2020年8月特別号 (1)
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大栄橋耐震化
橋脚1つだけで7億円
全体費用は不明のまま工事着手
「大宮繁栄の象徴」である大栄橋は、開通から60年近く経ち老朽化が進んでいます。市は6月議会で橋脚1基の耐震化工事を7億円で契約する議案を提出しましたが、私の追及で橋脚すべて(20基)の工事費は不明で、大栄橋の4車線化や北口開設、東武野田線の線路増設などは考慮に入れないまま工事を始めようとしていたことが判明しました。
 大栄橋は当時は首都圏で唯一の環状道路だった国道16号線の一部として1961年に開通しました。
高度成長時代の大栄橋 私は10年3月の議会で、さいたま市が道路橋の耐震化予算を浦和や岩槻に集中させていることを批判。
「もし直下型地震で大栄橋が落ちれば、首都圏から北へ向かう鉄道網は麻痺し、本市のみならず東日本にとって多大な被害を及ぼす」と警告。大栄橋の架け替えや耐震化を要求し続けてきました。
 今年6月議会で、市はようやく大栄橋の耐震化工事の契約を提案しましたが、全部で20基ある橋脚のうち、東武野田線の線路脇にある橋脚1基だけで、費用は6億9996万円。工事期間は23年3月末までの3年近くに及びます。
 私は6月16日のまちづくり委員会で、全体の費用を問いただしました。

吉田一郎 残り全ての橋脚も耐震化したらいくらかかるのか。
道路環境課長 西側のJR敷地内のスロープの橋脚は、測量調査を実施中。東側のスロープは橋の下を占用している店があり、立ち退きを調整中なので、それが完了してから調査に入り、具体的な事業費を算出する。

 大栄橋全体の耐震化工事が果たしていくらかかるのか、調査結果も出ていないまま、橋脚1つだけ工事を始めるでは、あまりに無計画です。

 野田線ホーム増設
 知らないまま着手

 市が策定中の大宮駅グランドセントラルステーション化構想には、大宮中心街の交通渋滞解消のために、大栄橋の4車線化が盛り込まれています。
 さらに東武鉄道も、野田線の急行運転拡大や伊勢崎線との直通運転本格化のために、現在1面2線しかないホームを2面3線に増やす駅改良を計画しています。
 大栄橋を現状のまま耐震化すると、これらの計画はどうなるのでしょうか。

吉田一郎 大栄橋を2車線で耐震化して、4車線化することは想定しているのか。
道路環境課長 大栄橋の既存の橋を生かした形で4車線化を検討していると認識している。大宮駅グランドセントラルステーション化構想の担当部署と情報共有を図る。
吉田一郎 東武鉄道は大宮駅の線路を2本から3本に増やす構想があるが、線路を増やす際に橋脚が邪魔にならないのか。それを調べたうえで耐震化するのか。
道路環境課長 東武の将来的な計画は、すみません、把握しておりません。

 北口の開設も考え
 架け替えも視野に

北口広場と新しい街 かつて大宮市は「大宮都心構想」の中で、大宮の新たな玄関口となる北口の開設を掲げていました。
 大栄橋と駅との間の線路上に人工地盤を作り、北口広場やそれを囲んでデパートやホテル、オフィスビルなどを建設すれば「新しい街」が生まれ、中心街の活性化を図ることができますが、その入口となるのが大栄橋です。
 私は07年の初当選以来、議会でことあるごとに大宮駅北口の実現を訴え続けて賛同を拡げ、17年2月議会では、鶴崎敏康議員(自民真政・見沼区)が北口開設や線路上の広場建設を改めて問いただし、清水市長は「提案の内容も可能性の1つとして考える」と答弁していました。
 大栄橋の耐震化は不可欠ですが、現状のまま慌てて耐震化することで、4車線化や東武野田線のホーム増設、そして大宮駅北口の開設などの計画を潰してしまうわけにはいきません。
 私は17日のまちづくり委員会と26日の本会議で、全体でいくらかかるのかまず調査したうえで、北口の開設などを可能とする形で大栄橋を耐震化するか、4車線の橋で架け替えるかを決めるべきだと提案。
 「大栄橋から電車を眺めて育った大宮っ子」として、橋脚1本だけに7億円も使う拙速な耐震化工事には反対しました。

コロナ口実に審議を大幅短縮
非常時だからこそ議会はフル稼働を!
 新型コロナウイルスの感染拡大で、さまざまな分野で市民生活に大きな影響が出ています。「市民の代表」である議員は市に対して要望や質問、追及などで大忙しかと思いきや、コロナを口実に議会での審議は大幅に省略されています。
 4月臨時会では、本会議で質問や討論(賛否の意見表明)をしたのは私が7回、川村準議員(無所属・南区)が1回だけで、他の議員は無言のままでした。
 6月定例会では、各会派が本会議での一般質問を3日間から1日だけに大幅短縮、委員会での議案外質問は中止すると決めてしまいました。
 私は「緊急事態宣言も解除されたのだから、通常通り実施すべきだ」と猛然と抗議。その一方で、議会運営委員会理事会では永年勤続議員の表彰(鶴崎敏康、神田義行、青羽健仁、添野ふみ子、桶本大輔の各議員)を行おうと協議していたので、私は「街宣車を出して抗議する」と警告したところ、永年勤続議員には議長室で表彰状を手渡すだけになり、一般質問は各会派の質問時間は一律20分に短縮(通常は35~85分)したものの、無所属議員は通常と同じ時間(5分)を確保することができました。
 市民からも「コロナを口実に議会活動をサボらないで下さい」という請願が提出され、6月8日の本会議で審議しました。
 私は「議員は市民の代表であり、コロナ対策や経済的支援、学校や保育所の問題など、市民から寄せられた様々な声をもとに市長に質問・提案・追及するのが仕事だが、議員が自らその機会をなくすのは市民に対する裏切りだ」「コロナで大変だからこそ議会は全力でフル稼働すべき」と改めて訴えましたが、賛同したのはもう1人の無所属議員だけで、自民・真政・公明・民主・共産など各会派の議員は一言も反論しないまま、黙々と請願を否決してしまいました。
 議会では必ずマスクを着用する、サーモグラフィで検温する、委員同士の席を離すなどの感染防止対策をしていますが、議会の開催日を減らして「職務放棄」することは許せません。
 
   6月定例会で議員の質問をどうするか
   (5月8日議運理事会での意見)
     一般質問   議案外質問
  自  民   1日に短縮   中止に
  自民真政   中止に   中止に
  公  明   1人3分に   中止に
  民主改革   各会派1人だけ   書面で→中止に
  共  産   通常以外の方法   中止もやむなし
  吉田一郎   通常通り実施   通常通り実施
吉田一郎市政報告会 8月30日(日) 11:00~11:45 プラザノース第3セミナールーム(入場無料)
2020年8月特別号(2)
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見沼通船堀
整備に8億円使い観光客は年平均4百人!?
「浦和のパナマで水上マーケットを提案
 見沼代用水は江戸時代から昭和初期まで、大宮と東京を結ぶ物流ルートでした。舟運を可能にしたのが、見沼代用水と芝川を結ぶ閘門式(ゲート式)運河の「見沼通船堀」で、同じ方式のパナマ運河よリ180年も早く完成した世界的にも貴重な史跡です。市は毎年巨額の予算を投じて復元整備をしていますが、確認できた観光客は5年間で2千人しかいないことが判明。私は観光客の誘致に積極活用するよう提案しました。

 大宮と江戸結ぶ舟運
 運河の建設で可能に

見沼通船堀 大宮東部から浦和東部にかけてかつて見沼が広がり、徳川吉宗の命で井沢弥惣兵衛が干拓。干拓地の東縁と西縁に、見沼の代わりに利根川から引いた見沼代用水を流し、中央には排水路の芝川を掘りました。
 見沼代用水は農閑期に江戸との舟運に使われ、大宮では東縁は丸ヶ崎から膝子まで、西縁は砂・今羽から北袋まで、村ごとに船着き場が設置されました。
 高鼻から江戸までの運賃は1人67文(当時はかけそば一杯12文)でした。
 明治18年に大宮駅ができても、鉄道より運賃が安く、村から東京へ直接貨物が運べる船は利用され続け、関東大震災後にトラックが普及して廃止されました。
 用水路は下流では水が減り、船は通れません。そこで見沼田んぼの南端に、東縁・西縁の用水路と芝川と結ぶ運河「見沼通船堀」を建設しました。
 しかし見沼代用水と芝川は3㍍の高低差があったので、通船堀には水門を設置し、水を貯めることで船を上下させたのです。
 1914年に開通したパナマ運河と同じ仕組みですが、見沼通船堀の開通は1731年でパナマ運河より183年も早く、世界的にも貴重な存在です。

 毎年巨額の修復費用
 観光収益から調達を

 市は6月議会で見沼通船堀の法面復旧工事費として1679万円の補正予算を提出しました。
 今年度の当初予算でも1億9013万円の整備費用を計上したばかりです。
 そこで見沼通船堀の整備にこれまで投じた総額の資料提出を要求したところ、過去15年間で7億8977万円に達していたことが明らかになりました。
 私は6月18日の予算委員会で問いただしました。

吉田一郎 8億円近い費用を使って整備して、どれだけ観光客が来ているのか。
文化財保護課長 年間通しての来訪者数はカウントしていないが、整備事業で復元した閘門を実際に操作して再現するイベントを昨年度、5年ぶりに行ったら2千人がお越しになった。
吉田一郎 見沼通船堀は世界的にも価値があるものだから、1年中イベントをやったらどうか。ただ眺めるだけでなく、観光客から金を取って船に乗せて、運河を体験できるとか。
文化財保護課長 2分の1の大きさに復元した船を運航しているが、今のところ人を乗せる取り組みは行っていない。1年を通じた実施の要望は御指摘の通りで、今後検討する必要があると考えている。
吉田一郎 堀川や潮来、松江などで小船に観光客を乗せて人気になっている。何億円も予算を使うのなら、せっかく日本に居ながらにして「パナマ体験」で楽しめるようにしていくべきだ。

 私の提案を受けて、清水与党の議員からも賛同の声が挙がり、文化財保護課は「文化財は保存に大変な経費が掛かるが、それを公費だけで賄うのではなく、活用によって保存経費を稼いでいくのもこれからの文化財保護行政が求められている1つのあり方」「あちこちの傷みを治しながら、完了後の運営をこれから詰めていく」と答弁しました。

 パナマ運河より古い
 日本技術アピールを

 私は19日の予算委員会で、「多額の予算を投じるのなら、芝川と見沼代用水の間にポンプを設置して通船堀の水量を増やし、観光客を乗せた船が1年中通れるようにすべき」「水位上昇を待つ間に小船で弁当やジュース、お土産を売って水上マーケットもしたらいい」と改めて提案しました。
見沼通船堀の再現イベント エジプトがピラミッドの修復に多額の費用を投じているのは、それによって観光客を誘致し、ピラミッド見学を通じてエジプト文明に対する理解を拡げる結果になっています。 「浦和のパナマ」で水上マーケット開催や、大宮公園(高鼻)からの船を復活し、世界の観光客を集めれば、パナマ運河より古い見沼通船堀での体験を通じて、江戸時代の日本の技術に対する理解を世界に拡げることができるはずです。

河川増水を映像で
水位情報システム

アクセス集中でマヒ
問題提起し改善実現
 市の防災HPでは「水位情報システム」で、河川の映像を見ることができます。北区では鴨川(日進2丁目)、切敷川(櫛引2丁目)、中島雨水幹線(本郷町)にカメラが設置されています。
 昨年10月の台風19号では、市内各地で浸水被害が出ましたが、「水位情報システム」はアクセスが集中して機能が停止。雨の降り始めで水位が低かった時の画像が表示されたままストップしていました。
 これでは避難の参考になるどころか、かえって避難を遅らせかねません。
 私は当日ツイッターで問題提起するとともに、システムの増強を求める市民の請願を提出したところ、市は6月の補正予算でシステム増強費用780万円を計上しました。
 18日の予算委員会で確認したところ、従来のシステムでは最大5千人の対応能力しかなく、台風19号では10万人がアクセスしてパンクしましたが、増強後はアクセス数の上限はなくなるとのことでした。

吉田一郎 システムを増強したのなら、カメラの設置場所も増やすべきだ。
河川課長 運用していく中で、各関係課と調整を行いながら追加していきたい。
吉田一郎 夜の映像が真っ暗な個所があり、水位が見えない。照明をつけるか場所をずらすべきだ。
河川課長 確かにあるので、設置位置を再検討したり、赤外線カメラも検討したい。

 補正予算は私も賛成して可決され、今年の台風シーズンには市内各河川の水位が、パソコンやスマホでリアルタイムで確認できるようになります。

●交通事故から半年で共産党議員が相次いで謝罪 【動画で見る】
 昨年12月20日の12月定例会最終日に、目の精密検査を怠って視野が欠けた状態で車を運転し、人身事故を起こした共産党の鳥羽恵議員(見沼区)と、事故を組織ぐるみで隠し続けていた共産党市議団の責任者(団長)である神田義行議員(北区)に対し、議員辞職を求める市民の請願が審議されました。
 6月24日の議会運営委員会では共産党の松村敏夫議員(緑区)が、鳥羽議員の事故をいつ報告したかを自ら確認していました。

松村議員 私の記憶では1月の議会運営委員会で報告した記憶があるが、確認したい。
議事課長 1月29日の議会運営委員会で、松村委員より鳥羽議員の事故に関する発言があった。
松村議員 事故を起こしたのは12月20日で、1月29日までの間に議会運営委員会は開かれたか。
議事課長 12月20日に議会運営委員会があって、そこでも一応、鳥羽議員が(議会に)間に合わないという発言があった。

 共産党市議団は事故当日には鳥羽議員の欠席理由を明らかにせず、1ヵ月以上経ってようやく交通事故を報告したことが明確になりました。
 松村議員はその場で「鳥羽議員が市民の方に対して迷惑をおかけしましたことを、会派の一員としてお詫び申し上げます」と謝罪。26日の本会議では鳥海敏行議員(浦和区)も「私どもの会派に所属する議員が起こした交通事故に遭われた市民の方に、改めてお詫びを申し上げます」と謝罪しました。
 私は26日の本会議で、全国の地方議会では議員の交通事故や違反で、過去10年間に少なくとも20件の辞職勧告決議が挙がっていることを指摘。その一方で「半年以上経ったとはいえ、2人の共産党議員の謝罪は勇気ある行動だと思う」と讃えましたが、本来なら鳥羽議員や責任者の神田議員こそが謝罪を行うべきでしょう。【動画で見る】謝罪した共産党議員の勇気を讃える
2020年8月特別号(3)
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部活をやっていない日に
「部活がうるさい!!」
スーパークレーマ一に
及び腰の教育委を喝!

 理不尽な要求を学校に繰り返す保護者「モンスターペアレント」がかねてから問題になっていますが、近隣住民の「スーパークレーマー」に長年悩まされているのが土屋中学校です。
 昨年4月に土屋中の近くに住むA氏から「吹奏楽や剣道などの部活がうるさく、校長に抗議しても改善されない」という陳情が議会に提出されました。
 そこで私はA氏と学校とのやり取りの記録を調べたところ、A氏は1年以上にわたり連日、ひどい時は1日何回も抗議の電話をかけ、部活をしていない日にも「サッカー部がうるさい」などの理不尽なクレームを繰り返していました。
 体育祭の日には数分おきに無言電話をかけ続け、応対した職員が体調不良になっています。
 私はA氏と土屋中のやり取りの記録をツイッターで公開したところ、110万人を超える人が閲覧して全国的な反響を呼び、「有名な『デジベルおじさん』」「何年も前からクレームをつけている」など、地元住民からの情報も集まりました。
 A氏は「何が起きるかわからないぞ」「タダでは済まないぞ」などの脅すような発言も繰り返しており、生徒の安全も危惧されることから、私は教育委員会に確認したところ「A氏と校長が直接話し合い、解決した」という報告でした。

 生徒に危害及ぶ前に
 司法や医療で対処を

 ところがA氏は12月に再び「部活や授業の騒音がうるさい」という陳情を提出。問題は一向に解決しておらず、教育委員会の隠蔽姿勢も明らかになったので、私は12月9日の文教委員会で問いただしました。

吉田一郎 A氏から土屋中学校や教育委員会に何回クレームが来たのか。
学校教育部長 教育委員会が認識したのは18年度以降だが、電話が91回、直接来たのが4回、教育委員会へ電話やメールは23回。
吉田一郎 A氏の家は学校のすぐ隣ではなく、畑を挟んで離れているが、学校近隣の住民からも、うるさいと苦情は来ているのか。
学校教育部長 ない。
吉田一郎 本当に部活がうるさいのなら、他の人や自治会からも申し入れがあるが、土屋中は騒音で近隣に迷惑をかけている状況か。
学校教育部長 近隣にはご理解を頂きながら学校を運営していると思う。
吉田一郎 1日に電話が何回も来て職員が体調を崩したり、「何が起きるかわからないぞ」「タダでは済まないぞ」という言動があるが、威力業務妨害にならないのか。これでは包丁を持って学校の正門に来ることも懸念される。
学校教育部長 実際に何度か警察には相談した。
吉田一郎 警察に通報したのは何回か。
学校教育部長 学校からの通報は14回。
吉田一郎 体育館で全然活動していない日に「体育館がうるさい」など、病的なものも疑うが、福祉関連の部署と相談したのか。
学校教育部長 福祉関係とは相談していないが、地域の民生委員と一緒に訪問したことはある。
吉田一郎 訪問して解決の方向に向かったのか。
学校教育部長 伺ってもご本人にお会いできていない。
吉田一郎 話し合いをしようとしても出て来ない状況なら、対応を変えるべきだ。そうでなければ子どもたちも学校も守れないと思うが、教育委員会の決意はどうか。
学校教育部長 学校支援チームの弁護士とも相談しているが、新たにスクールロイヤー制度を導入して、専門的な違う角度からの解決策を考えていく。

 スクールロイヤー制度とは、区ごとに学校担当の弁護士(スクールロイヤー)を配置して、いじめ問題やクレームなどに対して学校がいつでも気軽に弁護士と直接相談できるようにする制度です。
 学校の運営には地域住民からの理解は不可欠で、苦情に対してはしっかりと話を聞き、対処する姿勢は重要ですが、理不尽で病的なクレームに対しては、法律や福祉(医療)の分野とも連携して、児童・生徒の安全を第一に対応すべきです。

 吉田一郎が反対した議案 
 【動画で見る】

■一般会計補正予算(7)
■一般会計補正予算(11) 《4面参照》
■一般会計補正予算(10)
■市議会の事業見直しで生み出された財源を新型コロナ対策に活用を 議員報酬の1割カットと視察の削減で6千万円の財源を捻出するのなら、政務活動費も半減して1億2千万円を追加削減すべきです。【動画で見る】
■市民憲章審議会条例の制定 住民不在の合併で成立し、新都心に市役所を設置する内容の合併協定書を守らないさいたま市に、市民憲章は不要です。
■マイナンバー通知カードの廃止 マイナンバーを取得していない人が通知カードをなくしたら、各種手続きで自分のマイナンバーが必要な場合、3百円払って住民票を取得することに。
■宝来グラウンド・ゴルフ場の団体料金の値下げ 92年に大宮市が特養老人ホームを建設するために15億円で購入した土地を、グラウンド・ゴルフ場に転用。しかし2年前のオープン以来、団体利用はわずか42件。本来の目的である特養を建てるべきです。
■大和田駅南駐輪場の利用時間延長 東武野田線の終電が29分延びたので、大和田駅の市営駐輪場の閉鎖時間を30分延長。北大宮や七里の市営駐輪場のように24時間自由に出し入れさせるべきです。
■大栄橋橋脚の耐震化工事契約  《1面参照》
■中央消防署建設工事契約の変更■与野本町小学校改修工事契約の変更 建設業者から要求があったわけでもないのに、国が「労働者の賃金水準が上がった」と判断して契約金額を引き上げ。しかし実際に作業員の賃金が上がったのかは確認されていません。
■東京五輪期間中の首都高通行料金の値上げ延期 東京オリンピックは中止を決断すべきです。
■市道の認定 《4面参照》
■教育長の再任■教育委員の再任 子どもたちに感謝する意味を教えないまま、小中学生10万人に医療従事者への「感謝の拍手」を一斉に行わせ、マスコミに取材を呼びかけて「市の宣伝」に利用したのは問題です。【動画で見る】
■監査委員の選任(伊藤仕議員) 私は自民党市議団の政務活動費の不正使用疑惑で住民訴訟を起こしているので、同市議団所属の伊藤議員を監査委員に認めるわけにはいきません。【動画で見る】20206月議会の会派別議案賛否一覧表
2020年8月特別号(4)
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西大宮の区画整理
川越線複線化に1㍍足りない!?
線路脇の生活道路で用地の確保を
 川越線のラッシュ時の本数を増やせるように、さいたま市は沿線各市や県とともに毎年JRに複線化の要望を出しています。
 その一方で、市は西大宮駅周辺で土地区画整理を進め、沿線の畑を住宅地に変えようとしていますが、私が19年2月のまちづくり委員会で確認したところ、市は複線化のための用地確保を予定していないことが判明。私は「線路沿いに幅10㍍くらいの生活道路を確保しておき、将来複線化が具体化した時に、一部を線路用地に使うべきだ」と提案しました。

 川越で取組み本格化
 さいたま市も連携を

 市は6月議会で西大宮駅付近の線路沿いに幅平均9メートルの市道を建設する認定議案を提出しました。
 そこで私は6月16日のまちづくり委員会で確認しました。

吉田一郎 将来、この道に面して家が建つわけだが、生活道路として最低何㍍の幅がなくてはならないのか。
日進指扇周辺まちづくり事務所長 住宅地では最低6㍍が必要になっている。

 JRの線路の幅は1067㍉ですが、電車の車体幅は3㍍です。しかし複線化では電車がすれ違う空間も1㍍弱必要です。
 つまり線路脇の道路幅が10㍍あれば、生活道路として最低必要な6㍍を残して複線化できますが、幅9㍍では足りません。

吉田一郎 9㍍では複線化用地にぎりぎり足りない。
日進指扇周辺まちづくり事務所長 複線化について、JRから具体的な軌道の線形や区域設定が定められていない。

 JRはまだ複線化に応じていないのですから、複線化後の具体的な線形を発表するわけありません。
畑が多い西大宮の沿線 せっかく線路脇に将来の複線化に備えた道路を作るのに、幅が1㍍足りないとは愚の骨頂です。
 川越では6月25日に複線化を求める約6万3400筆の署名をJRに提出。JR大宮支社長は「6万を超える署名をいただいたことは重く受け止める」と応じ、地元で協議会が設置されれば「一支社の話ではなくなる。本社の考えも確認し対応したい」と話しています。
 さいたま市は川越市と連携して、複線化実現のために本気で取り組みを始めるべきです。

  駅前通りに20年間も
  浦和美園と格差歴然

 西大宮駅は09年に開業しましたが、南口にはいまだに広場や駅前通りがありません。
 私は08年7月の予算委員会で、南口からイオン大宮西店のバス通り(文化センター通り=自衛隊通り)まで優先的な道路整備を要望。都市局は「具体的に何年でと言うスケジュールは難しいが、早急に対応したい」と答弁していました。
 それから12年経ち、6月議会で市は南口から西部文化センター通りまで幅16㍍の駅前通り建設に向けた認定議案を提出しました。

吉田一郎 航空写真を見るとまだ家がいっぱい建っているが、何軒の立ち退きが必要なのか。
日進指扇周辺まちづくり事務所長 33軒移転が必要。
吉田一郎 期間や費用はどのくらいかかるのか。
日進指扇周辺まちづくり事務所長 28年度完成を目指し、費用は30億円を予定。
吉田一郎 駅前通りは本来、南は旧16号まで伸ばすはずだが、全通はいつか。
日進指扇周辺まちづくり事務所長 まだ考えていない。

 駅ができてから20年もかけて駅前通りが一部開通というのは、あまりにペースが遅すぎます。
 ハイペースで道路整備や都市開発が進む浦和美園と比べ、予算配分の格差は露骨です。 西大宮駅とイオン大宮西店がつながれば、三進自動車やシティハイツ三橋まで走っている東武バスが西大宮駅まで伸び、自衛隊周辺の住民にとって新たな通勤通学ルートが加わります。
 西大宮駅の道路整備が早急に実現するよう、私は今後も追及を続けます。

新型コロナ対策57億円の補正予算
流行が長期化する中で厳しくチェック
 6月議会では新型コロナウイルス対策費など総額57億3960万円の補正予算が審議されました。
 PCR検査の拡大費用や医療機関で感染者用の病床確保費用、児童・高齢者施設へのマスク等購入資金の補助、失業して住まいを失った人への住宅確保費用など、必要不可欠な支出がある中で、本当に必要なのか疑問な支出について、私は6月4日と18日、25日の予算委員会で問いただしました。

●新型コロナの相談窓口を外部委託に
 「帰国者・接触者相談センター」は保健所が運営していますが、電話がつながりにくい状況を改善するために、1億0608万円で民間に外部委託。しかし保健所も引き続き相談を受けるといいます。

吉田一郎 役割分担はどうなっているのか。病院からの連絡は保健所で受け、一般市民からの電話は委託先が受けて、PCR検査を実施するかどうかは保健所の指示を仰ぐのか。
疾病予防対策課長 新型コロナの知識とか一般的な相談は委託先が対応するが、症状が強く感染が疑われる方は、いったん委託先が情報を預かって保健所から電話をかけ直すことを考えている。具体的な手順は委託先が決まってからきっちり詰める。

 保健所の業務がパンクしないために業務委託には賛成しましたが、市民からの相談がたらい回しにならないよう役割分担は明確にしておくべきです。

●「ドサクサ紛れ」に運営不詳の外郭団体へ補助
 市の外郭団体である産業創造財団には勤労者福祉サービスセンターがあります。市内の中小企業が加入すると、従業員が死亡すれば10万円、火災に遭って5万円、結婚や出産で1万円、還暦で5000円が支給され、東京ディズニーランドが1000円、市民プールが210円割引になるなどの特典があります。
 現在865社の7068人が加入していますが、市は新型コロナ対策として今年度の会費を無料にするために5368万円の予算を計上しました。

吉田一郎 865社は市内に本社がある企業で、7068人は市内に住んでいるのか。
労働政策課長 入会の条件は市内の事業所に勤務する従業員と雇用主。
吉田一郎 東京に本社があって、市内の与野支店の従業員だけが加入するのは可能なのか。
労働政策課長 ちょっとお時間を頂きたい。
吉田一郎 7068人は市内の事業所に勤めていれば川越や東松山に住んでいても加入が可能なのか。実際には上尾支店に勤務していても、ディズニーランドの割引があるから大宮支店勤務にしておこうみたいなケースをどうやって確認しているのか。
労働政策課長 資料がないので確認する。

 コロナを口実にして、ずさんな運営の外郭団体に補助を追加するのは疑問です。

●コロナの影響か確認せずに国と市で二重給付
 新型コロナで売り上げが減った小規模企業や個人事業主に一律10万円を支給するため、21億円(2万1000社分)と事務経費1055万円を計上。市内の小規模企業や個人事業主は2万0458社なので、事実上すべてに支給する計算です。本当にコロナが原因で1社残らず売り上げが落ちているかは疑問です。

吉田一郎 売り上げが減っただけでは支給の対象にはならないはずだ。例えば4月から禁煙になって客が減った飲食店とか、近くに別の店ができて客を取られたラーメン屋とか、コロナのせいで売り上げが減ったのかをどう審査するのか。
産業展開推進課長 申請書の中にコロナの影響で売り上げが減ったと記入し、誓約してもらう。
吉田一郎 ようするに本当にコロナのせいか現場へ行って確かめたりはしないということか。もし「近くにラーメン屋ができて客を取られただけだった」と後から判明したらどうするのか。
産業展開推進課長 申請と異なる内容が確認された場合は、返還を求めることになろうかと思う。

 国では昨年と比べて売り上げが半減した月がある中小企業や個人事業主に、持続化給付金として100万~200万円を給付しています。加えて市からの給付金も支給対象になった人は喜ぶでしょうが、コロナの影響かどうかをきちんと確認できないまま、一律に追加給付するやり方には疑問です。

●長期化するコロナ渦で財政支援は厳選を
 補正予算ではこのほか、関係者から要望があったとして、「市独自のコロナ補償」で認可外保育施設に登園自粛をした分の保育料補償に5098万円(無償化対象者は平均6800円、対象外者は2万6260円)や、就労継続支援B型事業所に勤める障害者の収入減少分の補填に2490万円(平均3万6000円)を計上しましたが、国から支給された1人10万円の臨時特別給付金の中からまかなえるはずです。
 私は26日の本会議で「いろんな補償をいちいち計算するのは大変だから、国民全員に10万円配ることになったのに、それとは別にまたくれと『クレクレタコラ状態』になってしまった」と警鐘を鳴らしましたが、新型コロナウイルス蔓延の収束が見通せない状況で、限りある財源は医療体制の維持や本当に困窮している人への支援に集中させるべきです。
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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