2018年6月特別号 (1)
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不正の温床政務活動費
沢田元県議と同じ手法
怪しい領収書で3千万円
札幌→鹿児島間より高いタクシー代65万円

 さいたま市議会では、年間1354万5千円の議員報酬に加え、408万円の政務活動費が支給されます。しかし会派としての使用分を調べたところ、3千万円以上の不正もしくは不適切な使用を発見し、1年分の返還を求めて住民監査請求を提出しました。私は11年前の初当選以来、政務活動費を1円も受け取っていません。不正の温床=政務活動費は廃止すべきです!【関連動画】

自民
社印なしの領収書で
調査委託費毎月支出

 昨年7月、沢田力県議(自民・大宮区)が領収書を偽造し、政務活動費1240万円を騙し取っていたことが発覚。県議を辞職しました。
 うち545万円は、市内のPR会社のものです。沢田氏が11年まで市議だった頃から、PR会社は自民党市議団のチラシ配布を請け負っており、沢田氏の偽造領収書は、PR会社が市議団の控室に預けていたゴム印が使われていました。
 PR会社はマスコミに「本物は会社の社印も押してあり、ゴム印だけの領収書はニセモノ」とコメントしています。
 自民党市議団は11年10月から17年9月まで、PR会社の領収書で政務活動費8288万円を受け取っていますが、うち3003万円分は「ゴム印だけの領収書」です。
 特に沢田氏の事件が発覚する前月の17年6月まで、「政務調査受託費」として毎月18万円の領収書を提出していました。
 沢田氏の領収書が偽造だと発覚した途端、同様の領収書で政務活動費を使うのを止めたことは、疑わしいと言わざるを得ません。

真政
常識外のタクシー代
食事も政務活動費で

 自民真政市議団は昨年5月31日付で、64万9690円のタクシー代の領収書を提出しました。視察の目的や行き先、タクシーの乗車区間は書かれておらず、領収書もタクシー会社が発行したものではなくて、与野の旅行会社のものです。
 仮に札幌駅から鹿児島駅までタクシーに乗ったとしても、運賃は往復フェリー代込みで59万9950円です。それよりも多額のタクシー代を政務活動費で支払ったとは、常識ではありえません。
 また、政務活動費の使途運用指針では「飲食代については、如何なる理由があっても、政務活動費からは支出できない」と定められていますが、昨年5月に関西へ視察に行った際には、政務活動費を使って朝食を食べていました。
「タクシーを利用」という巨額の領収書 共産党発行の雑誌を政務活動費で毎月複数を購入
▲「タクシーを利用」という巨額の領収書  ▲共産党発行の雑誌を政務活動費で毎月複数を購入

立憲
飲み会に便利だから
大宮のホテルで会議

 立憲・国民(旧民進改革)の市議団は、昨年1月4日午後と5日午前に行った「会派政策研修会」の費用として、大宮バイオランドホテルの会議室使用料3万4560円を、政務活動費から支出しています。
 「会派政策研修会」の内容は、2月議会への対応や代表質問の項目選定、ゲストとの意見交換などですが、なぜ浦和の市役所にある会派控室を使わず、わざわざ大宮のホテルで会議を行う必要があるのでしょうか?
 立憲の議員のブログによると、4日は19時に会議を終えた後、夕食懇親会と二次会に繰り出し、「ちょっと飲み過ぎて」バイオランドホテルに宿泊。翌5日は9時からホテルで会議を行ったとあります。
飲食費や宿泊費は自費だったとはいえ、内輪の飲み会参加に便利なためにと、わざわざ政務活動費でホテルの会議室を借りるのは、無駄使いです。
 立憲・国民は民主党の頃から、毎年市内のホテルで政務活動費を使った「合宿」を行っており、今年も1月4日と5日に新都心のホテルに宿泊し、居酒屋に繰り出しています。

共産
共産党の雑誌や赤旗
政活費で大量に購入

 共産党は県議会で、16年度に使った政務活動費2300万円のうち、4割以上にあたる968万円を「党職員の給与負担金」と称して、共産党の銀行口座に振り込んでいました。
 市議会でも、共産党市議団は共産党が発行する定期刊行物を、政務活動費で大量購入しています。
 例えば『議会と自治体』増大号を10冊、『前衛』を7冊、『月刊学習』を4冊、『経済』と『女性のひろば』を各3冊、日刊『しんぶん赤旗』を3部購入するなど、同じ雑誌や機関紙を複数購入することで、16年10月から17年9月までの1年間で44万1870円を共産党に支払っています。
 共産党の控室に資料として置くのなら、1冊で十分なはずで、共産党の議員数(8人)を超える10冊を購入するのは、「必要最低限」を定めた政務活動費の運用指針に違反しています。
 また「情報収集」のために他の政党の出版物を購入するのならわかりますが、共産党の議員が共産党の機関紙や雑誌を購入するのは、共産党員としての義務のはずで、公費を使うべきではありません。
 共産党は「政党助成金を受け取っていない」と宣伝していますが、政務活動費を政党の活動資金にするのでは論外です。

おかしな政務活動費の
返還求め監査請求提出

 自民・自民真政・立憲・共産が不正もしくは不適切に使用した政務活動費のうち、16年10月から17年9月にかけて使用した275万5320円の返還を求めて、私は川村準議員(南区・無所属)や市民4人とともに、6月1日に住民監査請求を提出しました。
 議員特権にアグラをかき、政務活動費を乱用する議員に、自浄能力はありません。

ネットで何でも調べられる時代に
「懇親旅行」と化した会派視察
 国の法律や、他の自治体の条例や制度を調べるのに、以前なら多くの資料を購入したり、他の自治体を訪れて直接話を聞く必要があったかも知れません。しかし現代では、インタースマホで調べてその場で追及ネットを使えば法律や全国各自治体の条例はすべてわかります。
1つの自治体に話を聞きに行くより、自宅のパソコンで全国の自治体の制度を検索して比較した方が、よっぽど幅広い調査ができます。
 さいたま市議会では、昨年3月から本会議や委員会でのパソコンやスマホの使用が解禁され、議会で審議中にその場で調べることもできます。
 政務活動費を使った視察は、会派ごとに所属する議員が全員参加して、北海道や九州、沖縄へ行くこともあり、実際には「懇親旅行」と化しています。
 政務活動費を1円も受け取っていない私が、本会議での発言や質問の回数は毎年ダントツ1位を続けていることからも、政務活動費は廃止しても議員活動は十分可能です。
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。
2018年6月特別号(2)
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農業交流・スポーツ・産業・エネルギー
浦和優先の郊外拠点整備
 さいたま市は中心部の都市開発や公共施設の建設で、これまでことごとく浦和に予算を集中してきましたが、郊外の整備でも産業誘致、農業交流、スポーツなどの分野で浦和に相次いで「特区」や拠点を建設し、予算を集中させています。

浦和西部に運動拠点
大宮は荒れるがまま

浦和に集中する郊外拠点 さいたま市では、新たな交流創出の拠点として、「スポーツシューレ」を計画しています。
 国際大会やプロスポーツ、大学スポーツの誘致に加え、小中学生から高齢者まで市民がスポーツを楽しめるエリアを整備する構想ですが、場所は荒川河川敷で、秋ヶ瀬公園や合併記念体育館、浦和西部体育館、荒川総合運動公園(いずれも桜区)から西遊馬公園、宝来運動公園(西区)にかけてです。
 私は昨年12月8日の文教委で問いただしました。

吉田一郎 西遊馬公園とか無理やり大宮の方もこじつけて入れているが、実際は秋ヶ瀬公園あたりが中心ではないか。産業集積、環境未来都市、農業交流、みんな浦和に偏っているが、地域バランスを考えたのか。
スポーツ振興課長 体育館は南の方にしか無く、既存の施設があったから、たまたまこうなった。

 大宮では昔から大宮公園がスポーツの拠点でしたが、県の大宮公園体育館は閉鎖予定で、国体記念会館も閑古鳥です。
 浦和中心に新たなスポーツ拠点を整備するより、まず県と連携して大宮の既存拠点を活かすべきです。

大宮の施設活かさず
浦和に農業交流施設

 清水市政は、農産物の直売や市民が農業体験、農産物加工体験を楽しんだり、収穫祭などの大規模イベントを行うエリアとして、浦和東部(緑区大崎)に11億1470万円を投じて農業交流施設を建設し、23年度にオープンさせる計画を発表。年間29万人が来場すると見込んでいます。
 しかし大宮には合併前から市民が農業と触れ合う施設がいくつかあります。
 例えば宮ヶ谷塔の農村広場(春おか広場)では毎週土曜に朝市があり、花の丘農林公苑では水・土・日に直売をしています。毎年11月には、土呂の市民の森で農業祭が開かれています。
 浦和に農業交流施設を作ることで、大宮の施設が閉鎖されないか、私は総合政策委で確認しました。

吉田一郎 花の丘農林公苑とコンセプトが重なっているように思う。花の丘を将来どうするつもりか。
農業政策部長 花の丘は、花で市民に親しんでいただくコンセプト。地域も離れているので、花の丘は現在のコンセプトで農も含めて市民に利用してもらうよう進めていく。
吉田一郎 存続して2つ運営すると理解していいか。
農業政策部長 どちらも今後とも活用していきたい。

 花の丘は大宮市が市制50周年を記念して91年にオープンした施設ですが、さいたま市になって来場者は01年の20万9千人から15年には17万4千人に減少。宮原駅からのバスは土日だけになり、平日のバスは上尾駅からだけです。
 浦和に多額の予算を投じて新施設を作る一方で、大宮の既存施設は寂れるがままにすることは許せません。

産業集積や未来都市
特区はすべて浦和に

 この他、清水市政は企業の本社や研究所を誘致する産業集積拠点として、西浦和駅の西側を計画。13年度から9695万円をかけて開発準備を進めています。
 また浦和美園(緑区)と下大久保(桜区)を、スマートホーム・コミュニティとして「特区」に指定。太陽光発電や燃料電池を利用する「未来都市」の住宅100戸の建設などで、13年度からこれまでに7億8500万円を投じています。
 中心部の開発だけでなく、郊外での「魅力ある都市づくり」の整備も、ことごとく浦和に集中させるさいたま市の現状は異常です。
 旧4市の財布をきっちり分け、大宮の税収は大宮のまちづくりや郊外整備に使える仕組みが必要です。

どうするつもり?漫画会館
蔵書は昭和50年代の漫画が「歯抜け状態」
 盆栽村の漫画会館。66年にオープンした時は「日本唯一の漫画美術館」として有名で、2階に漫画単行本5千冊を揃えた読書室があり、私も小中学生の頃に漫画を読みに行きました。
盆栽村の漫画会館 しかし現在では、漫画を揃えた公共施設は全国にいくつもあり、広島市立まんが図書館は12万冊、京都国際漫画ミュージアムは30万冊を揃えています。
 手塚治虫や赤塚不二夫、水木しげるなど有名漫画家に特化した美術館も、観光スポットとして人気です。
 一方で、漫画会館の読書室は現在、休日と夏休みだけの開放で、蔵書は私が小中学生の頃と同じ。つまり昭和40年代や50年代の漫画単行本がほとんどで、時が止まったままです。
 私は2月20日の文教委員会で問いただしました。

開館から半世紀経てど
資料整理終わらない?


吉田一郎 どんなコンセプトで収集しているのか。
文化部長 最初は昭和50年代に多く集めて、その後さいたま市ゆかりの漫画家とかを集めている。
吉田一郎 1巻がないとか、抜けているのが多い。
文化部長 集めたのは昭和50年代が多く、破損で欠けた物は現在入手不可能なものもある。
吉田一郎 なぜ休日と夏休みしか開けないのか。
文化部長 資料整理の場にも使っているから。
吉田一郎 資料整理のため週1回閉鎖するのならわかるが、逆じゃないか。
文化部長 北沢楽天先生の遺作は、整理が全部終わっていない。まだまだあと何年もかかる。

漫画会館はもともと、寿能城家老の子孫で、「日本の近代漫画の祖」と言われた北沢楽天が、晩年に住んでいた土地を寄贈され、北沢楽天の業績を記念するために建てたものです。
 しかし北沢家から寄贈を受けた戦前の漫画や美術品は、開館から半世紀以上経っても整理が進まず、所蔵品の数すら「まだ把握ができていない」と言うのでは呆れてしまいます。

明治・大正に特化して
再び日本唯一の特色を

 漫画会館の建物は老朽化していますが、将来の存続に向けて文教委員会で提案しました。

吉田一郎 いま漫画美術館は全国にたくさんある。読書室を週1回だけ開けて、昭和50年代の全巻揃っていない歯抜けの漫画を見せるより、北沢楽天が活躍した明治・大正期の漫画に特化した美術館にした方が、日本で唯一の特色が出るのではないか。
文化部長 委員のご提案は、確かに楽天漫画と同年代の作家の題材、作風の比較が研究できて非常に興味深いが、漫画は本市の魅力ある地域資源として、年代やジャンルを限定することなく、幅広く保護活用を図っていきたい。

 「漫画は本市の魅力ある地域資源」と言っても、その根拠は「大宮は北沢楽天ゆかりの地だから」というだけです。
 現代の漫画が読める場所なら、同じ北区のプラザノースにユーモアスクエアがあります。
 漫画会館は「中途半端に古い漫画」を揃えたまま惰性で存続させるより、再び「日本で唯一」と言えるように特色を明確にして運営すべきです。
GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/
2018年6月特別号(3)
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岩槻人形なき岩槻人形博物館
業者の利益のために42億円投入
 「オリンピック」を口実に、清水市長は42億3000万円をかけて岩槻人形会館を建設しています。盆栽美術館(年間1億7千万円)と同程度の赤字を出すことが判明していますが、「2つ目の人形博物館」であるにぎわい交流館の建設も始め、さらに3つ目の人形博物館の建設も計画。財政破綻を招くハコモノ乱造は止めさせなくてはなりません。

 岩槻人形会館の建設は05年に岩槻市を吸収合併した際、相川前市長が岩槻の人形業者の支持を集めるために打ち出したものです。
 09年に清水市長に替わってから計画が本格化し、10年度に着工しようとしました。
 展示品として市が用意した人形は、閉鎖された美術館から岩槻人形組合を通じて1900万円で購入したものですが、私の調査で「多くの人形は傷みが激しくボロボロ」「海外の人形が多く、岩槻の人形は1つもない」などの実態が判明。着工は凍結されました。
 しかし清水市長は「オリンピック開催で、外国人観光客が増える」を口実に、昨年11月に岩槻人形博物館の建設を始めました。

外国人観光客の集客
具体策考えないまま

 2月19日の文教委員会では、市は年間来場者数の予測を、「オリンピックの年は7万4千人、その後も7万4千人で、うち外国人観光客は4千人」と説明。委員から「オリンピックの年も普段と変わらないのか」と疑問の声が噴出しました。

吉田一郎 オリンピックの年に、日本に外国人観光客はどのくらい来ると、国では推計しているのか。
岩槻人形会館開設準備室長 国の報告書では4千万人。
吉田一郎 「オリンピックを契機に」と、あえて工事費が高騰している時期に建設しておいて、外国人観光客は4千万人中4千人、0・01%しか来ないのか。オリンピックに絡めるよりも、外国人観光客のツアー会社と提携したり、中国・台湾や東南アジア向けに宣伝した方が、4千人を1万人にできるのではないか。
岩槻人形会館開設準備室長 委員からのご指摘は非常に重要だと思う。オリンピックとは別に、旅行会社とのモニターツアーなども引き続き検討したい。
吉田一郎 盆栽美術館のHPは、オープン当初は日本語と英語、中国語、韓国語版があったが、今は日本語と英語だけになっている。
岩槻人形会館開設準備室長 まず英語を押さえようということだと伺っているが、岩槻人形博物館ではどうするかを検討する。
吉田一郎 タイ人やマレー人、インドネシア人の観光客も増えている。表示まで作ると大変だが、タイ語やマレー語(インドネシア語とほぼ同じ)で、耳にレシーバーをかけて聴く音声ガイドを作ったらどうか。
岩槻人形会館開設準備室長 委員のご指摘の通り、東南アジアの観光客がかなり訪れて、音声ガイドも非常に重要になると思う。そちらも含めて検討する。

 「オリンピックで外国人観光客が多く来るから」を建設の口実にしながら、外国人観光客を増やす具体的な方策を考えていないのでは、呆れるばかりです。

何のための施設か?
着工後も説明できず

 何のために人形博物館を建てるのか、建設が始まっても迷走が続いています。

吉田一郎 人形博物館の設置目的は「人形文化の振興に寄与するため」とあるが、一体どこの人形文化の振興なのか。
岩槻人形会館開設準備室長 岩槻の人形文化の振興と考えている。
吉田一郎 では展示品はいくつで、そのうち岩槻の人形はいくつなのか。
岩槻人形会館開設準備室長 答弁に不適切な部分があり、申し訳ない。日本における人形文化の体系を捉えながら、その技が岩槻に伝わっていると考えている。
吉田一郎 では展示品のうち、海外の人形は何点か。
岩槻人形会館開設準備室長 全体的に5千点くらいの人形を持っているが、岩槻の人形が何点かは調査が進んでいない。海外の人形についてはまた後ほど…。

人形博物館の完成予定図 「展示品に岩槻人形がない岩槻人形博物館」とはおかしなものですが、岩槻の人形業者にとっては、その方が都合が良いのです。
 つまり岩槻以外の日本人形や海外の人形で観光客を集め、「地元の岩槻人形はこちらにありますよ」と自分たちの店に客を誘導しようというわけです。
 特定の業者の利益のために、何十億円もの巨額の税金を投じて赤字垂れ流しのハコモノを建設し、さらに2つ目、3つ目も建てようとするのは問題ですが、2月議会では民進・立憲、公明、自民真政(大宮派)の「清水与党」に加え、自民(浦和・岩槻派)もこぞって賛成して、岩槻人形博物館の開設が可決されました。
 岩槻と並ぶ人形の町・鴻巣では、廃業した300年の老舗人形屋を、鴻巣市が1億1466万円で建物や人形作りの道具などの資料ごと購入し、産業観光施設として公開しています。
 地元の人形文化の紹介・振興なら、お金をかけずにできるのです。

 3つ目の岩槻人形博物館 
 補助金返還して計画中止を 
人形会館建設予定地 岩槻人形博物館は、もともと岩槻城址公園の周辺に建てる予定で、市は11億9545万円で用地を購入していました。
 しかし、計画がいったん凍結された後、市は岩槻駅に近い岩槻区役所跡地に建設地を変更。人形作りの体験コーナーなど事実上2つ目の人形博物館となる「にぎわい交流館いわつき」も2億8000万円で建設しています。
 岩槻城址公園近くに購入した土地はどうするのか、2月19日の文教委員会で問いただしました。

吉田一郎 12月議会では、本格的な人形作りが学べるワークショップ(体験学習)の施設を作ると言っていたが、3つ目の人形博物館を建てるのか。
岩槻人形会館開設準備室長 岩槻城の復元を調査する組織も作ったので、そこに人形博物館の機能をどう盛り込むか検討中。
吉田一郎 よくわからない。お城の中で人形のワークショップをするのか?
岩槻人形博物館開設準備室長 城址公園で流しびなや人形供養祭などの節句イベントを行っているが、例えば子どもたちが甲冑を着て、イベントと関連したワークショップがまず考えられる。

 まったく意味不明です。子どもたちがお城で兜や鎧を着けて池へ行き、人形を流すのでしょうか?
 実はさいたま市が城址公園近くの土地を買った時、「人形に関連する施設を作るから」と、国から4300万円の補助金をもらっていたのです。
 私はその経緯を暴露し、補助金を国に返して3つ目の人形博物館は建てないように迫りました。

吉田一郎 「城址公園の所には人形博物館は建てず、別の場所にしました」と国に正直に言い、無理やり人形にこじつけて3つ目を建てるのはやめて、本当に意味あるものにするのは可能か。
岩槻人形博物館開設準備室長 可能です。

 赤字の地下鉄を岩槻に建設するためなら、3つ目の人形博物館や城まで建てようとする清水市長のやり方は、まるで「バカ殿ご乱心」です。

 天守閣なく木造平屋建て 
 客が呼べない岩槻城復元 
 昨年12月5日の本会議で、清水市政は岩槻城址公園周辺に岩槻城を復元して建設する計画を、全庁的に開始したと発表しました。
 岩槻城は室町時代の1457年に太田道灌が建てたと言われていますが、最近では別の説もあります。江戸時代は岩槻藩2万石の居城となり、18世紀半ば以降は大岡氏(大岡越前の遠縁)が藩主になりましたが、明治時代に取り壊され、現在では黒門しか残っていません。
 名古屋市がかつての天守閣を復元しようとしているように、城は観光の目玉にもなります。ただしそれはシンボルとなる天守閣がある場合で、岩槻城は木造平屋建ての城なので、観光客は呼べません。
 そもそも人形博物館の建物自体、岩槻城をイメージして設計したもので、岩槻城を復元すれば「岩槻城もどき」が2つ出現してしまいます。
 岩槻城址公園もかつて岩槻城があった場所ではありません。岩槻城の位置は東武野田線と旧16号線に挟まれた本丸1~4丁目で、現在は住宅地です。
 岩槻城址公園はもともと岩槻公園でしたが、さいたま市と合併した時に、城があったわけではないのに「岩槻城址公園」と改称したに過ぎません。
『吉田一郎 市政レポート』のバックナンバーや、市議会での動画集が、インターネットでご覧になれます!
2018年6月特別号(4)
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教職員の校内駐車
長年の「マイカー無許可駐車」を一掃
言い逃れ続ける教育委追い詰め、4月から許可制に
 学校敷地内の教職員によるマイカー駐車。12月11日の文教委員会で私が質問したところ、長年にわたって無許可で停めていたことが判明しました(『市政レポート』1月特別号参照)。
 そこで私は、校内駐車に関する要綱や規則の制定を求める市民の請願を提出。1月30日の文教委で改めて追及したところ、教育委員会は言い逃れに終始していましたが、4月から要綱が制定され、「無許可駐車」の横行に終止符を打つことができました。
【関連動画】

現状把握いいかげん
慌てて調査やり直し

 1月30日の文教委で、私はまず教育委員会に、マイカーで通勤している教職員の割合を学校ごとに公開させました。
 それによると、マイカー通勤者が多い学校は、1位が慈恩寺小(岩槻)94%、2位はつばさ小92%で、少ない学校は仲町小(浦和)22%、上落合小(与野〉24%、高砂小(浦和)25%、大宮北小27%などでした。

吉田一郎 慈恩寺はバスもない場所なので、マイカー利用が多いのはわかる。でも、つばさ小は最寄り駅から徒歩何分か?
教職員人事課長 日進駅から川分、15分…。ごめんなさい、実際に私は歩いたことがないのでわからない。
学校教育部長 日進駅から歩いて行ったことがある。改札出てから5~6分。
吉田一郎 宮原駅からも10分だし、旧中山道に出ればバスも走っている。なぜ交通の利便性が良い小学校で、90%以上の先生がマイカー通勤なのか。
教職員人事課長 保育や介護などそれぞれ抱えている事情があるということで、常勤の教職員はすべて車で通勤している。
吉田一郎 保育や介護などの家庭の事情や、病気や障害、妊娠など電車で通えない先生が2~3割いるのはわかる。でもなぜつばさ小にはこういう先生が9割以上もいるのか。
教職員人事課長 まだ分析が不十分なので、もう少し調べてみたい。

 教育委員会が改めて調べ直したところ、23校のデータが間違いだったことが判明。つばさ小は36%でした。
 各学校に停めているマイカーの実態を、きちんと把握しないまま放置していた教育委員会は、あまりにも無責任です。

詭弁続ける教育委を
まるで子供だと忠告

 私は電車やバスでの通勤が困難な学校や、複数校での勤務、公務使用、病気やケガ、障害、妊娠などの場合を除き、校内駐車を有料化することを提案し改めて問いただしました。

吉田一郎 マイカー通勤が20%や30%という少ない学校では、何か業務に支障をきたしているのか。
学校教育部長 持段の支障は出ていない。
吉田一郎 他市でも有料化する自治体が増えているが、どう考えているのか。
教職員人事課長 学校には子どもたちへの対応として、緊急対応がある。いつ何が起こるかわからない。
吉田一郎 学校にはやむを得ない事情で、マイカーで来ている先生が2~3割いるのだから、子どもの員合が悪くなって救急車を呼ぶ時間もないのなら、その先生の車を使えばいい。
教職員人事課長 教職員は授業をしながら緊急の用務に対応するので、車で来ている先生が授業をしていたら難しい。いつどんなことがあっても備えられる姿勢が大切。
吉田一郎 授業を中断しても、子どもの命を守るのが優先ではないのか。
教職員人事課長 子どもの命は何にもかえがたい大切なものだが、授業も両立させたい。自家用車を利用できるようにするのが一番。
吉田一郎 さっき「車で来る先生が2~3割でも業務に支障はない」と答弁しながら、子どもの万が一を考えたらすべての先生がいつでも車で行けるようにと言い出すとは、子どもの命をカタに取れば、どんな違法行為でも許されるのか。
教職員人事課長 欠席や不登校の児童の家に、家庭訪問することもある。
吉田一郎 児童や生徒の家に行く時に、先生はマイカーを使うのか。
教職員人事課長 ケースによっていろいろ。
吉田一郎 住宅街の路地は駐車禁止ではないのか。
教職員人事課長 恐らく1人で行って停めっぱなしという対応はしない。2人組で行って1人降ろすとか。

 現実には、学校の先生が家庭を訪問する際には、徒歩か自転車で行くのがほとんどで、「先生が2人組で車に乗り、1人が家庭を訪問して、1人が車で待機」なんてことはありません。
 詭弁と言い逃れを繰り返す教育委員会に対し、2月7日の本会議で「子どもの頃、私はよく先生に『いつも吉田君は、ああ言えばこう言う』と言われていたが、その言葉をそっくりそのままお返しする」と忠告しました。

駐車用地に数億円も
他市では有料化進む

マイカー用の敷地が約1割の美園小学校 私に追い込まれた教育委員会は、結局「学校における職員の自家用自動車の駐車に関する要綱」を制定し、4月から実施しました。
 校内駐車の有料化は見送られたものの、教職員に公共交通機関の利用を促し、校内に駐車できるマイカーは公務で使用する場合のほか、障害や病気、ケガ、保育や介護の事情がある教職員の車に限定。校長に許可をもらい、フロントガラスに駐車票を掲示することになりました。
 私の提案にほぼ沿った形ですが、その他「校内に自家用車を駐車する必要があると校長が特に認める者」も駐車できるとあり、これが拡大適用される恐れもあります。
 最近新設された美園小(緑区)では、学校敷地の5%が教職員の駐車スペースに充てられ、そこへの進入路を加えると10%近く(約3億円)の土地をマイカー駐車のために購入していることになります。
 マイカー通勤が必要な教職員をより明確に規定し、そうでない教職員の校内駐車は有料化すべきです。

 北区各校のマイカー通勤率
  大宮別所小 78.8%
  泰 平 小  62.2%
  宮 原 小  58.7%
  大砂土小  55.6%
  植 竹 小  54.5%
  東大成小  53.3%
  日進北小  42.9%
  日 進 小  42.4%
   つばさ小  35.8%

  土 呂 中  83.3%
  泰 平 中  82.5%
  植 竹 中  51.6%
  日 進 中  46.4%
  宮 原 中  43.1%

大宮東口の新しい公衆トイレ
男子用個室は1つだけ!?
 大宮駅は1日75万人が利用する全国有数の巨大ターミナルです。それにも関わらず、駅前の公衆トイレはあまりにお粗末です。西口には公衆トイレは無く、東口には南側の線路沿いに小さな公衆トイレがあるだけでした。
 市では東口の市営駐輪場の一角に、昨年5月に「おもてなし施設」と称するOMテラスを1億1596万円かけて建設し、その1階に新たな公衆トイレを設置。障害者用のトイレもできましたが、規模は小さいままで男子用の個室は相変わらず1つしかありません。
 場所は南銀の入口です。飲み過ぎて気分が悪くなった人が個室に籠ってしまい、他に使いたい人が困ってしまうこともあります。
 そこで私は、閉鎖された旧トイレの使用を再開し、男子用個室を2つ確保することを求める市民からの請願を2月議会に提出しましたが、自民・自民真政・公明・民進立憲・共産の各政党がこぞって反対しました。
 新しいトイレは1年近くにわたって建築家らが意見交換会を6回開き、屋上にイベントスペースを設けることを追加したそうですが、肝心な利用者の視点が抜け落ちてしまっては意味がありません。
 一方で、西口駅前への公衆トイレ設置は、かつて大宮市議会で市民からの請願が全会一致で可決され、議員と執行部で現地調査を行っていましたが、合併後は放置が続いています。
大宮東口の新しい公衆トイレ 私は6年前に公衆トイレ設置を求める市民の請願を提出しましたが、自民・公明・民主らがこぞって反対して否決。昨年2月議会でも改めて提出しましたが、審議は1年以上にわたって先延ばしが続き、2月19日の保健福祉委員会では浦和の議員が審査延期を言い出して、実質的な審議に入らないまま棚ざらしになってしまいました。
 浦和駅西口には8億円もかけてバス乗り場への地下通路を建設する一方で、大宮駅西口にはトイレ1つ作ろうとしない「大宮住民不在」の市政は許せません!
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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