2018年11月特別号 (1)
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484億円かけて欠陥市民会館
エレベーターが小さすぎて多彩な公演不可能に
「企業向けコンベンションに」と設計見直しを拒否 【関連動画】
 市は中央デパート跡地に建設中の再開発ビルに、総額484億円もの公費を投入して大宮の市民会館を移転しようとしています。しかし私の調査で、大ホールの搬入用エレベーターが小さく、演劇などで使う大道具などが入らない「欠陥市民会館」だったことが判明。設計見直しを求める請願を提出しましたが、清水市政は「企業利用も想定している」と開き直っています。
 中央デパート跡地の再開発ビルは、西棟(18階建て)と東棟(10階建て)で、21年度に完成予定で工事が進んでいます。
 清水市政は大宮の市民会館を建替えるにあたり、現在地にそのまま建替えれば50億円で済むところを、再開発への補助金と合わせて484億円もかけて、移転させようとしています。
欠陥市民会館 1400席(現在とほぼ同じ)の大ホールは、東棟の6~9階に設置されます。
 現在の市民会館やソニックシティ、スーパーアリーナなどの大ホールは1階にあるので、搬入口にトラックを横付けすれば、コンサートや演劇などで使用する大きな楽器や大道具、舞台装置などを、そのまま運び込むことができます。
 しかし再開発ビルの上層階に大ホールを設置したら、機材をトラックからエレベーターに積み替えて、搬入する必要があります。
 私が調査したところ、搬入用エレベーターの大きさは、入口幅4㍍、高さ3㍍、奥行き3㍍しかないことが判明。これでは大きな機材を使うコンサートや演劇は実施不可能になり、これまでのような多彩な公演を楽しめなくなってしまいます。

 企業の利用は想定し
 演劇の公演は考えず

 そこで私は6月に、市民会館の設計変更を求める市民からの請願を提出。8月28日の文教委員会で審議されました。
 しかし大宮の議員は黙っているだけで、質問したのは浦和の議員でした。

青羽健仁議員(自民・浦和区) エレベーターが小さいのは明らかだ。例えばオーケストラやオペラやミュージカルはできるのか。
文化振興課長 日本のアーティストのコンサートや、市内中高生のバンド演奏会が想定される。
文化部長 駅前なのでコンベンション機能の充実を図り、企業の利用も想定してのこと。
青羽健仁議員 大規模な演劇やオペラとかを誘致しようという観点で作っているのではないということでいいのか。
文化部長 その通りです。

 私は9月6日の本会議で、かつて大宮市民会館では大掛かりなセットを使った『8時だヨ!全員集合』などの公開中継が行われていたが、そのようなイベントは不可能になり、企業の研修会など企業利用でホールを使わせるのなら、何のために市民の税金を484億円も使うのかと批判。
 同様に上層階に大ホールがある八王子市民会館では、エレベーターの奥行きは7・5㍍であることや、トラックごと載せるエレベーターを設置したホールもあることを例に挙げ、早急に「欠陥市民会館」の設計を見直すよう要求しましたが、自民・真政・公明・立憲国民・共産の各会派はこぞって反対し、請願は否決されました。

 集会室も企業向け
 料金は浦和の5倍

 現在の市民会館には、大小ホールの他に5つの集会室があります。
 移転後の集会室は10に増えますが、「企業の利用を考えた」と市民グループでは借りにくい120人用の部屋などが用意されます。
 また集会室の利用料金は、浦和駅前のコミセンと比べると5倍です。私は昨年10月の決算特別委で、移転を機に市民会館の集会室部分をコミセンにして、料金を浦和コミセン並みにと要望しましたが、清水市政は拒否しています。
 大宮区役所と統廃合される大宮図書館も、面積は現在の35212㎡から24002㎡へ3割縮小され、ビジネス利用もできる場所として「ふれあいスペース」を設置しようとしています。
 大宮市民が利用するためだった公共施設を、移転を機に「企業利用のため」と市民にとって使いにくいものに変え、市民のための公共施設は浦和にばかり集中させる清水市政のやり方は許せません。

  集会室の料金比較(13時~17時)
武蔵浦和コミセン 第2集会室39人 450円
浦和コミセン   第3集会室20人 490円
市民会館おおみや 第1集会室20人2460円
プラザノース   第4セミナー36人1970円

北九州=飲酒にショッピング
さいたま=連日のグルメ三昧
呆れた海外視察徹底見直しを

 今年夏、北九州市議会でヨーロッパに海外視察へ行った際、昼間から飲酒やショッピングに明け暮れる様子がテレビ放送されました。
 北九州市議会では議員の3分の1(19人)が、4年間の任期中に1回海外視察へ行けるように予算を組んでいましたが、批判を受けて10月16日に海外視察の廃止(姉妹都市を除く)を発表しました。
 一方でさいたま市議会では、かつて4年間の任期中に全員1回は海外視察に行けるように予算を組んでいました。その後「共産党と無所属を除く議員全員が4年間に1回海外視察」に変更。昨年度は803万8000円の予算を組んでいます。
 この他に、政務活動費を使って勝手に行く海外視察もあり、民主党の議員らが政務活動費147万円を使ってアメリカ視察に行き、連日グルメ三昧を行った事件も起きています。
 そこで私は10月15日、市民から預かった海外視察を厳しく制限する請願を提出。12月議会で審議されることになりました。
 議員特権の1つと化している現状の海外視察は抜本的に見直し、姉妹都市へ行きたい議員は原則自費で、政務活動費の海外視察は禁止すべきです。


 さいたま市議会議長 新藤信夫 様
 平成30年10月15日
 請願書

件名 税金を使った海外視察を厳しく制限することを求める請願。
要旨
1 姉妹都市などへの公費による海外視察は、議会を代表する者や現地に精通する者に限定し、それ以外の参加者は自己負担で行ってください。
2 政務活動費を使った海外視察は禁止してください。
理由
 北九州市議が海外視察先で昼間に飲食したり、ショッピングを行っていた問題が新聞各紙やテレビなどで報道され、海外視察に対する批判がメディアを騒がせています。
 その結果、北九州市議会は海外視察を廃止する見通しだと報道されました。
 問題となった北九州市議会の海外視察では、現地でのショッピングは自費だったのでしょうが、税金を使って視察に行く以上、現地で観光やショッピング、グルメ三昧で過ごすべきではありません。
 さいたま市議会でも、議会費や政務活動費を使った海外視察が行われており、かつて政務活動費でアメリカへ視察に行った議員が、連日のようにグルメ三昧を繰り広げ、2kgも太って帰国するという不祥事を起こしました。
グルメ三昧 さいたま市議会では、3年前の韓国視察では公費で行くのは議会を代表する議長だけとし、他に行きたい議員は自費で参加するという、海外視察のあり方として全国的にも誇るべき範を示しました。
 昨年の中国視察、今年のアメリカ視察では再び全員公費に戻ってしまいましたが、事後は議会費を使った海外視察は議長・副議長もしくは現地に精通した者に限定し、それ以外の参加希望者は自費で参加するようにしてください。
 また、政務活動費を使った海外視察は全面的に禁止してください。
  以上、地方自治法第124条の規定により請願いたします。
吉田一郎市政報告会 12月23日(日) 14:00~16:00 プラザノース第4セミナールーム(入場無料)
2018年11月特別号(2)
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 新病院、首都高、新駅、区役所移転…
 大宮でも必要な道路整備を徹底追及
 駅前開発や郊外整備、公共施設の建設など、2001年の合併以来さいたま市の予算配分は「浦和優先」が続いていますが、道路整備も同様です。都市計画道路の整備率は、浦和55.8%に対して大宮は44.2%に過ぎません。
 病院の移転や首都高の延伸、新しい駅の開業や区役所の移転などに合わせて、大宮でも道路整備は不可欠なはずだと、私は9月18日のまちづくり委員会で徹底追及しました。

 新病院へ救急車進入
 中央分離帯の撤去を

吉田一郎 砂本郷線と国道17号との交差点は中央分離帯で仕切られて、上尾方面からしか入れず、大宮方面にしか出られない。信号機を付けて双方向に出入りできるようにすべきだ。北部医療センターが来年春に移転するのに、大宮から大成橋を渡って来た救急車が入れないのでは、命にかかわる。
土木部長 既存の交差点との距離が短いため、信号機設置には警察の同意を得るのが難しい。
吉田一郎 国道17号と旧中山道との交差点と、砂本郷線との交差点との間の距離は?
土木部長 100メートル。
吉田一郎 ドン・キホーテ前の交差点には信号機が付いているが、旧中の交差点との距離は?
砂本郷線と国道17号線の交差点土木部長 具体的な距離は把握していないが、少し長いかなと思う。
吉田一郎 警察で何メートル以内には信号機を作っては行けないという法律があるのか。
土木部長 法律はないが、警察はおおむね150メートル以上ないとと言っている。
吉田一郎 病院ができるから、救急車が入るのに必要だと言えばいい。
土木部長 救急車はさまざまな手法で行くことができるのではと考えている。
吉田一郎 交差点が中央分離帯でふさがれているのに、救急車は飛んで行くのか?
土木部長 物理的に無理な所は不可能と思う。
砂本郷線と国道17号線の交差点写真吉田一郎 産業道路の寿能町では、3つ並んで信号機がある。何メートルずつの間隔か?
土木部長 100メートル以内の状況があるという…。
吉田一郎 病院があるわけでもない寿能町では100メートル以内の間隔で3つの信号が連続しているのだから、国道17号も「病院が来るから」と100メートルの間隔でも信号機を設置して交差点にしてくれと、警察ときちんと交渉するべきだ。
土木部長 協議は改めて行ってまいります。

 北部医療センター(大宮総合病院)が3月にステラタウン向かいに移転します。しかし病院前の4車線道路(加茂宮広路線)は行き止まりで、あと100メートル延ばせば砂本郷線とつながりますが、地権者との交渉が難航して10年以上も放置されたままです。
 私は強制収用などの法的手段を用いて加茂宮広路線を全通させ、国道17号や産業道路からの救急車進入ルートを確保するよう提案しました。

 上尾まで伸びる首都高
 新インターへ行く道を

吉田一郎 首都高埼玉大宮線(新大宮上尾道路)が北に延び、宮前南インターができる。首都高へのアクセス道路として、次期道路整備計画の策定時に指扇宮ヶ谷塔線の整備を検討すると16年3月の予算委員会で答弁していたが、現在はどう考えているのか。
土木部長 現在見直しを行っているが、首都高へのアクセス道路としては、自衛隊通りの利用を考えている。
吉田一郎 自衛隊通りの整備とは、具体的に何をやるのか。
土木部長 整備は終わっているので、現在の道路での利用を考えている。
歩道の狭い指扇宮ヶ谷塔線吉田一郎 国道17号の大成3丁目交差点から高崎線のガードにかけては、歩道が1メートルもないが、それも整備しないのか。
土木部長 すみません。その部分に関しては、やはり交差点改良とか安全対策として歩道確保などを考えていきたい。
吉田一郎 では指扇宮ヶ谷塔線は検討すらしないと理解していいのか。
土木部長 アクセス道路として検討はしていきます。

 私が07年の12月議会から粘り強く提案し続けた首都高埼玉大宮線の宮前町延伸。16年に国が少し先の上尾南(日産ディーゼル手前)までの建設を決定し、27年度に開通の予定です。
 大宮西警察署付近には宮前南インターが設置されますが、インターへ行く道がないのでは周辺の交通は大混乱してしまいます。
 旧大宮市は、大宮市街地の北側を東西に貫く道として指扇宮ヶ谷塔線(日進イオン前の道)の建設を予定していましたが、新幹線が開通した時に国道17号と旧中山道の間を整備しただけで放置されています。
 首都高延伸に合わせて、新大宮バイパス~産業道路を整備し、さらに第二産業道路までの延長に取り組むべきです。

 西大宮駅ができて10年
 広場も道路もない南口

吉田一郎 西大宮駅の南口駅前通りは、本来どこまで延ばすはずだったのか。
日進指扇周辺まちづくり事務所長 西大宮駅から南側の旧16号まで。
延伸の進まない西大宮駅南口駅前通り吉田一郎 長期間かかって難しいので、応急措置的に文化センター通り(自衛隊通り)までのアクセス道路を作ると言うが、どのくらい進んでいるのか。
日進指扇周辺まちづくり事務所長 786メートルのうち、用地確保は346メートルできていて、電線地中化などの工事をやっている。
吉田一郎 アクセス道路の完了は?
日進指扇周辺まちづくり事務所長 2029年度を目標にしている。
吉田一郎 与野から上尾南まで10数キロの高速道路が11年でできるのに、たかが数百メー広場も道路もない西大宮駅南口トルの道路を作るのになぜあと11年もかかるのか。西大宮駅ができたのは09年だが、20年かかってやっと数百メートルか。進捗スケジュールがおかしくないか。
日進指扇周辺まちづくり事務所長 道路の通行については暫時、形ができた段階で機能を作っていく。優先的に駅前広場を進めている。
吉田一郎 駅の階段を降りると家が3軒建っている。お金を払って引っ越してもらったらどうか。用地買収すればいい。
日進指扇周辺まちづくり事務所長 用地の早期確保という前提のもとに、駅前の既存の建物については、仮換地の変更も視野に入れて進めている。

 日進と指扇の間に西大宮駅ができてから間もなく10年ですが、南口はいまだに広場や駅前通りがありません。
 私は駅ができる前年の08年6月の予算委員会で、三進自動車からのバス乗り入れを実現するために、とりあえず南口から自衛隊通りまでの優先的な道路整備を要望し、市は「早急に対応したい」と答弁していましたが、それから10年経っても遅々として進んでいません。
 新しい駅の周辺開発では、浦和美園との予算格差があまりにも酷すぎます!

 旧中山道の混雑緩和に
 旧市役所通りの拡幅を

吉田一郎 氷川緑道西通線(旧市役所通り)の東口駅前通りより南側は、昨年度には道路が完成しているはずだったのに、まだ工事をしている。なぜこんなに遅れているのか。
大宮駅東口まちづくり事務所長 電線共同溝を地下化するにあたって、下水道や水道、NTTや電気の工事が遅れている。
吉田一郎 NTTや水道局の工事が遅かったからなのか。
大宮駅東口まちづくり事務所長 用地買収も予定より1年遅れ、積み重なって遅れた。
吉田一郎 南側区間はいつできるのか。
大宮駅東口まちづくり事務所長 来年5月に新しい大宮区役所がオープンするので、その段階で車道を整備し相互通行できるように頑張っている。
吉田一郎 駅前通りより北側区間は、昨年度までに用地買収は30%完了のはずが15%だ。
大宮駅東口まちづくり事務所長 価格のやり取りもあって遅れている。
吉田一郎 北側区間はいつできるのか。
大宮駅東口まちづくり事務所長 21年度末ということだったが、25年度までかかるかなと思っている。

 旧中山道の渋滞緩和のために必要不可欠な氷川緑道西通線(旧市役所通り)の拡幅。市は東口駅前通りから南側だけの拡幅に着手していましたが、私は08年9月のまちづくり委員会で旧16号までの北側も拡幅するように提案。11年度から測量が、15年度から用地買収が始まりました。
 大宮の道路整備にも予算をしっかり回し、用地買収がきちんと進むよう、私は今後も議会でチェックを続けていきます。
GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/
2018年11月特別号(3)
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偽造免許証の確認怠り
被害者に賠償金
 781万円
職員や上司の減給処分
追及予告したら廃案に
 【関連動画】
 「地面師」と呼ばれる詐欺師に東京で持つ土地を売却されかけた被害者が、市に損害賠償の支払いを求める事件が発生。9月27日にさいたま地裁は市に延滞金込みで781万円の支払いを命じる判決を出しました。
 この被害者は緑区原山に在住で、不動産会社から「土地の売約が成立した」と連絡があり、驚いて調べたところ、被害者を装った人物が市発行の印鑑証明を出し、売却手続きを進めていたことが判明しました。
 この人物は緑区役所を訪れ、偽造免許証を出して「印鑑をなくしたので、印鑑証明を再発行してほしい」と手続きしていたのです。
 区役所には免許証の識別装置があり、偽物の表示が出ましたが、職員は「この装置はよく間違う」と、健康保険証など他の書類で本人確認をしませんでした。
 さらにこの人物は現住所を「緑区原町」と書き間違えていましたが、職員は原山と訂正させたうえ、干支を言わせるなどして確認を徹底しないまま、印鑑証明を再発行し、上司の課長もこれを認めたのです。
 被害者は弁護士に依頼して土地の名義書換えを防ぐことができましたが、その費用をさいたま市に請求。市が敗訴しました。

 職員が違法の判決
 賠償金はなぜ税金

 清水市長は10月18日の本会議で、被害者に781万円を支払う補正予算案を提出しました。
 私は訴状や判決文を公開することを要求。全議員に配布させました。
 すると判決文には「本人と判断して所定の印鑑登録をした手続きは違法」と書かれていたのです。
 市が控訴せず「違法だった」と認めたのなら、781万円は市民の税金で支払うのではなく、違法行為を行った職員や監督責任がある上司らに負担させるべきです。
 そこで私は「担当職員や市長を含むその上司に対して、減給処分を行うつもりはないのか」という質問通告書を提出。19日に追及を行うことになりました。
 しかし判決文を見た自民浦和派が、私に質問させないことを強烈に要求。新藤議長は19日の本会議で補正予算案を議題にせず、私は「担当職員や市長を含む上司の減給処分を求める動議」を提出しましたが、これも取り扱わず、補正予算は廃案になりました。
 被害者への781万円の支払いは、議会終了後に清水市長が専決処分(議会の承認を得ずに市長が独断で決定)を行うことになりましたが、職員への処分や再発防止策を確認しないまま「市長が勝手に払えばいい」では、議会の役割を自ら放棄したようなものです。

吉田一郎が反対した議案
■一般会計補正予算(4)
 大宮東西のゴミ処理施設を統廃合し、七里に新処理施設を655億円で建設。大宮西側のゴミを七里へ運ぶため、大栄橋など中心部に毎日数百台のゴミ収集車が殺到し、渋滞悪化が懸念されるのに道路整備は放置。
■一般会計及び特別会計決算 《4面参照》
■水道事業会計決算■下水道事業会計決算
 さいたま市の水道水は県の浄水場から同じ価格で仕入れているのに、和光市より一・八倍も高い料金で市民に販売し、58億円もの大黒字。値下げすべきです。
■病院事業会計決算
 421億円もの血税を投じて建替えをしている市立病院へ行くバスはほとんどが浦和からで、大宮の患者は浦和の6分の1。隣接する見沼区など大宮各地からのバス充実に否定的な姿勢は認められません。
■浦和東部まちづくり事務所の移転
 浦和美園の事務所が公園用地にあるため、6千万円で事務所を新築・移転。すぐ近くの美園支所に入居すればと聞いたら、市は「駐車場が不足」と答弁。実際には駐車スペースは約40台分もあり、新築は不要です。
■文化センターの外壁改修工事請負契約
 外壁のタイルが劣化して剥がれたため、1年休館して補修。しかし5年後には再び1年休館して大規模修繕を行う予定。それなら大規模修繕を前倒しして実施すれば、休館は1回で済み、コスト削減になります。
■浦和市役所耐震工事請負金額の増額
 工事途中でアスベストが見つかったと、3億円以上増額。事前にきちんと調査して入札すべきです。そもそも市は5年後には「新市役所の建設に着手する」と答弁しており、合併協定書を無視した浦和の市役所は、耐震化せずに取り壊して跡地を売却すべきです。
■水道の戦略的強化を求める意見書
 水道の完全民営化を含む「官民連携の推進」を求める内容。海外では「水道の国際企業」による買収で水道料金が大幅値上げされ、再公営化に向かっています。
■学校や通学路のブロック塀の安全性確保を求める意見書
 学校や公共施設のブロック塀耐震化は必要ですが、通学路に面した住宅等のブロック塀改修にも補助金を求める内容。全国で実施したら何兆円かかるかわかりません。また子どもが通るのは通学路だけとは限らないのに、通学路に面した家だけに補助を出すのも問題です。

大宮の子どもたちに学校で『大宮をどり』を
 大宮の民謡には♪ここは大宮、ノホホイのホイ′)♪で始まる『大宮をどり』があり、盆踊りでは定番です。
 かつて大宮の小学校では『大宮をどり』を積極的に教えていましたが、合併後は少なくなったように思います。そこで私は9月11日の一般質問で問いただしました。

吉田一郎 盆踊りの曲には流行り廃りがあるが、私が子供の頃からずっとやっているのは、『大宮をどり』と『炭坑節』だ。『大宮をどり』は百年近く前からあるが、学校で地域の踊りをどれだけ教えているのか。
久保田副教育長 『大宮をどり』が2校、『与野ふるさと音頭』が1校、『浦和踊り』が9校、『岩槻音頭』が2校。
吉田一郎 10年前は『大宮をどり』は5校だったのに減ってしまっている。盆踊りで高齢者と一緒に踊るためにも、地域の踊りを教えるよう教育委員会が各学校に指導すべきではないか。
久保田副教育長 学校で扱う踊りは校長判断で各学校が決定している。【動画で見る】

大宮の子どもたちに大宮をどりを 一方で、『ソーラン節』は99校、『花笠音頭』は40校、『エイサー』は23校で教えています。この3曲が多いのは、文部科学省の学習指導要領に「例えば…」の形で載っているからです。
 文科省が例に挙げた踊りを教えるのもいいですが、地域に伝わる踊りも学校で継承すべきです。2018年9月議会の会派別議案賛否一覧表
『吉田一郎 市政レポート』のバックナンバーや、市議会での動画集が、インターネットでご覧になれます!
2018年11月特別号(4)
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 2017年度清水決算
 吉田一郎は大宮住民の立場から反対
 10月19日の本会議で述べた反対理由(抜粋)【動画で見る】
●盆栽、人形…赤字垂れ流しの箱物作りに熱中
 盆栽美術館の入館者数は、昨年度は世界盆栽大会で7万5634人と、対前年比で57%も増やしたものの、これまでと大差ない1億4378万円の赤字を出し、累積赤字は11億1873万円に達しています。世界盆栽大会への補助金1億1200万円を加えると、総額2億5600万円もの市民の血税を、盆栽に費やしています。
 清水市長は続けて、総額42億3000万円をかけて岩槻人形博物館を建設しようと、昨年度は3億円を費やしています。展示品として用意した5000点の人形に「岩槻の人形」と確認されたものはなく、海外の人形まで多数含まれています。
 これに加えて2億8000万円かけて「2つ目の人形博物館」であるにぎわい交流館の建設も進め、さらに昨年度は12億円で購入した土地に、岩槻城を復元しようと組織を立ち上げたことが判明しました。
 土地購入に国から4300万円の補助金をもらった手前、岩槻城は「3つ目の人形博物館」とするようですが、具体的には「子どもたちがお城で鎧兜を着て、流しびなや人形供養のワークショップを行う」と言い出しています。まるで「バカ殿ご乱心」です。

●岩槻への地下鉄建設促進で707億円が無駄に
 沿線開発を含めると3000億円と言われる岩槻への地下鉄延伸。専門家が行った採算予測では、採算が全く取れないという結果が出ていましたが、清水市長は浦和美園や岩槻に予算を投じて、人口を増やせばいいだろうと、2012年度から「浦和美園~岩槻地域成長・発展プラン」なるものを策定し、沿線開発や箱物建設、イベント開催に予算を集中投入。昨年度だけで138億円、これまでの累計で707億円に達していることが判明しました。
 その効果はといえば、浦和美園の人口は5500人増えたものの、岩槻駅周辺は400人しか増えておらず、浦和美園周辺を除いた岩槻区全体ではかえって減少しています。さらに交流人口では浦和美園は11年度の42万4000人から昨年度は36万1000人へ、岩槻は45万1000人から43万2000人へ、合計8万2000人も減少していたことが明らかになりました。
 効果がないどころかかえってマイナスで、707億円の市民の血税をドブに捨てたようなものです。しかし清水市長はこれにも懲りず、今後4年間で浦和美園の人口を2倍以上に、岩槻駅周辺の人口も1.5倍に増やし、交流人口も浦和美園では9万人、岩槻では21万人も増やすことを目標に掲げています。
 そのためにいくら予算が必要なのか、市は「試算は算定していない」と無責任なことを言っています。
 さらに延伸協議会の資料によると、浦和美園や岩槻に加え中間駅周辺でも大胆な開発を進めれば、2030年の人口は従来の予測と比べて岩槻では5000人増加、浦和では3000人増加するのに対して、予算を奪われる大宮は衰退し、人口は従来の予測より7000人も減少、与野も2000人減少するとの予測を立てていたことも明らかになりました。
 私たちの街・大宮を犠牲にしてまで、岩槻に地下鉄を作ろうとする清水市長の策略は、まさに「悪魔の計画」であると言わざるをえません。
 無謀な岩槻への地下鉄建設は、きっぱり断念すべきです。これまで707億円もの血税を投じても人口が減り、観光客すら減少する岩槻に、これ以上税金を投入することは、大宮市民として認められません。

●大宮の税収は大宮で使える仕組みを!
 その一方で大宮駅グランドセントラルステーション化構想は、しょせん絵に描いた餅だけで終わりそうで、大宮駅東口では再開発にまったく協力する気がないペンシルビルの建設が相次いでいます。
 議会で私も含め何人もの大宮の議員が提案した、大栄橋と大宮駅との間の線路上に人工地盤を設置し、北口広場とそれを囲む新しい街を建設するプランも、清水市長は「積極的に取り組む」と答弁していたにもかかわらず、3月に発表された構想案には盛り込まれず、市民吉田一郎議員から寄せられた線路上の北口設置を求める17件のパブコメも、市は完全に黙殺し、反映しませんでした。
 浦和に続いて岩槻に予算を集中させる一方で、大宮の開発は掛け声だけという清水市政の正体は「大宮の敵」に他なりません。大宮・浦和・与野・岩槻の財布をきっちり分け、大宮の税収は大宮で使い、大宮のことは大宮で決める仕組みを確立しなければ、大宮の発展は望めません。

高収入の障害者の医療費に一部自己負担導入を審議中に
「ブルジョア障害者」発言で全国ニュース
10月末、私が議会で「ブルジョア障害者」という発言をしたことが全国ニュースになりました。一体どういう経緯だったのかをご説明いたします。【動画で見る】
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 19日の本会議では、市長が提出した「心身障害者医療費支給条例の改正」が審議されました。重度障害者の医療費は無料ですが、高所得の障害者は段階的に3割自己負担をしてもらう内容で、反対したのは共産党のみ。他は全員賛成し可決されました。
 本会議でこの改正に意見を述べた議員は4人だけです。久保美樹議員(共産・桜区)は「障害者への医療支援は年齢や所得に関係なく、等しく受けられるべき」「障害者団体から市へ反対の要望書が出ている」から反対。西山幸代議員(立憲・大宮区)は「障害者団体から特に反対の声は出なかったと聞いている」から賛成。斉藤健一議員(公明・見沼区)は「県の改正と同じ内容で、市独自の経過措置を設けている」から賛成…というものでした。
 私は次のような賛成意見を述べました。

吉田一郎 経済的に大変な人に、医療費を安くしたりタダにするのが、本来あるべき姿です。障害で働けず収入が少ない、だから医療費を安くしたりタダにする。でも障害者の中には、うちにいますけど、年収1354万5000円の車椅子に乗った障害者の方がいらっしゃるわけで、こういった高収入のブルジョア障害者の方は、(医療費を一部)負担してもらっても構わないわけです。(伝田議員に)構わないですよね?負担しても。賛成ですよね?ですから、単に障害者だからと言って、一律医療費をタダにしたり安くする制度はおかしい。真に経済的に困っている障害者の方に適用すべきです。

 私は高所得者や富裕層のことを、普段から議会で「ブルジョア」と言っています。例えば19日の本会議では、学校給食費の無償化の請願に対して「なぜ年収何億円のブルジョアまで公費で助けなければならないのか」と反対意見を述べました。
 国民の世帯平均収入が560万円という中で、年間1354万5000円の議員報酬を得ている議員は、みんな高収入=ブルジョアです。政務活動費を合わせると議員への支給額は1762万5000円になり、98.1%の世帯はこれより下回ります。
 私が伝田ひろみ議員(立憲・北区)を例に挙げたのは、条例改正で医療費が一部自己負担になる伝田議員自身も賛成していることを紹介したためですが、昼休み休憩中に議長から「品がない言い方だった」と注意を受けました。
 そこで議会運営委員会の休憩中、私は伝田議員も傍聴に来ている中で「品がなく議会では不適切な発言で、心情を害された方には申し訳ない」とお詫びし、立憲国民の代表理事は「本人の意向もあり、これで了とする」と発言。議会で私の処分や懲罰を求める声は出ませんでした。
 「表現が不適切」「趣旨から外れていた」「時間オーバー」などで議長から注意を受けたり、議会運営委員会で釈明することは、私に限らず本会議ではほぼ毎日のように起きています。
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 翌週、「ブルジョア障害者」という言葉に飛びついたマスコミ各社が、私が2月議会で「首吊って死ね」とヤジを飛ばした件と合わせて全国ニュースで報道し始めました。すると「差別発言だ」「吉田一郎は議員の資格なし」と言い出す議員も現れました。
「首吊って死ね」は人として絶対に言ってはならない暴言です。出席停止2日間の処分を受けたのは当然で、私は深く反省しています。
 しかし健常者に貧しい人も裕福な人もいるように、障害者にも貧しい人も裕福な人もいます。「ブルジョア障害者」という言葉が差別語なら、「障害者は皆貧しいと思え」とでもいうことでしょうか? その方がかえって差別的だと思います。
 私は審議で賛否が分かれた時は、必ず賛成または反対の理由を述べ、その内容を『市政レポート』で有権者の皆さんに報告することが議員としての責務だと思い、初当選以来ずっと実行してきました。
 しかし現実には、私のように議会で賛成・反対の理由をすべて明確にする議員は、他にいません。
 特に今回のように「障害者福祉の削減」というデリケートな問題には、ほとんどの議員(共産党を除く)は無言のまま賛成し、せいぜい意見を言っても「反対の声はないと聞いたから賛成」「県と同じだから賛成」という程度に過ぎませんでした。
 障害者福祉の問題を専門的に掲げている伝田議員ですら、本会議でも委員会でも一言も質問や意見表明をせずに、黙々と賛成しただけでした。

 デリケートな問題でも無言で賛成ではなく
 低収入の障害者への医療支援継続を直言

 今回の改正は、従来の「障害者はすべて福祉の対象」から、「障害者でも高所得者は福祉の対象外」への大きな転換点です。
 私は今後の財政を考えれば当然のことだと賛成しましたが、その一方で、障害で働けず経済的に困っている障害者には医療費を減免する必要性についても、市長や執行部が居並ぶ本会議で訴えました。
 もし私が「障害者の問題はうかつに触れない方が無難だ」と発言しなかったら、そのような声は議会から出なかったことになります。
 地元有権者の皆さんには、私の発言で再三ご心配をかけたことを申し訳なく思います。 果たして「収入が少ない障害者には、医療費を安くしたりタダにすべき」と意見を言って賛成した議員と、議会では何も言わずに黙々と賛成し、マスコミが騒ぎ出したら「差別発言だ」と言う議員たちと、一体どちらが障害者福祉の今後について真面目に職責を果たしたのか、私は皆さん方にはご理解いただけるものと思っています。
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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