2018年4月20日 号外 (1)
2面へ
484億円で移転の市民会館 コンサートや演劇で使えない!?
大道具がエレベーターに入るのかまったく考えないまま、大ホールを上層階に設置
現在の場所でそのまま建替えれば50億円で済む大宮の市民会館を、清水市政は総額484億円もの公費を投じて中央デパート跡地の再開発ビルに移そうとしています。
 さらに2月19日の文教委員会では、私の追及で新しい市民会館はコンサートや演劇の公演では使えないシロモノであることが明らかになりました。

機材運ぶトラックは地下駐車場に入れず、横道も狭いまま
 現在の市民会館は、街外れにあるので駐車場は広く、車は無料で停められます。しかし移転後は、車は再開発ビルの地下駐車場(有料)に停めなくてはなりませんが、大宮駅周辺の駐車場はいつも満車の状態が続いています。

吉田一郎 市民会館を借りた主催者が、車で機材や用具を運ぼうとしても、地下駐車場が満車だったら、イベントが始められない恐れがある。市民会館の集会室も含めて、借りた人用の駐車スペースを確保していないと混乱する。
文化振興課長 現在の案では専用スペースはないが、そのようなご心配は多数あると思うので、主催者枠の専用駐車スペースは今後検討する。
吉田一郎 市民会館で催し物をする時に、トラックで機材を運ぶこともあるが、地下駐車場に入れるのか。または裏口のあたりに停めて、そこで積み下ろしをするのか。
文化振興課長 地下駐車場なのでどうしても高さ制限がある。搬入は地下からではなく、外から回す形で工夫したい。

 市民会館でコンサートや演劇の公演を行う場合、楽器や大道具などを搬入する必要がありますが、移転後の市民会館大ホールは、再開発ビル東棟の6~9階に設置されます。
 機材を搬入する場合、トラックは東側の氷川緑道西通線(市役所通り)に停めることになりますが、この道は1車線で歩道もない細い道です。市では拡幅を予定していますが、埼玉りそな銀行などのビルが建ったままで、立ち退きが完了して道路が広がるのは、2021年度の移転に間に合いません。
 現在の市民会館やソニックシティの大ホール、スーパーアリーナなどは1階にあるので、搬入口にトラックを横付けして会場に大きな機材を運び込むことができます(スーパーアリーナの搬入口は高さ4.2m、幅7.85m)。
 しかし再開発ビルでは、大きな機材がエレベーターに入るのかも、検討していないままです。公演が終了するまで、機材を運ぶトラックの待機場所も用意されていません。
 結局、「大きな機材を使うコンサートや演劇は利用不可」になり、これまでの市民会館のように多彩な公演を楽しむことができなくなりかねません。

立憲・公明・自民真政ら「清水与党」は後先考えず賛成
 500億円近い血税を投じて、市民にとっても主催者にとっても利用しにくい施設になるのでは馬鹿げています。
 しかし、議会で市民会館の移転に反対したのは無所属と共産党だけで、民進・立憲や公明、自民真政(大宮派)の「清水与党」はもろ手を挙げて賛成。当初は「費用がかかりすぎる」と渋っていた自民(浦和派)も賛成にまわりました。市長の提案ならどんな高い買い物でも認めるのでは、行政を監視する議員の役割を放棄したのと同じです。
吉田一郎市政報告会 6月3日(日) 14:00~16:00 プラザノース (北区役所) 第3セミナールーム(入場無料)
(2)
国保税2年連続の値上げで毎年最高16万円の負担増に
 2月議会で、清水市長は国保税や介護保険料の増税を提案し、審議されました。
 国保税は2年連続の値上げで、一緒に徴収される後期高齢者医療保険や介護保険の負担分を加えると、最高税額は2年で年額73万円から89万円へ、22%も上がります。

 また今年は後期高齢者医療保険や介護保険の税率が引き上げられて、13万5200世帯の負担が増えます。年間所得600万円の4人家族(40代の夫婦2人と子ども2人)の場合は、2万4800円の負担増になります。
 所得が低くても負担は増え、年間所得200万円以下で3万7076世帯、100万円以下が3万2783世帯、所得0(年金収入で120万円以下)でも2万7979世帯が増税です。

介護保険科は低所得でも値上げ、生活保護は収入2倍でもタダ!?
 65歳以上の高齢者が負担する介護保険料も、年額800~1万1000円増えます。国の定めでは保険料は所得によって9段階に分かれ、最高は所得300万円以上の人で基準額の1・7倍(さいたま市の場合は年額11万0500円)です。
しかしさいたま市は独自に12段階に分けて、最高は基準額の2・55倍(年額16万5800円)も徴収します。
 最低額は所得80万円以下の人と生活保護の受給者で、年額2万9200円ですが、生活保護の支給額は80万円以下なのか、私は2月13日の本会議で問いただしました。

吉田一郎 生活保護の年間支給額は、65歳でいくらか。
志村保健福祉局長 65歳単身8の年間支給額は152万4270円、65歳夫婦の年間支給額は211万9350円
吉田一郎 単身の支給額が152万円なら「所得125万円以上200万円未満」の介護保険料で年額8万4573円、夫婦で支給額が211万円なら「所得200万円以上350万円未満」の介護保険料で年額9万7584円のはずだ。生活保護受給者の介護保険料を所得に合わせないのはおかしい。
志村保健福祉局長 生活保護制度と介護保険制度、それぞれの定めに基づいて事業を実施している。

 生活保護受給者の場合、実際には介護保険料や介護保険を使った時の自己負担額(1~2割)も別途支給されて、すべて無料になっています。
 年間80万円以下の年金で暮らす人が3万円近い保険料と自己負担額を徴収されて、150万円や200万円支給されている生活保護受給者がすべてタダというのでは、まじめに年金を払ってきた人がバカを見てしまいます。

市民会館移転に484億円使うよりも増税回避に公費を
 今回の増税で、市は64歳以下の市民から年間4億1000万円、65歳以上の高齢者からは5億6380万円の税収増を見込んでいます。市民会館の移転に484億円も浪費するより、その2%を増税回避のための財政投入に使うべきです。
 しかし2月議会では、市民会館の移転に賛成した民進・立憲や公明・自民真政(大宮派)の「清水与党」と自民(浦和派)が、増税案にも賛成して可決されました。
 少子高齢化が進み、将来の財政が厳しくなるのはわかりますが、市民の負担を増やす前に、まず無駄な支出を抑えるぺきです。

各政党が法的権限ない「吉田一郎はやめてしまえ決議」⇒私は辞めません
 私が2月20日の文教委員会で、職員の答弁が不誠実だと激怒して「首吊って死ね」とヤジを飛ばした件で、地方自治法の懲罰の規定に基づいて、出席停止処分(3月15日と16日)となりました。私は今回の「暴言」が処分の対象になるのは当然であり、法に基づいた処分に従うことが議員の取るべき責任だと思っています。
 一方で、自民(浦和派)は、法的な権限がない「議員辞職勧告決議」を提案。こちらも無所属議員を除く各政党・会派が「これを機に吉田一郎は辞めてしまえ」と賛成して可決されましたが、出席停止処分と矛盾していることや、多くの地元有権者の方々から「今後も頑張れ」との激励の声を頂いていることから、私は「辞職はしない」と発表しました。
 今回の「暴言」は私の不徳の致すところであり、市民とりわけ応援してくださった方々には本当に申し訳ありません。
 私は「暴言」をしっかり反省し、今後も「浦和優先」の市政から大宮を守るために、赤字の地下鉄やハコモノ建設、補助金乱発などの市政を糺すために、そして不正の温床=政務活動費を廃止するために、引き続き頑張ります!
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