2018年10月特別号 (1)
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大宮中心部 渋滞悪化に
大栄橋や旧中山道にゴミ収集車が殺到!?
道路整備を放置したまま、ゴミ処理施設を統廃合

 大宮の家庭から出るゴミは、西部環境センターと東部環境センターで処理しています。しかし清水市政は西部環境センターを7年後に閉鎖しようと計画。そうなると大宮西半分のゴミを満載した収集車が、大栄橋や旧中山道、産業道路などに殺到し、大宮中心部の交通が大混乱に陥ることが明らかになりました。
 大宮には西(指扇の宝来)と東(七里の膝子)にゴミ処理施設があり、高崎線を境に大宮西部(および宮原町、吉野町、東大成町)と与野の15万世帯から出るゴミは、西部環境センターに運んでいます。
 しかし、清水市政は2025年を目途に、東部環境センターをサーマルエネルギーセンターとして建替えようと計画。9月議会では655億円の補正予算(15年間の運営費257億円を含む)が審議されました。
 サーマルエネルギーセンターが完成すると、西部環境センターは閉鎖されます。
大宮西部のゴミはどこへ運ぶのか、私は9月6日の本会議で問いただしました。

吉田一郎 西部環境センター廃止後、ゴミはどの道を通ってどこへ搬入するのか。
新井環境局長 桜環境センターとサーマルエネルギーセンターを想定しているが、市街地の交通渋滞も予想されるので、各施設の処理能力や収集効率を考慮して運搬ルートを決定する。
吉田一郎 大栄橋を渡るゴミ収集車が増えるのか。
新井環境局長 大成ガードや大成第二ガード、吉敷町ガードも利用し対応する。【動画で見る】

 大成ガード=自衛隊通りや、大成第二ガード=指扇宮ヶ谷塔線は、旧中山道の東側は整備されていないので、七里へは抜けられません。
 吉敷町ガード=南大通り線も、産業道路までです。
 与野や西区南部のゴミは、桜環境センターへ運び、宮原のゴミは東大宮バイパスを通って七里へ運ぶのかも知れませんが、大部分のゴミ収集車は、ただでさえ渋滞が激しい大栄橋や旧中山道、産業道路を通って東へ行くしかありません。

必要迫る東西道路整備
清水市政はやる気皆無

 大宮中心部の渋滞悪化が懸念される中、道路整備はどうするつもりなのか、私は9月18日のまちづくり委員会で質問しました。

吉田一郎 大宮西部のゴミを七里へ運ぶため、大成第二ガードを収集車が通ると環境局長が言っていたが、指扇宮ヶ谷塔線は旧中山道の東側は整備されていない。
土木部長 指扇宮ヶ谷塔線は、整備時期について位置づけもなく未定。
吉田一郎 北部医療センターが移転して、この道の用地が空くが、それを活用して産業道路までの事業化を進めるチャンスだと思う。
土木部長 用地が部分的に空くが、その先の用地買収も進んでいないので、その後だと思う。
吉田一郎 自衛隊通りを大宮公園先の北中学校から寿能町交差点まで、百㍍を買収すれば、大和田公園通りに直結して第二産業道路や蓮沼(旧16号)につながる。
土木部長 その計画はない。
吉田一郎 吉敷町ガードも収集車が通ると環境局長が答弁していたが、南大通り線の産業道路から第二産業道路までの整備はどう考えているのか。
土木部長 中川第一地区の土地区画整理の進捗を勘案して考える。
吉田一郎 具体的にいつまでにやるのか。
土木部長 時期は定まっていない。
吉田一郎 浦和では東西道路を何本も並行して整備を進めているのに、大宮では事業化しないのはなぜか。
さいたま市のゴミ処理上とゴミ搬送ルート土木部長 浦和優先ではなく、いま現在は塾度が高まっているから進めている。
吉田一郎 大宮では高速道路が延びても、ゴミ処理施設が東に一本化されても、道路整備の必要はないということか。熟度とはやる気の問題だ。
土木部長 現在進めているところの進捗状況を見た上で、検討していかなくてはならないというところ。

 浦和では道場三室線、町谷本太線、田島大枚線など、浦和市街地を東西に貫く道路を何本も建設中です。
 一方で、旧大宮市が策定した都市計画道路の整備は後回しにされ、構想路線として都市計画マスタープランに記載されていた自衛隊通りと大和田公園通りの直結も「なかったこと」にされようとしています。

浦和は分散で渋滞緩和
大宮は統合で渋滞悪化

 かつて浦和では、ゴミ処理施設は大崎(緑区)1ヵ所で、浦和西部のゴミを満
載した収集車が市街地を横断していました。
 そこで浦和の渋滞緩和のためにと、さいたま市は建設費289億円と年間の運営費18億円をかけて、西浦和に桜環境センターを15年に開設しました
 しかし大宮では、ゴミ処理施設を1つに統廃合し、百台近いゴミ収集車の通過で市街地の渋滞悪化が確実になっても、東西道路の整備を新たに行おうとしないのは許せません!
 大宮東西のゴミ処理施設を統廃合することで、さいたま市のゴミ処理能力は1日1430㌧から1230㌧へ減少します。
 東日本大震災では、大量のガレキの処理が問題になりましたが、大災害の発生に備える面でも、西部環境センターは残すべきです。

都市計画道路の整備状況
      整備延長    整備率
大宮    71.2km    44.2%
与野    24.Okm    69.4%
浦和    79.Okm    55.8%
岩槻    19.6km    60.7%


  大宮の高齢者の憩いの場  
西楽園の存続を確約させました
 西部環境センターの閉鎖で問題になるのが西楽園の存続です。西楽園は1970年のオープン以来、西部環境センターの余熱を利用した浴場や温水プールで大宮市民の憩いの場となり、特に高齢者の間では1日100円で楽しめるので人気ですが、ゴミ処理場が閉鎖されたら余熱は利用できません。
 清水市政は西楽園の閉鎖を目論んでいましたが、私は15年12月議会で追及し、環境局長に「ボイラーもあるので存続できると思う」と答弁させました。
 しかし「できると思う」では確証がありません。そこで9月6日の本会議で改めて質問しました。

吉田一郎 西部環境センターが廃止されても、西楽園は大宮住民から「存続してほしい」と本当に強い声が出ている。果たして存続できるのか。
清水保健福祉局長 西楽園は余熱を利用しなくても、既存のボイラー稼働で運営が可能なため、西部環境センターが停止しても、存続してまいります。【動画で見る】

 西楽園を所管する保健福祉局長が「存続してまいります」と答弁したことで、西楽園の存続は確実になりました。
吉田一郎市政報告会 10月21日日) 14:00~16:00 プラザノース第3セミナールーム(入場無料)
2018年10月特別号(2)
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●川越線が開通した年は?『市史』ようやく訂正
 昨年6月にさいたま市史の第1弾として刊行された『さいたま市史鉄道編』ですが、私はその記述に多くの誤りがあることを発見しました。
 昨年6月14日の一般質問で、60ヵ所の間違いを指摘したところ、市は「議員から頂いたご指摘を受け止めて、各執筆者に連絡し、調査結果について検証していく」と答弁。12月に新たに発見された誤りも含めて69ヵ所の正誤表を作成し、本を購入した全国の図書館などに発送しました。
 しかし私が指摘した誤りのうち、「川越線が開通した年」については訂正しないままでした。
 川越線は、戦争で東京が攻撃された場合に、東北本線と東海道本線を「東京を経由しないで結ぶ」ことを目的に建設。1940年7月22日に大宮~高麗川間が開通し、日進駅や指扇駅ができました。
 しかし『さいたま市史鉄道編』では、「まず37年7月に大宮~川越間が開業し、40年7月に高麗川までの全線が開通した」と記載されています。37年はまだ荒川鉄橋の地質調査をしていた段階です。
 そこで私は今年6月に「当時の新聞記事を確認するか、JRに問い合わせるかして、川越線の開通年の記述を訂正すること」を求める請願を提出し、議会で審議させたところ、市は8月28日の総合政策委で「当時の新聞記事を確認した」として、川越線の開通年など私が指摘していた4ヵ所の間違いについて、正誤表に追加したと発表しました。
 川越線の開通年については、『大宮市史』第4巻では「(昭和)十三年(=1938年)七月にまず大宮~川越間が開業し」と、これも間違って記載されています。『さいたま市史鉄道編』は、間違っていた『大宮市史』の記述をさらに誤って引用したというお粗末な執筆をしていたのです。
 市史編纂には、過去6年間で3億6819万円(担当職員9人の人件費は含まず)もの予算を投じています。市が公式な「歴史書」を作成するのなら、一次資料(当時の公文書や刊行物、新聞記事、当事者が書いたものなど)を探すのが基本のはずです。

●危険樹木の反射板、剥がれて放置を直さました
危険樹木の反射板 宮原駅周辺や盆栽町、高鼻町などで、道路の中から木が生えている場所が61ヵ所あります。
 私は16年6月に「木に反射板を取り付けてほしい」という住民からの請願を提出したところ、住民が自主的に取り付けていた3ヵ所を除く58ヵ所の木に、市は反射テープを巻いて対処。車のライトに照らされると光り、安全性が向上しました。
 しかしそれから2年経ち、反射テープが剥がれ落ちた木が相次ぎましたが、市はそのまま放置していました。私は6月25日に改めて市の対策を求める市民からの請願を提出。8月17日のまちづくり委員会で問いただしました。

吉田一郎 何ヵ所剥がれていたのか。
道路環境課長 北区8ヵ所、大宮区7か所。
吉田一郎 剥がれていた原因は?
道路環境課長 市が剥がしたわけではなく、前回の止め方が甘くて自然に剥がれたのか、原因は不明。
吉田一郎 どう対処したのか。
道路環境課長 7月5日に再設置した。反射テープは多少余裕を持たせて重なる部分を増やし、強力接着剤と金具で2ヵ所とめた。

 誰かのいたずらで剥がされたのかも知れませんが、放置するのでは困ります。反射テープの欠落を住民が見つけた場合、各区役所のくらし応援室に連絡すれば対処することを確約させました。

放置される生活保護の不正受給
警察に告発せず140年間の分割返済!?
 昨年度のさいたま市の生活保護受給者は1万5345世帯、支給額は345億6792万円で、前年とほぼ同じです。
 これに担当職員(ケースワーカー)の人件費23億5700万円や、受給者への就労支援や居宅支援、不正受給対策など4億1797万円を加えると374億円にのぼり、一般会計歳出の7・2%を占めています。
 生活保護の受給者には水道代が支給されていますが、さいたま市は独断で水道代(1億1070万円)と、下水道代(1億3969万円)を無料にしています。
 その費用も含めると、市民1人あたり2万9186円の負担で、4人家族なら12万円近くを、生活保護の支給のために納税していることになります。
 生活保護の不正受給について、9月6日の本会議で質問したところ、昨年度は472件で被害額は1億3380万円でした。

吉田一郎 警察に告発したのはそのうち何件か。
清水保健福祉局長 告発は2件、被害届を出したのは1件。
吉田一郎 不正受給した金額を分割で返還させているケースの最長返済期間は?
清水保健福祉局長 1650ヵ月。
吉田一郎 その人はいくら不正受給して、毎月いくらずつ返しているのか。
清水保健福祉局長 不正受給額は約300万円で、毎月2千円弱返済している。
吉田一郎 140年がかりの返済では、人類の最高寿命より長いじゃないか。返してもらえると本当に思ってるのか。
清水保健福祉局長 この人は他の債権(借金)もあるので、そちらの返済が終わってから不正受給の返済に充てることになっている。【動画で見る】

4人家族で28万円超も
現金よりも市が雇用を

 生活保護の不正受給は犯罪ですが、発見しても99%は警察に届けずにウヤムヤにしてしまい、不正受給した金額を返済させるにも、「140年間の分割払い」という実質的に返さなくても良いようにするのなら、野放しと同じです。
 不正受給などで未返済の残高は、昨年度末で18億0520万円に達しています。
 生活保護の支給額はさいたま市の場合、夫婦と子供2人の世帯で月額約28万5千円で、税金や年金、医療費などが無料なことを合わせると約40万円に相当します。
 病気や障害などで働けない人は別として、働くことができる生活困窮者には、生活保護を現金支給するのではなく、公園の清掃や違法駐輪取締り、データ入力などで市が臨時雇用して、賃金という形で支給するように変えていくべきです。

 さいたま市の生活保護支給額
  (冬季、住宅扶助・教材費込み)
●19歳単身の場合    月額12万7550円
●30歳代夫婦+小学生2人の場合
             月額28万4610円
●40歳代母親と小学2人、中学1人の母子
 世帯の場合       月額33万9170円
他に支給されるもの
医療扶助 (医療費、通院交通費、入院日用品、眼鏡)
教育扶助 (学校給食費、修学旅行費)
介護扶助 (介護サービスの自己負担分)
出産扶助 (出産費、オムツ・ミルク)
生業扶助 (技術習得費、スーツ、高校授業料・通学費)
葬祭扶助 (死亡診断書、運搬料、火葬料)
融時扶助(子供服、布団、家具、引越し、敷金礼金等)
無料になるもの 各種税金、年金、認可保育所、
 放課後児童クラブ、水道基本料、下水道、
 粗大ごみ、市営霊園、住民票や戸籍の
 発行手数料、訪問入浴、NHK受診料など
※JRの通勤定期は3割引
※年末には期末一時次扶助(ボーナス)を支給

大宮東口 夏まつり
今年は寂しくなった?
賑わいのある祭りに向け
一般質問で提案しました

大宮の夏祭り 大宮の夏祭りといえば、中山道まつりです。8月1日に氷川神社の例大祭の後、神輿や山車が繰り出し、クライマックスは2日夜に東口駅前に神輿が集合する「御輿揃い渡御」ですが、「今年はなんか寂しくなった」という声が聞かれます。
 神輿が到着や出発する際、女性による神輿紹介のアナウンスとともに、「もっと右寄って、ダメだ!もっと右!」のように、神輿に指示を出す威勢の良い男性の声がスピーカーから流れていましたが、今年はそれがなくなりました。
 そこで私は9月11日の一般質問で問いただしました。

吉田一郎 神輿を整理するべらんめぇ調の声を復活させるべきだ。「あれが大宮らしかった」といろんな人が言っている。
吉沢経済局長 神輿の集合は実行委員会で決めているが、今年度は無線を使ったと聞いている。
吉田一郎 神輿が出発する時の木遣り(神輿唄)も短くなった。これまでは神輿が出発しても歌っていたのに、今年は出発前に歌い終わっていた。
吉沢経済局長 木遣りは団体の音頭で実施されていて、実行委員会が時間短縮を要請した事実はない。
吉田一郎 神輿を整理する声や木遣りは雰囲気が良かったのだから、復活させるよう市は申し入れるべきだ。
吉沢経済局長 今後は観光協会を通じて、安全かつ賑わいのある祭りになるよう働きかけていく。【動画で見る】

 参加する神輿の数も減っていて、現在では14基で、20基以上集まる浦和まつりよりも少なくなっています。見沼区からの参加(堀崎町)はありますが、北区からの参加はありません。
 私は中山道まつり実行委に出している補助金の一部を、神輿の団体に直接交付して、参加する神輿を増やすことも提案しました。
GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/
2018年10月特別号(3)
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新都心~浦和美園
住民がいない見沼田んぼにLRTを建設?
バス頻発の片柳地区を無視してルート調査
 片柳地区には鉄道が無く、かつて大宮市は大宮~浦和美園の地下鉄建設を要望していました。さいたま市になってから、地下鉄は大宮ではなく岩槻に延ばし、かわってLRT(次世代型路面電車)を建設するとしています。しかし清水市政は人口が多い片柳を通らず、新都心から人がほとんど住んでない見沼田んぼを直進するルートを前提に、調査を始めています。
 片柳地区には、大宮駅から国際興業バスが平日片道で411本運行し、1日2万人が利用しています。このほか東武バスも北浦和駅から160本、新都心駅から44本運行し、バス輸送量は限界に達しています。
市が発表したLRTの4ルート しかし清水市政は、大宮~浦和美園の地下鉄建設を放棄して、バスが1日片道27本しか走っていない岩槻~浦和美園に地下鉄を建設し、大宮にはLRTの建設を検討するとしています。
 昨年5月22日の広域的交通ネットワーク特別委で、清水市政はLRTの4つのルート案を発表。そのうち3つは大宮駅東口の駅前通りを進み、片柳を通るルートですが、Ⅰ案だけは新都心から見沼田んぼを直進するルートでした。
 今年6月22日の委員会で、市は「建設費の削減が期待でき、今後のルート計画の参考にしたい」と、見沼田んぼを通る首都高の高架橋横にLRTの線路を敷設する試案を公表しました。

吉田一郎 片柳を通るⅡ、Ⅲ、Ⅳ案はやめて、見沼田んぼを横切るⅠ案でいくということか。
交通政策課長 ルートは今後、需要見込みや導入空間を踏まえて検討していく。
吉田一郎 新都心から第二産業道路までは首都高があるが、その先の浦和美園まで高速道路を一緒に作るといくらかかるかは、検討していないのか。
交通政策課長 首都高延伸の金額はまだ決まっていないし、このルートを通るかどうかも含めて検討課題。

 見沼たんぼは人口がほぼゼロで、環境保全のため沿線開発はできません。
 首都高の横にLRTを通せば建設費が節約できると言っても、乗客がいなければ採算は取れません。
 また第二産業道路~浦和美園周辺の東北道までの首都高延伸は、あくまで構想段階で、建設は何十年先になるのかわかりません。

需要調査をもとに
採算取れる路線を

 市は今年2月に、自治医大や開成高校、浦和東高、浦和学院など、周辺の病院や学校に通う職員や生徒を対象に、LRTの利用意向アンケートを行い、回答した538人のうち6割が「利用したい」「どちらかと言えば利用したい」と答えたとの結果を発表しました。

吉田一郎 集計結果がゴチャ混ぜにまっているが、例えば自治医大でLRTを使いたい人が多ければ、自治医大前を通す、開成高校の生徒が多く乗るのなら開成高校の前を通すなど、病院や学校ごとの利用率がわからなければ、参考にならない。
交通政策課長 ルートを確定させて、LRTを使うかどうかという聞き方も、いずれしなくてはならない。
吉田一郎 ルートを決めて使うかどうか聞くのではなく、使うかどうか聞いてルートを決めるべきでは。順序が逆だ。
交通政策課長 委員の指摘のような視点もあるかと思う。今後レベルアップして調査を深めていきたい。
吉田一郎 需要は何をもとに出すのか。既存のバス路線の利用者は目に見える需要ではないのか。
交通政策課長 協議会にバス会社も入っているので、データがもらえればそれも活用したい。

 LRTの線路を敷くには、既存の道路を4車線以上に拡幅しなければならず、その用地買収には1500億~2000億円が必要で、膨大な数の住宅が立ち退き対象になり、何十年かかる
かもわかりません。
 採算が取れないとはっきりしている岩槻への地下鉄建設や、道路拡幅や高速道路の建設など数千億円単位の予算が必要な大宮~浦和美園のLRT建設は断念して、旧大宮市の計画をもとに、大宮~片柳~浦和美園の地下鉄建設の採算性調査を実施すべきです。

コミバス路線の積極見直しを
住民に責任転嫁し乗客数は伸び悩み
 コミュニティバスはもともと、合併後に「区」ができた時、交通が不便な場所に作られた区役所までの足として走らせたものです。
 その後、市は駅や病院に乗り入れるなど積極的に路線の見直しを行い、乗客は大幅に増えました。
 例えば北区のコミバスは、当初は宮原駅西口から両方向に発着していた路線を、08年5月から東側は東口発着に変更。浮いた時間を活用して、北部医療センターや大宮中央総合病院を経由するようにしたことで、乗客数は5年間でほぼ倍増しました。

病院移転を契機に
吉野町乗り入れを

 来年春、北部医療センターが北区役所の隣に移転します。
 そうなれば、現在の病院の場所から赤芝にかけて、東武バスと同じ道をコミバスが走る必要はなくなり、北区役所から中央総合病院に直行することで、浮いた時間で新たな場所を経由することが可能になります。
 宮原駅東口から産業道路まで、コミバスは東武バスと同じ駅前通りを走っていますが、私は北側の加茂神社通りを経由してほしいという住民からの請願を提出。6月15日のまちづくり委員会で問いただしました。

吉田一郎 東武バスと重複している部分のバス停の利用状況はどうか。
交通政策課長 データがないので、今年度停留所ごとの乗降者数を調査する。
吉田一郎 東武バスと並行している停留所の利用率が低ければ、病院移転後にルートの変更は可能か。
交通政策課長 自治会や住民へ需要調査もやっていく。

乗合タクシーとの
役割分担を明確に

 市は11年に『コミュニティバス等導入ガイドライン』を制定し、コミバスの路線変更には、地元住民が組織を作って、採算性の調査や路線変更でバスが通らなくなる地域の説得を行うことが条件になりました。
 住民に責任を負わせることで、路線の変更は難しくなったのです。
 そこで私は『ガイドラインの早急な見直しを求める請願』を提出。8月17日のまちづくり委員会で確認したところ、市はガイドライン策定前の8年間で15回の路線変更を行い、乗客数は年間9万9千人から30万7千人へ大幅に増えていましたが、策定後は、6年間で3回の路線変更を行っただけで、乗客数の伸びも8%にとどまっていることが判明しました。
 ガイドラインを策定した背景には、コミバス運行を求める住民や議員からの要望が多くなり、それらに応えきれないため、わざと路線変更のハードルを高くした事情があるようです。
 市は11年から9人乗りの乗合タクシーの運行も始めています。
 現在では4地区で運行しているほか、北区では区役所から吉野町2丁目まで、自治会が中策定前に実現した日進駅北口乗り入れ心となって地域組織を設立し、運行に向けた協議を進めています。
 私はまちづくり委員会で、乗合タクシーは停留所以外でも自由に乗降できるようにして、地域住民が中心に運行準備を進め、コミバスは市が需要調査を行い、積極的に路線の見直しを行うことを提案しました。
 乗合タクシーとコミバスの違いを明確にし、相互が補完し合って交通手段の充実を進めるべきです。
『吉田一郎 市政レポート』のバックナンバーや、市議会での動画集が、インターネットでご覧になれます!
2018年10月特別号(4)
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不正の温床
政務活動費

自民・真政・立憲・共産が不正or不適切使用した
275万円の返還求めさいたま地裁に提訴
 政務活動費の不正が全国的に相次いでいます。埼玉では偽造領収書で1240万円を騙し取っていた沢田力元県議(自民・大宮区)が、8月24日に書類送検されました。さいたま市議会でも自民、自民真政、立憲国民、共産が不正もしくは不適切に使用した政務活動費275万5320円の返還を求めて、私は8月27日にさいたま地裁へ提訴。
不正の温床=政務活動費の実態を、司法の場で明らかにさせることにしました。

 政務活動費の不正もしくは不適切使用について、私は川村準議員(南区・無所属)らと6月1日に住民監査請求を提出しました。
 しかし市の監査要員は十分な調査をせず、政務活動費の返還には「理由がない」として棄却したのです。

社印押してない領収書
真偽は確かめないまま

 自民市議団(浦和派)は、市内のPR会社に「政務調査受託費」として毎月18万円を支払ったとする領収書を提出し、政務活動費を受け取っていました。
 このPR会社は自民市議団の控室にゴム印を預けており、11年まで市議だった沢田元県議は、このゴム印を使って偽造領収書を作成。PR会社はマスコミの取材に「本物の領収書には会社の角印も押してあり、ゴム印だけの領収書はニセ物」とコメントしています。
 自民市議団が提出した領収書のうち、3003万円分(返還対象になる過去1年分は162万円)は、沢田元県議と同じ「ゴム印だけの領収書」でした。
 しかし監査委員は、「自民市議団の受託契約書や成果物などを目視で確認した」という議会局職員の陳述を聞いただけで、PR会社からの聞き取りは行わず「ゴム印だけの領収書」の真偽は確かめないままでした。
 沢田元県議の領収書偽造が発覚した途端、自民市議団は「政務調査受託費」を止めましたが、監査委員はその点も調べませんでした。

65万円のタクシー代
行き先は「非公開」

 自民真政市議団(大宮派)は、「タクシーを利用」と記載した64万9690円の領収書を提出して、政務活動費を使っていました。
 監査委員は、「領収書の金額には、タクシー以外の交通費や宿泊費も含まれていると市議団が言っていた」「どこへ視察に行ったのかは、市議団が作った成果書に書いてある」という議会局職員の陳述をもとに、問題なしと判断しましたが、成果書は非公開で議会局にも提出されておらず、視察の行き先やタクシーの乗車区間は明らかにされないままです。
 また名古屋高裁は09年に、政務活動費による昼食代の支出について、「日常生活で負担するもの」と返還を命じる判決を出しましたが、監査委員は自民真政の議員が政務活動費で朝食を食べたことは、「問題なし」としています。

「聞かれたくない話」
を理由にホテルで会議

 立憲・国民(旧民進改革)市議団は、2月議会の対応や代表質問の項目選定、ゲストとの意見交換のために、昨年1月に大宮パイオランドホテルの会議室を2日間借りて3万4560円の政務活動費を使いました
 浦和の市役所には会派の控室があるのに、なぜわざわざホテルの会議室を借りたのでしょう?
 監査委員は、「第三者に聞かれたくない情報を話したので、外部の会議室を借りる必要があったと市議団が言っている」という議会局職員の陳述をもとに、政務活動費の使用は「問題なし」としました。
 しかし、議会の会派控室には「会議中」と書かれた札があり、各会派は普段から、第三者に入ってほしくない時はドアにこの札を掛けて会議をしています。
 実際には、立憲・国民の議員らは1日目の会議の後、夕食懇親会や二次会に繰り出してホテルに宿泊。2日目の朝から再び会議を続けていました。
 ようするに、会派の親睦合宿の一環として「飲み会参加に便利なため」に政務活動費でホテルの会議室を借りたのですが、監査委員はその点は調査しないままでした。

政党機関紙を大量購入
高裁判決無視して是認

 共産党市議団は、『赤旗』など共産党発行の新聞・雑誌を大量購入し、16年10月から17年9月にかけて44万1870円の政務活動費を共産党に支払っています。
 共産党の議員が『赤旗』などを読むのは、政務調査ではなく政党活動です。
 07年には仙台高裁で、政務活動費を使った『赤旗』購読は「政党活動であり認められない」という判決が出ていますが、監査委員は「一判例に過ぎない」とこれを無視。
 共産党議員は8人なのに、共産党発行の同じ雑誌を10冊定期購読していることも、監査委員は「必要最小限の範囲で問題なし」だと目をつぶっています。

政活費の更なる公開
各会派が黙々と否決

吉田一郎議員 わずか2人の監査委員が、議会局職員から各会派の言い分を聞いただけという調査で、政務活動費の不正や不適切な使用を追認するのでは認められません。
 そこで私は住民訴訟で司法の判断を仰ぐとともに、「政務活動費を使った視察の成果書を、議会局が保管し公開すること」「現任期の議員の政務活動費の領収書をネット公開すること」「公開した領収書は5年過ぎても削除しないこと」などを求める市民からの請願を提出。8月30日の議会運営委員会で審議されました。
 しかし、各会派の議員は一言も理由を言わずに黙々と反対し、すべて否決されました。
 政務活動費は市民の税金から支出されています。その使い道をきちんと公開しないで不正の温床にするのなら、廃止すべきです。

政党の看板だらけの事務所なのに
家賃の90%を政務活動費で支出【関連動画】
 議員の事務所は、議員活動のほか政党活動や後援会活動で使われ、個人的にも使用されています。そこで事務所の家賃、光熱費、事務機器の費用を政務活動費で支払う場合は、「事務所の使用のうち、議員活動で使っている割合は何パーセント」かを計算し、議員活動とそくまがい裕人議員の事務所の他の活動との利用割合を按分することになっています。車のガソリン代や電話代、新聞購読料などについても同様です。
 しかし家賃などの何パーセントを「議員活動分」として政務活動費を充てるのかは、各議員の自己判断になっています。
 さいたま市議会では、16年度に学識経験者などによる「政務活動費の公平性等の向上に関する調査会」を設置し、17年1月に報告書を議長に提出。事務所代や電話代、ガソリン代などについては「自己申告による按分は説明が難しく、広く納得をえられるものではない」として、判例や他市の状況から、上限を2分の1にすべきだと勧告しました。
 報告書を受けて、さいたま市議会では18年4月から、議員活動と他の活動の比率が不明確なものは、政務活動費が使える上限を50%にすることにしましたが、報告書が出てから1年3ヵ月も放置するのはおかしいと、私は市民から預かった『過去の按分超過分を自主的に返納することを求める請願』を紹介議員として提出しました。
 9月6日の本会議で、私は家賃の90%を政務活動費で支払っている立憲民主党議員の事務所を例に挙げ、事務所の看板が民主党、民進党、立憲民主党など政党のものや、国会議員(枝野幸男氏)のもの、自らの後援会のものばかりで、議会で所属している会派(以前は民進改革、現在は立憲・国民)の看板がないことを指摘。「政務活動費を使えるのはせいぜい家賃の2~3割までだ」と、差額の返納に応じるように呼びかけましたが、政務活動費を受け取っている各政党・会派がこぞって反対して請願は否決されました。
 さいたま市議会議員の議員報酬は、年間1354万5000円です。このうえ年間408万円もの政務活動費は廃止しても、議員活動は十分可能なはずです。
北区選出議員が2015年度の各種費用に政務活動費を使用した割合
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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