2019年11月特別号 (1)
2面   3面   4面
11月30日 埼京線減便
川越線も夕方~夜に本数削減
副市長先頭にJRへ乗り込み抗議させました
 JRは日月30日のダイヤ改正で、埼京線や川越線の運転本数を削減しようとしています。私は市がJRに埼京線減便に抗議するよう求める市民の請願を議会に提出したところ、委員会で減便に抗議する決議があがり、副市長が議長や副議長らとJRに赴き決議文を提出。さいたま市として抗議の意思を伝えました。

 乗客2倍に増えても
 32年前より本数減少

 JRは横浜で新しい路線(相鉄・JR直通線)が開通するのに伴い、11月30日に新線と直通運転する埼京線や川越線のダイヤ改正を実施します。
 埼京線の大宮~武蔵浦和間は、①日中や土休日の普通電車の本数を3割削減、②快速を各駅に停車させて約3分のスピードダウンなど改悪されます。
 また川越線でも主に夕方から夜にかけて本数が削減され、下り(大宮発)は平日2本、土休日6本の減便になります。
 川越線は09年の西大宮駅開業などで乗客が増え続け、全国の単線区間では一番乗客が多い路線です。
 本来ならかつて国鉄が約束した通り、複線化して本数を増やすべきです。
 ダイヤ改正後の電車の本数は、日中や土休日の埼京線はJRが発足した87年当時と変わらなくなり、土休日の川越線はむしろ減ってしまいます。
 この32年間で市内の埼京線各駅の利用者数は2倍以上に、川越線も2倍近くに増えているのに、電車の本数を減らすのは、まったく理不尽です。

 JRへの抗議を提案し
 委員会で決議挙がる

 私は9月9日、さいたま市がJRに埼京線の本数削減に抗議し、議会でも決議を挙げるよう求める請願を議会に提出。緊急審議することを提案し、11日の本会議で了承されました。
 そして9月18日のまちづくり委員会では、すべての委員が賛成して「埼京線武蔵浦和駅と大宮駅間の利便性の維持及び向上を求める決議」を可決。市はJRに対して運転本数削減の見直しや速達性の維持、ラッシュ時の増発を働きかけるように求めました。
 10月10日には国土交通省出身の阪口副市長をはじめ望月都市局長など市の幹部や、渋谷議長、高柳副議長、まちづくり委員会の井原副委員長らがJR大宮支社を訪れ、委員会の決議文を手渡しました。
 10月16日の議会運営委員会では、埼京線減便への抗議内容が、JR本社の経営陣にもきちんと伝わったことが確認されました。

 本数復活を目指して
 市に抗議継続を追及

 九州では昨年春にJRが列車の本数を大幅に削減しましたが、沿線自治体の抗議でその後修正させました。
 11月30日にJRが「ダイヤ改悪」を強行しても、来年春のダイヤ改正で埼京線や川越線の本数復活や増便を実現すべきです。
 そこで10月18日の本会議で、私は今後の市の姿勢を問いただしました。

吉田一郎 JRが11月30日に横浜で新しい路線ができるというので、あおりを食う形で埼京線が昼間3割も減便される。これに関して市の姿勢を確認したい。
望月都市局長 今回のダイヤ改正は日中時間帯の減便も含まれており、JRからは利用状況に合わせたと聞いているが、市としては引き続きJRに対して利便性の向上を要望していく考え。
吉田一郎 11月30日にダイヤ改正が行われても、引き続き減便したのを元に戻し、増便するように申し入れをするのか。
望月都市局長 市としてはJRに乗車状況を確認しつつ、通勤時間帯も含めた利便性向上を引き続き働きかけていく。

 副市長を先頭に市がいち早くJRに申し入れを行ったことで、市がJRに抗議することを求めた請願は「すでに願意が達成された」と不採択(否決)になりましたが、私は減便の影響を大きく受ける西区や与野の議員と連携しながら、今後も埼京線や川越線の本数増加に向けて積極的に取り組んでいきます。


  川越線下りの本数
   (大宮発・土休日)
    87年 現在 改正後
17時台  3   4   3
18時台  3   4   4
19時台  4   5   4
20時台  4   3   3
21時台  4   4   3
22時台  5   4   3
23時台  4   5   3
 0時台  2   2   3
  計  29  31  26

川越線・埼京線各駅の1日平均乗車人数
   1987年  2018年
 指  扇  12,580  11,034
 西大宮  ─  10,330
 日  進  7,505  13,690
 大  宮  168,743  10,330
 北与野  3,179  10,298
 与野本町  7,391  15,479
 南与野  7,685  18,758
 中浦和  6,165  13,340
 武蔵浦和  14,913  53,963


台風19号による浸水被害
避難勧告の改善を提案しました
 10月12日から13日にかけての台風19号の上陸では、さいたま市内でも浦和西部や与野を中心に被害が出ました。その内訳は床上浸水937件(うち桜区731件、中央区58件、大宮区42件)、床下浸水331件(うち桜区237件、中央区43件)などです。
 市では学校など199カ所の避難所を開設し、8394人が避難しましたが、避難の呼びかけなどで問題点も浮き彫りになりました。

■避難勧告は区ごとに具体的な町名を明らかに
 市では12日18時30分頃、鴨川・鴻沼川が氾濫する恐れがあるとして、防災無線で西区、中央区、桜区の区域と北区、大宮区、南区の一部区域を対象に「避難を開始して下さい」という避難勧告を流しました。
 しかし「北区の一部」と言ってもどこの町内が対象かわかりません。実際には避難勧告が出たのは日進1~3丁目と別所町でしたが、それ以外の地域でも激しい風雨の中でびしょ濡れになりながら避難所に駆け付けた高齢者や親子連れが相次ぎました。
 避難を呼びかける放送は、浦和の市役所から全市共通の内容を流すのではなく、区ごとに具体的な町名を挙げて放送するべきです。

■県から情報受けても芝川の氾濫危険を伝えず
 大宮区では鴨川や鴻沼川(切敷川)沿いの三橋や大成1~3丁目に避難勧告が発令されましたが、実際に床上浸水などの被害が出たのは芝川沿いの天沼で、開成高校付近ではボートで救出された人もいました。
 芝川を管理する県では22時20分に「氾濫危険水位情報」を発表し、それを受けて川口市では緊急避難指示を発令しましたが、さいたま市では県から情報を伝達されていたにも関わらず、芝川沿いでは最後まで避難を呼びかけませんでした。

■半日前の水位が低い画像を流し続けて誤解招く
 市の防災HPでは「水位情報システム」で、北区では鴨川(日進2丁目)や切敷川(櫛引2丁避難勧告が出ても午前中の画像を表示目)、中島雨水幹線(本郷町)の画像を観ることができます。
 しかしアクセスが集中すると機能が停止し、大雨が降り出したばかりで水位が低かった午前中の画像が、12日夜になっても表示され続けていました。
 これでは避難の参考になるどころかかえって誤解を生み、避難を遅らせることになりかねません。市のHPも含めてサーバーを増強することが必要で、過度のアクセス集中に対応しきれないのなら、誤解を招く画像提供はいったん休止すべきです。
 ※      ※      ※
 市議会では10月17日に台風19号災害対策調査特別委員会が設置されましたが、私はこれら市の対応の改善を求める市民からの請願を提出。市は今後の教訓として改める点は早急に改めるべきです。
吉田一郎市政報告会 12月22日(日) 10:00~11:45 プラザノース第4セミナールーム(入場無料)
2019年11月特別号(2)
1面   2面   3面   4面
大宮駅GCS構想「骨子案」で
駅に直結した送迎を可能にさせました
 北からのタクシーは
 銀座通りにも乗降場

計画の盛り込ませた駅地下の一般乗降場 大宮駅東口の再開発で、市は大宮駅グランドセントラルステーション(GCS)化構想の策定に向けて、「骨子案」を発表しました。
 昨年の案ではタクシーは駅前広場の地下に、一般車は南銀に新設するロータリーに移すという内容でした。
 私は昨年11月6日のまちづくり委員会で「高齢者や身障者、重要なお客さんの送迎に不便だ」と徹底追及しましたが、9月2日の特別委員会で改めて問いただしました。

吉田一郎 以前「送迎が不便だ」と言ったが、今回の案ではどう生かしたのか。
東日本交流拠点整備課長 駅の真下に一般車の乗降場を8バース設置し、そこから駅に直接上がることを検討している。
吉田一郎 大宮駅と北側を行き来するタクシーは、旧中の渋滞を避けるために銀座通りを通っている。旧中や駅前通りから地下に行くのでは時間がかかる。
東日本交流拠点整備課長 新設する東西連絡通路の1階にタクシー乗り場の設置も検討する。

 大宮駅の乗換え改善
 駅利用者の声集めよ

JRと東武野田線の乗り換え改善のため、銀座通りの一番街付近に東西連絡通路を設置する計画ですが、老朽化したルミネ1も取り壊し、公共的空間(広場)にする案①と、野田線ホームを南に移して現在の中央連絡通路とも直結させる案②があります。
 乗り換えは案②が便利ですが、商店街の委員らでは案①が有力だと言います。
 案①  案②

吉田一郎 「広場でイベントをやりたい」という商店街の意見は反映されて、大宮駅を日常的に使う北区、見沼区、岩槻の住民の意見は反映されないのか。
東日本交流拠点整備課長 アンケートやパブコメを使って反映させたい。
吉田一郎 乗り換えや駅前広場について、北区や見沼区、岩槻で説明会を開き、市の方から声を集めて反映させる仕組みを作るべきだ。
東日本交流拠点整備課長 市としても非常に重要だと思うので、今後そういう手段も検討していく。

 ペンシルビルが続々
 腹黒い地権者の思惑

 市は東口再開発の手始めに、20年度後半に銀座通りと線路の間で再開発着手の合意が得られればありがたいと言っています。

吉田一郎 銀座通り沿いでいくつもビルが建設中だが、地権者から「協力する」と確認してるのか。
東日本交流拠点整備課長 GCS構想に全員が賛同する確認は取れていないが、建替えている地権者の中にはGCS構想を推進している人もいると理解している。

 再開発が具体化する前に木造店舗を高いビルに建て替えておき、多くの権利や利権を得ようという地権者の目論見が明らかになってしまい、特別委員会は紛糾し中断してしまいました。
 貪欲な地権者たちを相手にしては、今後何十年経っても再開発は進みません。
 東口再開発は後回しにして、大宮駅と大栄橋との間の線路上に人工地盤を建設し、北口とそれを囲む「新しい街」の建設を先行させるべきです。

61億円を分割発注で入札逃れ
浦和の兄弟にすべて発注
 WTO(世界貿易機構)の協定により、22億9000万円以上の工事発注は一般競争入札で業者を決めます。9月議会では中学校照明LED化と特別教室のクーラー設置で計61億円の契約を審議しました。
 市は「地元業者が受注できるように」という理由で、市内の中学校を大宮と浦和、電気方式とガス方式の4グループに分け、入札を避けて随意契約で業者を選定しましたが、積田冷熱工業と積田電業社という浦和の兄弟の会社が、4グループすべてを受注。私は9月9日の文教委員会で追及しました。

吉田一郎 兄弟がやっている会社が「おまえはあっちに応募しな。俺はこっちに応募するから」というのは、違法ではないのか。
学校施設課長 同一契約に資本や人的な関係がある企業が応募するのは大きな問題があるが、同一契約でなければセーフと考えた。
吉田一郎 61億円の発注を4つに分けたのは「地元の業者に仕事をまわすため」と言っていた。地元のいろんな人たちに仕事をしてもらうはずなのに、結果的に兄弟の会社が全部取ってしまった。それを教育委員会はまったく問題ないと思っているのか。

 私の質問に教育委員会は答弁に行き詰まり、文教委員会は3日間にわたり紛糾。委員会で契約に反対したのは私だけでしたが、賛成した委員からも「不正の余地があるのではと懸念している」(民主改革)、「競争力も働かなかった」(自民真政)などの批判が相次ぎました。
 学校関連の工事で「子どもたちのため」とはいえ、疑惑が伴う契約にはきっぱり反対すべきです。

●土呂駅東口「マヌケなタクシー乗り場」改善を
マヌケなタクシー乗り場 東大宮から病院が移転して、土呂駅東口でタクシーに乗る人が増えました。ところが駅を降りてタクシー乗り場まで点字ブロックや屋根の下を歩いて行くと、助手席に出てし
まいます。
 また西口のタクシー乗り場は17年春に北区役所に要望し、歩道と車道との段差を解消してもらいましたが、東口は段差が残ったままです。そこで9月11日の一般質問で問題点を指摘しました。

吉田一郎 乗客は後部座席に乗るはずだ。「タクシー」と書いてある白線を前にずらすべきだ。
土取建設局長 タクシーの停車位置はシェルターとずれがあるので、表示の改善を図る。
吉田一郎 乗り場に段差があって転倒してしまう人もいる。西口のようにすべきだ。
土取建設局長 歩道を切り下げるとシェルターの基礎部分に影響を及ぼす可能性もあるため、整備手法を検討していく。

 土呂駅東口では公衆トイレの裏に花壇が設置されて通路が狭くなり、通り抜ける自転車とエレベーターに乗る人がぶつかる事故が起きています。
 私は花壇を移転するように提案したところ、建設局長は「地元自治会と調整して現在の形で整備したが、今後も自治会と調整しながら安全対策を図る」と答弁していましたが、歩行者の安全を第一に早急な改善を実施すべきです。

●障害者医療費無料化の拡大で財政赤字転落に!?
 さいたま市では身体障害者(1~3級)と精神障害者(1級)は医療費が無料です。これに対して精神障害者の闇から「不公平だ」という声が挙がり、10月18日の本会議で「障害者の医療費無料化の対象者拡大(精神障害2級)のために県に2割負担を求める意見書」が審議されました。そこで私は保健福祉委員会の西沢鈴子委員長(公明・桜区)に問いただしました。

吉田一郎 なぜ3級は対象にしないのか。
西沢委員長 財政負担も増大するので将来的にも持続可能な制度にするため、まずは2級を対象にすべきだと考えている。
吉田一郎 対象者を増やすと7億9000万円かかるというが、その根拠は?
西沢委員長 現在かかっている医療費。

 さいたま市の財政黒字は年々減少して昨年度は14億円でした(4面参照)。精神障害2級の人の医療費をタダにすると県が2割負担しても黒字は半減してしまいます。
 さいたま市は09年度から中学生以下の医療費を無料にしましたが、安易な受診が増えたため当初18億円と見込んでいた財政負担は54億4975万円に膨らんでしまいました。同様に7億9000万円の負担増の見込みも実際には大幅に膨らみ、市の財政が赤字に転落することにもなりかねません。
 実は昨年9月議会では、清水市長が「今後の財政が厳しくなるから」と障害者の医療費無料化に所得制限を設けて、対象者の削減を提案。共産党は反対しましたが他の議員はすべて賛成したのです。
 私は本会議でその事実を指摘。「財政負担が大きいからと対象者削減に賛成しておきながら、対象者拡大を言うのは矛盾だし、政治家として無責任だ」と共産党以外の各政党を批判し、反対しました。
 人口減少で経済が衰退し財政が厳しくなる中で、安易な医療費無料の拡大は戒めるべきです。
2019年11月特別号(3)
1面   2面   3面   4面
生活保護の不正受給
250年かけて返済と言えば
警察には告発せず!?
人手不足緩和に支給は厳格に

 最近は人手不足が深刻となり、ファーストフードやコンビニの営業時間短縮が相次いでいます。
 さいたま市の生活保護受給世帯数は、病気や障害ではない受給者は減っているものの、全体的には増えています。
 昨年度の生活保護支給総額は340億3000万円。担当職員の人件費24億1400万円や就労支援や不正受給対策費4億3820万円を加えると計369億円で、市民1人当たり2万8385円の負担です。
 生活保護の不正受給は犯罪で、3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金刑。悪質な場合は詐欺罪(10年以下の懲役)も適用されます。
 9月5日の本会議で質問したところ、昨年度さいたま市で発覚した不正受給は404件で、被害総額1億1540万円でしたが、市が警察に告発したのは4件だけでした。

 生活保護の受給世帯数
     15年度   19年度
  高齢者   6543   7712
  母 子   976   767
  障害者   1561   1756
  傷病者   2031   1950
  その他   3872   3091
  合 計   14983   15276

吉田一郎 最大の不正受給額は?
清水保健福祉局長 最大は約780万円。
吉田一郎 不正受給がばれてもお金を使ってしまい、分割で返還するケースがあるが、最長の返済期間は?
清水保健福祉局長 3060回。
吉田一郎 3060回というと250年間か。現実的に250年かけてお金を返す人がいるのか。それだけ長生きする人はいるのか?
清水保健福祉局長 その世帯は他の返済も並行して行っているので、当該不正受給に対する返済が少額となっている。
吉田一郎 この人を警察に告発したのか。
清水保健福祉局長 告発していない。

 不正受給を繰り返しても警察に告発せず、現実的にあり得ない分割払いで誤魔化すのでは納税者がバカを見るだけです。
 深刻な人手不足を緩和するためにも、病気や障害がなく働ける人には、生活保護を支給するべきではありません。

 さいたま市の生活保護支給額
  (冬季、住宅扶助・教材費込み)
●19歳単身の場合 月額12万6220円
●30歳代夫婦+小学生2人の場合 月額27万7420円
●40歳代の鬱病の母親と小学2人、中学1人の母子世帯の場合 月額34万7340円

他に支給されるもの
 医療扶助(医療費、通院交通費、入院日用 品、眼鏡代)
 教育扶助(学校給食費、修学旅行費)
 介護扶助(介護サービスの自己負担分)
 出産扶助(出産費、オムツ・ミルク代)
 生業扶助(技能習得費、スーツ代、高校授業料・通学費)
 葬祭扶助(死亡診断書、運搬料、火葬料)
 融時扶助(子供服、布団、家具、引越し、敷金・礼金)

無料になるもの 各種税金、年金、認可保育 所、放課後児童クラブ、水道基本料、下水道、粗大ごみ、市営霊園、住民票や戸籍の 発行手数料、訪問入浴、NHK受診料など
※JRの通勤定期は3割引
※年末には期末一時次扶助(ボーナス)を支給

●芸術祭に何億円も使い、苦情が来たら中止!?
「イベント好き」な清水市長の下で、市は16年に10億円以上を費やしてトリエンナーレを開催し、来年また国際芸術祭を開催しようとしています。
 今年はあいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」で、昭和天皇や従軍慰安婦に関する内容に全国から抗議が殺到し、75日間の会期のうち65日間は展示中止になる事件が起きました。
 さいたま市はクレームが殺到したらどうするのか、9月13日の文教委員会で問いただしました。

吉田一郎 展示に対して批判が集中した場合、展示を中止させることはあり得るのか。
国際芸術祭開催準備室長 仮定の話にはお答えする立場にない。
吉田一郎 どこの誰かもわからない匿名の電話やメールがいっぱい来たら展示を止めるようなものに、何億円もかけるのはおかしくないか。
国際芸術祭準備室長 当然やると決定した以上はやり尽くす覚悟は持っている。
吉田一郎 そういった覚悟は非常に重要だと思う。

 さいたま市も含め、近年は「町おこし」感覚で芸術祭を開催する自治体が増えていますが、芸術の内容に政治が介入すべきではなく、苦情が殺到したら中止するような安易な考えなら、最初から多額の公費を投じて芸術祭を開催すべきではありません。

吉田一郎が反対した議案
■一般会計補正予算(4)
 大野元祐氏が参院議員を辞めて県知事選に出馬したために行った参院補選の費用3億8139万円。県内全体では22億0600万円ですが、大野氏が7月の参院選前に辞職していれば不要だった費用です。
■一般会計補正予算(5)
■指定管理者の指定(にぎわい交流館いわつき)
 「岩槻区役所をもとの場所に建て直してほしい」という岩槻住民を騙し討ちにするような形で「第二の人形博物館」を建設することには反対です。
■一般会計及び特別会計決算《4面参照》
■水道事業会計決算】下水道事業会計決算
 水道は全国の政令市で4番目に高い料金で53億円の黒字、下水道は7番目に高い料金で12億円の黒字。料金値下げを検討すべき。
■病院事業会計決算
 総額421億円かけて建替える市立病院。交通手段の大半は浦和からのバスで利用者は浦和住民に偏っています。隣接する見沼区コミバスを延長すべきです。
■市職員定数条例等の改正
■市職員給与条例等の改正
■会計年度任用職員の給与及び費用弁償の条例制定■教職員の勤務時間休日休暇条例の条項修正■水道局企業職員の給与条例の改正
 臨時職員や学校の非常勤講師を1年契約の会計年度任用職員にしてボーナスを支給し、人件費が17億円増。
■地方教育行政法改正に伴う条項修正
 図書館や公民館、博物館に関する権限を、教育委員会の同意がなくても市長に移せるというもの。教育委員会が有名無実化します。
■印鑑条例の改正
 住民票や印鑑証明の自動交付機の廃止には反対。
■浦和駒場体育館中規模修繕工事請負契約
 工事で1年3ヵ月も休館。単に値段で業者を決めるのではなく、工事期間の短さも含めて総合評価すべき。
■中学校の照明LED化と空調設置《2面参照》
■さいたま市議会資産等公開審査会委員の委嘱
 議員は資産報告書を提出していますが、その審査会の開催は2年間に1回だけで、会長を選出して20分で終了。それに欠席した委員も再任するのは反対。
■高齢者の安全運転支援と移動確保を求める意見書
 75歳以上の運転免許を「安全サポート車限定」にして、ペダル踏み間違え防止装置の取り付けに5~6千億円の補助金を支給。高速道路での逆走には効果がなく、多額の公費を投じてまで高齢者に運転を続けさせることには反対です。
■重度心身障害者医療者支給事業の対象者拡大を求める意見書《2面参照》
2019年9月議会の会派別議案賛否一覧表
2019年11月特別号(4)
1面   2面   3面   4面
 2018年度 清水決算
イベント+箱物+地下鉄で財政赤字に転落寸前!?
 10月18日の本会議で述べた反対理由(抜粋)【動画で見る】
●3大イべント開催に毎年平均10億円を浪費
 昨年度はさいたまクリテリウムなる自転車レースに担当職員の人件費込で3億7036万円、吉田一郎議員国際マラソン大会に3億0705万円を費やしています。全国の政令指定都市で自転車レースに1億円以上使っているのはさいたま市だけ。マラソン大会の費用も、京都マラソンの1億7440万円、横浜マラソンの1億円を大きく上回っており、経費が突出しています。
 清水市政は大会開催による経済効果を盛んに宣伝していますが、その多くはJRの運賃収入やイベント会社、警備会社などの増収です。国際マラソンでは市民が交通規制や混雑を避けて、沿道の商店では普段より来客数が減ったと回答している店舗が多く、地元商店の売り上げが減って税収が減るのでは、一体何のためのイベント開催かわかりません。
 2016年に開催したバカ殿祭りのような芸術祭・トリエンナーレでは、市は当初「何億円という金額はかからない」と説明していたにも関わらず、事業費で7億3860万円、担当職員の人件費を含めると開催費用は10億2162万円に膨れ上がりました。
 しかし清水市政はこれに懲りず、再び国際芸術祭を開催しようと、昨年度はその準備に1億4192万円を費やしています。国際芸術祭は事業費で5億8443万円、人件費を含めると8億円以上に及びます。

●赤字ハコモノに巨額の税金を投入
 現在の場所にそのまま建替えれば50億円で済んだのに、補助金や土地の現物出資も合わせると総額484億円も投じる中央デパート跡地の再開発ビルに移転する大宮市民会館は、搬入用のエレベーターのサイズが小さすぎてコンサートや演劇で使う大道具が搭載できず、現在のように多彩なプログラムが開催できないというお粗末な構造ですが、市は「研修会などの企業利用も考えている」などと開き直っています。企業利用のための施設を市民の税金を投じて作る必要はありません。
 大宮盆栽美術館は「盆栽村を訪れる新たな観光客が年間15万人から20万人増える」という触れ込みでオープンしたものの、小中学校の社会科見学や視察、講座出席者などを除いた入館者は、もとから盆栽村に来ていた観光客を含めても毎年3万から5万人に過ぎず、昨年度は世界盆栽大会で7万2160人と、前年より3500人減少し、その赤字額は1億6877万円と前年より2500万円も増え、開館以来の累積赤字は12億8750万円に達しています、この他に盆栽活用イベントに496万円、盆栽ブランド強化に向けた取り組みを行う団体に692万円、盆栽文化の継承発展と称して700万円、文化芸術都市創造基金から盆栽購入に260万円と、市民の血税を様々な口実で盆栽に費やしています。
 清水市長は続けて、総額42億3000万円をかけて岩槻人形博物館を建設しようと、これまでに36億5127万9909円を費やしています。一体何のための人形博物館なのか。9月13日の文教委員会で市は「岩槻の人形文化の振興のため」とか「郷土愛をはぐくむための市民の教養と知識の向上」と言いながら、展示品として用意した5000点の人形のうち「岩槻の人形」は10点に過ぎず、岩槻とは全く関係ない海外の人形まで多数含まれています。
 人形博物館は盆栽美術館と同程度の赤字を出すことを市は認めていますが、市はこれに加えて2億8000万円かけて「2つ目の人形博物館」であるにぎわい交流館の建設も進め、さらにもともと人形博物館を建設しようと12億円で購入した岩槻城址公園近くの土地に、岩槻城を復元しようと全庁的な組織を立ち上ています。まるで「バカ殿ご乱心」だと言わざるをえません。

●無謀な地下鉄建設に向け岩槻に予算集中投入
 沿線開発を含めると3000億円と言われる岩槻への地下鉄延伸ですが、実現するには最終的にいくらに膨れ上がるかわかりません。開業後は毎年膨大な赤字負担が加わります。
 これまで専門家が行った採算予測では、B/Cは0.8~0.9で採算が全く取れないという結果が出ていましたが、清水市長は浦和美園や岩槻にドカンと予算を投じて、人口をジャンジャン増やせばいいだろうと2012年度から「浦和美園~岩槻地域成長・発展プラン」なるものを策定し、43の方策で沿線開発や箱物建設、イベント開催に予算を集中投入し、その金額は昨年度だけで128億円、これまでの累計で655億円に達していることが判明しました。
 東武鉄道は来年3月から朝夕のラッシュ時にも野田線に区間急行を走らせ、岩槻から大宮や春日部への所要時間を3分ずつ短縮すると発表しました。
 また私が6年前の市長選で掲げた野田線と伊勢崎線の直通運転、いわゆる「吉田プラン」は、東武鉄道が中期経営計画で本格的な実施を発表しています。
無謀な岩槻への地下鉄建設は、いい加減にきっぱりと断念すべきです。

●税収は伸びているのに財政は赤字寸前に
 合併当初、さいたま市決算の実質収支額は毎年80億から100億円の黒字を計上していましたが、清水市政が誕生してから黒字額は年間50億円前後に減少し、15年度の52億円から16年度は24億円、17年度は38億円、昨年度は14億7800万円と、急坂を転げ落ちるが如く黒字額は急減しています。
 昨年度は個人市民税が291億円増えるなど市税収入が312億円も伸びたにも関わらず、財政が急速に悪化したのは3大イベントの開催、相次ぐハコモノ建設、そして無謀な地下鉄建設に向けて巨額な予算を投じ続けた結果です。
 赤字転落ギリギリにまで財政を悪化せしめた清水市政の決算を認めるわけにはいきません。

さいたま市の実質収支額
 (一般会計の黒字額)
11年度 65億3200万円
12年度 45億0900万円
13年度 60億9500万円
14年度 58億9000万円
15年度 52億5700万円
16年度 23億8100万円
17年度 37億7600万円
18年度 14億7800万円

大宮駅の新通路や野田線の区間急行運転で
岩槻~浦和美園
地下鉄採算見込みが破綻
 清水市長は当初、13年度に岩槻~浦和美園の地下鉄7号線の建設に着手すると言っていましたが、採算が取れる見通しがなく、無期延期が続いています。
 ところが17年度に市は、新たな試算結果でB/C(費用対効果、1以上が黒字)が1.1になったと発表しました。その根拠は岩槻駅に東武野田線と地下鉄との乗換通路(122㍍)を作った場合の乗換時間が、日本人の歩行速度がアップして3.7分から2.8分に短縮すれば、野田線から地下鉄への乗換客が1900人増えて黒字になる…というものでした。
 一方で市は、昨年7月に発表した大宮駅GCS構想で、現在の大宮駅の北側(一番街付近)に新たな東西連絡通路を作り、JRと野田線の乗換時間を短縮するとも発表しています。
 そこで私は9月11日の一般質問で確認しました。【動画で見る】

吉田一郎 大宮駅で東武とJRとの乗り換えは現在何分かかるのか。そして新しい連絡通路ができると何分短縮されるのか。
望月都市局長 現在の改札間距離は160㍍あるが、東西通路の中央にJRの改札口が設置された場合は60㍍短縮される。
吉田一郎 60㍍短縮されると、ラッシュ時には何分短縮されるのか。
望月都市局長 混雑状況によって移動速度が変動するので算出していない。
吉田一郎 大宮駅で東武線とJRの乗換時間が短縮すれば、仮に岩槻に地下鉄を作った場合、野田線から地下鉄に乗り換える利用者は減るということか。
真々田都市戦略本部長 現状ではそういう想定の試算はしていないので、答えられない。

 岩槻駅では野田線と地下鉄との乗換時間を試算しておきながら、大宮駅では地下鉄建設に不利になるような乗換時間の短縮は試算しないのでは、ご都合主義に他なりません。
 岩槻駅で120㍍の通路の乗換時間が2.8分なら、大宮駅での乗り換えが60㍍短くなれば、乗換時間は1.4分短縮されます。
 岩槻駅での乗換時間が0.9分短縮されて地下鉄利用者が1900人増えるのなら、大宮駅での乗換時間が1.4分短縮されれば、地下鉄は2700人の乗客を奪われる計算になるはずです。

新知事も消極的。無謀な地下鉄断念を!
 東武野田線は現在、平日の日中と休日に急行電車(大宮・岩槻・春日部のみ停車)を走らせていますが、来年3月から平日の朝夕ラッシュ時にも区間急行(停車駅は急行と同じ)の運転を開始します。区間急行は大宮~岩槻で3分、岩槻~春日部で3分の時間短縮になります。
 また来年度には地下鉄日比谷線から春日部方面に直通運転する通勤特急もスタート。岩槻から大宮や春日部経由で東京都心へ向かうルートがますます便利になります。
 新たに就任した大野県知事は朝日新聞のインタビューで、岩槻への地下鉄建設について「県民の税金を使って特定の地域が豊かになる可能性がある。全員にとって良いという説得力がないと延伸はできない」と消極的です。
 清水市政は岩槻と浦和美園の開発に多額の血税を注いでいますが、地下鉄建設を取り巻く環境は厳しくなる一方です。
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

HOME | TOP| 市政レポート一覧
inserted by FC2 system