2022年7月特別号 (1)
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大宮市が全国に誇った市民の命守る医療体制
内科オールナイト診療の復活を
「夜中に具合が悪くなったけど、救急車を呼ぶほどではない」という時のために、大宮市は宮原メディカルセンター(大宮医師会市民病院)で内科と小児科のオールナイト診療を長年実施していました。小児科はさいたま北部医療センターで現在も続けていますが、内科は中止になったままです。高齢化社会を迎えて、市民の命を守るためには復活が不可欠です。

 浦和優先の相川前市長
 病院移転し内科中止に

 相川前市長は「浦和東部には市立病院、中部には埼玉メディカルセンターがあるので、浦和西部にも公的病院を造りたい」という旧浦和市の計画をもとに、09年2月末に大宮医師会市民病院を閉鎖。「人の命も浦和優先」とばかりに、浦和との境(西区島根)に市民医療センターとして移転しました。
 移転と同時にオールナイト診療は中止になる予定でしたが、私は議会で徹底追及するとともに記者クラブに資料を配布して新聞各紙に報道させ、小児科だけは大宮総合病院→さいたま北部医療センターで継続させることができました。
 しかし内科は中止になったままで、夜間は土曜と休日の21時30分までです。
 私はこれまで再三にわたって終夜診療の復活を要求してきましたが、6月議会では21時30分ぎりぎりに駈け込んで命拾いした住民から預かった「内科オールナイト診療の復活を求める請願」を紹介議員として提出。5月23日の保健福祉委員会で追及しました。

 大宮市のやり方調べず
 「困難」の答弁に終始


吉田一郎 高齢化が進む中で内科の24時間診療は必要だ。
地域医療課長 かかりつけ医を持つことで、少しの健康状態の変化も気軽に相談してもらいたい。
吉田一郎 普段から体調の悪い人はかかりつけ医があるが、今まで医者に行ったことがない人もいる。
地域医療課長 委員ご指摘の通り、年齢や既往症においてかなり千差万別とは考えている。
吉田一郎 大宮市は宮原メディカルセンターで、内科と小児科の終夜診療を何十年も行っていたが、09年以降なぜ不可能になったのか。
地域医療課長 当時の中止に至った経緯はわからない。
吉田一郎 大宮市は成人に対しても、365日24時間の医療体制が必要だと認識し実行していたが、さいたま市は不要だと見解が変わったのか。
地域医療課長 当時の資料がないのでわからないが、医療従事者確保の観点から非常に難しいと考えている。

 小児科の終夜診療の受診者数は、21年度は年間5千人弱、1日平均10数人です。市が医師に出す報酬を増やして内科も診てもらうか、深夜勤務で稼いで開業したいと言う若い医師を雇うなどの方法もあるはずです。
 救急車の出動コストは20年度で1回4万5371円です。内科の終夜診療の実施で軽症者が救急車を呼ぶ回数が減れば、医師を雇う費用は十分賄えます。
 6月2日の本会議では、元「相川与党」の自民・公明・民主が反対して請願は否決されましたが、私は今後も内科オールナイト診療の復活を目指して取り組みを続けます。

大宮住民の健康は大宮で守れ
大宮保健所の復活を
 6月議会では、さいたま市の保健所を2か所に増やして機能充実を求める請願が審議されました。
 大宮市だった頃は、現在の大宮区役所の場所に大宮保健所がありました。合併後「浦和優先」の相川前市長は浦和の保健所と統廃合し、中央区鈴谷(北浦和駅からバス)に移転しました。
 埼玉県は30~40万人に1か所の割合で保健所を設置しています。人口133万人のさいたま市は大宮保健所を復活させるべきです。
 6月24日の本会議で、私は税務署や市税事務所など市民から税金を取り立てる部署は今も大宮と浦和の2ヵ所あるのに、市民の命や健康を守る保健所や児童相談所(浦和区)は1か所しかないのはおかしいと指摘。
 大宮保健所を復活し「大宮住民の健康は大宮保健所で守り、大宮のコロナは大宮で対応を」と訴えました。

ガラ空きコロナ病床の確保で
入院や手術が延期の弊害を指摘

 2年以上続くコロナの流行で、全国的に保健所のパンク状態が問題になっています。
 さいたま市でも、2月議会では私の追及で1万3000人を超える自宅療養者に対し、保健所が食料を配送できる能力が1日40人に過ぎないことや、陽性者に保健所から1週間何の連絡もないことが判明。本来90人だった保健所の職員を他部署から緊急動員して256人に増やし、6月議会では食料品の配送予算を2億1479万円追加して、1日最大200人に届けられるようになりました。
 しかし感染者の大部分が無症状か軽症のオミクロン株になり、果たして保健所が感染者全員を管理し続ける必要があるのか、見直しの機運が高まっています。
 コロナは感染症法2類相当の扱いで、病院に補助金を出して県内では7月1日時点で1827床の病床をコロナ用として確保していますが、実際の入院患者は193人で、重症者は3人だけです。その一方で癌などの重病患者が入院できず、手術が延期される事態が目立っています。
 このためコロナをインフルエンザ並みの感染症5類相当に変更すべきだという指摘が相次いでいます。
1月に東京の小池都知事が記者会見で提案し、6月には東京都医師会も提言しています。
 私はさいたま北部医療センターで急性心不全により緊急入院が必要と診断されながら、1週間近く自宅で入院待機を余儀なくされた市民から預かった「コロナを感染症5類に変更するよう市は国に強く働きかけてください」という請願を紹介議員として提出。5月23日の保健福祉委員会で問いただしました。

吉田一郎 コロナ用の病床を確保しているために、請願者のように入院が必要な他の患者が入院できないという事態を市は把握しているのか。
地域医療課長 病床確保で一般医療への影響も多少あるとうかがっている。
吉田一郎 もし私がコロナに感染したと判明した場合、隣に座っている議員は濃厚接触者になるのか。
地域医療課長 現在は一般的な仕事場では、保健所で濃厚接触者に当たるかの認定は行っていない。
吉田一郎 神奈川県ではコロナ陽性者もマスクをすれば買い物に行って良いとなったが、さいたま市は?
疾病予防対策課長 濃厚接触者や陽性者の家族は買い物に行くことは差しつかえないと言う判断だが、陽性者本人には自宅待機をお願いしている。
吉田一郎 感染症5類に変更すると、インフルエンザと同じで医療費は一部自己負担になると懸念されるが、国が難病の医療費を無料にしているように、医療費を公費で出して自己負担をなしにするのは制度的に可能か。
地域医療課長 国の措置次第になると考えている。

 5月までは海外からの入国者全員に空港でコロナ検査を実施し、毎日100人以上の陽性者が見つかっていましたが、国は6月から空港での検査を廃止して外国人観光客の受け入れを再開しました。これは「オミクロン株はたいした病気じゃない」と判断して、インフルエンザのように感染者の入国も認めたことに他なりません。
 コロナで亡くなる人よりも、コロナ病床の確保で手術や入院ができずに亡くなる他の重病の人が多くなっては本末転倒です。万が一新たに毒性が強い変異株が出現したらまた2類相当に戻せばいいわけで、市は岸田首相に対して5類への見直しを強く働きかけるべきです。
吉田一郎市政報告会 9月10日(土) 14:00~16:00 プラザノース第3セミナールーム(入場無料)
2022年7月特別号(2)
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新都心への市役所移転
審議会を6年→構想に4年→計画も2年…
時間引き伸ばしを許さず追及
 合併協定書に明記されていた「さいたま新都心への市役所移転」が、4月28日の臨時議会でようやく可決されました。
 清水市長は6月議会で、市役所移転の基本計画を24年3月までに作成する費用369万円の補正予算を提出しました。
 これまで市庁舎整備審議会で答申を出すまでに6年間、市役所移転の基本構想を作成するまでに4年間かけています。
 このうえ2年近くかけて基本計画を作るのは、いたずらに時間を引き延ばすだけではないかと6月2日の本会議で追及しました。

吉田一郎 基本計画は基本構想をもとに作ればいいのに、なぜ2年もかけるのか。
真々田都市戦略本部長 市民の意見を伺いながら新庁舎の具体的な方向性を示し、基本設計に必要な諸条件を整理する重要な作業なので、時間をかけて取り組む。
吉田一郎 基本計画の後に事業者選定をすると言うが、清水市長の残り3年弱の任期中には具体的なことは行わず、設計や着工は将来の市長に一任するのか。次の市長が「移転反対」と言ったら中止になるのか。
真々田都市戦略本部長 市長の現在の任期中に基本設計に着手するのは難しいが、25年度に実施する基本設計の予算を確保するところまでは進むと思う。

 清水市長が設計の予算だけ計上したところで、次の市長がそれを使わなければ、市役所はずっと浦和のままになりかねません。

 市民からの意見は
 移転決定を前提に

 市は「市民の意見を伺いながら」基本計画を作成すると答弁しましたが、基本構想の作成の時にも市民の意見を募集していました。
 こんどはいったい何を聴くのか、6月21日の特別委員会で追及しました。

吉田一郎 基本構想を作った時にも市民の意見聴取をしたが、また同じことをやるのか。
都市経営戦略本部参事 これまでは位置や希望など広い意見を聴いたが、今後は新庁舎の具体化を進めるうえで必要な意見を聴く。
吉田一郎 それなら「新都心に市役所を建てる前提でご意見をお寄せください」とはっきり明示するのか。「移転反対」「浦和のままで」という意見も集めたら結局これまでと同じだ。
都市経営戦略本部参事 基本計画を策定する以外の意見も、寄せられたものはしっかり受け止めたい。
吉田一郎 それじゃ何回意見を聴いても前に進まないじゃないか。
真々田都市戦略本部長 市民からのご意見は①新庁舎の機能・規模、②民間機能との複合化、③事業手法、④スケジュールや費用について伺いますと、市民に投げかけたい。それ以外の意見については、市のこれまでの説明にご理解を頂けなかった方からなので、移転の必要性を説明していく。
吉田一郎 意見の聴き方は非常に大事で、漠然と「意見をお寄せください」ではなく、設問や司会進行で「新都心の市役所にはどんな機能や設備があったらいいですか」のように具体的に聴いて、最後にその他の意見を聴くようにすべきだ。
都市経営戦略本部参事 委員ご指摘の通り、意見を聴く際には必要な意見を聴き取れる聴き方をして行くのは重要なので、そこに配慮しながら進めていく。

 跡地は県に売却して
 市役所移転をタダに

 浦和の市役所の跡地利用についても、市は7月から市民の意見聴取を始め、777万円をかけて業者と契約し、他市の事例などを調べたいと言います。

吉田一郎 その前に県庁の建替えで跡地を使いそうな県の意向を確認すべきだ。
都市経営戦略部参事 埼玉県では県庁改築の検討を始めていると伺っている。検討の進捗に応じて県と情報を共有しながら進める。

 私は昨年3月に「浦和の市役所の土地はいくらで売れるか」を市に調べさせ、消防署部分を除いて116億円と判明しました。積立金96億円と合わせれば、新都心に市役所を建てる費用はほぼ賄えます。
「浦和優先」の相川前市長の下で、中核的な公共施設は浦和に集中建設されたのに、浦和住民から「美術館も建てて欲しい」などの声を集める前に、跡地をまとめて購入しそうな県と協議し、新たな財政負担なしに市役所移転を進めるべきです。

小中学校の電気使用料
新電力に切り替えたら
 1.4億円
 高くついた!?
公共施設は安定重視を

「電気代がおトク」という触れ込みで新電力に切り替えたら、エネルギー価格の高騰で新電力が撤退してしまい、「最終保障供給制度」を使って東京電力に割高料金で電力供給の継続をお願いする…というケースが相次いでいます。
 さいたま市の小中学校や特別支援学校は、昨年12月に今年1~12月の電力供給の入札を行い、東京電力より安い価格を提示したウエスト電力(本社・広島)が落札しましたが、同社は3月末で電力事業から撤退。東京電力に割高料金を払って電力供給を頼むことになりました。
 市の負担はいくら増えたのか、私は6月2日の本会議で明らかにさせました。

吉田一郎 学校の電気代は、新電力に変えるといくら安くなる契約だったのか。
小田嶋副教育長 東京電力が8億1321万円に対し、ウエスト電力が6億3690万円で、その差は1億7631万円。
吉田一郎 もし東京電力をずっと使っていたら、電気代はいくら安く済んだのか。
小田嶋副教育長 学校の電気代の補正額は7億8973万円だが、東京電力の価格での値上がりは6億4890万円で、差額は1億4083万円になる。

 電気代が1億7631万円安くなると思ったら、結果的に1億4083万円高くつくハメになったようです。
 市では学校以外の施設でも新電力への切り替えを進めていましたが、新電力には価格変動や撤退のリスクがあるのは、電力自由化が始まった時から言われていたことです。
 コスト削減も大事ですが、公共施設の電力供給は、安定を重視するべきです。

●区役所でワクチンパスポートの即日発行を提案
 コロナワクチンを2回以上接種した人はワクチンパスポート(予防接種証明書)が取得できます。さいたま市は区役所(または郵送)で申請し、1週間後に郵送されます。返信用封筒と切手も必要です。
 6月13日の市民生活委員会で発行枚数を問いただしたところ5月末までに1万1848枚で、県民割や海外旅行で必要な人が増え、春以降は増加しています。
 昨年末からはスマホで電子版の接種証明書が取得できるようになりましたが、マイナンバーカードがある人だけです。

吉田一郎 一部の自治体では窓口で即日発行をしているが、さいたま市はなぜできないのか。
区政推進部長 接種記録システムのデータに間違いが多く、確認に時間を要する。
吉田一郎 宇都宮市は即日発行をしているが「接種記録の状況によっては即日お渡しできない場合もあります」とあらかじめ市民に周知している。そうしたらいい。
区政推進部長 即日発行についてはワクチン対策室と区役所の総務課で実際にそういう対応ができるか検討してもらえたらと思う。

 今後は県民割に代わる全国旅行支援の導入で「ホテルの予約が取れたから」と接種証明書が急に必要な人も増えます。郵送の手間を省くために効率的な発行体制を準備すべきです。

●省エネ機器の購入は企業には補助、市民にはナシ
 春からエネルギー価格の高騰に加え電力不足が懸念され、国民全体で省エネに対する取り組みが必要だと言われています。
 清水市長は6月議会で照明、クーラー、冷蔵庫などを省エネ機器に買い替えた中小企業に経費の3分の2(上限500万円)の補助金を支給するため1億5000万円(及び事務経費2391万円)の補正予算を提出。私は6月23日の本会議で質問しました。

吉田一郎 なぜ補助するのか。
矢口経済局長 中小企業は大企業より厳しい状況にあると認識しており、経済団体との意見交換で原油価格高騰の中で省エネは重要だと意見があった。
吉田一郎 一般家庭にはなぜ補助を出さないのか。
矢口経済局長 市や県で既存住宅の省エネ設備の設置に補助する制度がすでにある。
吉田一郎 企業にも省エネのビルには補助金が出る制度があるのではないか?
矢口経済局長 わからないのでお答えできない。

 市は既存住宅に太陽光発電パネル等を設置した場合4~5万円の補助を出していますが、国はビルの省エネ改修に5000万円の補助を出しています。そのうえ市は経済団体に言われるがまま企業には照明やクーラー、冷蔵庫の買い替えにも補助を出し、市民への補助は必要性を調べようともしないという姿勢は問題です。
2022年7月特別号(3)
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市役所の移転に合わせて
消防本部は大宮にと提案
 大宮市だった頃の消防本部は、自治医大横の大宮消防署にありました。
 市民が映像や体験で楽しく学べる防災展示ホールや、ヘリポートも完備していますが、合併後は「浦和への一極集中」で消防本部は浦和消防署とされ、大宮消防署は防災センターになりました。
 ヘリポートは昨年度1回しか使われず、普段は救急車や地震体験車が置かれて
います。
 新都心へ市役所が移転するのに合わせて、消防本部は大宮消防署に移すべきだと、6月13日の市民生活委員会で提案しました。

吉田一郎 新都心に近くヘリポートも完備した大宮消防署に、さいたま市の消防本部を移すべきだ。
消防局総務部長 新庁舎整備基本構想では、市役所と消防本部は一体的に整備すると位置づけられている。
吉田一郎 現実的に新都心の市役所の土地は狭く、消防車を置く場所がない。1階のバスターミナルに消防車を置くつもりか。消防本部の事務方は市役所に入れても、指令室や現場部隊は大宮消防署を拠点にして、役割分担したらどうか。
消防局総務部長 消防本部のうちどのような機能を市役所と一体的に整備するかは課題で、指令センターについても今後市全体で検討していく。

 防災センター駐車場
 大雨が降ると水没!?

 大宮消防署にも弱点があります。隣が芝川で消防署の建物の土地は嵩上げしてありますが、大雨が降ると芝川沿いの駐車場は水没してしまいます。

吉田一郎 ヘリポートに救急車を停めるくらいなら、川沿いの駐車場を消防署と同じ高さに嵩上げして、災害時にも緊急車両を停められるようにすべきだ。
消防局総務部長 芝川の貯水という位置づけもされているので難しい。
吉田一郎 防災センターの駐車場に水があふれてヘリポートに救急車を停め、ヘリコプターが着陸できなくなるなんておかしい。貯水・遊水機能は南側に建設するセントラルパークに移して、災害時も駐車場が使えるようにすべきだ。
消防局総務部長 今後の検討課題とさせていただく。

 産業道路の4車線バイパスが完成すれば、大宮消防署から新都心まで10分以内です。大宮市時代の消防本部機能を活かすべきです。

 吉田一郎が反対した議案 
■一般会計補正予算(2)
 「コロナ長期化で実情を踏まえた生活支援」と言いながら、コロナで収入が減ったわけではない生活保護世帯にも、子ども1人につき5万円の給付金を配るのは意味不明です。
■一般会計補正予算(4)《2面参照》
■風渡野1・2丁目を新設
 畑が多い七里駅の東の外れを1・2丁目にして、商店が並ぶ七里駅前は「大字風渡野」のまま変えるつもりはないのでは混乱します。
■選挙公営の請求上限額引き上げ
 選挙カーのレンタル料や燃料代は引き上げても、運転手の日当は据え置きのままで、時給約千円で12時間労働させる(2人で6時間交替は認めない)のは、安全上問題です。
■大栄橋耐震補強工事契約
■大栄橋耐震補強工事契約増額

 東側線路沿いの橋脚1本の耐震化で歩道の階段撤去方法を変更し、工事費を7158万円増額して7億7154万円に変更。さらに西側線路沿いの橋脚1本の耐震化に4億8398万円をかけ、20本の橋脚全ての耐震化に莫大な費用をかけるなら4車線化すべきです。
■大宮武道館中規模修繕工事請負金額増額■針ヶ谷小学校改修工事請負金額増額■舘岩少年自然の家中規模修繕工事請負契約増額
 建設業者から要求があったわけでもないのに、国が「労働者の賃金水準が上がった」と判断して契約金額を増額。しかし実際に作業員の賃金が上がったかは確認しないのでは意味なし。
■監査委員の選任
 政務活動費の不正使用疑惑により、住民監査請求で返還を求めた相手を監査委員に認めるわけにはいきません。
■委員会条例の改正■会議規則の改正
 コロナ感染や濃厚接触者になった場合に限定していた委員会へのオンライン出席を、災害時などにも拡大。「など」の内容はこれから考えるのでは、「なんかお腹の具合が悪いので、議会に行かず家でオンライン出席すればいいや」になりかねません。
■環境教育の推進及び脱炭素化達成に向けた学校施設のZEB化を求める意見書
 さいたま市議会は1年半前に、CO2排出量がいくら増えるのかもわからないまま学校体育館へのクーラー設置を国に求める意見書を出し、今度は学校施設の脱炭素化に金を出せでは矛盾しています。私は15年前に議員になってから浦和の市役所へは自転車か電車・バスで行っていますが、脱炭素化を言うのなら、まずは議員が率先して議会へマイカーで来るのをやめるべきです。

●33人の議員に「昭和基準」の電話代を支給!?
 8月9日に鴻巣で開かれる埼玉県市議会第5区議長会主催の研修会に、各政党の議員33人が参加したいと言い、6月24日の本会議で審議しました。
 参加議員には「旅行雑費」が200円支給されます。そこで参加者代表の松下壮一副議長(公明・南区)に問いただしました。

吉田一郎 旅行雑費とは具体的に何か?
松下副議長 旅行中の勤務公署(市役所)への通信等の経費に充てるための旅費で、1日につき200円。
吉田一郎 赤電話が市内は3分10円、市外にかけると10円玉がどんどんなくなった時代ならともかく、携帯電話でかけ放題プランが普及した今の時代に必要か?
松下副議長 見解を求められても答えられない。

 第5区議長会の範囲は北が鴻巣、西は志木・朝霞・新座・和光で、衆議院が中選挙区だった頃の第5区です。私はたかが200円とはいえ「昭和のままの組織の研修」で、「昭和のままの電話代」を支給するのはおかしいと反対。現代の実情に合っていない旅費の規程は見直すように呼びかけました。
2022年7月特別号(4)
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桜木駐車場
大宮市が240億円で購入した土地を69億円で叩き売る!?
怒りの追及で企業への売却を見直しさせました
 大宮駅西口の大栄橋の北側、鉄道工場の向かいに広がる桜木駐車場は、大宮市が複合文化施設を建設するために240億円で購入した土地です。
しかし「浦和優先」の相川前市長は中央図書館や国際交流センター、市民活動サポートセンターなどの施設はすべて浦和に集中建設し、桜木駐車場は放置。6月議会で私は清水市長が民間企業に69億円で叩き売ろうとしていたことを暴露。売却を阻止すべく徹底追及しました。

 もともと桜木駐車場の土地には大宮鉄道病院がありましたが、国鉄の分割民営化で閉鎖され、92~93年に大宮市が購入したのです。
 私は6月8日の一般質問で、購入した時の経緯や売却計画の詳細について問いただしました。

吉田一郎 当時の大宮市の人口1人当たりいくらで購入したのか。
篠崎都市局長 2・9ヘクタールを240億円で購入したが、94年10月1日時点の大宮市の人口は42万3270人なので、1人当たり約5万6700円になる。
吉田一郎 大宮市はどういう契約方法で購入したのか。公共施設の建設を条件に購入したのではないか。
篠崎都市局長 国鉄清算事業団との間で、複合公共施設等を指定用途として随意契約で購入した。
吉田一郎 6月から売却先の公募を始める話もあるが、いくらで売るつもりか。
篠崎都市局長 現時点では2ヘクタールの売却基準額は69億円とする予定。
吉田一郎 何を造るという条件で売るつもりか。
篠崎都市局長 東日本の対流拠点形成に資する機能と大宮駅西口第五地区まちづくりと連携した地域貢献機能の導入を求め、社員寮や学生寮以外の住居施設は禁止する予定。

 損害賠償の訴訟予告し
 売却断念で計画延期に

 240億円で購入した土地の3分の2なら160億円のはずですが、それを半値以下の69億円で民間企業に叩き売るとはトンでもありません!
 私は購入当時に大宮市長だった故・新藤享弘氏が、生前『市政レポート』に寄せた「大宮市民の皆さんの血税で購入した大宮市民の貴重な財産とも言える一等地を、財政が逼迫しているわけでもないのに、市民に対する説明がないまま売却してしまうことは全く理解できません」というメッセージをその場で朗読。
 さらに「大宮市の購入時よりも著しく安く売った場合、損害の支払いを清水市長に求める住民監査請求や住民訴訟の対象になるのか」と迫ったところ、篠崎都市局長は恐れをなしたのか「年間1億5000万円の基準額での貸付を基本とする」と付け加えました。
 市は6月に桜木駐車場売却の公募要項を発表し、11月締切で購入企業を募集する予定でしたが、私の怒りの追及で計画は延期され、売却そのものを見直しさせることができました。

 大宮の一等地を次々と
 民間企業に売却や貸付

 さいたま市はこれまでも、大宮市が96年に大宮市役所を移転するために107億円で購入した富士重工跡地の一部を島忠に売却(残りはプラザノースとさいたま北部医療センターに)。
 また旧大宮図書館は、戸田建設などに年間950万円で貸し出して店舗やオフィス(Bibli)になり、旧大宮市役所(大宮区役所)の跡地利用も、市は「東日本の交流拠点としての機能が必要ないとなったら、売却の選択もある」と言っています。
 新都心へ移転する浦和の市役所跡地は、浦和住民の声を聴きながら活用を決めようとする一方で、大宮市役所の跡地や大宮市民の血税で購入した土地は、大宮住民の声を聴かないままに、片っ端から企業に売ったり賃し出したりするのは認められません。
 かつて大宮市が「大宮都心構想」の1つとして掲げていた、大栄橋に面した大宮駅北口の開設が実現すれば、桜木駐車場は駅前一等地になります。
 大宮市民が4人家族なら23万円も負担して購入した土地は、大宮住民のために有効活用すべきです。

491億円も税金投じ
欠陥市民会館に閑散とした再開発ビル
「大宮門街」の失敗繰り返すな
 中央デパート跡地を中心に建設中だった再開発ビルが、「大宮門街」として4月にオープンしました。
 西棟は18階建てのオフィスビル、東棟は市民会館が移転しましたが、テナントの多くは雑居ビルに入っているようなクリニックやドラッグストア、コンビニなどで、市民からは「期待していたのにガッカリだ」と失望の声が相次いでいます。そこで6月8日の一般質問で追及しました。

吉田一郎 市は再開発にいくら公金を使ったのか。
篠崎都市局長 補助金・交付金が169億円。市が取得した床(市民会館)は276億円で、従前資産(土地の現物出資)は46億円。
吉田一郎 クリニックばかりだが、再開発のコンセプトと合致しているのか。
篠崎都市局長 多様性のある商業や高次業務のおもてなし機能を誘導する方針で、大宮門街はオフィスの業務機能、銀行や店舗など商業機能と市民会館で構成され、多様性があるので方針に沿った施設だと考えている。
吉田一郎 クリニック中心のテナントで賑わいが生めるのか。入口を大きく取っているが、ここでイベントをやったら、患者からクレームが来ないか。
篠崎都市局長 クリニックは未来志向で健康的な生活をコーディネートする用途の1つとして捉えている
吉田一郎 市は491億円も出して、テナント選定に口を出さなかったのか。
篠崎都市局長 テナント選定は権利者が主体となって行うものだが、魅力的なテナント誘致につなげられるよう、市も管理組合としっかり連携していきたい。

 賑わい生むはずが
 ブラックホールに

 再開発ビルに491億円もの税金を投じたのは、大宮駅東口が賑わいを取り戻すためのはずです。
 浦和駅東口の再開発ビルにはさまざまな公共施設のほか、デパート(パルコ)や映画館が入り、地元住民だけでなく浦和駅前に人が集まるようになりました。
 「大宮門街」も当初はNHK放送局が入居し、過去の番組を公開するアーカイブス広場、特大画面で市民がスポーツ観戦するパブリックビューイング、子どもの放送体験広場の設置を発表し、番組収録のために市民会館の移転も決まりました。
 しかし地権者の利害がまとまらず、16年度の完成予定は大幅に遅れ、NHKは15年に撤退。NHKのアドバイスを欠いた市民会館は、搬入用エレベーターが小さすぎて大道具が運び込めず、芝居やミュージカルができない設計ミスで、「欠陥市民会館」になりました。
 完成の遅れでコロナに重なり、再開発組合は目先の利害でクリニックを誘致。通りに面した1階は郵便局や銀行となり、夜間や休日は閉店するテナントが並んで、周辺と比べて賑わうどころか人がいない「ブラックホール」と化しています。
 これでは「地元住民だけでなく大宮に人を集めるビル」にはなりません。

 大宮東口の再開発は
 地権者よりもJRと

 大宮駅東口では「大宮GCS化構想」と称して、今後も再開発構想がいくつもありますが、一部の地権者は半世紀も抵抗を続け、なかなかまとまっていません。
 ここ数年はペンシルビルの建設が相次ぎ、この状態で再開発に多額の公金を投じても、税金をドブに捨てるようなものです。
 大宮駅東口の再開発は駅前地権者を相手にせず、当面JRと共同で東口駅舎建て替えや、駅と大栄橋の間の線路上に人工地盤を設置して、北口広場やそれを囲む商業ビル、ホテル、オフィスビルの建設などに専念すべきです。
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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