2021年10月特別号 (1)
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9月議会
オンライン授業を「出席扱い」に
全国の教育長で文科省と交渉するよう提案
 新型コロナウイルスの感染拡大が続いていた8月26日、市内の小中学校で2学期がスタートしました。さいたま市では緊急事態宣言の期間中、登校か自宅でオンライン授業かを選べる「ハイブリッド授業」を実施しましたが、オンラインを選択した子どもたちが「出席」したことにならないのはおかしいと追及。全国の教育長で文部科学省と交渉することを約束させました。
 さいたま市のハイブリッド授業は直前に実施が決まりました。教育委員会から学校や教員に連絡が行ったのが8月24日です。
 わずかな準備期間しかなく、学校のサーバー容量が足りず、オンライン授業がまともに視聴できない家庭が相次ぐなどのトラブルが続出しましたが、各家庭の事情は異なっても可能な限り子どもたちに授業参加の機会を用意した試みは画期的です。
 しかし問題はオンライン授業の「出欠扱い」です。
 オンラインを選んだ小学生は平均21%、中学生は12%でした。教育委員会は「欠席扱いにしない」と曖昧な説明をし、結局は出席にも欠席にもならない「出席停止」扱いにしたのです。
 私は9月7日の一般質問で、オンライン授業を選択した児童生徒は出席扱いにするよう迫りました。

吉田一郎 教育長は「オンラインを通じた授業」と言った。出席扱いでなければオンラインは授業ではないということになり、おかしい。
高橋副教育長 非常時にオンラインを活用して実施した特例の授業に当たり、参加した児童生徒は、国の通知に基づき指導要録に参加日数と実施方法を明記する。
吉田一郎 文科省の通知によれば、性行不良や伝染病の子どもは他の児童生徒を守るために出席停止にするというのが本来のはずだ。オンラインを活用した授業で指導を行ったと校長が認めた場合は、特例として出席扱いにしてもいいはずだ。
高橋副教育長 オンライン授業を出席とすることができるよう文科省と議論を重ねてきたが、最終的に現行の法令や通知に基づいて出席停止として扱うことを承知した。
吉田一郎 他の自治体の教育長と連携して、さいたま市だけでなく全国的に国へ再度要望すべきだと思う。
細田教育長 議員ご提案の通り、私も政令指定都市の教育長会議で意見を取りまとめて、文科省に対して再度議論を申し出る。【動画で見る】

 1人1台の端末導入
 制度は今も旧態依然

 日本の小中学校は、パソコン(PC)の導入が大幅に遅れ、OECD(経済開発協力機構)が行った調査では、50か国・地域のうち最下位でした。
 国はPC導入を積極的に進めるGIGAスクール構想を発表。さいたま市でも昨年度、児童生徒に1人1台貸与するPC(タブレット端末)を用意し、授業での活用を始めました。
 私は昨年3月10日の本会議で、長期休校時にはPCを自宅に持ち帰って中国のようにオンライン授業ができるのか問いただしたところ、教育委員会は「現時点では想定していない」と答弁していました。
 その後学校が2か月半長期休校になったことで教育委員会は方針を転換。オンライン授業が可能なタブレット端末を購入したのです。
 しかしオンライン授業が可能になっても、それに参加した児童生徒が出席扱いにならないのでは真の授業とは言えません。
 福岡市や寝屋川市では独自の判断で「出席扱い」にすることを発表しています。
 さいたま市の教育委員会も、全国の先頭に立って文科省と交渉する決意を表明した以上、率先して「出席扱い」にすべきです。

増える直葬
ニーズ対応

シンプルな「市民葬」制度実現を
蕨では3万円台の均一料金で実施
 最近のお葬式では通夜や告別式をせずに、近親者が火葬に立ち会うだけの「直葬」が増えています。
 NHKの8年前の報道では、首都圏では葬儀の22%が直葬でしたが、現在ではコロナの影響でさらに増えているようです。
 直葬のメリットは費用が安いことですが、さいたま市では火葬場の使用は必ず葬祭業者を通じて申し込むので、価格は業者によってまちまちです。
 区役所や健保組合で申請すると5万円の葬祭費が支給されます。このため安い業者を選んで直葬を行えば実質6~7万円ですが、20万円近くかかる業者もあります。
 他の自治体では、市が葬祭業者と提携して「市民葬」というプランを提供しています。例えば蕨市では市が10万円を補助し、霊柩車と火葬、骨壷、3段の祭壇がセットで自己負担は3万5666円(税込)です。
 私は15年6月議会で市民葬の実施を提案しましたが、その時の答弁は「葬祭事業のあり方については多方面から様々な状況を注視していきたい」というものでした。
 直葬が増えている現状から、9月13日の保健福祉委員会で再び提案しました。

吉田一郎 直接火葬場へというのが増えている、葬儀会社と提携して最低限の均一料金を作るべきだ。
保健部長 民間の葬祭業者が多様なニーズに応えるべく、火葬のみのプランなど低価格で利用できるサービスも充実しているので、適切な競争原理の下、市民葬を導入する予定はない。

 葬祭業者で安い直葬プランが増えているのは事実ですが、ドタバタした中での料金比較という遺族の心労を軽減するために、さいたま市でも均一料金の市民葬を用意すべきです。

 業者が勝手なルール
 実態暴露し是正要求

 さいたま市の火葬場は、大宮聖苑(見沼区)と浦和斎場(桜区)があります。
 浦和斎場では指定管理者制度を導入し、民間業者に運営を任せています。
 私は母親の葬儀で利用した時に感じた「おかしな点」を問いただしました。

吉田一郎 葬儀会社から「浦和斎場には飲食物は持ち込めず、必ず中で購入してください」と言われたが、一体どういうことか。
保健部長 本市の火葬場では飲食物の持ち込みは可能。
吉田一郎 では葬儀会社が間違って案内したのか。市はどう是正するのか。
保健部長 指定管理者に確認して、そういうことがないよう指導していきたい。
吉田一郎 売店で菓子や飲み物を買おうとしたら「待合室(1時間1640円)を利用した人専用」だと売ってもらえなかった。
保健部長 売店は指定管理者の自主事業だが、利用者に誤解やご不便を与えることがないよう、善処すべき点について指定管理者としっかり協議する。

 6年前に火葬場で指定管理者制度を導入した時、私は「市民にとってメリットがない」と反対しました。 民間業者が「勝手なルール」を作らないよう、市はきちんと監督すべきです。
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。
2021年10月特別号(2)
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コ ロ ナ バ ブ ル
飲食店に最大2884万円支給!?
補助金は営業補償より転業支援に
 コロナ対策で20時以降の営業を自粛した飲食店は、県から時短協力金が支給されます(もともと20時前に閉店していた店は対象外)。当初は1日6万円、現在は昨年か一昨年の売り上げに応じて1日4~10万円で、定休日にも支給されます。
 他に国からは持続化給付金や家賃支援給付金、一時給付金等が支給されましたが、市は飲食店活性化の販売促進の補助金を1店舗5万円支給したいと、9月議会で2億3996万円の補正予算を提出しました。
 そこで私は9月2日の本会議で、時短に協力した中小の飲食店はこれまでに国や県、市からの補助金や給付金、協力金を最大いくら受け取ることができたのかを質問したところ、大宮区では最大2884万円、その他の区では2730万円という答弁でした。
 私は3月3日にも同じ質問をしましたが、その時の答弁は大宮区で最大1344万円、その他は1190万円で、半年で最大1540万円が追加支給されたことになります。

吉田一郎 スゴイですね~、アッと驚く吉田一郎、なんでそうなるの!?責任者出てこい!ですよ。さらに5万円出す必要があるのか。
千枝経済局長 経済団体との意見交換で、飲食店に対する支援をしっかりやってほしいという意見があった。
吉田一郎 中小の飲食店に1店舗最大2884万円というのは、バランスがおかしくないか。
千枝経済局長 飲食店についてはこれからの事業継続や事業回復に向けて、市として少しでも後押しをするということで、1店舗あたり5万円の給付をしたい。【動画で見る】

 バス会社には60万円
 経営破綻で出し渋り

 さいたま市は昨年、バス会社に運行継続支援金を支給しました。
 大宮で2路線を運行するけんちゃんバス(丸建自動車)の支給予定額は60万円でしたが、経営破綻したため「運行を継続できないかも」と見合わせになり、新たなオーナーが別会社(丸建つばさ交通)を設立して運行を継続しましたが、「支援制度ができた時に存在していなかった」と支給されず仕舞いでした。
 私は9月8日の本会議で「自宅兼用で1日1万円の利益があるかないかの飲み屋でも、毎日4万円支給されるのはおかしい」「経営者はずっと店を閉めて、協力金だけもらっていた方がトクかも知れないが、バイトをクビになった人は1円も貰えずそちらの方が困っている」「市民の足となるバス会社に市が出そうとした補助金が60万円で、個人営業のスナックが最大2884万円も貰えるのは逆ではないか」と問題提起。
 コロナの感染は今後も続く中で、飲食店には補償を出し続けるよりも、転業支援にこそお金を出すべきだと提案したところ、自民党の若手議員たちから「そうだ、その通りだ!」と賛同の声援が相次ぎました。
 しかし結局、飲食店に5万円追加支給する補正予算は自民をはじめ各会派が賛成して可決。反対したのは無所属2人だけでした。【関連動画】
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 かつて法律の改正で大型店の出店が相次ぎ、八百屋や肉屋、魚屋はほとんどなくなりました。規制緩和でコンビニでも酒が買えるようになり、酒屋もなくなりましたが、補償が出たわけではありません。
 物流や運輸、製造、介護などは人手不足が深刻です。コロナを機に産業構造の転換を図るために、財政支援を行うべきです。

 市は65歳以上の高齢者世帯を対象に、市内の銭湯が100円で利用できる浴場利用券を希望者に年間64枚送付。7069万円の予算を計上しています。
 しかし銭湯は浦和6か所に対して大宮には1か所(桜木町の日進湯)しかありません。そのため浴場利用券の申請者数は、大宮は浦和の3分の1以下です。
 9月13日の保健福祉委員会で、市は浴場利用券配布の目的を「高齢者の孤立感解消や交流の機会を増やすことにより、健康の維持に寄与」と説明しました。

吉田一郎 利用できる地域の偏りをどう考えているのか。浦和のための制度か。
長寿応援部長 委員ご指摘の通り各区に利用できる浴場があるのが望ましい。
吉田一郎 大宮では銭湯は減っているがスーパー銭湯は増えている。区ごとのスーパー銭湯の数は?
長寿応援部長 西区2、北区2、見沼区1、浦和区1。
吉田一郎 スーパー銭湯の割引券としても使えれば、大宮の人も浴場利用券を使えるようになる。
長寿応援部長 銭湯は高齢者の憩いの場、地域の触れ合いの場の役割を果たしていると言う。スーパー銭湯が合致するか研究したい。
吉田一郎 高齢者の孤立化を防ぐのなら、スーパー銭湯に行っても防げるはずだ。
長寿応援部長 銭湯とスーパー銭湯とでは若干趣が異なるが、委員のご指摘も踏まえて研究したい。

 高齢者が100円で入浴できる施設なら、西楽園や桜環境センターのほか、市内8か所の老人福祉センター(一部無料)があります。
 利用できる場所が浦和に偏ったままなら、浴場利用券はいっそ廃止すべきです。

●台湾人観光客の誘致は同じ内容の繰り返し
 さいたま市は外国人観光客誘致のプロモーション費用に1171万円の予算を計上し、台湾人観光客を誘致する目的でfacebook「東京附近来場奇遇・埼玉市」を運営しています。私は3月1日の予算委員会で内容について提案しました。

吉田一郎 中国語で読むと奇遇(チーユイ)と埼玉(チーユイ)がシャレになっていて、とてもよくできたネーミングだ。誰が考えたのか。
観光国際課長 委託業者と相談しました。
吉田一郎 でも内容がつまらない。鉄道博物館と盆栽美術館、別所沼公園と大宮公園ばかりが毎日更新され過去何か月も同じ。一体誰が運営しているのか。
観光国際課長 私どもで運営しています。
吉田一郎 逆に私が台湾に行きたいなとネットで見るなら、博物館や見どころばかりでなく、街や通り、それと食べ物を見たい。動画がアップされていて唯一3ケタ再生されているのは鰻の動画だ。市内のスタミナラーメンとかも紹介したらどうか。
観光国際課長 アイデアを頂いたので、どんなものを発信して魅力的になるか検討して進めたい。

 その後facebookの内容は多彩になり、6月2日には「持久力拉麺」が紹介されました。現在はコロナで観光客の訪日は見込めませんが、観光客誘致は自分が観光する場合を考えて工夫すべきです。

●市の式典で消防音楽隊の積極的な活躍を
 さいたま市には消防音楽隊があり、消防フェアなど各種イベントや小中学校で演奏したり、コンサートを開いています。私は演奏できる曲目の公開を求め、3月4日の予算委員会で確認しました。

吉田一郎 曲目に「松田聖子コレクション」があるのに、なぜ中森明菜はないのか。
消防総務課長 お子様から高齢者の方まで楽しめるような選曲をしているが、中森明菜がないことについては不徳の致すところでございます。
吉田一郎 イベントで演奏するならなぜ「栄誉礼」をやらないのか。姉妹都市の代表団が来たら相手の国歌で出迎えるとか、名誉市民や市政功労者の表彰で演奏するとか。国は自衛隊音楽隊、県は警察音楽隊だが、市なら消防音楽隊がやるべきことでは。
消防総務課長 出初め式の表彰では演奏している。

 せっかくの消防音楽隊です。身内の式典だけでなく市の公式な式典でも活躍の場を与えるべきです。

●義務化される電気自動車の普及に補助金?
 さいたま市では電気自動車普及のために4231万円の予算を計上し、購入した市民や市内の企業に1台5万円の補助を出しています。
 地球温暖化防止のため従来のガソリン車やディーゼル車の販売禁止を発表する国が相次ぎ、日本も「遅くとも2030年代半ば」に実施すると発表しました。そこで3月4日の予算委員会で追及しました。

吉田一郎 あと10数年で電気自動車を買わなくてはいけなくなるのに、なぜ市がお金をかけて普及させる必要があるのか。こんな予算はいらないのでは。
環境創造政策課長 委員が言う通り、2030年代半ばに電気自動車100%と国も目標を設定したが、現時点ではその取り組みや具体的なスケジュールが示されていない。
吉田一郎 本当に国がやるかどうか信頼できないから補助金を出し続けると理解していいか。
環境創造政策課長 国とは同じ方向でやっていくべきだと考えている。

 国の新たな政策に対応して、既存の補助金はその必要性を見直すべきです。
2021年10月特別号(3)
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人間ドック受診への助成増額を
自己負担額は県内他市の3倍も!?
 病気の早期発見のために健康診断の受診は大切です。企業に勤めている人は健保組合や企業の健診が受けられますが、自営業など国保加入者の40~74歳を対象に市は「のびのび健診」を実施。もっと詳しい検査を受けたい人には人間ドックに助成を出してます。しかし助成額は県内でほとんど最低です。
 国保税完納者に対する人間ドックの助成は、多くの自治体で2~3万円ですが、さいたま市は1万1000円で越谷に次ぐ少なさです。
一方で自己負担額は川越8500円、川口9900円など、多くの自治体では1万円程度なのに比べ、さいたま市は3万3462円で断トツの高さです。
 またほとんどの自治体では30歳か35歳以上が対象ですが、さいたま市は40歳以上しか受けられません。
 このため人間ドックの受診者数は人口60万人の川口が8846人なのに対して、人口133万人のさいたま市では3205人(19年度)に過ぎません。
 そこで私は9月13日の保健福祉委員会で、助成金の増額を求めました。

吉田一郎 人間ドックの助成額は県内でもかなり低いと認識しているのか。
福祉部長 認識は当然している。今までも増額すべきという意見を頂いたが、助成額を健診の単価と同額にすることで、健保加入者との間の不公平感をなくすようにしているので、助成額の増額は現在のところ考えていない。

 脳出血を予防する
 脳ドックも対象に

 最近では人間ドックの他に脳ドックの受診を選べる自治体が増えています。川越では2万6250円の助成を出し、676人(19年度)が受診しています。
 脳卒中は日本人の死因の3位ですが、脳血管の異常を早期発見すれば予防につながります。
 私の東京の友人は、区の助成で脳ドックを受診したところ大きな脳動脈瘤が見つかり、動脈瘤をコイルで塞ぐカテーテル治療を受けて、脳出血を未然に防ぐことができました。
 委員会で私はその話を例に、さいたま市も脳ドックを助成対象にするよう提案しました。

吉田一郎 脳ドックの助成をやっている自治体もあるが、必要性をどう考えているのか。
福祉部長 介護が必要となる脳血管疾患等を起こす場合、早期発見につながるのが脳ドックで、大変重要な検査であると認識している。
吉田一郎 脳出血を起こしたら大変な医療費がかかる。将来の医寮費を削減する意味でも本市でも実施したらどうか。
福祉部長 吉田委員ご指摘の通りだと思う。しかし現在、脳血管疾患を含む生活習慣病の重症化を防ぐのが大切と考えており、まず健康診断や人間ドックを受診してもらって脳血管疾患の予防につなげる考え。
吉田一郎 例に出した私の友人は、糖尿とかはまったくないし、そういう人でも脳出血は起こりうる。

 脳出血の原因は生活習慣病とは限りません。市民の健康を守るのみならず医療費削減にも効果的と認識しているのなら、人間ドックの助成額を増やして積極的な受診を促し、脳ドックも助成対象にすべきです。

スマホで納税すると
 1%戻って来る!?
業者の手数料値上げで
   税収減
 にならないの?
 8月2日から、さいたま市では市税(市県民税、固定資産税、都市計画税、国保税、軽自動車税)がスマホ決済で払えるようになりました。
 スマホ決済をすると、業者によって支払い額の0・5~1・5%が戻って来ます。市税が払える決済アプリは6社ですが、私は8月分の国保税を試しにpaypayで払ってみたところ、1%の金額が戻ってきました。
 それなら市は決済業者に手数料をいくら払っているのか、9月7日の一般質問で確認しました。

吉田一郎 市が支払うスマホ決済の手数料と、銀行口座引き落としの手数料は?
鷲頭財政局長 スマホ決済の手数料は代行業者との契約で1件あたり54円。銀行口座引き落としは10円。
吉田一郎 paypayは10月から支払いを受けた店から税抜1・6~1・98%の手数料を徴収すると発表している。さいたま市も同じように取られるのか。
矢部会計管理者 今のところ値上げは聞いていない。
吉田一郎 将来paypayが1%以上手数料を取ると通知してきたら、市はどう対応するのか
矢部会計管理者
 一般的には代行業者から申し入れがあれば協議を行う。【動画で見る】

 市に払った税金が1%戻れば、高額納税者には何万円も戻ることになりますが、いつまでも決済業者が54円の収入だけで仕組みが成り立つとは思えません。
 決済業者が1%以上の手数料を取れば、それだけ市の税収が減ることになりますが、市が将来的なことを考えてスマホ決済を導入したのかは疑問です。

●大砂土保育園の一時移転は利便性に配慮を
 土呂1丁目の市立大砂土保育園は12月から来年8月まで修繕工事を行います。その間、保育園は盆栽町の大宮総合病院跡地に仮園舎を建て、一時的に移転します。
 仮園舎は770㍍離れたうえに、土呂駅の南側です。本郷町の人が自転車で子どもを預けてから駅に行くと、1kmくらい余分に走る必要があります。そこで9月10日の保健福祉委員会で追及しました。

吉田一郎 もっと近くの場所はなかったのか。
保育課長 学校とか様々な土地を検討した結果、近隣では難しかった。
吉田一郎 植竹中や大砂土小はなぜダメなのか。
保育課長 校庭の一部を使うことになるが、仮園舎の面積を説明したら難しいと断られた。
吉田一郎 土呂中央公園なら駅に近い。
保育課長 利用者や近隣住民との折り合いがつかなかった。
吉田一郎 保護者に対する説明はどうするのか。
保護課長 9月中に開催するが、ご意見を踏まえたうえで進めることを考えている。
吉田一郎 最近の保育園は車で送迎する人も多いが、770㍍離れるとかなり増える。病院の跡地ならゆとりはあると思うが、その辺も考えてほしい。
保育課長 委員が言うように車での利用はかなりあるので、5~6台置けるような形で考える。

 保育園の修繕とそのための一時的な移転は仕方がありませんが、植竹団地の建替え用地の使用を県と交渉するなど、できるだけ利便性を損なわないような努力が必要です。

●「新市役所前」新都心駅みどりの窓口が廃止!?
 JRの駅で長距離切符や指定券、定期券などを販売するのがみどりの窓口です。01年の合併当時には市内18駅すべてにありましたが、JRの合理化で現在では大宮、さいたま新都心、北浦和、浦和、南浦和、武蔵浦和の6駅にしかありません。
 私はJRがさいたま新都心駅のみどりの窓口を11月27田から閉鎖する計画を組合に提案したという情報を入手。9月7日の一般質問で市が存続を求めるよう追及しました。

吉田一郎 さいたま新都心にはスーパーアリーナがあり、大阪や名古屋、新潟など全国から人が来る。帰りの切符が自動販売機でしか買えず、乗り換えで複雑な切符や学割切符は買えなくなる。市役所が新都心に移転したらさいたま市を代表する駅になるのに、みどりの窓口がなくなるのはおかしい。
土屋都市局長 市としては市民サービスの低下につながることがないようJRに対策を強く求める。
吉田一郎 JRに対して「市役所が来るんですよ」ときちんと説明するつもりはあるのか。
土屋都市局長 持に市役所が移転するからという話は今のところするつもりはない。【動画で見る】

 私はこれまでも大宮駅のみどりの窓口の営業時間短縮(22時→21時30分)などで市にJRへ抗議させましたが、「市民の利便性」だけ訴えても合理化を進めるJRに相手はされません。新都心への市役所移転も合わせて、市は積極的に交渉すべきです。
2021年10月特別号(4)
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供給に振り回されても、できるだけ公平で円滑に
保健福祉委員会
ワクチン接種に提案や追及
「接種券の発送が遅い」「年齢制限が厳しくてなかなか予約が始まらない」「予約のネットも電話もつながらない」と市民からの批判が相次いださいたま市のワクチン接種。
 9月から10月上旬にかけて、さいたま市には8月の3倍の量のワクチンが配分されることが決まり、9月3日からは12歳以上全ての市民が予約できるようになりました。
 私は3月12日の予算委員会で「駅前の行きやすい場所で夜でも打てる集団接種会場の開設」を提案し、9月から桜木駐車場が夜8時まで延長され、大宮高島屋、スーパーアリーナ、旧市民会館うらわ、浦和コルソでの集団接種もスタート。9月下旬には予約がほぼいつでも取れる状況になりました。
 私は今年度コロナやワクチン問題を担当する保健福祉委員になり、希望者に円滑な接種を進めるために引き続きさまざまな提案を続けています。

●中学生を取り残さない工夫を提案
 ワクチン接種の残る大きな課題は12~15歳への接種です。市の集団接種会場では16歳以上(または中学卒業後)しか接種できず、医療機関でも16歳以上や20歳以上などの年齢制限を設けている病院が多いので、中学生は予約を取るのが困難です。
 私は6月21日の保健福祉委員会で、希望者を対象に学校での集団接種実施を提案したところ、市は「小児科学会が医療機関で接種を受けるのが望ましいと言っている」と否定的でしたが、9月10日の委員会で改めて提案しました。

吉田一郎 小児科の医師に学校へ半日来てもらうとか、集団接種会場に学校枠を設けて小児科の医師に来てもらうといった工夫はどうか。
ワクチン対策室副参事 確かに他の自治体で事例もあるので、どうしたらできるか研究を進める。
吉田一郎 そもそも中学生は小児科の範疇なのか。
ワクチン対策室副参事 小児科の医師は中学生までは小児科と言うが、中学生になると恥ずかしくて子どもの多い所には行けないと内科にかかる人も多くグレーラインで、どっちとは言えない。

 ワクチンの供給が増えたことで集団接種会場の予約には空きが目立ち、希望者には10月末までに1回目の接種が完了しそうですが、15歳以下の子どもたちが取り残されないよう市は柔軟に対応すべきです。

●直接予約を受け付ける病院リストを公開
 ワクチン接種がスタートした時、さいたま市では「医療機関では予約の受付は原則しておりません」「医療機関には直接問い合わせをしないでください」と案内していました。
 しかし実際には少なからぬ医療機関が電話や窓口で直接予約を受け付け、なかには接種対象を「かかりつけ患者」に限定している医療機関もあります。
市のHPの「個別接種実施医療機関一覧」には掲載を了承した一部の医療機関しか載っていません。
 私は『市政レポート』6月特別号で、厚労省の資料をもとに北区とその周辺でワクチンを接種しているすべての医療機関を掲載するとともに、市のHPの一覧表に①接種を行うすべての医療機関を掲載すること、②医療機関ごとに予約方法(市の予約サイトか直接受付か)や、かかりつけ患者限定かを記号などで明記することを求める市民の請願を提出。6月21日の保健福祉委員会で追及しました。

吉田一郎 市民の間で「市の予約サイトでは予約が取れないのに、近所のおばあさんは病院で直接予約が取れて、私もその病院に行ってみたら予約を断られた。ずるい」という不満が出ている。なぜ病院で直接予約とか、かかりつけ患者限定とかきちんと明示しないのか。
ワクチン対策室長 高齢で持病をお持ちの方は重症化リスクが高いので早めに打たなくてはならないと言う主治医の枠を事前に用意していた。しかしかかりつけでない方の予約も医療機関でできるようになってしまった。
吉田一郎 「かかりつけ」の定義は何か。
ワクチン対策室長 医療機関の方針による。
吉田一郎 病院の「問い合わせが来るのは困る」という事情は理解するが、せめてこの病院は市の予約サイトやコールセンターで予約を、この病院は直接病院で、この病院はかかりつけ患者だけというように一覧表に載せれば市民も対応できる。
ワクチン対策室長 地域の医師と相談しながらになると思う。ちょっと時間はかかると思うが。

 私は続けて「病院が『一見さんお断り』『馴染み客だけだよ』みたいに客を選んでワクチンを打つのは医師法の応召義務に抵触しないのか」「今後若い人が接種する時は、病院に行ったことがなくかかりつけ医もない人が中心になるので、それまでには直してもらいたい」と強く要望。
 請願は各政党会派が反対して否決されましたが、市は39歳以下の予約受付が始まった9月から、「個別接種実施医療機関一覧」に直接予約を受け付けている医療機関とその電話番号や受付時間、かかりつけ患者限定かを明記するようになりました。

●ワクチンパスポートは区役所で即日発行を
 ワクチンを2回接種した人はワクチンパスポート(予防接種証明書)が取得できます。窓口で即日発行の自治体もありますが、さいたま市では区役所(または郵送)で申請し、約1週間後に保健所から郵送されます。返信用封筒と切手も必要です。
 現在は海外渡航の予定者に発行しているため、発行件数は8月末までに1444件ですが、国は飲食店利用やイベント参加、旅行など国内でも使用するために、年内にも電子証明書をスマホで表示するシステムの導入計画を発表しました。
 しかし電子証明書の発行にはマイナンパーカードが必要です。カードがない人は紙のワクチンパスポートを取得することになりますが、9月10日の保健福祉委員会で発行体制を追及しました。

吉田一郎 ワクチンパスポートは区役所で即日発行すべきだ。保健所で発行しなくてはならないのか?区が接種データを見てその場で出せないのか。
ワクチン対策室副参事 転居したり、VRS(ワクチン接種記録システム)への入力が間違っていることもあるので、どのくらいエラーが出るか見ながら今後検討かなと思う。
吉田一郎 海外渡航が目的なら千数百件の申請だが、飲食店やコンサートに行くのに使われると10万件単位で申請が来るかも知れない。それを全部保健所が発送とはいかないはずだ。特殊な事情で保健所が再確認する必要がある人には説明して、そうでない人には区役所が即日発行しないとさばけない。
ワクチン対策室副参事 区役所での発行は所管と協議しながら進める。

 国の計画は最終的にどうなるかわかりませんが、実施に備えて効率的な体制を構築すべきです。

●自宅療養者への食料品配送は臨機応変に
 コロナ感染の自宅療養者に対して食料品の提供は重要です。私は昨年3月27日の議会運営委員会で中国や台湾、韓国などでは自宅隔離の人に行政が食料を届けていることを紹介し、さいたま市でも実施するよう提案。昨年11月18日から3~5日分の食料「置き配」がスタートしました。
 食料品は県が用意し、市が配送を手配する仕組みです。3月5日の予算委員会で利用者の声を確認したところ「『外出できない期間に助かりました』と感謝の手紙をいただき、概ね好評」とのことでした。
 8月にコロナ感染拡大がピークを迎え、市内では1日400人を超える新規感染者が出ましたが、9月10日の保健福祉委員会では1日20件しか配送できなかったことが明らかになりした。

吉田一郎 入間や白岡、北本では市が自宅療養者に独自に食料を手配しているが、県から来る食料が足りないのなら、市が独自に足りない分を業者と契約し、食料を20件以上送ることはしないのか。
疾病予防対策課長 物品を別途購入しても、配送事業者の関係で今すぐ対応して増やせない事情がある。今後の食料配送の体制は動向を見ながら検討の余地はあると思う。

 感染拡大のペースが想定をはるかに上回る状況だったとはいえ、1人暮らしの自宅療養者に「外出禁止」と指導する以上、食料の配送は不可欠のはずです。他市を見習って臨機応変に対応できる仕組みを整えておくべきです。

●3回目の接種は合理的な順番で
 2回のワクチン接種で得られた抗体は徐々に低下します。国は3回目の接種(ブースター接種)を実施する方針を決めました。
 早ければ年内に医療従事者、続いて65歳以上の高齢者に接種を始める見込みですが、その後の順番はまた自治体任せになりそうです。そこで私は9月10日の保健福祉委員会で提案しました。

吉田一郎 順番を年齢で区切るよりも、2回目を接種してからどれだけ経ったか、つまり抗体が切れる順番で決めるべきだ。2回目の接種を7月に受けた人は3回目が8か月経った来年3月、8月に受けた人は来年4月と言うように。
ワクチン対策室副参事 委員がおっしゃる通り、効果的な期間というのはあるので、1回目や2回目とは違うやり方で考えていきたい。

 3回目の接種は誰もが納得できる合理的な順序で進めるべきです。
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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