2018年1月特別号 (1)
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市民会館建て替え
浦和も再開発ビルに移転で費用5倍に!?
業者の要望に従い、マンションと一体建設
 大宮も浦和も、人口が急増した70年代に多<の公共施設を建設しましたが、今後は老朽化による建替えに迫られます。限られた予算で建替えを進める工夫が必要ですが、清水市長は大宮の市民会館を再開発ビルに移転するのに続き、浦和の市民会館も業者からの要望で、再開発ビルへの移転を計画。いずれも単独で建替えた場合と比べて、5倍もの費用がかかります【関連動画】
浦和の市民会館移転予定のマンション 大宮の市民会館は、市有地に単独で建替えた場合の費用は50億円ですが、清水市長は12月議会で、中央デパート跡で建設中の再開発ビルに移転する補正予算案を提出しました。
 ビルの床取得や内装など、市の負担は266億円(市有地の現物出資分を加えると、実質312億円)にのぼり、私は「現在の場所か、『複合文化施設を建てるため』と旧大宮市が購入した桜木駐車場に建替えるべきだ」と反対しましたが、可決されました。

 単独で建替えるなら
 29億なのに150億

 清水市長は浦和の市民会館も、再開発組合(野村不動産、三菱地所、大和ハウス工業など)から要望があったと、浦和駅西口の南側(南高砂地区)の再開発ビルに移転しようとしています。
 その費用について、私は10月19日の文教委員会で問いただしました。

吉田一郎 再開発ビルに入る場合の費用はいくらか。
文化振興課長 大宮は312億円かかる。大宮と浦和の土地評価額は10対8で、市民会館の床面積は大宮の約半分なので、312億円×0・8×0・5で、100億円以上と試算した。
吉田一郎 312億円×0・8×0・5なら、125億円だ。音響などの内装費は面積が半分でも半額にはならないから、約150億円かかると考えていいか。市民会館を単独で建替える費用は、大宮では50億円だったが、浦和はいくらか。
文化部長 同じ面積で建替えた場合は、29億円という数字が出ている。

 浦和でも市民会館を単独で建替える場合と比べて、約5倍の費用がかかることが明らかになりました。

 住民から苦情が出て
 ホールは利用制限?

 市民会館が移転する再開発ビルは、大宮は18階建ての商業・オフィスビルですが、浦和は27階建てのマンション(約530戸)です。
 市民会館のホールでアイドルのコンサートなどを開催した場合、追っかけなどのファンが開演の何時間も前から会場周辺を取り巻くことがあります。また政治的な集会で、抗議する街宣車が来ることもあります。
 商業ビルなら、セールやイベントで大勢の人が詰めかけることもあり「お互いさま」でしょうが、マンションでは住民からの苦情で、市民会館の利用が制限されかねません。
 私がその点を指摘すると、市は「市民会館の移転は、再開発組合の要望なので、承知済みだと受け止めている」と回答していましたが、開発業者や地権者が了承していても、マンションを購入した住民からの苦情は防げません。

 住居ビルに公共施設
 将来の懸念は考えず

 さらに心配なのが、将来の建替えです。
 建築から50年以上経って老朽化したマンションの建替えが進まず、全国的に問題になっています。
 商業ビルなら、建物が老朽化すれば集客やテナント募集が難しくなり、利害は建替えで一致できます。
 しかしマンションでは、区分所有者の事情はさまざまです。1戸につき数千万円の分担金を負担できなかったり、高齢化して「建替えで何年間も外に仮住まいするなら、死ぬまでこのまま住み続けたい」という声が相次いで、協議が難航するケースが多いのです。
 法律では所有者の5分の4以上が合意しないと、建替えはできません。
 12月8日の文教委員会で、市は「入居の際に将来の建替えの承諾を得られないかと、再開発組合に要請している」と説明しました。

吉田一郎 それは法的に有効なのか。マンションは転売されるが、途中でマンションを購入した人まで拘束できるのか。
文化振興課長 法的に可能かも含めて要請している。
吉田一郎 建替えに同意しなかった人があくまで残っている場合、法律ではどうなるのか。
文化振興課長 国交省では建替えが決まった後は、権利の執行なども考えている。
吉田一郎 強制的に立ち退かせるのは法的に可能か。
文化振興課長 今後、国の動きを注視していきたい。

 建替えが現実になる頃には、今の市長や議員はおそらくこの世にいないでしょうが、将来のことを考えずに、業者の要望に従って5倍もの公費を使い、公共施設をマンションと一体建設するのは無責任です。
 大宮市と与野市、浦和市が調印した合併協定書では、市役所の位置は「さいたま新都心周辺」と明記されています。
 12月議会で「長距離バスターミナル用地」と称して購入した新都心の三菱マテリアル跡地に市役所を移し、浦和の市民会館は現在の市役所跡地に29億円で建替えるべきです。

財政負担35億円!
4年連続ボーナスUPが可決
自民「議員だけは市議選後に…」
 清水市長が提案した市長と議員、市職員、教職員などの4年連続のボーナスアップが、12月22日の本会議で可決されました。
 これにより、4年前と比べて毎年35億円の財政負担増になります。ボーナスアップ全体に反対したのは、私と川村準議員(南区・無所属)だけでした。
 一方で自民(浦和派)は、議員のボーナス増額実施を2019年春の次回市議選が終わるまで延期する修正案を提出。私は早速問いただしました。

吉田一郎 市民の所得状況をどう見ているのか。
青羽議員(自民・浦和区) さまざまなデータがあるが、可処分所得が10年前より低い。
吉田一郎 市民の所得が10年前より下がっているなら、議員のボーナスを下げる提案をすべきでは。
青羽議員 報酬等審議会の議論では「下げるべき」という意見が出なかった。
吉田一郎 なぜ2019年春の市議選後にボーナスアップを判断するのか。
青羽議員 議員の期末手当は業績給だと思うので、この任期中の我々の業績を見て、市民に判断してもらいたいと思う。【動画で見る】

 さいたま市議会では市議選が近づくと、「現職が批判されないように」と、議員報酬の引き下げやボーナス増額の凍結が行われ、市議選が過ぎればその分まとめて上げることが繰り返されてきました。
 11年の市議選前には、自民・公明の提案で、議員報酬と政務活動費が10%引き下げられましたが、1年後にはもと通りに増額。
 15年の市議選前には、ボーナス増額が廃案になりましたが、市議選終了後の12月議会で2年分まとめて増額しています。
 市民の目を欺くようなやり方はもう止めるべきです。
「増額を市民に判断してもらいたい」と言うのなら、選挙で堂々と「議員のボーナス増額」を公約に掲げるべきでしょう。

ボーナスアップで増える年収
●議員の年収
 1348.7万円→1354.5万円
 (会派所属議員は他に政務活動費408万円)
●市長の年収
 2291.6万円-→2301.3万円
 (退職金は4年ごとに2904万円)
●副市長の年収
 1801.1万円-→1808.7万円
吉田一郎市政報告会 2月17日(土) 14:00~16:00 プラザノース第3セミナールーム(入場無料)
2018年1月特別号(2)
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学校に教職員のマイカー駐車
「無許可」のまま長年放置
 学校の敷地内に、教職員がマイカーを停めているのをよく見かけます。
 一体どういう事情のある先生がマイカー通勤と駐車を認められているのか、私が12月11日の文教委員会で質問したところ、無許可で駐車していたことが明るみになりました。

 基準も要綱もなく
 あくまで「慣例的

吉田一郎 学校の立地によって、公共交通機関がない学校もあれば、大宮小や桜木小のように電車やバスで問題なく通える学校もある。立地によってマイカー通勤を認める基準はあるのか。
学校教育部長 学校による違いはない。
吉田一郎 学校の敷地内に停める場合は誰が許可するのか。その手続きは。
学校教育部長 さいたま市では明確な基準はないので、許可制でもなく置いているのが現状。
吉田一郎 大宮小のような駅前にある学校でも、「マイカーで行きたい」と言えば、子どもの邪魔にならなければいいやと、勝手に校内に停めているのか。
学校教育部長 教職員の自家用車による通勤や駐車については、御指摘いただいたようにこれまで慣例的に置いている状況だった。

 駐車場確保のため
 数億円の土地購入

 古くからある学校では、マイカーは校舎と校舎の間の空き地などに停めていますが、近年新設した学校では、校内にあらかじめ教職員用の駐車場が用意されています。
広大なマイカー駐車場付きの美園小 12年に開校した美園小(緑区)では38台分の駐車スペースが確保され、進入路を含めると学校敷地の約1割が充てられています。
 美園小の用地は29億9012万円で購入したものですが、そのうち数億円分が、正式な手続きや許可がないまま教職員のマイカー駐車場に化けているのでは、まるで「無法地帯」です。
 全国的に名古屋や京都、神戸、長崎、那覇などでは、校内でのマイカー駐車が有料になっています。
 私はさいたま市でも教職員のマイカー通勤や校内駐車に関する要綱をきちんと定め、公共交通機関での通勤が困難な学校や、複数校での勤務、出張などの公務使用、病気やケガ、障害、妊娠などの場合を除き、有料化を検討することを提案。
 教育委員会は「指摘をいただいたので、課題を整理して改善に取り組む」と答弁していましたが、組合が「既得権」を振りかざして猛反発することも予想されます。
 私は今後も校円のマイカー駐車は、きちんとした許可を得るように監視を続けていきます。

 土呂駅東口の 
 3つの地図 
北はどっち?
表示バラバラ

ガイドラインも役立たず
 世界盆栽大会の開催で観光客が増えると思ったのか、市は昨年春、土呂駅東口の南側に相次いで3つの案内地図を設置しました。
 ところが、地図ごとに方角や公共施設等の掲載基準がバラバラです。
土呂駅3つの地図北はどっち? 1つ目は東口広場南側の照明・広告付き地図で、方角表示は上が北。東口から行く人が多い病院である彩の国東大宮メディカルセンターは掲載されておらず、さいたま北部医療センターは「大宮総合病院」という旧称で載っています。
 盆栽美術館はあっても、漫画会館はなく、ステラタウンも載っていません。
 2つ目は盆栽美術館への案内地図で、1つ目の地図のすぐ隣にあるのに、方角表示は下が北で逆方向。
 3つ目は線路沿いにある観光地図で、方角表示は右斜め上が北。新都心のコクーンや大宮駅西口のアルシェは掲載されているのに、ステラタウンは載っておらず、土呂駅から1㎞以上離れた東大成小は載っていても、駅近くの植竹小や植竹中は載っていません。郵便局も1㎞離れた植竹局は載っているのに、土呂駅から一番近い土呂西口局が載っていません。
 これでは地図を見る人が混乱するばかりです。古くから東口に設置してある見沼田んぼの地図では、左斜め上が北です。
 そこで私は12月4日の一般質問で追及しました。

吉田一郎 市は「さいたま市公共サインガイドライン」という地図の基準を設けているが、守らなくても良いのか。
中野都市局長 ガイドラインは、誰でも見易くわかり易いために、表示基準やデザインの統一を図るための指針として、08年3月に作成した。
吉田一郎 3つの地図の基準がバラバラだが、どうしてこんなことになったのか。
中野都市局長 3つの地図は、いずれもガイドラインの適用対象になる。設置に際してはガイドラインを遵守しつつも、各所管の判断によって作成されている。
吉田一郎 病院の表示が古かったり抜けていたり、学校・漫画会館などの公共施設やステラタウンが抜けているのは、シールを貼って加えるよう各所管に通達すべきだ。
中野都市局長 指摘のあったように、施設名が古かったり、市民に認知されているのに載っていない施設については、各所管にチェックするよう対応したい。【動画で見る】

 土呂駅東口の3つの地図を設置したのは、北区役所とスポーツ文化局、経済局で、それぞれが独自の判断で地図の掲載基準を決めてしまったようです。
 私の指摘を受けて、一部の地図では早速シールを貼って修正し始めていますが、利用者を考えない「お役所仕事」では困ります。

公募結果を無視した「大宮国際」の校名に反対
 市立大宮西高が2019年春から中高一貫校に生まれ変わります。教育委員会では市民から校名を募集して「大宮国際中等教育学校」に決めたと発表しましたが、私は12月8日の文教委員会で確認しました。

吉田一郎 募集結果の3位までは?
高校教育課長 1位は「大宮西」で337件、次は「大宮」で15件、3位が「大宮国際」で13件。
吉田一郎 「大宮西」が圧倒的なのに、なぜ30分の1しかない「大宮国際」に決めたのか。
高校教育課長 大宮西小や大宮西中という似たような校名がすでに存在しているから。
吉田一郎 大宮北高があるが、大宮北小や大宮北中は存在しないのか。
高校教育課長 大宮西中と大宮西中等教育学校だと、中学に在籍する同じ学年の子どもが2つに分かれるようになるのが議論のポイントだった。

 一方で、市立浦和高を中高一貫校にした際には、県立の浦和高があるにも関わらず、校名は浦和高のままにしたのと矛盾しています。
 かつて区名を決める際、市民に区名投票を呼びかけ、「大宮北区」が圧倒的1位(2141票)になったにも関わらず、それを無視して3位の「北区」(604票)にした経緯があります。
 市民から名称を公募するのなら、その結果を最大限に尊重すべきです。

●郷土意識を破壊する「大宮二十景」は許せない
 さいたま市は「ふるさとづくり」と称して、郷土意識の醸成を目的に、「大宮二十景」の啓発活動を行っていますが、そこに盆栽村は入っていません。私は9月28日の決算特別委で問いただしました。

吉田一郎 なぜ大宮盆栽村が含まれないのか。大宮の名所だと何十年も宣伝して来たのに。
大宮区コミュニティ課長 北区だからかと思う。
吉田一郎 「大宮二十景」なら大宮盆栽村も大宮だ。大宮区だけで「大宮二十景」を作るのは、北区や西区、見沼区の住民にとって地域意識の醸成どころか破壊であり、屈辱だ。大宮区だけなら「大宮区二十景」とすべきだ。
大宮区コミュニティ課長 ご指摘の内容はこれから十分考えていきます。ありがとうございました。【動画で見る】

 区名決定の際には、住民の投票で圧倒的1位になった大宮北区、大宮西区、大宮東区を無視して北区、西区、見沼区としたうえに、「大宮区だけが大宮だ」と啓発を行うことは許せません!

●大宮の歴史文化を伝える郷土資料館を
 浦和には浦和博物館、岩槻には岩槻郷土資料館があり、市では与野郷土資料館も建設する予定です。
 大宮には市立博物館がありますが、さいたま市全域の展示を行う施設という位置付けです。そこで12月11日の文教委員会で問いただしました。

吉田一郎 博物館に常設展示室があるが、大宮とさいたま市全体のコーナーは分かれているのか。
生涯学習部長 大宮に特化したコーナーはない。
吉田一郎 隣接する大宮図書館が3割縮小して移転するが、跡地に博物館を増築して、大宮の紹介と市全体の紹介のコーナーを分けたらどうか。
生涯学習部長 委員の提案の趣旨や市民の意見を参考にしながら、関係する所管課と連携して、より良い博物館になるよう検討する。

 07年に鉄道博物館がオープンした時、市立博物館では「鉄道のまち・さいたま」と称した展示を行いました。私は08年7月2日の予算委員会で「鉄道が通らなかった岩槻や、急行が停まらない県庁所在地だった浦和は『鉄道のまち』ではないはずだ」と指摘し、市はその後「鉄道のまち・大宮」とアピールするようになりました。
 大宮の歴史文化をさいたま市全体とゴチャ混ぜにせず、きちんと紹介する施設を整備すべきです。
2017年12月議会の会派別議案賛否一覧表
GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/
2018年1月特別号(3)
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外国人観光客が
医療費払わず帰国

市立病院で420万円
 マニュアル作成を 
 外国人観光客が病院へ行くと、全額自己負担になります。海外旅行保険に入っておらず医療費がその場で払えないまま帰国し、病院が回収できないケースが全国で問題になっています。
 12月1日の決算特別委で私が問いただしたところ、市立病院での外国人の医療費未払いは22件420万円で、その多くは親族が市内に住んでいて、滞在中に病院に来たケースでした。

吉田一郎 その親族に保証人になってもらったら?
医事課長 親族に電話して払ってくれる人もいるが、無視されることもある。
吉田一郎 他の病院では、大使館に連絡して立て替えてもらうケースもある。
医事課長 大使館というのは、やってない。
吉田一郎 他の病院と連携を取って、マニュアルを作成しておくべきだ。また救急車で運ばれて来て治したら、「応急処置で良かったのに本格的に治されて、高い金を請求された」とトラブルになるケースもある。電話での医療通訳の体制を整えておくべきでは。
医事課長 ご指摘はごもっともだと思う。確かに医療通訳がいれば大変助かる。マニュアル作成は今後検討したいと思う。【動画で見る】

 身体の具合が悪い人を診るのは病院の義務ですが、料金でトラブルにならないよう、あらかじめ方策を考えておくべきです。

市立病院の決算否決と
入札の「口利き疑惑」
大宮派の追及に
浦和派が猛反発

 12月議会では、市立病院の昨年度決算が、自民(浦和派)と共産以外は承認せず否決されました。その理由は入札をめぐる疑惑です。
 浦和の市立病院の建替え工事は3月に入札が行われ、3社が応札しましたが、入札結果の発表が1ヵ月以上遅れたうえ、「技術評価点が高い」ことを理由に、14億円の価格差で一番高い値段(236億円)を提示した業者が落札しました。
 6月議会で関根信明議員(自民真政・北区)が技術評価点の内容について追及したのを契機に、議会では地方自治法第98条に基づく調査権を発動して、特別委員会を設置しました。
 議員や職員OBの「口利き」で、技術評価点が2度も変化したのではと疑われましたが、市は「面談記録は廃棄した」と主張。調査はウヤムヤになりました。
 10月12日の本会議で、特別委員会の中間報告に対し、私が「内容は保存していなくても、面談した議員の名前は誰か」と質問したところ、自民(浦和派)の議員から横やりが入り、審議が中断。「まるで疑惑の議員が自ら名乗り出たようなものだ」と失笑が起きました。
 入札の過程に疑惑を残したまま、何百億円もの工事を進めることは問題です。【関連動画】

 吉田一郎が反対した議案 
■一般会計補正予算(6)1面及び4面参照
■平成28年度病院事業会計決算3面参照》。
■パワハラ自殺職員への賠償金支払い
 西部環境センターの職員が、上司のパワハラで自殺。1審で市は遺族に1580万円の支払いを命じられて控訴。2審の判決は2488万円に増額され、市は「遺族の意向を尊重し、早期解決を」と上告を断念。1審判決時にそのように判断すべきです。
■西大宮1~4丁目新設に伴う公共施設の住所表示変更(2件)
 清河寺・高木・指扇の一部を西大宮1~4丁目に住所変更。11月18日に住所を変更するのなら、12月議会ではなく9月議会で承認を得るべきです。
■議員、市長等、市職員、教職員のポーナスアップ(4件)■食肉中央卸売場特別会計補正予算■病院事業会計補正予算■議員のボーナスアップ修正案 《1面参照
■美園北小・美園南中・大宮国際中等教育学校の新設 《2面参照
■児童相談所の移転
 児童相談所を浦和区に60億円かけて建設する子ども家庭総合センターに移転。中核的な公共施設の浦和への一極集中には反対。
■道路占用料の徴収拡大
 道路下のガス管から徴収する占用料を値下げして、年間3900万円の減収。
■舘岩少年自然の家新館工事契約の増額(3件)
 建設費は業者の言いなりになって21億円を超え、完成は遅れて材質は落ちるなど、踏んだり蹴ったりです。
■新都心駅東口の公共公益施設用地取得
 「オリンピックに向けた長距離バスターミナルの建設用地」として、三菱マテリアルの跡地を購入。しかし大宮駅に発着する長距離バスが乗り場を移転するかは不明で、オリンピック後の活用も未定。それなら堂々と「合併協定書に基づいた市役所建設用地」として購入すべきです。
■指定管理者の指定(宝来グラウンド・ゴルフ場)
 3年間の管理運営を、6490万円で東京の業者に任せる契約。この業者が管理する和光市の施設では、浴槽からレジオネラ菌が検出されたのに市や保健所に連絡せず、7月から12月まで営業を続けていた事件が発覚したばかりです。
■道路整備に対する国の補助率かさ上げの継続を
 国に補助金の増額を要求するのなら、財源をどうするかにも言及すべきです。

政務活動費の領収書ネット公開
各会派が実現同意…ただし市議選後
 全国で不祥事が相次ぎ、「不正の温床」となっている政務活動費。さいたま市議会でも3年前、帆足和之議員(自民・浦和区)が切手購入で政務活動費を二重取りしたとテレビで報道されたり、駐車場代や事務所の清掃費の名目で母親に政務活動費3万5000円を毎月支払っていたことが発覚しています。
 政務活動費の領収書は、平日の日中に浦和の市役所まで行かないと閲覧できません。そこで市民から「領収書のインターネットでの公開」を求める請願が提出されました。市民が自宅のPCで領収書をいつでもチェックできるようになれば、政務活動費の不正はやりにくくなります。
 しかし審議は1年半も先延ばしが続き、12月22日の本会議では、私と川村準議員(無所属・南区)だけが賛成。政務活動費を受け取っている議員は全員が反対して否決されました。
 一方で12月20日の議会運営委で、各会派は①3親等以内の親族や親族が役員の会社への政務活動費の支払いの禁止、②政務活動費で雇うスタッフの人数制限(議員10人以下の会派は2人まで)、③視察や調査委託は実績報告書で目的を明らかにすること…等とともに、領収書のネット公開の方針を了承しましたが、実施は2019年春の市議選以降です。
 現在の任期中は、領収書をネット公開せずに済ませようというやり方は、疑念を生むだけです。
『吉田一郎 市政レポート』のバックナンバーや、市議会での動画集が、インターネットでご覧になれます!
2018年1月特別号(4)
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浦和美園~岩槻
地下鉄建設計画

「17年度建設着手」にこだわる清水市長
現実離れのデータ配布で、採算予測の捏造迫る
 清水市長が今年度中に建設に着手すると宣言していた浦和美園~岩槻の地下鉄7号線。これまでに行った採算予測は「国の基準を満たせない」という結果でした。清水市長は調査のやり直しを命じましたが、現実無視のデータをもとに、無理やり「採算性あり」という結果を出そうとしています。
専門家に配布したデータ 岩槻への地下鉄建設について、市が専門家を集めて行った採算予測では、B/C(費用対効果、1以上が黒字)は11年度が0・86、14年度は0・78、16年度は0・70と、調査をするたびに悪化。国の基準である「開通後30年以内に黒字転換」は不可能でした。
 清水市長は昨年9月に再び専門家を集めて地下鉄7号線延伸協議会を結成し、調査やり直しを命じました。
 しかし私が専門家らに配布された資料を確認したところ、現実離れしたデータが多いことが判明。12月21日の広域的交通ネットワーク特別委で追及しました。

 工期短縮でコスト削減
 用地買収1年で完了?

 浦和美園~岩槻(7・2km)のうち、両駅周辺を除く大部分は地上の高架橋を走る計画です。
 工事費は14年度調査では870億円でしたが、市は「工期を短縮して、着手から9年目に開通させると、860億円で済む」という資料を出しました。
 ところが、資料には「用地買収を1年間で終える」とあります。

吉田一郎 天沼の産業道路バイパス(670㍍)は、10年経っても用地買収が終わっていない。7㎞の区間を1年で用地買収を完了するのは、現実的なのか。
東部地域鉄道戦略部参事 全体的な資料の確認も含めて訂正したい。
吉田一郎 しかも住民説明会を始めた瞬間から、地上区間の土木工事を始めると書いてあるが、可能だと思っているのか。
東部地域鉄道戦略部参事 見直しを図らなければならないと認識しています。
吉田一郎 工期短縮による建設費の圧縮は、現実には不可能ということもあり得ると理解していいか。
東部地域鉄道戦略部参事 最終的な結論はまだ出ていないので、委員の意見を踏まえて進めたい。

 日本人の歩行速度UPで
 野田線から乗換客激増

 市が専門家に配布した将来の乗客数は1日2万0500人ですが、うち東武野田線から東京方面への乗換客が9400人で、14年度より2500人も増えると予測。その理由を「岩槻駅に地下連絡通路を建設し、野田線との乗換時間が3・7分から2・8分に短くなる」と説明しています。

吉田一郎 地下連絡通路の建設で、コストは14年度試算よりいくら増えるのか。
東部地域鉄道戦略部副参事 14年度も同じ構造の地下連絡通路ありで試算した。
吉田一郎 じゃあなぜ乗換客が、今回の予測では2500人も増えるのか。
東部地域鉄道戦略部副参事 乗換時間が速くなったから。
吉田一郎 意味不明だ。日本人の歩く速度が、3年前より速くなったのか。
東部地域鉄道戦略部副参事 前提条件について各委員と調整を取る中で確認する。【動画で見る】

 「吉田プラン」の実現
 無視して乗換客を試算

 地下鉄の採算予測が悪化し続けたのは、岩槻の人口減少に加え、上野東京ラインの開通で、大宮経由で東京へ向かう人が増えると予想されたからです。
 さらに私が13年の市長選を通じて提案した野田線と伊勢崎線の直通運転(吉田プラン)を、東武鉄道が本格的に実施すると発表したことで、地下鉄利用者は一層減ると予想されます。
 しかし市は11月28日の鉄道分科会で、「吉田プラン」の資料を専門家に配りませんでした。
 そこで私は12月4日の一般質問で追及しました。

吉田一郎 野田線から地下鉄への乗換客が1日2500人増えるというデータは、野田線と伊吉田一郎議員勢崎線の直通運転実施を無視したのか。
真々田都市戦略本部長 直通運転は勘案していない。
吉田一郎 「他路線の動向」として、神奈川県の相模鉄道とJR・東急との直通運転や、小田急線の複々線化のことは資料に載っているのに、野田線と伊勢崎線が載っていないのはなぜか。
真々田都市戦略本部長 小田急や相模鉄道は開業時期が明確だから載せた。
吉田一郎 野田線と伊勢崎線の直通運転は詳細が明確でないから載せないと言うが、岩槻駅で東武のホーム下に地下連絡通路を作るのは、東武と協議したのか。
真々田都市戦略本部長 今のところ協議していない。

 地下鉄建設に都合が良いデータは現実離れや不確定なものも載せ、都合の悪いデータは載せないという市の資料に、専門家からも不満の声が挙がっています。
 おかしなデータをもとに、岩槻への地下鉄の採算性を捏造させ、建設を強行する清水市長のやり方は、阻止しなくてはなりません!

地下鉄建設を強行するために
岩槻城の復元を画策
●「2つ目の人形博物館」で採算予測水増し
 地下鉄の採算調査の結果を良くするため、清水市長は岩槻にハコモノを集中建設しようとしています。
 11月に岩槻区役所跡地で37億9000万円をかけて岩槻人形博物館を着工。年間来場者数の見込みは7万4122人(うち観光客は2万3133人)で、毎年1億2000万円の赤字が出ると予測されています。
 12月議会では、人形博物館に隣接して「にぎわい交流館いわつき」を建設する補正予算案を提出しました。内容は人形作りの体験コーナーなどで、事実上「2つ目の人形博物館」です。
 総工費は2億8000万円、経費は毎年5000万~6000万円で、市は年間来場者数を15万人と説明していますが、その根拠は「人形博物館の来場者7万4000人に加え、岩槻駅の観光案内所の来訪者年間3万人を倍にしたいから」という曖昧なものです。
 人形博物館に来た人が全員にぎわい交流館へ行くわけはありません。観光案内所の来訪者が2倍になる理由が不明なら、人形博物館の来場者と重複することも無視。それに体験コーナーは市内小中学生の社会科見学が多いはずです。
 私は12月22日の本会議で、にぎわい交流館の来場者数見込みのデタラメさを批判するとともに、「地下鉄の採算をでっち上げるための建設だ」と批判しましたが、実際に12月26日の地下鉄7号線延伸協議会では、市は専門家に「にぎわい交流館の来場者数15万人をもとに、地下鉄の採算予測をするように」と注文をつけています。

●「3つ目の人形博物館」に岩槻城も建設
 もともと人形博物館は岩槻城址公園周辺に建設する予定で、市は12億円かけて用地買収3つ目の人形博物館に岩槻城も建設をしていました。その後、人形博物館は岩槻区役所跡地に変更になりましたが、市は城址公園周辺には人形作り体験コーナーを中心とした「2つ目の人形博物館」を建てると発表していました。
 人形作り体験はにぎわい交流館で行うことになりましたが、市は岩槻城址公園周辺にも「3つ目の人形博物館」を建設して、こちらはもっと本格的な人形作りを学ぶ施設にすると言っています。
 さらに12月5日の本会議では、清水市政は岩槻城址公園周辺に岩槻城を復元して建設する検討を、全庁的に開始したことを明らかにしました。
 地下鉄建設を強行するためなら城まで建てるとは、まさに「バカ殿ご乱心」です!

●「観光客誘致」で岩槻に補助金大盤振る舞い
 地下鉄建設の採算性を水増しするために、清水市政は岩槻のイベントに補助金を乱発しています。
 その1つが2013年から始まった「鷹狩り行列」です。9月28日の決算特別委で、私が問いただしたところ、昨年度の開催費用1060万円のうち、市の補助金が9割以上の992万円を占め、集まった協賛金はわずか29万円でした。岩槻区役所は「今年の協賛金は大幅に増えた」と釈明していましたが、それでも40万円です。
 また私は9月29日の決算特別委で、地下鉄7号線建設促進のためと称して市民団体が主催した「日光御成街道ふれあいウォーキング」に出した補助金100万円が、パンやバナナの大量購入に充てられていたことを暴露しました。
「岩槻を訪れる観光客は多い」と装うために、多額の補助金をつぎ込むのは、税金の無駄です。【関連動画】
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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