2022年5月特別号 (1)
2面   3面   4面
4月臨時会
浦和から新都心へ市役所移転が可決
場所は「吉田プロジェクト」のバスタ(大宮区)に
 01年にさいたま市が成立した時からの「約束」だった新都心での市役所建設。私は07年の初当選以来、「合併協定書を守れ!」と追及し続けてきましたが、4月28日の臨時議会で市役所移転が可決。
場所は私が5年前に「吉田プロジェクト」として提案した新都心バスターミナル(大宮区)に決まりました。

 大宮市と与野市、浦和市が調印した合併協定書には、市役所は3市の境に位置する「新都心周辺地域が望ましい」と明記され、新市役所建設の審議会や庁舎建設基金を「速やかに設置する」と書かれています。
 しかし合併したその日に一夜城のように市役所が建つはずはないので、新市役所の完成まで「当分の間、現浦和市役所」を使うことになりました。

 移転を30年間延ばした
 相川前市政と清水市政

 当時の大宮市や大宮市民の多くは、数年で新都心に市役所が建つと思っていましたが、初代市長選で新藤亨弘元大宮市長が破れ、相川宗一元浦和市長が当選。市役所を浦和から動かしたくない相川前市長は、合併協定書を無視し続けました。
新市役所 そして「さいたま市の中心=浦和」を既成事実化し、公共施設の建設や都市開発、道路整備などの予算配分を浦和に集中。合併協定書で「速やかに合併協議を行う」と明記されていた上尾市は、市長自ら「大宮は真っ暗闇」と公言して、住民投票で合併が否決されました。
 09年に清水勇人氏が市長に就任しましたが、「浦和の票」を気にしてか移転問題を放置し続けました。
 12年にようやく審議会を設置しましたが、答申を出すまで6年も経過し、この間に新都心最後の空き地と言われた第8-1A街区(中央区)には日赤病院が建ちました。
 そこで私は17年2月に、新都心東口(大宮区)に建設予定だったバスターミナルの上に市役所を建てる「吉田プロジェクト」を提案しました。
 議会では屠畜場(くまがい構想)、中央区役所(中島プラン)の案も出ましたが、清水市長は21年になって「31年を目途に新都心バスタへの市役所移転を目指す」と発表しました。
 「市長の任期は3期まで」と言っていた清水市長が昨年の市長選で4期目に入り、今後は「浦和の票」を気にする必要はなくなったのか、ようやく議会に市役所移転案を提出したのです。

 移転期日は空欄のまま
 市長が無期延期も可!?

 清水市長が提出した議案には、移転する日(施行期日)は「規則で定める日」としか書かれていません。
 私は「31年を目途に移転」はどう保証されるのか本会議で追及しました。

吉田一郎 「規則」とは誰がどのように定めるのか。
伊達総務局長 規則は市長が定め、議会の議決は不要。規則の改正も同様。
吉田一郎 もし市役所移転に反対の人物が市長になって、いつまでも施行期日を定めずに、浦和の市役所を使い続けるのは可能か。
伊達総務局長 法的に可能。
吉田一郎
 清水市長は自分のもとで着工まで行う意思はあるのか。

 市は答弁をはぐらかし議会は20分にわたって中断。ようやく清水市長は「与えられた任期の中で本庁舎の整備に全力で取り組む」と答えましたが、市長の任期はあと3年です。
 移転まで今後9年もかけるスローペースではなく、3年以内に着工まで責任を持って行うべきです。
 29日未明まで続いた本会議で、私は期日が空欄では「空手形だ」と指摘。 「初代市長が新藤氏なら数年で移転できたのに、相川氏が当選して何十年も延びた。今後も新たな市長次第で移転を無期延期できるのでは賛成できない」と厳しく批判したうえで、採決では「吉田プロジェクト」を採用した点を評価して、賛成票を投じました。
 「浦和優先」の相川前市長と「浦和票」を気にした清水市長によって30年間も引き延ばされた新都心への市役所移転ですが、実現まではまだ油断できません。
 移転に不満な浦和住民をなだめるために、市役所跡地に新たな公共施設を作る案も出ていますが、市役所跡地(土地評価額116億円)は県庁の建替え用地として売却し、名実ともに新都心中心の都市構造に切り替えるべきです。

▶浦和の議員はなぜ賛成に転じたのか?◀
 議会はふつう出席議員の過半数の賛成で可決ですが、市役所の移転には3分の2以上の賛成が必要です。
 さいたま市議会の定数は60ですが、うち浦和が26、大宮は24、与野と岩槻が各5です。浦和の議員の一部が賛成しないと市役所は浦和から動かせません。
 昨年12月議会で浦和区自治会連合会が提出した「市役所移転の白紙撤回」を求める請願に賛成や退席(=移転に反対)したのは、自民浦和派7人と自民大宮派や民主改革のうち旧浦和選出の6人、共産7人、川村議員(無所属・南区)の21人で、請願に反対(=移転に賛成)したのは39人でした。3分の2にはまだ1人足りません。
 4月臨時会で市役所移転が可決できたのは、主に自民浦和派が賛成に転じたからです。
 自民党の議員と話していると、「おまえと違って俺たちは負けるわけにはいかないんだ」と言われることがあります。私はおかしいと思ったらたった1人でも反対しますが、保守系議員にとっては負けるとわかったら敢えて負けを選ばないのが「責任ある行動」のようです。
 4月13日の特別委員会では、「浦和派のドン」こと青羽健仁議員(浦和区)は、旧態依然とした与野駅東口(浦和区)を新都心のエリアに含めて再開発するよう求めたほか、「市役所移転と跡地利用はセットで進めるべきだ」「これだけの敷地に企業側が来たいと言っても、スケジュールが合わなかったりする。移転時期についてもフレキシブルに、早まってもいい」など次々と提案。跡地開発に積極的な姿勢を見せました。
 結局、市役所移転は賛成48、反対9、退席3で可決し、自民党議員で反対したのは浦和派から大宮派に転じたのに2月議会で議長になり損ね、無所属になった帆足和之議員(浦和区、前号参照)だけでした。
 市役所の移転問題が決着したことで、自民党は大宮派と浦和派に分裂している理由はなくなりました。来年の市議選を前に両派は統一して最大会派(22人)となり、議会の主導権を握ろうとするかも知れません。

合併から30年も引き延ばされる市役所移転 
 2001年  5月  大宮市・与野市・浦和市が合併
     市長選で相川宗一氏(元浦和市長)が当選
   7月  上尾市が住民投票で合併否決。伊奈町も合併断念
 2003年  5月  政令指定都市になり区割りを実施
 2005年  5月  岩槻市を編入合併
 2008年  11月  合併協定書の審議会ではなく「庁舎整備検討委員会」を設置
 2009年  4月  区役所の建替も含めた庁舎整備基金を設置
   5月  市長選で相川氏落選、清水勇人氏が当選
 2012年  6月  本庁舎整備審議会の設置を市議会で可決
   12月  本庁舎整備審議会が発足
 2017年  1月  市役所予定地と言われていた第8-1A街区(中央区)に日赤病院と小児医療センターが移転オープン
   2月  総合政策委員会で吉田一郎が「新都心バスタ(大宮区)に市役所建設」を提案。市は「可能だ」と答弁
     市議会の自民党から大宮派が分裂
 2018年  5月  本庁舎整備審議会が「新都心駅から800m以内に」と答申
 2020年  9月  自民浦和派が分裂し、半数が大宮派に合流
 2021年  2月  清水市長「31年を目途に新都心バスタへの市役所移転」を発表
 2022年  4月  新都心バスタへの市役所移転が市議会で可決

清水市政が掲げる今後のスケジュール
  22~23年度 基本計画の策定
  24~25年度 事業者の選定
  25~27年度 設計
  28~30年度 工事
    31年度 移転
吉田一郎市政報告会 6月4日(土) 14:00~16:00 市民会館おおみや(中央デパート跡地) 6階第8集会室 (入場無料)
2022年5月特別号(2)
1面   2面   3面   4面
盲人用信号をスマホで
国が全国的に導入開始

同じアプリを活用し
公共施設等でも応用を

 目が見えない人のために、歩行者用の信号が青になると♪通りゃんせ、通りゃんせ~♪などの曲が流れる信号機があります
 しかし近隣住民からは「一日中同じ曲を繰り返し聴かされる」と苦情が多く、撤去される交差点もあります。かわって警察庁では視覚障害者のスマホに前方の信号が赤か青かを知らせるシステムを採用しました。
 私は2月15日の保健福祉委員会で、市内での導入を促しました。

吉田一郎 2年前の新聞記事に「21年度に25億円の予算を付けて、東京都や政令指定都スマホの視覚障害者アプリ市から整備」と出ているが、さいたま市は手を挙げたのか。
福祉部長 私どもでは把握していない。
吉田一郎 駅の階段、公共施設やトイレの入口でも、目が見えない人のためにチャイムや音声が流れるが、道路と同じシステムを導入し、スマホの同じアプリで鳴るようにしたらどうか。
福祉部長 点字ブロックの上を通ると交差点までの距離や安全確認ができるソフトのほか、本市ではワクチン接種券にスマホで音声ガイダンスをするアプリや、医療通知の封筒や文書にアプリを付けて、視覚障害者に情報の確保をしている。
吉田一郎 一番重要なのはシステムやアプリを統一することだ。道路と公共施設とワクチン接種でみんなアプリが違うのでは、利用者が不便だ。せっかく国が全国規模で交通信号のシステムを決めたのなら、市も同じアプリを活用すべきだ。
福祉部長 委員ご指摘の通りだと思う。ここ数年、視覚障害者向けに多種多様なアプリが出回っているが、アプリの統一は、行政として混乱を招かない方策として有効だと思うので、今後研究してまいりたい。

 日本は早くから電気コンセントの形を統一した歴史があります。私が80年代に留学していた香港ではコンセントが統一されておらず、10種類近い形があってとても不便でした。
 視覚障害者向けに国が全国規模で導入しようとしているアプリに合わせて、市は普及を図るべきです。

国保税6年連続値上げに反対
年間上限102万円は県内最高に
 4月から国保税が6年連続で値上げされました。
 この6年間で国保加入者の平均世帯所得は161万4402円から134万0263円へ17%減少しているのに、均等割は6200円、所得割は0・65%値上げされています。
 介護保険料などを合わせた年間上限額は、01年の合併時には60万円だったのが102万円になり、県内で最も高くなりました。
 市は今回、未就学の子どもがいる世帯は値下げしたと言いますが、小学生以上の子どもがいる世帯では値上げし、国保税が年収の1割を超えてしまいます。

 所得だけではなくて
 資産に応じた負担を

 さいたま市の国保税は、均等割と所得割で算出しますが、合併前の与野市では資産割もありました。
 そこで2月14日の保健福祉委員会で問いただしました。

吉田一郎 資産割を導入している県内の市町村は?
国民健康保険課長 21年度で23市町。
吉田一郎 かつての与野や県内で資産割を導入している自治体は、どういう方法で資産を確認しているのか。
国民健康保険課長 市内の固定資産税額をもとに算定している。

 年収3~400万円の人から1割以上もの国保税を徴収するよりは、資産割も併用して何億円もの資産を持っている人に負担を求めるべきです。
 そして固定資産(不動産)だけでなく、預貯金や株など金融資産も算定に入れる仕組みが必要です。
 また私は市が国保加入者に「医療費をいくら使ったか」という通知を毎月発送し、5468万円を費やしているのを「年に1回送れば十分だ」と問題視。
 市が実施している特定健康診査(のびのび健診)以外の健康診断を受けた国保加入者が、その結果表を区役所に提出すると500円分のQUOカードがもらえる制度なども、本当に必要か見直すべきです。
 6年連続の安易な国保税値上げに反対しました。
国保税の年間負担
3回目ワクチン接種
6か月後に接種なのに
接種券が届かない!?

 保健所に
改善求め実現
 さいたま市は3回目のワクチン接種を、年齢に関係なく2回目接種の6か月後に前倒ししました。
 しかし接種券の発送は6か月後の最大10日後で、6か月後には打てません。
 私は3月11日の保健福祉委員会でもっと早く送るよう追及しました。

吉田一郎 6か月の少し前に送れないのか。
ワクチン対策室副参事 予約システムの方でできない。早く送ると間違い接種につながる可能性がある。
吉田一郎 あと1週間早められないのか。
ワクチン対策室副参事 今の段階ではスケジュール的にできない。

 「できない」を繰り返していた保健所ですが、4月26日から発送スケジュールを最大1週間前倒しすることになりました。
 さいたま市の3回目接種率は、政令指定都市で大阪に次ぐワースト2です。打ちたい人には早く打てるよう今後も提案を続けます。

●職員の増員は必要な部署に限定を
 2月議会で清水市長は市の職員を461人増員する議案を提出。教員を除く職員の定数は1万人を超え、増員が本当に必要か疑問な部署もあります。そこで2月2日の本会議で問いただしました。

吉田一郎 なぜ増やす必要があるのか。
さいたま市の職員定数後藤総務局長 地方公務員の定年が段階的に引き上げられるため(60歳→65歳)、定年後に短時間勤務で再任用していた職員が、フルタイム勤務になる。
吉田一郎 議会局は議会をやっていない日はヒマなのでは? 議会局と市長部局の月平均残業時間は?
後藤総務局長 18年度は議会局7.69時間で市長部局17.40時間。19年度は議会局8.74時間で市長部局18.29時間。20年度は議会局13.65時間で市長部局16.26時間。

 定年延長で職員が増えるにしても、コロナ対応でパンク状態の保健所など必要な部署に限るべきです 3月11日の本会議では、市立病院のスタッフを16%増やして充実を図るのなら、大宮からの通院患者が浦和の6分の1という現状を改めるために、バス等の交通手段を確保するのが先だと訴え、増員に反対しました。

●再三延期の大宮西口公衆トイレが8月には完成?
 大宮駅は1日70万人が乗降する全国有数のターミナルなのに、西口には公衆トイレがありません。
 大宮市議会では98年9月に西口に公衆トイレ設置を求める市民の請願が可決され、大宮大宮西口公衆トイレ工事市と議会が調査を行いましたが、候補地選定が難航している間に合併でウヤムヤになってしまいました。
 そこで私はトイレ設置を求める請願を3回にわたって提出するとともに、12年1月27日の保健福祉委員会で「ONライナー(成田空港行き)のバス乗り場跡地」を候補地に提案。市はこの案をもとにJRと協議を進め、19年12月にJRが用地を提供し、20年度の完成を目指して市が建設を行う覚書を締結しました。
 しかし着工は再三延期され、2月議会で市は21年度に計上した6823万円の建設費を翌年度に繰り越す補正予算を提出したため、2月2日の本会議で追及しました。

吉田一郎 JRとの調整で何が問題になっているのか。
細沼保健福祉局長 予定地が鉄道に近いことから、工事方法や鉄道と駅への影響を測定する計測管理などについての調整が難航し、再検討に時間を要した。
吉田一郎 建設スケジュールはどうなるのか。
細沼保健福祉局長 2月中に着工し、7月に完成、8月に供用開始の見込み。

 こうして工事が始まりましたが、5月のGWになってもはかどっていません。本当に完成できるのか、私は最後まで監視を続けていきます。
2022年5月特別号(3)
1面   2面   3面   4面
ホームレスに年末年始ホテル提供
市外の団体が宣伝利用し部屋不足に

 実家に居たくない人
 集まれのチラシ配布

 コロナの影響で困窮し、住まいを失った人に対して、さいたま市は年末年始に大宮区役所市外の団体が配ったビラで臨時の相談窓口を開設。ホテルを10室借り上げて、最長10日間滞在できるようにしました。
 ところがこの制度を知った東京の市民団体が「年末年始に実家にいたくない」「年末年始に無料で泊まれる場所をさいたま市が提供してるの知ってる?」「ホテルやウィークリーマンションに1~3ヵ月ほど滞在できます」と大々的に宣伝したため、市の想定を超える相談者が殺到。ホテルの部屋も不足し5室を追加することになりました。
 一体どういうことだったのか、2月15日の保健福祉委員会で確認しました。

吉田一郎 実家に居たくない人にも、年末年始の宿泊場所を市が提供したのか。
福祉部長 喧嘩をして家を飛び出して、家に居たくないという人もビラを見て来たが、対象者ではないと案内した。
吉田一郎 連絡先が東京の市外団体が、この制度に対してチラシを配ったりしているのをどう思うのか。
福祉部長 利用対象者についてもう少しわかりやすく説明すればよかったというのが反省点。ホテルを用意したが、それぞれの自治体がそれぞれの方を収容することを望んでいる。
吉田一郎 それが地方自治の根本だと思う。市民の税金で運営する自治体は、市内の困っている人をまず助けるべきだ。来年以降も実施するのなら、対象者は市内在住または市内のホームレスと明確にすべきだ。
福祉部長 事業の内容をわかりやすく対象者の皆さんに理解してもらえるよう努める。

 市内困窮者のために
 貧困ビジネス排除を

 東京の市民団体と一緒にビラを配っていた市内の団体もありましたが、私が10年前に「ホームレスに声をかけ、生活保護の申請に同行して4万2千円を徴収している」と議会で取り上げた貧困ビジネスの代表が関わっている団体でした。
 年末年始の宿泊場所提供では、結果的に利用者のうち11人が生活保護を申請しましたが、貧困ビジネスの介入や市外の団体の「実績アピール」に利用されないよう市は十分注思し、市内で困っている人を助けるために専念すべきです。

 吉田一郎が反対した議案 
■一般会計予算 フランス企業と3年開催の契約だった自転車レース(クリテリウム)を密かに5年契約に変更。1回あたりの支払額は122万ユーロから125万ユーロ(1億7100万円)と高くなり、公費支出は2億円以上に。国際芸術祭の準備にも9690万円を費やすイベント行政はやめるべきです。
■東浦和第二土地区画整理特別会計予算■浦和東部第一特定土地区画整理事業特別会計予算■同補正予算■大門下野田特定土地区画整理事業特別会計予算 浦和優先の開発予算は反対です。
■水道事業会計予算■下水道事業会計予算 毎年50億円の黒字を出す水道は、県から同じ価格で水を仕入れながら本庄市の1・82倍の高い料金で水を売り、10億円の黒字を出す下水道は、戸田市の2・4倍の料金を徴収しているのは認められません。
■病院事業会計予算 浦和東部の市立病院を総額421億円かけて建替えたのに、バスはほとんど浦和からで、大宮からの通院患者は浦和の6分の1。救急患者の受け入れは、浦和住民8483人に対して大宮住民は1880人で、「人の命も浦和優先」です。
■一般会計補正予算(12) 大栄橋の耐震化で橋脚1本の工事費を9700万円追加し8億円に。20本の橋脚すべての耐震化にいくらかかるか不明なら、4車線で架け替えるべきです。
■国保税の値上げ■国保事業特別会計予算■後期高齢者医療事業特別会計予算■介護保険事業特別会計予算■専決処分の承認(国保税) 《2面参照》
■市職員定数の増員 《2面参照》
■子ども家庭総合センターの条例修正 ダンスルームの予約を特定の団体がいつも押さえてしまう現状を放置。利用者は市内在住の未成年者に限定すべきです。
■水道事業計画の見直し 給水人口の想定を133万人から140万人に引き上げる一方で、1日の最大給水量を57・5万8立方メートルから42万立方メートルへ縮小。人口132万人だった20年度の給水量は41万立方メートルで、140万人に増えたら水不足になりかねません。
■市道の廃止 奈良町の三貫清水と鴨川の間に調整池の建設を計画。雑木林と湿地帯と川が一体となった自然環境が破壊され、生息するホタルが危ぶまれます。
■ロシアによるウクライナ侵略を非難する決議 《4面参照》
■市役所移転には浦和区自治会連合会の意向を最大限尊重を 《4面参照》
■専決処分の承認(固定資産税) 商業地だけの軽減は認められません。2022年2月議会の会派別議案賛否一覧表2022年4月議会の会派別議案賛否一覧表
2022年5月特別号(4)
1面   2面   3面   4面
21年度の道路整備
予算配分が「浦和中心」なうえに
大宮の予算は8割以上も使われず
 合併以来、さいたま市の都市開発予算は浦和に集中していますが、道路整備予算も同じです。21年度は浦和32億円に対して大宮は18億円で、ただでさえ予算が少ないうえに、私の追及で大宮につけた予算はほとんど使われなかったことが判明しました。
 大宮の都市基盤で最も弱いのは道路です。国道17号や旧中山道、産業道路は半世紀前から渋滞続きです。
 市では新たな道路建設に着手しています。国道17号には西口そごう横~日赤病院跡地の桜木上落合線、旧中山道には1本東側に並行する氷川緑道西通線(駅前通り~旧16号)、産業道路は北袋からサッカー場まで東側にバイパスを建設する計画があり、これらが完成すれば大宮中心部の渋滞は大幅に緩和されます。
 市は主要道路の整備費用に21年度は61億5890万円の予算を計上しましたが、2月議会では44%の27億0604万円を使わないまま翌年度に繰り越す補正予算を提出。一体どういうことか私は2月2日の本会議で追及しました。

吉田一郎 なぜこんなに繰り越しが多いのか。
村上建設局長 用地交渉に時間を要し、工事についても不測の事態が生じて期間が延びた。
吉田一郎 特に産業道路。
村上建設局長 天沼工区についてはコロナの影響もあって用地交渉が難航している。工事に関してもいろいろな要因で遅れているのは確かで、今後は事前調査を早めにして改善したい。
吉田一郎 天沼はとりあえず用地買収できた所で、4車線ではなく2車線で暫定開通さセたらどうか。
村上建設局長 議員ご提案の暫定供用については、安全対策や警察と協議しながら検討していきたい。

 道路ごとに繰越額を問いただしたところ、浦和・与野では76%の予算を使ったのに対して、大宮では18%しか使われていません。
 「コロナの影響で用地交渉が難航」しているのなら、大宮も浦和も同じはずです。大宮でも用地買収に本腰を入れ、買収できた土地を使ってとりあえず暫定的に開通させるべきです。

 市役所移転に合わせ
 新都心中心の整備を

 さいたま市の道路整備は浦和中心で進められています。市役所の移転に合わせて新都心を中心とした道路整備を進めなくてはなりません。
 例えば市は自治医大南側の見沼田んぼにセントラルパークを建設し、大災害時には全国から集まる救援車両の集結所にしようと、今年度から用地買収を始めますが、そこに行く道がありません。
 私は4月13日の特別委員会で早急な整備を求めました。

さいたま市道路網整備計画吉田一郎 セントラルパークは市役所が来る新都心と連携するはずなのに、道がない。出入口になる南大通東線を市役所移転に合わせて優先的に整備すべきだ。
都市計画課長 南大通東線は市役所移転に関係なく整備されると認識している。
吉田一郎 計画はあっても一向に事業化されていない。新都心と東の見沼区・緑区・岩槻区を結ぶ道路として重要なので、第二産業道路まで整備すべきだ。
篠崎都市局長 道路網計画の見直しに着手し、各種プロジェクトに合わせて整備すべきという議論をしている。セントラルパークができた時に道路がないと困ると私も思うので、整合が取れるよう検討してまいります。

 本来なら14年度から24年度にかけて開通するはずだった産業道路のバイパスも、新都心と北区を結ぶルートとして重要です。
 新都心への市役所移転に合わせて、従来の浦和中心の道路整備計画は抜本的に見直すべきです。主要道路整備の昨年度の予算と使われなかった額
●ウクライナ侵略非難決議をロシアには伝えない?
 ロシア軍が2月24日、ウクライナに軍事侵攻したことで、さいたま市議会では3月10日の本会議で『ロシアによるウクライナ侵略を非難する決議』を挙げようと、各会派が共同で決議案を提出しました。
 私はその文書を見て、いくつかの疑問点を提出者代表の上三信彰議員(公明・西区)に質問しました。

吉田一郎 「ウクライナの人々は過去にない人道危機に瀕しており」という一文があるが、第二次世界大戦の独ソ戦でウクライナでの犠牲者数は?
上三信議員 把握してない。
吉田一郎 ロシアは14年にウクライナのクリミアを併合したが、なぜその時は非難しなかったのか。
上三信議員 当時そのような議論にならなかった。
吉田一郎 この決議が可決されたら、どのような手段でロシア政府に伝えるのか。
上三信議員 市議会の意思を対外的に示すためのもので、送付はしない。

 続いて私はいかなる紛争においても武力による解決は絶対に反対だとしたうえで、決議案は「ロシアの空港など重要施設への攻撃」を問題にしているが、戦争で空港を攻撃するのは古今東西あたり前で、それよりもロシア軍が団地やマンションにミサイルを発射し、民間人が犠牲になっていることこそ非難すべきだと主張。
 また独ソ戦で真っ先にドイツ軍に攻め込まれたウクライナでは、1000万人の犠牲者を出しており、「過去にない人道危機」という余計な形容詞は付けるべきではないことや、8年前のクリミア占領との違いは、今回はロシアが核兵器使用をほのめかしていることだと指摘し、一晩考えて決議文を作り直し、大使館を通じてロシア政府に提出すべきだと呼びかけて反対しました。
 ロシアのウクライナ侵攻に抗議するのは良いのですが、ロシア政府には伝えず、自己満足や「何かやったふり」で終わってしまうのでは意味がありません。

浦和の議員エゴ丸出し
新市役所が「大宮」では悔しい!
住民無視し中央区の飛び地にと要求
 新都心に移転する市役所の住所は大宮区北袋町1-603-1ですが、浦和の議員たちは「その場所の住所を中央区に変更すべきだ」と言い出しました。
 市役所が大宮区に移転するのは悔しいので、市役所のまわりを「中央区の飛び地」にしろと言うのです。
 4月28日の本会議では、自民浦和派と私が逆の質問をしました。

新井森夫議員(自民・岩槻区) 移転後の住所は中央区に変更すべきだ。
清水市長 地域住民や法人に与える影響は少なくないが、そのようなご意見があることを踏まえ、今後その良否を含めて検討する。
吉田一郎 北袋から大宮区役所(吉敷町)には簡単に行けるが、中央区役所へはいったん大宮駅に出て埼京線で与野本町に行かなくてはならない。そんな住民不在なことはすべきでない。
真々田都市戦略本部長 地域住民や法人に与える影響は少なくないが、そのようなご意見があることを踏まえ、今後その良否を含めて検討する。

 自民大宮派は「それで移転に賛成してくれるのなら」と浦和派に同調。総合政策委員会で「市役所の所在地は、さいたま新都心にふさわしい住居表示を検討すること」という附帯決議案を提出しました。大宮派としては北袋の一部を「大宮区新都心」にでも変更すればいいというつもりです。
 民主と公明の5人はバカバカしいと思ったのか退席し、共産と無所属の3人は反対。12人の委員のうち賛成は自民両派の3人だけでしたが、井原隆委員長(さいたま自民・中央区)の判断で可決になりました。
 2月議会では私を除く議員が「市役所移転には浦和区自治会連合会の意向を最大限尊重を」という決議に賛成しましたが、北袋住民の意向を無視して新市役所のまわりを中央区の飛び地にしろと主張するのは、あまりに身勝手です。
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

HOME | TOP| 市政レポート一覧
inserted by FC2 system