大宮は結局このまま」とならないよう、地権者の利害が何十年もまとまらない東口の再開発には見切りをつけるべきです。

東口火災跡地は市が即刻買収を
ペンシルビルが建てば広場拡張不可能に
 11月27日の朝、大宮駅東口の駅前広場に面する北側で火災が発生。木造店舗3軒が全焼しました。
大宮駅GCS化構想では、この場所は「公共的空間」として広場になる計画です。
 6年前に火災で焼けた旧中山道からすずらん通りにかけての一角は、2階建ての建物で再建しましたが、今回の火災跡地に本格的なペンシルビルが建ったら、大宮駅東口の再開発はますます不可能になります。そこで12月7日の一般質問で提案しました。

吉田一郎 火災の跡地を市が購入して、とりあえず銀行の建物を賃借している東日本連携センター(まるまる)を移すなどして活用したらどうか。
篠崎都市局長 火災敷地は新たな駅前広場の検討区域内だが、用地取得は地権者の意向を尊重して対応する。
吉田一郎 地権者が「買ってほしい」と言ったら対応するのではなく、市から買収を持ちかけないのか。
篠崎都市局長 地権者の意向を確認する中で、売却の意向があるかも含めて確認する。
吉田一郎 市が「買わせて下さい」と言うべきだ。
篠崎都市局長 費用対効果等を勘案した中で、購入した方が良いのか判断していきたい。

 駅前広場の南側には駅弁屋(ムサシ食品)の8階建てのビルがありましたが、市は駅前再開発の推進のために03年に土地開発公社を通じて10億0257万円で購入。現在は駐輪場や喫煙所、公衆トイレ(OMテラス)として暫定的に活用しています。
 わずか3軒の火災跡地の購入を市が渋るのなら、大宮駅東口の再開発はしょせん絵に描いた餅です。JRと共同で線路上に大宮駅北口の建設する計画を優先するよう転換すべきです。
吉田一郎市政報告会 2月4日(土) 18:00~19:30 プラザノース第3セミナールーム(入場無料)
2022年12月特別号(2)
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昨年度525億円
際限なく広がる
補助金の乱発に喝!
交付団体が多すぎて市も把握不可能に
 清水市政の大きな問題点は補助金のバラマキです。昨年度の決算審査で私は1万2000㌻を超える資料を公開させたところ、これまでの市長選候補者が絡んだ補助金交付のズサンな実態が次々と明らかになりました。

中森ふくよが「マネーロンダリング」!?
 南区は昨年度、フォトネットみなみに魅力あるまちづくり補助金として10万円を支給し、武蔵浦和のマーレを会場に写真展を開催。10月22日にマーレビル開発(代表取締役・中森福代)に会場使用料10万円を支払いました。私は9月29日の決算審査で、フォトネットみなみが同じ日に10万円の協賛金を得ていたことを暴露しました。

吉田一郎 この10万円はどこから入ったのか。
南区コミュニティ課長 会場使用料を支払った会社。
吉田一郎 会場費は補助の対象だから補助金が出る。それを中森氏の会社に払って中森氏の会社からお金が戻ったら、それは協賛金だから自由に使えるお金になる。これは「マネーロンダリング」じゃないのか。
南区コミュニティ課長 団体に確認したところ、写真展の趣旨に賛同いただき協賛を頂いたと聞いた。

 写真展の趣旨に賛同したのなら、最初から会場を無料で貸せば補助金は使わずに済んだはずです。
 中森福代氏は自民党の元衆議院議員で05年と09年、17年に市長選に出馬しました。中森氏は今後選挙に出る意思を示していないので公選法には抵触しませんが、補助金のマネーロンダリングを手助けしてはいけません。

補助金使い前島ひでおの「事前運動」!?
 市は「勤労者の福祉向上」を目的に勤労者団体補助金を交付しています。15年度は3団体に215万5000円を支給しましたが、私は当時ビール飲み放題のイベントや潮干狩り、東京ディズニーランド等に使われていたことを暴露。飲食イベントの補助金使用を禁止させました。
 その後も共産党系のさいたま地区労だけが申請を継続。昨年度は26万円の補助金を出し、5万2330円は「運動費」で春闘の地域総行動で使う横断幕やプラカードの製作費などです。10月3日の決算審査で追及しました。

吉田一郎 横断幕やプラカードの領収書は市に提出しているが、どんな内容か市に写真も提出すべきでは。
労働政策課長 これまで電話で確認していたが、一生懸命確認に努める。
吉田一郎 この団体の機関紙に「ステラタウンで地域総行動」という報告が出ていて、「前島地区労議長も参加し、5月の市長選で今の市民に冷たい市政からの転換を目指して頑張ろうと訴えました」とある。補助金を申請した団体の代表である前島英男氏は21年5月の市長選に出馬したが、横断幕やプラカードを使って市長選の事前運動をしていないか。
矢口経済局長 注意が足りなかった。今後は補助金を出す前にどういうものをやる予定かをしっかり聞く。
吉田一郎 来年は市議選があるが、前島氏は共産党の新人候補予定者の応援を始めている。補助金で作った横断幕の前で「市議選には××候補を」とやるのか。労働問題の相談会の会場費や弁護士代に補助を出すのはわかるが、横断幕やプラカードに出すのはおかしい。全体的に見直すべきだ。
労働政策課長 吉田委員からさまざまご指摘いただいた点を十分踏まえて、今後補助金の交付要綱の運用について、再度検討してまいりたい。

 勤労者の福祉向上のための補助金が、選挙がらみの運動に使われている現状は即刻改めるべきです。

交付団体数不明のまま5年で金額1.85倍
 決算審査では私は他の問題点も暴露しました。
・年度末に切手を購入し補助金の残金をゼロに(南区魅力あるまちつくり補助金)
・菓子代5万2171円を支出(浦和美園~岩槻地域成長市民活動支援補助金)
・浦和駅でうなぎ弁当を販売しJRへの販売委託料に補助金を充当(商店街活性化推進事業補助金)
・音楽会のチケットが51枚しか売れなかったと称して18万円の補助金を受領し、実際には186人が来場(文化芸術都市創造補助金)
・補助金の余りで当初予定になかったパソコンを購入(スポーツ推進委員連絡協議会補助金)
・補助金を申請している団体とは異なる団体名が宛先の領収書を提出(ふれあい福祉基金運用補助金)
・市から委託費が出る学童保育が補助金も申請して「二重取り」(ふれあい福祉基金運用補助金)
 私の指摘に対し、担当者は「今後はしっかり対応する」「厳格化する」「注意喚起をする」「もう少しチェックしていかねばと反省している」等の答弁を繰り返しましたが、補助金が多すぎて十分な確認ができていないようです。そこで10月17日の総括質疑で問い質しました。

吉田一郎 昨年度市が交付した補助金の総額は?
高橋副市長 525億2009万円。
吉田一郎 いくつの団体に交付したのか?
高橋副市長 交付要綱の数で言うと336件。
吉田一郎 336種類の要綱に基づいた補助金を、結局いくつの団体に出したのかは把握してないのか。
高橋副市長 全体の件数は把握していない。
吉田一郎 補助金をいったんゼロベースにして、すべてイチから見直すべきだ。
高橋副市長 各所管課で政策上の必要性や交付目的の達成状況、補助対象経費の明確化などの検証を行っている。現時点でゼロベースからというのは考えていない。

 私は5年前の決算審査で16年度に交付した補助金について質問しましたが、その時は329種類の補助金総額は283億8587万円で、交付した団体数は「把握していない」という答弁でした。
 補助金を出した団体の数を把握しないまま補助金の乱発を糸売け、わずか5年間で1.85倍に膨れ上がっています。税金から補助金を出す以上、いったんすべて白紙に戻し、本当に必要なものに厳選すべきです。
 さいたま市の成立以来、これまで6回の市長選はすべて中森福代氏か前島英男氏、そして私のうら誰かが出馬して現職と争いました。「市政転換」を訴えるのなら、まず自分が関わる補助金の見直しも必要なはずです。

●外国人の人口変化に応じた外国語の相談窓口を
 市内の外国人のために、大宮区役所と浦和の国際交流センターで英語、中国語、韓国・朝鮮語、タガログ語、ポルトガル語の生活相談を実施しています。
 近年はベトナム人が増え、埼玉県内の外国人では2位になっています。そこでベトナム語の生活相談も実施するよう10月3日の決算特別委員会で提案しました。

吉田一郎 昨年度の利用者はタガログ語が3件、ポルトガル語は2件で少ない。県内の在留外国人数韓国・朝鮮語は大宮と浦和でやっていて7件だ。県内に住んでいるのは中国人に次ぎベトナム人が2位で、韓国人の2倍、ブラジル人の4倍いるが、ベトナム語の生活相談をやったらどうか。
観光国際課長 確かに人口が増えてきているので、ベトナム人に対する支援についても検討していきたい。

 技能実習生として来日したベトナム人は雇用問題でトラブルが増えています。外国人の国別人口の変動に合わせて市が提供する支援は随時見直すべきです。

●外国人に対する支援は韓国人だけ労働者限定!?
 観光国際協会のHPで外国人に対する支援を英語と中国語、韓国語で案内しています。しかし韓国語は「외국인 노동자 상당에 관해=外国人 労働者 相談에関해と表記。10月12日の決算特別委員会で追及しました。

吉田一郎 いったい誰が翻訳し、チェックしたのか。
観光国際課長 国際交流センターに週2回勤務のネイティブの職員がいて、そのチェックを経て公開した。
吉田一郎 ネイティブがチェックして、なぜ「外国人労働者の相談に関して」に限定なのか。そう書いてある。
観光国際課長 ご覧になった方に誤解を与えてはいけないので、改めて観光国際協会と確認する。

 HPの韓国語は数日後に「외국인에 대한 지윈」=外国人에対한支援に訂正されました。韓国語がネイティブ(母語)の職員がチェックしたのに、中学生の時に韓国語を3か月勉強しただけの私に間違いを指摘されるとはあまりにお粗末です。

●区役所窓口の翻訳システムは無料翻訳で即実施を
 市は今年度から4年がかりで各区役所に外国人向け翻訳システム機器を導入する計画です。そこで10月20日の市民生活委員会で確認しました。

吉田一郎 導入コストや運用コストは?
区政推進部副参事 答弁できない状況。
吉田一郎 私も海外に10数年住んで役所で困ったことはあった。翻訳システムを窓口で導入したら外国人は助かると思う。でもグーグル翻訳を使えば、スマホで世界数十か国の言語に翻訳できて、導入も運用も無料だ。
区政推進部副参事 個人情報の問題や自治体の専門用語もあるので、翻訳システムを導入する予定。
吉田一郎 何か国語を対象にするのか。
区政推進部副参事 まだ未決定だが、英語や中国語だけでなく多数の言語が翻訳できるよう考えている。
吉田一郎 需要が多い英語や中国語、韓国語は専門的なシステムを使い、それ以外の言語はグーグル翻訳を使ったらどうか。また4年がかりで導入よりまずグーグル翻訳を使い、本格システムは予算が付き次第でどうか。
区政推進部副参事 導入する機種は今後検討するので、委員のご指摘も参考にしながら良いシステムを導入するようにしていく。

 本来なら行政窓口での翻訳システムは国が開発し、全国の自治体が利用できるようにすべきです。
2022年12月特別号(3)
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氷川神社の十日市
子どもたちの参加を促し
小学校の午後休校復活を

旧大宮市では実施

 12月10日は氷川神社の十日市(とおかまち)大湯祭(だいとうさい))です。
 商売繁盛の熊手を中心に約千店の屋台が参道に並びますが、20年はコロナで中止。21年は熊手の屋台だけ復活。22年は食べ物の屋台も一部復活しました。
 私が子どもの頃、大宮市の小学校は午後休校でしたが、現在は通常授業です。
 今年の十日市は土曜でしたが、子どもたちが数百年前から続く大宮の伝統的な祭典を楽しめるようにすべきだと、12月7日の一般質問で提案しました。
吉田一郎 十日市の半日休校はなぜやめたのか。
小田嶋副教育長 十日市は歴史と伝統のある行事であり、以前は午前中で授業を終えた学校もあったが、地域の実情や授業時間の確保などを各学校が判断した。
吉田一郎 子どもたちが地域の伝統行事への理解を深めるために、大宮の小学校は午後休校にすべきだ。
小田嶋副教育長 子どもたちの豊かな成長のため、地域の伝統行事への理解を深めることは大変重要だと思う。十日市の授業短縮など教育課程の工夫は各学校が適切に判断し、教育委員会は各学校が地域に誇りを持ち地域を愛する子どもを育むよう支援していく。

 子どもの頃に訪れた十日市の思い出は何十年も心に残ります。伝統行事を継承していくためには子どもたちの参加が不可欠です。

「お金配り」に応募したら逮捕!?
振り込め詐欺に利用されない注意喚起を
 ここ数年、Twitterなどで「お金配り」と称するアカウントが出現し、「フォローすると毎日抽選で現金をプレゼントします」などと宣伝しています。
 半信半疑で応募すると「当選しましたー」と氏名や口座番号、携帯番号を教えるよう指示されて、実際に2万円程度が振り込まれることがあります。
 続けて200万円が振り込まれ、「間違って振り込んでしまった。10万円差し上げるので190万円を現金で返してほしい」と連絡があり、10万円もらえるならと指定された駅前で190万円を渡すと、警察に逮捕されてしまった…という話が出回っています。
 200万円を振り込んだのは振り込め詐欺被害者の高齢者で、「お金配り」に応募した人は犯罪組織の現金受け渡し役(受け子)にされるのです。
 市は昨年度、振り込め詐欺被害防止のため高齢者に自動通話録音装置を203台貸し出すなどしていますが、私は10月5日の決算特別委員会で、「お金配り」への応募で受け子にされる手口を紹介。市の対応を問いただしました。
吉田一郎 騙されないように防止する取り組みをどう考えているのか。
市民生活安全課長 今は振り込め詐欺の被害に遭わないよう啓発するだけの状況だが、委員から教えて頂いた振り込め詐欺の受け子にされてしまう手口について、消費生活センターや警察とともに有効な手段を追求する形で、対応できる方法を検討すべきだと考えている。
吉田一郎 Twitterの「お金配り」には応募するなとか、大量のお金が振り込まれたら警察や金融機関に連絡することを周知するキャンペーンが必要では。
市民生活安全課長 ご指摘の通り啓発が必要だと思う。関連部署とよく話をしながら対応策を精査していく。

 振り込め詐欺で騙されるのは高齢者とは限りません。新たな手口に巻き込まれないよう注意喚起が必要です。

●生活保護の不正受給を99%は警察に届けず
 生活保護の不正受給は犯罪です。さいたま市では昨年度に321件の不正受給が見つかり、被害額は計7860万円です。しかし市が警察に告訴したのは4件だけでした。そこで10月6日の決算特別委員会で問い質しました。
吉田一郎 市は以前、警察に届けるガイドラインを作ったはずだ。どういう基準だったか。
生活福祉課長 不正受給金額が100万円以上で高額であることや、不正受給期間が1年以上で長期にわたること。
吉田一郎 該当する不正受給は昨年度何件か。
生活福祉課長100万円以上は21件、1年以上は49件。
吉田一郎 不正受給を1年以上した人のうち、9割以上は警察に届けず見逃したのか。
生活福祉課長 福祉事務所で個別具体的かつ組織的な検討を行ったうえで捜査機関への告訴を検討している。
吉田一郎 個々の状況に応じて情状酌量をするのは司法の役割だ。市職員は司法の権限を持っているのか。
生活福祉課長 行政は司法の権限は持っていない。

 かつてさいたま市は不正受給を1件も告訴せずに野放しにし、不正受給の件数と被害額は05年度の24件3745万円から14年度は462件1億8911万円に激増しました。
 私は12年7月に2047万円の不正受給事件を暴露するとともに、警察に届けずウヤムヤにした清水市長や担当職員らを公務員の告発義務違反や詐欺ほう助でさいたま地検に告発しました。
 その結果、市は13年度から生活保護の不正受給者の告訴を開始。実刑判決が出たことで不正受給件数は減少に転じ、被害額は半分以下に減りました。
「不正受給は許さない」という厳しい姿勢が最大の防止になります。情状酌量の判断は司法に委ねるべきです。

世論や国会の動きに逆行するさいたま市議会
統一教会と関係の議長と副議長を選出
 安倍元首相の暗殺事件以来、統一教会と国会議員との関係が問題になっています。さいたま市議会でも自民党や立憲民主党の議員との関係が次々と明らかになりましたが、それらの議員が議長と副議長に選出されました。

●2回の記者会見で統一教会との関係を説明できず
 9月議会では竹腰連議員(共産・中央区)が、市議6人が統一教会系イベント「ピースロード」の実行委員に名を連ね、市長への表敬訪問を求める要望書を提出していたことを暴露。6人の氏名公開を要求しましたが、市は「個人情報保護」を理由に拒否しました。
 ところが10月19日に自民大宮派の中島隆一議員(中央区)が記者会見を開き、「ピースロード」に出席していたと公表。実行委員だったかは明言せず、21日に再び記者会見を開いて実行委員だったと認めたものの、「知らない間に名前を使われた」「表敬訪問に同席したが、何かわからなかった」と曖昧な説明を続けました。
 中島議員が公表したのは議長になりたいからです。自民党は年功序列で議長に就きますが、中島議員は「議長には向いてない」と判断されたのか11年に副議長になりました。77歳の中島議員は来年引退する意向で、「最後の花道を」との思いが強いのです。
 自民大宮派の幹部は、17年に「新都心への市役所移転」を掲げて大宮派を結成した際に、与野の中島議員が参加したことに恩義を感じ、「事前に公表しておくべきだ」とアドバイスしたようです。
 しかし記者会見は2回ともグタグダになって「やっぱり議長は無理では?」という声が広がりました。

●「全国の笑いものに」と呼びかけるも中島氏当選
 阪本克己議長(民主改革・桜区)は来年の市議選で桜区の定数が5→4に減ると激戦が予想されることから、議長を交代して選挙準備に専念したかったようで、12月1日に辞表を提出。私と川村議員、自民浦和派のドンこと青羽健仁議員(浦和区)は「無責任だ」と反対しましたが、他の議員が承認し議長選になりました。
 自民大宮派は再び中島議員を議長に据えようとしましたが、私は議長選に先立ち本会議で「宗教法人の解散を念頭に政府が質問権を行使したり、国会で統一教会の被害者救済法案を審議しているのに、さいたま市議会が統一教会と関わりのある議員を議長に選んだら、全国の笑いものになる」と警告しました。
 その結果、公明と自民浦和派も難色を示して議会は深夜まで空転。最後には「自公連携」が優先され中島議員は60人中46票を獲得し「悲願」の議長に就任しました。
 私は本会議で「中島議長は統一教会との関係を議会で説明すべきだ」と提案しましたが、賛成したのは川村準議員(無所属・南区)と共産だけで曖昧にされたままです。

●三神副議長もかつて統一教会系の会合に参加
 副議長選では、三神尊志議員(民主改革・見沼区)が45票を獲得して選出されました。
 民主改革は統一教会との関係の自己申告による調査を実施。9月28日に立憲民主党の三神議員と西山幸代議員(大宮区)は関係があったと発表しました。三神議員は07~11年に統一教会系の集会や会合に3回参加したと自らHPで詳細を公表しており、私は就任後の本会議でこれ以上の説明は求めませんでした。
 民主改革では立憲民主党の武田和浩(見沼区)、浜口健司(南区)と無所属の小柳嘉文(浦和区)、土井裕之(南区)の各議員は調査に不満を持ち回答を拒否。うち無所属2人はさいたま未来を結成して分裂しました。
   
2022年12月特別号(4)
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浦和優先の予算配分 難航続く用地買収
大宮に必要な道路整備の早期実現を
 大宮の都市基盤の弱点は道路が貧弱で交通渋滞が激しいことです。私は07年に議員になってから道路整備の必要性を訴え続け、工事に着手させましたが、大宮の道路整備予算は浦和に比べて100億円少なく、用地買収も難航が続いて完成は先延ばしになっています。私は10月7日の決算特別委員会で進捗状況を確認するとともに円滑な整備に向けてさまざまな提案を行いました。

 旧市役所通りの拡幅に合わせて
 交差する旧16号に右折レーンを

 旧中山道の渋滞を解消するには、東側に並行する氷川緑道西通線(旧市役所通り)の駅前通り~旧16号を拡幅して、南北どちらにも行けるようにすべきです。
 21年3月に完成のはずが用地買収が難航し市は「33年度になる」と言い出しました。私は20年12月議会で大宮門街前は西側を、他は用地買収が進む東側を使った暫定整備を提案しましたが、その後の進捗を確認しました。
吉田一郎 今後の見通しは?
大宮駅東口まちづくり事務所長 26年度に旧16号まで東側の用地で暫定整備をする方向で進めている。
吉田一郎 心配なのが旧16号を川越方面から来て右折レーンがないことだ。交差点のレンタカー屋の敷地を奥まで買えば右折レーンが造れる。
大宮駅東口まちづくり事務所長 旧16号の交差点部分も都市計画決定されているが、氷川緑道西通線の工事でここまで手を出すことには今のところなっていない。
吉田一郎 相互通行ができるようになり旧16号から車が入る場合、右折レーンがないと大栄橋の方まで渋滞してしまう。合わせて整備すべきだ。
大宮駅東口まちづくり事務所長 予測される交通量について今後研究していく。

 新しい道路を造るなら交差する道の整備も同時に着手すべきです。旧中の渋滞を緩和するために大栄橋から南に向かう車をできるだけ新しい道に誘導するには、旧16号側の右折レーンは不可欠です。

 10年も遅れた産業道路バイパス
 廃屋の強制収用を提案し実行へ

 市は新都心から旧16号まで、産業道路の東側に4車線バイパスを計画。14年度に天沼工区、19年度に天沼2工区、24年度に堀の内工区と段階的に開通させ、サッカー場まで延長して産業道路に合流させるはずでした。しかし1軒の空き店舗の地権者が立ち退きを拒み、市は天沼工区も25年度までの開通は不可能と言い出しました。
 私は21年2月25日の予算委員会で、2車線での暫定開通や建物の強制収用を提案。市はその後「24年度末までに開通させる」と言ったので、状況を確認しました。
吉田一郎 地権者との話し合いはどうなったのか。
道路計画課長 引き続き任意交渉を進めるとともに、強制収用に関しても作業を進めている。
吉田一郎 駅前通りまでの天沼2工区の目途は?
道路計画課長 26年度末までの事業認可なので、用地買収しながら電線共同溝工事をできる所から進めている。
吉田一郎 堀の内工区(旧16号まで)や堀の内2工区(サッカー場まで)はいつから事業を始めるのか。
道路計画課長 昨年度から道路設計の業務委託をして、それが整ってから地元説明会に入る。着手は未定。
吉田一郎 市役所の新都心移転が正式に決まったが、市のプロジェクトをもとに道路整備計画も考えるべきだ。産業道路の4車線化やバイパス整備は、大宮のサッカー場から浦和の太田窪まで10年以内に着手すべきだ。
道路計画課長 次期整備計画作成の指標に、今お話を頂いた公共施設による需要も追加すべきと思う。

 1軒の廃屋のために10年も開通が遅れては、用地買収に応じて転居した99%の人に失礼です。市がようやく強制収用に踏み切ることは評価できますが、サッカー場までも計画の遅れを取り戻して整備を進めるべきです。
 産業道路バイパスの全通は、大宮中心部の渋滞解消のみならず、大宮警察署から北区へ事件発生時にパトカーが急行するのにも不可欠です。

 17号の渋滞緩和に上落合桜木線
 進まない用地買収に新たな提案

 大宮駅西口周辺の17号の渋滞を緩和するのが、ビックカメラ前と旧日赤病院を結ぶ上落合桜木線です。鉄道工場前の工機部前通りと合わせれば、大成橋まで17号に並行して南北を結ぶ道が完成します。
 区画整理が進む旧大宮市では道路用地が確保されましたが、旧与野市の部分は立ち退きが進んでいません。
吉田一郎 昨年度の用地買収の状況は?
大宮駅西口まちづくり事務所長 契約に至らずゼロ。
吉田一郎 いつごろ完成できそうなのか。
大宮駅西口まちづくり事務所長 用地買収の対象件数15件のうち、まだ1件しか契約できていない。23年度までの事業完了は不可能なので、5年程度延長したい。
吉田一郎 用地買収の資料を見ると、建物全部を買わないで車1台分のスペースが残ってしまう家が多く、これが用地買収の進まない原因ではないか。いったん全部買ったうえで、道路用地に使わない部分を競売にかけたらどうか。
大宮駅西口まちづくり事務所長 基本的に国庫補助金を使っている事業なので、道路予定地に関わっている部分の用地と建物を補償していきたい。

 家の敷地をすべて道路予定地として買収するのなら補償金で他の土地へ移ることができますが、敷地の8~9割だけ買収すると言われても、残った敷地に家を建て直すことはできず、補償金も中途半端で用地買収が難航する原因になっています。
 市が独自予算でいったん残地を買い取って緑地にしたり、まとめてパーキングとして活用する事業者に売却するなど柔軟な対応も必要です。

西大宮
駅前通りに接続する幹線道路のはずが
予定地に住宅が建って駅に行けない!?

 09年に開業した西大宮駅の南口は駅前通りがありません。市はようやく20年度から指扇中央通線(駅前通り)350㍍の建設と、東に接続する文化センター通り(自衛隊通り)75㍍の延長に着手。28年度末に完成予定です。
 文化センター通りはもともと西にも伸ばす計画があり、開通すれば数百世帯の住宅街から西大宮駅に行けるほか、自衛隊通りと合わせて大宮公園から指扇まで大宮中心街の北部を東西に貫く道路が完成します。
 私は18年9月18日のまちづくり委員会で、駅前通りと文化センター通りの東西両側への接続を提案しました。
吉田一郎 文化センター通りは畑を挟んで西側に指扇へ行く道もある。そちらはつなげず放置するのか。
日進指扇周辺まちづくり事務所長 現在は駅前通りから東側につなぐということで進める。

 今年春それまで畑だった文化センター通り西側の道路予定地に、分譲住宅が8軒建ちました。地権者が亡くなり、市は「すぐには予算がないから」と予定地の買収に応じず、相続人は不動産会社に売却したのです。
 都市計画道路の予定地では建物の建設にさまざまな法的な規制があります。文化センター通りは都市計画道路ではないので規制はありませんが、大宮市の頃から「1級幹線道路」として整備が計画され、分譲地の西側まで歩道付きの道路が完成しています。
 このままでは分譲住宅のすぐ裏まで駅前通りが完成しても、西側の数百世帯の住民は駅に行けません。私は10月7日の決算特別委員会で提案しました。
吉田一郎 今からこれらの家をどかすのは無理だ。分譲地の私道を市道にして駅前通りにつなげたらどうか。
道路計画課長 ご提案の住宅地内の行き止まりの既存道路を活かした車両が通行できる暫定整備については、将来造るであろう1・2級幹線道路の整備計画の際に、参考と言う形で承らせていただく。

 新しい駅を造るのなら、開業までに駅前広場や駅前通りと、それに接続する幹線道路の整備を始めておくのは常識のはずです。浦和美園では多額の予算を投じて都市基盤整備を積極的に進める一方で、西大宮は「予算がないから放置」という浦和優先ぶりは許せません。
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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