21年度予算
「菅首相が開催決意を表明したから」と
五輪関連イベン卜等に6億7干万円
新型コロナウイルスの世界的な流行で1年延期された東京五輪。今年も本当に開催できるのか大きな疑問です。しかし清水市政は新年度予算で、オリンピック関連費用6億6918万円を計上しました。
予算の内容はサッカー(埼玉スタジアム)とバスケットボール(スーパーアリーナ)の観客を市内観光に誘導するためのイベントや、外国人観戦客向けの観光宣伝など、オリンピックに便乗した企画がほとんどです。
私は2月3日の本会議でさっそく追及しました。
吉田一郎 コロナの感染状況は1年前とはまったく違う。本当に東京オリンピックは開催できると思って予算を計上したのか。
大西スポーツ文化局長 管首相が今国会の施政方針演説で開催実現の決意を表明しており、IOCや大会組織委、東京都は準備を進めているので、本市も開催に影響が出ないよう準備する。
吉田一郎 無観客試合や外国人観光客は入国できない可能性もある。「外国人観光客に日本酒をPR」などのイベントは中止すべきだ。
大西スポーツ文化局長 現時点では考えていないが、仮にそういう事態になれば検討する。【動画で見る】
久保美樹議員(共産・桜区)の「これがないと五輪が開催できなくなる予算は何か」という質問に対し、大西局長は聖火リレーやボランティア、選手団との市民交流などと答弁していましたが、五輪関連の予算を計上するにしても、「万が一開催できた場合」に備えた必要最小限に留めるべきです。
1年前に問題提起し
10億円の浪費を阻止 市は過去も含めると、オリンピック関連で総額40億0908万円もの予算を計上してきました。
20年度予算は16億8395万円でしたが、私は昨年2月5日の本会議で「業者との契約は、オリンピックが中止や延期になった場合も想定すべきだ」と提案。
当時コロナは中国・武漢で流行っていても日本での死者はなく、「吉田がイチャモンをつけている」と言う議員もいました。
しかし国内でも感染が広がり、3月13日の本会議で「五輪関連事業の実施は慎重に」という決議が全会一致で可決。業者と早急に契約を結んで、オリンピックが中止や延期になった場合に、多額のキャンセル料を取られないようブレーキをかけました。
果たしてどれだけブレーキが効いたのか、改めて問いただしました。
吉田一郎 今年度のオリンピック予算は、実際にはどれだけ使ったのか。
大西スポーツ文化局長 オリンピック延期で予算を11億5627万円に減額し、実際に執行したのは約6億9000万円。【動画で見る】
7億円近い予算が使われてしまったとはいえ、10億円近い税金を延期になったオリンピックに注ぎ込むのは食い止められたようです。
オリンピック関連の主な予算
(2021年度さいたま市予算案) |
観戦客におもてなしと装飾で祝祭感 |
1億3369万円 |
聖火リレーの支援 |
8277万円 |
オランダ空手選手団等と市民交流 |
4563万円 |
ボランティアの暑さ対策・感染防止 |
3986万円 |
競技会場周辺で市の魅力発信 |
3355万円 |
東日本連携広域周遊ルートの宣伝 |
3300万円 |
気運醸成イベントの開催 |
2621万円 |
中学2・3年生の観戦チケット購入 |
2313万円 |
観光資源を活用した周遊イベント |
2000万円 |
氷川参道や山丸公園でイベント |
1661万円 |
気運醸成の旗を商店街に掲出 |
1613万円 |
消防特別警戒を実施 |
968万円 |
日本酒PRイベント開催 |
954万円 |
オリンピック支援事業の庶務 |
140万円 |
コロナ口実に委員会の質問中止
「議会はサボるな」と市民が請願 新型コロナウイルスの感染が拡大すれば、市民生活や経済に大きな影響が出ます。「市民の代表」である議員は忙しいはずですが、さいたま市議会では議会活動を縮小する動きが続いています。
昨年の4月臨時会では、本会議で質問や討論(賛否の意見表明)を行ったのは私が7回、川村準議員(無所属・南区)が1回で、他の議員は無言のままでした。
6月議会では各会派が本会議では3日間の一般質問を1日に短縮し、委員会での議案外質疑(自由質問)は中止と決定。私は「コロナで大変だからこそ議会は全力でフル稼働すべき」と通常通りの実施を主張し、市民からも「コロナを口実に議会活動をサボらないで下さい」という請願が提出され、9月議会と12月議会は「ご批判をいただいた」と通常通りに開催しました。
しかし2月議会では「答弁で出席する職員を感染から守るため」を理由に、各会派が1月20日の議会運営委員会理事会で再び委員会での議案外質疑の中止を協議。私は「職員は毎日、普段と変わらない環境の職場で働いているのに、それは放置しておいておかしい」と反論し、2月2日の本会議では私と川村準議員、青羽健仁議員(自民・浦和区、1月は無所属として活動)が議案外質疑の中止を含む日程に反対しましたが、各会派の議員はこぞって賛成し、中止を決めてしまいました。
市民からは「コロナを口実に議会活動を再びサボらないで下さい」という請願が提出されています。議員はコロナ対策で市民から寄せられたさまざまな声をもとに、各分野の委員会で担当職員に質問・要望・提案・追及をするのが仕事のはずです。議員が自らその機会をなくし「職場放棄」することは、市民に対する裏切りです。
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さいたま国際芸術祭
8.5億円も使って
来場者は数千人!?
懲りずに2年後も画策
清水市政はクリテリウム(自転車レース)、国際マラソン、芸術祭の3大イベントで、19年度までに53億5800万円を使いました。
国際マラソンは「坂があって記録が出にくい」とプロ選手の不評を買い、今年度から中止になりました。
クリテリウムはコロナの流行で海外選手が来日できず、今年度は中止でした。
昨年3月14日~5月27日に開催する予定だった国際芸術祭は、10月17日~11月15日に延期し、入場は一部有料の予定がすべて無料になりました。
来場者数や収支はどうだったのか、11月30日の一般質問で確認しました。
吉田一郎 参加者や来場者の事前の予測と実績は。
大西スポーツ文化局長 目標は参加者数10万人、来場者数30万人としていたが、会場の旧大宮区役所と旧大宮図書館の来場者数は1万0479人、その他の会場の来場者数は推計で6万2972人、イベント参加者数は1013人。
吉田一郎 収入と経費の事前予測と実績は。
大西スポーツ文化局長 チケット収入は4458万円を見込んでいた。実際の収入は文化庁からの補助金1650万円と協賛金・寄付金が1000万円。支出は事業費5億8300万円、人件費2億9700万円で、合計8億8000万円。
2つの会場に行った人は「2人」とカウントされ、その他の会場とは一の宮通りや南銀の路地などにも作品を展示し、通行者を「来場者数」にカウントしたようです。実際には数千人の来場者で、8億5千万円以上を使ったことになります。
清水市政は16年度にも「バカ殿まつり」のような芸術祭=トリエンナーレで10億2162万円を使い、23年度にも次回の国際芸術祭を計画しています。
前回のトリエンナーレと比べ、「バカバカしさ」が無くなってつまらなくなったというのが私の感想です。
コロナで来場者が少なかったのは不可抗力とはいえ、イベントに多額の税金を使うやり方は、いい加減に止めるべきです。
吉田一郎市政報告会 3月21日(日) 10時~11時45分 プラザノース第4セミナールーム(入場無料) |
料金が高すぎて?市民会館の利用激減
コミセンとの料金格差是正を
市民が会合やイベント等で借りる公共施設には、文化施設(市民会館やプラザ××)とコミ
ュニティセンターがあります。
かつて大宮市では、中心部に市民会館、郊外(宮原、東大宮、七里、馬宮)にはコミセンを建設。利用料金は市民会館は高く、コミセンは安く設定されました。
しかし合併後は浦和や武蔵浦和の駅前にコミセンを建設。その結果、中心部でも浦和のコミセンに比べ、大宮の市民会館は料金が5倍という格差が生じました。
私は各施設の年間利用人数を公開させたところ、コミセンの多くは増加か横ばいで、文化施設はプラザノースを除き大幅な減少が判明し、12月10日の予算委員会で追及しました。
吉田一郎 市民会館はなぜこんなに減っているのか。
文化振興課長 明確な理由については、すみません、私どもでは把握していない。
吉田一郎 やはり利用料金が相当違うからでは。
文化振興課長 かねてから利用料金についてはご指摘を頂いているが、それが影響しているとは考えてない。
吉田一郎 稼働率は大宮市民会館で56%、プラザ××は30数%だ。浦和のコミセンは99・6%だというが、コミセン全体の稼働率は?
コミュニティ推進課長 全市平均で78%程度。
吉田一郎 同じ30人の部屋を借りるのでも料金が5倍くらい違うのが大きく影響しているのでは。
文化振興課長 その辺の細かい分析はしていない。要因としてどうなのかという部分で考えていきたい。
私は17年10月議会から料金格差を追及し続け、移転後の大宮市民会館では集会室の料金値下げを実現しましたが、それでも浦和コミセンの3倍です。
巨額の税金を投じて建設しながら、利用者が激減しているのでは何のための文化施設かわかりません。コミセン並みの料金で積極的な利用を図るべきです。
市民活動サポートセンター
利用者は
浦和市民ばかり!?
ロッカーやメールボックス
各コミセン設置を提案
浦和駅東口にある市民活動サポートセンターでは、市民グループが会合などで自由に使えるテーブルの他、団体登録すればロッカーやメールボックスが使え、備品の貸し出しもしています。
市は21年度から5年間で3億5600万円を外郭団体の文化振興事業団に支払い、管理を任せます。私は市民団体の利用状況を公開するよう求め、浦和の団体ばかりが利用している実態が判明。12月10日の予算委員会で追及しました。
吉田一郎 市民全体の税金で運営しているのだから、浦和以外の市民にも利用を拡げるよう、新たな管理者にどう指導するつもりか。
市民協働推進課長 場所柄、地域で偏りが出ているが、相談会やセミナーなどソフト面のサポートを各コミセンでやっていきたい。
吉田一郎 メールボックスを利用するのに、大宮や岩槻の団体がわざわざ電車賃をかけて浦和まで手紙を取りに行くか?ロッカーやメールボックスは大宮・浦和・与野・岩槻それぞれの地域に設置すべきだ。
市民協働推進課長 管理など人的な必要もあるので、提案を考えさせてもらう。
市民団体が使う印刷機は、私は09年12月の市民生活委員会で「浦和まで行かないと使えないのはおかしい」と追及。11年度から各コミセンに設置されました。コミセンでは印刷機使用の受付や料金徴収をしており、ロッカーやメールボックスの設置も可能なはずです。
大宮住民の市民活動のサポートは、大宮で行なえるようにすべきです。
福祉の対象は高齢者と障害者だけ!? 市の長期方針=総合振興計画が4月に更新されます。
昨年2月20日の特別委で審議した時、「福祉」の記述は高齢者と障害者ばかりで、他には「生活に困窮する人など、支援を必要とする人に対する取組を実行します」の1行だけでした。
吉田一郎 1行だけか。バランスがおかしい。
生活福祉課長 ご指摘に関しては今後検討したい。
記述は「様々な福祉の課題を抱える市民の相談を受け止め、活用可能な福祉制度を案内する」などを加えて3行に修正されましたが、福祉は広い視点で困窮者全体を対象にすべきです。
●PCR検査での「正しい唾液の出し方」を伝授
コロナのPCR検査は鼻から綿棒を奥まで差し込み、グリクリして粘液を採取します。鼻の入
口をコチョコチョしただけでは正確な結果が出ません。痛くて苦痛なので唾液によるPCR検査が増えています。
私が10月末に行った香港では、空港で入国者全員に唾液によるPCR検査を実施。事前にビデオや資料を観て、「クルゥゥア~」と叫んでから唾液をペッと出すように指導されました。喉の奥から唾液を出さないと正確な結果が出ないためです。
11月26日の予算委員会で高齢者施設でのPCR検査の実施を審議しましたが、唾液による検査を想定していると言うので確認しました。
吉田一郎 唾液の出し方はどう説明するのか。
高齢福祉課長 唾液の採取の仕方は、医療機関にお願いする形になる。
吉田一郎 指導は医師や看護師任せか。
高齢福祉課長 検査の仕方は医療機関に任せる。
そこで私は11月30日の本会議で、清水市長や幹部職員、議員全員の前で「クルゥゥア~」と叫んでペッと出す正しい唾液の出し方を実演。12月10日の予算委員会で再度確認しました。
吉田一郎 鼻は奥から、唾液も喉の奥から採らなくてはならないと、このまえ問題提起をした。
疾病予防対策課長 酸っぱいものを想像させて無理に唾液を出すのではなく、委員からあったような喉の奥にある唾液を採取することが推奨される。
21年度の当初予算ではPCR検査に16億5844万円を計上しています。多額の予算を使い検査を拡大しても、正しく検査をしなければ意味がありません。
●一律1日6万円の「時短協力金」は見直しを コロナ感染拡大の緊急事態宣言に伴い、埼玉県は1月12日から2月7日まで飲食店に夜8時までの営業時間短縮を要請。1月7日の臨時県議会で協力した店に一律1日6万円を支給する582億円の補正予算が全会一致で可決されました。
夜9時までの店は自宅兼用の家族経営でも、1時間早く店じまいするだけで最大162万円も支給されます。一方でもともと夜8時閉店だった店は外出自粛で昼間の客が減っても支給されず、飲食店以外はそもそも対象外です。
2月議会では「緊急事態宣言が延長される場合は、短縮時間や家賃などの経費、前年度の売り上げ等を考慮せずに1日一律6万円支給するようなやり方は絶対に止めるよう県に要望することを求める請願」が市民から提出されました。
私は2月3日の本会議で「1か月延長されたら300万円以上支給するのか!?昼間の店は不公平だと怒っているし、コロナでボーナスが減ったサラリーマンや職を失った人も怒っている」と、すぐに審議するよう求めましたが、各会派の議員がこぞって反対し、延長前の審議は不可能になりました。
12月4日から夜10時までの時間短縮が要請された大宮区の酒を出す店は、個人経営のスナックでも12月17日まで1日3万円、1月7日まで4万円、11日まで6万円の最大150万円が支給されていて、緊急事態宣言と延長分の162万円+168万円に持続化給付金100万円も合わせれば、最大580万円支給され家賃補助(3分の2+20万円)もあります。これではまるで「コロナバブル」です。
各政党にも「本当におかしい」と言う議員は少なくありません。しかし支給対象となる飲食店経営者の反発を恐れて見直しを避けるのでは、世も末です。
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大宮の都市機能の最大の問題点は、渋滞が慢性化していることです。私は07年に議員になってから大宮の道路整備の促進を訴え続け、工事に着手させましたが、用地買収の難航や予算の不均衡などで完成は先延ばしになっています。
今後5年間で開通する4車線道路は、浦和・岩槻が5.9kmに対して大宮は0.2km(大宮第三公園付近の旧16号)だけです。
私は12月15日のまちづくり委員会で、「用地買収が進んだ部分だけでも先に完成させて、渋滞緩和を図ること」を提案しました。
旧中山道の歩道整備は
大栄橋付近を優先的に 大宮東口の中心部を南北に貫く旧中山道の渋滞は、大栄椅交差点に右折レーンがないことが原因の1つです。また大栄橋から裏参道にかけては歩道がなくて危険な状態です。
私は08年6月議会から歩道設置や無電柱化、右折レーンの確保などを再三追及し、市は15年度から用地買収に着手しましたが、完成時期は未定です。
吉田一郎 用地買収率の目標は18年度が25%、19年度は40%、20年度は60%だったのに、実際の買収率は18年度15%、19年度16%、20年度は41%で進んでいない。25年度までの整備計画で完成するのか。
道路環境課長 完成予定箇所には入っていない。
吉田一郎 大栄橋交差点から裏参道まで1kmを一気にやるのは難しいと思う。大栄橋交差点から宮町郵便局前の信号までを区切って先に進め、大栄橋交差点に右折レーンを作ったらどうか。
道路環境課長 大栄橋周辺で連続して用地が取得できた区間については、整備を進める状況を作っていきたい。
吉田一郎 可能な限り25年度までに作っていきたいと言うことでいいか、確認したい。
道路環境課長 用地買収できたところで可能な工事はやっていきたい。
大栄橋周辺の旧中山道は、数十年前からオフィスビルが建ち並んで道路脇が空いています。その部分だけでも先に歩道整備と電柱撤去を行い、正式な右折レーンの設置で渋滞解消を図るべきです。
旧市役所通りの拡幅が
予定よりも13年遅れ!? 旧中山道の渋滞を抜本的に解消するためには、東側に並行する氷川緑道西通線(旧市役所通り)の駅前通り~旧16号を拡幅すべきです。私は11年9月議会で提案し、12年度に設計費を計上させ、15年度から用地買収が始まりました。当初計画では21年3月までの完成でしたが、予定通り進んでいません。
吉田一郎 氷川緑道西通線は18年度までは目標通り用地買収が進んでいたのに、19年度は目標36%に対し実際の買収率は20%、新たな目標では25年度の用地買収率が37%だ。本来なら今年度開通するはずだったのが、9月議会では「地権者との交渉が遅れているが25年度には開通できるよう頑張りたい」と言っていた。一体いつ開通させる予定か。
大宮駅東口まちづくり所長 この状況だと用地買収の完了は33年度を見込んでいる。
吉田一郎 13年も遅れるのか。25年度開通を目指して頑張るけどもしかしたら遅れるということなのか、完全に諦めてチビチビ進めるということか。
大宮駅東口まちづくり所長 地権者との交渉や国費の付き方次第では前倒しする形で考えている。
吉田一郎 用地買収が100%完了しなくても暫定的に進める方法はあるはずだ。例えば駅前通りの埼銀やその隣のビルの部分は新しい市民会館の敷地を使い、その先は東側で用地買収が進んでいる。多少クネクネするがとりあえず2車線で相互通行可能な暫定整備ができるのではないか。
大宮駅東口まちづくり所長 いま委員からあったような片側をまず優先的に取り組んで、片側に寄せた形で暫定的に通れないかも併せて検討する。
吉田一郎 国からの補助がとか言っているが、岩槻の土地区画整理(江川)は市が全額出してやっているじゃないか。江川より大宮駅東口の方が重要だ。市が全額出す覚悟も必要だ。大宮駅東口まちづくり所長 財源の確保は様々な形で努力して、今後頑張りたい。
01年の合併以来、さいたま市は都市開発予算を浦和に集中投入し続け、ようやく大宮の整備を始めたと思ったら、「国から金が来なくなった」では話になりません。首都圏の北のターミナルである大宮駅周辺の重要性を国にきちんとアピールすべきです。
産業道路バイパス建設
1軒が拒んで開通未定
大宮駅東口周辺の渋滞を緩和する切り札が、産業道路のバイパス建設です。市は北袋(新都心)から天沼を通り堀の内(旧16号)まで、現在の産業道路の東側に4車線バイパスの建設に着手しています。
私はさらにサッカー場まで北に延ばすことを繰り返し提案し、道路整備計画に盛り込ませましたが、とっくに完成しているはずの北袋~天沼はいまだに開通していません。
吉田一郎 産業道路バイパスの天沼工区はもともと14年度に開通するはずだったのに、25年度までの開通計画に入っていない。いつ開通するのか。
道路計画課長 用地交渉に鋭意努力しているが時間がかかっていて、予定は言えない。
吉田一郎 天沼2工区ももともと19年度に開通だったはずだ。用地買収率はどうなのか。
道路計画課長 天沼工区が99%、天沼2工区は49%。
吉田一郎 買収が99%進んでいるのにあと5年経っても開通しないのか。元床屋の廃墟みたいな建物が1軒あるだけだが、とりあえずその部分は2車線にして暫定開通したらどうか。
道路計画課長 2車線に絞ると、そこで生じる混雑を考えると難しい。
吉田一郎 天沼工区は床屋の場所で既存の天沼中央通りに合流するが、そこは何車線か。
道路計画課長 2車線です。
吉田一郎 とりあえず2車線の道を作って2車線の道に合流するなら混乱しないはずだ。
道路計画課長 位置を確認しないと答えられない。
吉田一郎 調査してもし設計上可能であれば、5年以内に暫定2車線で開通させることもあり得るか。
道路計画課長 基本的には4車線で進めていきたいが、頂いたご意見は考慮するところだと思う。
1軒の建物のために10年以上も開通が遅れるのなら、用地買収に応じて転居した99%の人に失礼です。とりあえず2車線での開通を優先しつつ、強制収用などの法的手段を実行すべきです。
「道路作りは街づくり」
開通に合わせ都市計画の見直しを提言 新しい道路を作っても、それだけでは都市は発展しません。
大宮駅から産業道路や国道17号の間は商業地域や近隣商業地域ですが、産業道路の4車線バイパスを建設している天沼・堀の内地区や、新大宮バイパスまで4車線化が完成した三橋中央通り線(大宮西口駅前通り)の沿道は、第一種住居専用地域です。
3000平方㍍以上の大型店は営業できず、市の規制で15メートル以上のビルも建てられません。
道路拡張で小さな商店が立ち退き、大型店やビルも建たなければ沿道には何もなくなります。土地の用途を規制した都市計画の変更が必要だと、私は12月7日のまちづくり委員会で提案しました。
吉田一郎 産業道路が東側に移って4車線になれば、そちらの沿道も近隣商業地域にして高さ制限を撤廃すべきだ。そうでないと街は発展しない。
都市局理事 用途地域だけでなく高さ制限を外すとか、地区計画を行うとか、いろいろな手法で良好な土地利用を図れるよう今後検討していく。
吉田一郎 何百億円もかけて4車線道路を作れば渋滞解消の効果はあるが、大きな道を作るのは街を作ることのはずだ。昔シムシティというゲームが流行ったが、まず道路を作り周りにピルが建って税収が増え、また新しい街を作れるというものだった。積極的に用途地域や高さ制限を見直さないと、道が空いただけで税収は増えないと思う。
都市局理事 幹線道路沿いについては有効な土地利用が図れるよう今後見直しを検討したい。
吉田一郎 氷川緑道西通線の北側(東口駅前通り~旧16号)も、建物が立ち退いた後は駐車場ばかりになっている。ビル建設を誘導しないと、焼け野原の中に道を作っておしまいのようになる。
都市局理事 委員のご指摘通り中心部については駐車場だけでなく、さまざまな建物を誘導していくべきだと思うが、現在の都市計画の手法の中では建物の誘導まで用途地域で決められないので、その他の手法で土地利用ができることを検討していく。
道路整備には多額の税金投入が必要ですが、整備した道路沿いに新たな街を拡げ、投資を回収するような都市計画の長期的な視野は不可欠なはずです。
新都心への市役所移転
清水市長が10年後の移転を発表
場所は「吉田プロジェクト」のバスタ(大宮区)に
大宮市と与野市、浦和市が合併し、さいたま市が成立してから今年で20年。私は07年に初当選して以来「合併協定書に基づいて新都心に市役所を」と追及し続けてきました。清水市長は2月2日の本会議で10年後を目途に新都心へ市役所を移転する方針を発表しましたが、具体的な場所は私が4年前から提案していた新都心駅東口のバスターミナルが選ばれました。
旧3市が調印した合併協定書には、市役所の位置は「新都心周辺」と明記されています。
浦和の市役所は新市役所が建つまで「当面の間」使用しているだけです。
しかし清水市長は浦和に市役所を置き続け、浦和中心の行政運営と予算配分を続けてきました。
「新都心最後の空き地」と言われた西口の第8-1A街区(中央区)には17年1月に日赤病院が移転し、市は「新都心周辺で市役所を建てる用地確保は難しい」と言い出しました。
そこで私は17年9月議会で、新都心駅東口に建設するバスターミナル(大宮区北袋)の上に市役所を建てる「吉田プロジェクト」を提案しました。
浦和が行政機能担う
市の長期計画を追及 18年5月に審議会が「新都心への市役所移転」を答申しても、清水市政は浦和の市役所の耐震化工事を進め、「耐震化をしても建物の寿命は延びない」と言いながら、法定耐用年数(2026年)を超えて36年まで、さらにそれ以上使い続けようとしました。
さいたま市の今後10年間の長期計画を定める総合振興計画でも、浦和地区の目指す方向性に「行政機能を担う」と記載し、市役所を浦和に置き続ける姿勢を明確にしました。
私は昨年10月13日の特別委員会で追及しました。
吉田一郎 新都心地区の目指す方向性に「行政機能」と書いておらず、浦和地区に「行政機能を担う」と書いてあるのはなぜか。
高橋副市長 本庁舎の整備はあくまで検討段階で、何らかの決定があったわけではないから、今後の方針にも反映していない。
私は11月26日の本会議で「今後10年間浦和に市役所を置き続けると宣言するのはおかしい」と、合併を解消してさいたま市を解体すべきだと非難しました。
浦和市役所を売却し
移転費用賄えと提案
こうして清水市長は2月2日、議会冒頭の施政方針演説で10年後に新都心バスターミナルへの市役所移転を目指すと発表しました。
次の問題は費用です。バスタは市有地ですが、建築費は206億円(市が単独建設)から217億円(民間との共同利用)と試算されています。
市は市役所建設の基金を積み立てていますが、私は2月3日の本会議で、残りの費用は浦和の市役所を売却か民間と共同開発で調達することを提案しました。
吉田一郎 基金はいくらか。
真々田都市戦時本部長 23年度に96億円が目標額。
吉田一郎 残りはどうするのか。県庁の建替え用地として売ったり、民間との開発で資金を調達するのか。
真々田都市戦略本部長 売却や賃借で資金を賄うことは現時点では考えていない。【動画で見る】
これまで市役所移転を12年間も先延ばしにしてきた清水市長ですが、10年後の移転では、清水市長が次の4年間市長を続けても実質的には何も着手せず、その後の市長が「やっぱりずっと浦和」に方針転換することだってあり得ます。
古い建物を使い続ければ、維持管理や修繕コストが余分にかかります。
県議会では特別委員会を設置して県庁建替えの論議が始まっています。
浦和の市役所は県に売却して早急に新都心へ移転すべきです。
合併時の約束を守れ!
14年間にわたる追及と提案
2008年6月 ▼前大宮市長の抗議文を読み上げ、合併協定書に基づいた審議会はいつ設置されるのかを追及。▼第8-1A街区にサッカープラザを建てる計画に対し、新都心で市役所を建てる場所は他にあるかと追及。政策局長は「大変難しい」と答弁。
12月 ▼「市民ニーズが変化した」と区役所の建替え論議を優先しようとした副市長の発言を追及。
2009年6月 ▼新たに就任した清水市長に、合併協定書の履行義務と審議会を設置するよう追及。
2010年2月 ▼新市役所の建設時期を質問し、政策局長が「15年後(=2025年)に着手(基本設計に入る)を想定」と答弁。
9月 ▼新入職員の研修マニュアルで、合併協定書の紹介から「将来の市役所の位置は新都心」という部分が削除されていたことを追及。▼小学生の社会科副読本で、新都心のことをほとんど教えない内容を追及し、翌年度から新都心の写真が表紙に。
2011年6月 ▼第8-1A街区に日赤病院を移転する計画に、新都心で他に市役所を建てる場所はあるのか追及。政策局長は「どこかにある」と答弁。
9月 ▼合併協定書では「当面の間」と書かれている浦和の市役所は、本庁舎ではなく「仮庁舎」にすべきと提案。▼第8-1A街区に建てる計画だったオフィスビルの半分以上を市が賃借し、市役所を移転する構想を清水市長が拒否したことを本会議で暴露。
2012年2月 ▼本会議で清水市長に審議会を10年以上設置していないことへの謝罪を要求。▼全会派が提出した大宮・与野・岩槻の公共施設の再編を求める決議に、「市役所は浦和のままか」と反対。
6月 ▼設置された審議会について、清水市長の「市庁舎は新都心に限定しない」との発言を追及。「合併協定書の趣旨を踏まえる」と答弁させる。
11月 ▼半年近く経っても委員が選任されない審議会を追及。「年内開催の準備を進める」と答弁させる。
▼浦和の市役所の耐震化を追及。財政局長は耐用年数を10年伸ばし「2035年まで」と言い出す。
2015年6月 ▼市役所耐震化で建設する新たな建物の耐用年数は20~40年と言うので「それまで浦和に市役所を置き続けるつもりか」と追及。▼合併協定書に市役所は「新都心周辺」と明記されている約束をどう思うのか追及。都市戦略本部長に「その趣旨は尊重する」と答弁させる。
2016年9月 ▼審議会の答申が4年経っても出ないことを追及。他市の市庁舎審議会では2~3年で答申が出ていることを明らかにさせる。
10月 ▼浦和の市役所の耐用年数は「2036年まで」と言い出した財政局長を追及し、法に基づいた耐用年数は2026年であることを明言させる。
2017年2月 ▼「新都心に計画中のバスタの上に市役所建設は可能か」「大宮区でも問題ないか」を質問。市は否定せず。▼新市役所の建設に着手する時期を質問し「2023年を目途」と答弁させる。
9月 ▼新都心にバスタ用地を購入。この用地に市役所を建てる『吉田プロジェクト』を提案。都市戦略本部長が「審議会で論議してもらい判断する」と答弁したところ、浦和の議員の激しいヤジで撤回。
2018年6月 ▼審議会が出した「市役所は新都心駅から半径800㍍以内に」の答申に、バ
スタ用地は含まれるか質問。都市戦略本部長は「含まれる」と答弁。答申の「スピード感をもって整備方針の検討を」の意味を確認し「できるだけ早くの意味」と認めさせる。
▼「明治2年に浦和県が設置されて以来、浦和は行政の中心」と言い出した自民浦和派のドンに、「浦和県はもともと大宮県だった」と反論。
12月 ▼9月議会で浦和の市役所の耐用年数を「2036年まで」「その後もー定期間使用することになる」と言い出した都市戦略本部長を追及。
2019年6月 ▼新都心バスタは切符売り場もなく、大部分の高速バスは引き続き大宮駅に発着することが判明。「木造の張りぼてターミナルよりも堂々と市役所を建てるべきだ」と批判。
9月 ▼各会派と私で発足した市庁舎等の市政重要課題検討協議会で「合併協定書と審議会答申に基づく新都心への市庁舎移転」を話し合うよう主張。
12月 ▼市が新都心の市役所移転先で①屠畜場②コクーン2・3③バスタの候補地を発表。コストは①と②が430億円、③は217億円と確認。
2020年2月 ▼市庁舎特別委で浦和の市役所の跡地利用について質問したところ、浦和の議員が妨害。
▼市の今後10年間の総合振興計画案で、浦和の目指す方向性が「行政機能を担う」という記載を追及。
5月 ▼浦和が行政機能を担うという記載を、本会議で「この一文は削除すべきだ」と市長に直訴。
11月 ▼総合振興計画で副市長を追及。
12月 ▼浦和の市役所の建物を法的耐用年数の2026年から10年間延命すると33億円の費用がかかると市が発表。「古い建物で光熱費や水道代が余分にかかるコストも試算すべきだ」と要望。
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。 |