2017年3月特別号 (1)
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2017 清水予算
大宮の都市開発予算が2億円多いと思いきや
施設整備は浦和が200億円上回る
 合併以来16年間、これまで大宮の都市開発予算は、浦和より圧倒的に少ない状態が続いてきました。新年度予算では、初めて大宮の都市開発予算が浦和を少し上回り、新聞各紙は「大宮駅再開発に重点」と報道しましたが、公共施設の整備予算は浦和に7倍近くも配分し、浦和優先の予算格差はますます広がっています。

「大宮優先だ!」と
浦和の議員が大騒ぎ

 2月13日の本会議では、浦和の議員が「大宮の予算が非常に多い」「大宮優先だ」「地域バランスが取れていない」「予算が大宮に全部行っちゃうのか不安だ」「大宮は池袋のような街にすべき」と繰り返し追及。
 清水市長は「浦和駅西口では南高砂の再開発も大きく進展させる」「地域バランスは取れている」と弁明し続けていました。
 果たして「大宮優先」なのでしょうか。私は2月20日の総合政策委で、合併以来これまでの都市開発予算の累計額を確認したところ、市街地再開発では浦和517億円に対して、大宮はたった12億円でした。
 さらに湘南新宿ラインを浦和駅に停めるための高架化事業(441億円+60億円分の土地譲渡)や新浦和橋の通行料無料化(33億円)を加えると、1000億円以上の差がついており、格差は縮まっていません。

施設整備の予算額は
浦和が大宮の8・5倍?

 さいたま市は、郊外に4つの副都心(北部拠点宮原、武蔵浦和、浦和美園、岩槻)を整備しています。
 16日の本会議では、戸島義子議員(共産・見沼区)が、合併以来の副都心ごとの都市基盤整備の累計額を追及し、北部拠点宮原は武蔵浦和や浦和美園よりも1ケタ少ないことが判明しました。
 ステラタウンから日進にかけての北部拠点宮原は、大宮市が「未来の大宮の中心地」を計画しましたが、さいたま市は4車線道路も途中で中断して放置しています。
 施設整備予算では、浦和の事業が目白押しで、このうえ清水市長は、2月議会で浦和美園に大学病院を誘致するための土地購入費(約60億円)を追加提出する意向と報道されました。
 そうなると浦和300億円vs大宮35億円という、前代未聞の差になります。
 市役所が浦和にある限り、「さいたま市の中心=浦和」が既成事実化され、各種公共施設の整備が浦和に集中しているのが実態です。

旧4市の財布を分け
偏りなくす仕組みを

 合併前の大宮市の市税収入は、浦和市よりも毎年20~50億円上回っていました。
さいたま市になり、大宮の税収が浦和の都市開発や施設建設に使われています。
 そこで私は2月20日の総合政策委で提案しました。

吉田一郎 「大宮の予算が少ない」「浦和が少ない」というやり取りが続くより、タッチゾーン方式を導入すべきだ。つまり旧4市別にその地域の税収を上限に、その地域の予算を決める仕組みは、法的に可能か。
財政部長 法的には導入が可能だと考えられる。
吉田一郎 実際にやっている自治体はあるのか。
財政部長 北九州市やつくば市、いわき市。
吉田一郎 なぜさいたま市はやらないのか。
財政部長 本市は総合振興計画に基づいて、地域偏在のないバランスの取れた街づくりを推進している。
吉田一郎 市街地再開発の累計額が、浦和517億円に対して大宮12億円でバランスが取れていると、財政部では認識しているのか。
財政部長 中長期的に総合振興計画で位置づけされ、それに基きやっているので、バランスは取れている。

 中長期的に「浦和優先」で位置づけされているのなら、大宮住民が納めた税金を、大宮の街づくりや大宮住民のために使うには、地方自治法第7条に基づいて、合併を解消し大宮市を復活させるしかありません。

   2017年度の都市開発予算
【旧浦和市】
 浦和駅西口南高砂市街地再開発 21億0169万円 
 浦和駅鉄道高架推進  1629万円
 浦和駅中ノ島地下通路整備 5億1549万円 
 西浦和駅周辺まちづくり推進  380万円
 武蔵浦和駅周辺まちづくり推進 1338万円 
 東浦和第二地区土地区画整理 19億1704万円 
 浦和東部第一特定土地区画整理 27億6300万円 
 浦和東部岩槻南部地域整備推進 7億8577万円 
 大門下野田特定土地区画整理  2億2600万円
 旧浦和市計 83億4246万円 
 
  【旧大宮市】
大門町2丁目中地区市街地再開発  39億5900万円 
大宮駅東口北側開発  641万円 
 大宮駅周辺地域戦略ビジョン推進 1億3864万円 
大宮駅西口第三地区まちづくり推進  1億5534万円  
大宮駅西口第四地区土地区画整理  22億5500万円 
大宮駅西口第五地区まちづくり推進  3313万円 
 桜木駐車場用地活用 3047万円 
日進駅周辺まちづくり推進  2億1863万円
西大宮駅周辺まちづくり整備   9億2569万円 
指扇土地区画整理  8億3900万円
大和田駅北口周辺まちづくり推進  2201万円  
 旧大宮市計  85億8332万円 
 
 【旧与野市】 
与野駅西口土地区画整理  6202万円 
 与野本町駅周辺まちづくり推進 701万円 
南与野駅西口土地区画整理  10億4300万円 
南与野駅西口まちづくり推進  1億7797万円 
さいたま新都心(西口)賑わい創出  9543万円 
旧与野市計  13億8543万円 
 
【旧岩槻市】 
岩槻駅西口土地区画整理  4億1215万円 
岩槻駅周辺まちづくり事業  1185万円 
江川土地区画整理  4億1700万円 
南平野土地区画整理  1900万円 
旧岩槻市計  8億6000万円 

 合併以降の都市開発予算総額
  市街地再開発  土地区画整理 
大宮   12億2100万円 601億4800万円 
浦和  516億9600万円  804億9700万円 
 与野  21億7000万円 105億7600万円 
 岩槻  0円 217億9400万円 
  
副都心の都市基盤整備の予算総額  
   2015年度まで (16年度と17年度) 
 北部拠点宮原 148億円  0億円 
武 蔵 浦 和  1131億円  148億円 
 浦 和 美 園 1107億円  102億円 
 岩    槻 254億円  13億円 

2017年度の施設整備予算
   【旧浦和市】
 浦和市役所耐震補強  23億0995万円
 子ども総合センター建設 39億9060万円 
 曲本保育園建て替え 3億1149万円 
 見沼通船堀公園整備 2億1441万円 
 市立病院施設整備等 65億0709万円 
 高等看護学校施設整備 2億1794万円 
 市営道祖士戸崎団地建て替え 6106万円 
 スマートホームコミュニティ整備 1億8265万円 
 見沼グリーンセンター大規模修繕 2億7846万円 
下水処理センター耐震・長寿命化   14億3416万円 
 消防庁舎中規模修繕 6億0231万円 
 美園小学校仮設校舎賃借 1億2751万円 
浦和東部小学校建設  19億0940万円 
 浦和東部中学校建設  52億0905万円
 仲町小学校増築 3億1714万円 
 旧浦和市計  236億7322万円
   
 【旧大宮市】
 大宮区役所新庁舎整備 4億5404万円 
 アーバンデザインセンター大宮設置 3241万円
 高木第二最終処分場水処理施設 1583万円 
 新サーマルエネルギーセンター整備 5750万円 
 東日本連携支援センター開設準備 3704万円 
 大宮花の丘農林公苑施設修繕 2156万円 
 東楽園再整備 700万円 
 宝来グラウンド・ゴルフ場整備 2億0359万円 
天沼保育園建て替え  2億0437万円 
 北袋1丁目防災公園整備 4億6258万円 
 大宮第2タクシープール移設  3509万円
 長距離バスターミナル整備検討 2032万円 
 七里駅舎改修 1102万円 
 市営峰岸住宅建て替え 4億0238万円 
 芝川見沼伏越場改修 2億1000万円 
 流域貯留浸透事業 2916万円 
 片柳消防署整備 12億9931万円 
  旧大宮市計 35億0320万円 
   
 【旧与野市】
 与野中央公園整備  279万円
 高沼用水路整備  2億6872万円
 与野本町小学校複合施設整備 6937万円 
  旧与野市計 3億4088万円 
   
 【旧岩槻市】
 岩槻駅舎改修事業 339万円 
 岩槻人形博物館整備 2億5755万円 
 老人福祉センター中規模修繕 1億7427万円 
 春日部税務署岩槻宿舎解体 1億2020万円 
岩槻消防署移転  6466万円 
 柏崎消防分団車庫建て替え 1889万円 
 市営黒谷住宅解体 644万円 
 真福寺貝塚整備 1億9198万円 
 旧岩槻市計 8億3738万円 
吉田一郎市政報告会 3月26日(日) 14:00~16:00 プラザノース第4セミナールーム(入場無料)
2017年3月特別号(2)
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●大震災での火災リスク、大宮東口や南銀が安全!?
 再開発が進まず、木造飲食店が密集する大宮駅東口で、心配なのが火災の発生です。糸魚川で大火があった昨年12月22日夜に、旧中山道沿いの「いきなりステーキ」から出火。消防車18台が出動しましたが、隣接するとんかつ屋や美容院も全焼しました。
 さいたま市では、首都圏直下型地震を想定して「防災カルテ」を作成し、地区ごとの火災リスクを公表していますが、東口駅前や南銀一帯は「ほとんど被害ゼロ」という想定になっています。
 一体どういうことなのか、私は2月20日の総合政策委員会で問いただしました。

吉田一郎 東口駅前や南銀は木造の飲食店が密集していて、火災のリスクは一番高いはずだ。
危機管理部長 飲食店は出火リスクは高いが、準防火地域なので耐火建築物もあり、延焼リスクは低い。
吉田一郎 年末の火災では消防車が18台出動しても、2軒延焼した。震災で消防車は来れるのか。
危機管理部長 消防力で食い止められないと延焼するが、燃え尽きることも見込んで想定している。
吉田一郎 南銀の路地は普段でも消防車が入れない。
危機管理部長 店にはスプリンクラーが義務づけられており、初期消火ができる比率が高い。
吉田一郎 住宅地なら住民同士が協力して初期消火ができるが、飲食店では震災で客は逃げてしまう。

 私は出火リスクも合わせて掲載するよう提案し、危機管理部では「市民にわかりやすいリスクの表示方法を研究する」ことになりました。

●保育所の事故防止カメラ、認可外にも設置を【関連動画】
 清水市政は2月議会で、保育所でのカメラ設置に補助金5800万円を出す補正予算を提出。2月8日の本会議で審議されました。カメラ設置の目的は、防犯のほか保育所での死亡事故の防止や検証のためです。
 保育所には、国の基準に基づいた認可保育所と、それ以外の認可外保育施設があります。カメラ設置の補助が出るのは、認可保育所(設置費用の75%)と認可保育所への移行を目指している認可外保育施設(設置費用の全額)で、認可保育所への移行を目指していない認可外保育施設には出ません。
 そこで私は、2月8日の本会議で問いただしました。

吉田一郎 認可保育所への移行を目指しているかどうかは、どう判断するのか。
菅野子ども未来局長 補助の申請の際に、移行計画書を提出してもらうことで判断する。
吉田一郎 「移行を目指しています」と補助金をもらって、結局移行を止めた場合はどうなるのか。
菅野子ども未来局長 移行できなくても、補助金の返還を求める規定はない。

 2015年に全国の保育所で起きた死亡事故は、215万人が預けられている認可保育所で2件、27万人が預けられている認可外保育施設で9件です。事故の発生確率では、認可外が36倍近く高いことになります。
 認可外は保育料が高い一方で、保育時間が長かったり、駅前にあったりで、必要としている家庭もあります。私は8日の本会議で「現実に事故が多い認可外にこそ、市が独自に補助を出してカメラ設置を促すべきだ」と提案し、不十分な補正予算に反対しました。

舘岩少年自然の家の新館建築工事
業者の言いなりに材質落とし予算は追加
 大宮市が82年に建設した舘岩少年自然の家。さいたま市は浦和市が73年に建設した赤城少年自然の家を閉鎖して、舘岩に新館を建設しています。
しかし業者の言うがままに材質を落としたり、設計ミスや地質調査の不足で工事が遅れ、来春の新館オープンが危ぶまれています。
【関連動画】

 館岩少年自然の家は南会津の約34万㎡の自然豊かな敷地に、傾斜を利用した特徴的な建物が配置されています。収容人数は360人で、大宮の小中学生が林間学校に利用しています。
 市は浦和と岩槻の小学生が利用していた赤城少年自然の家を閉鎖。六日町山の家や、ホテル南郷など保養施設の利用も止めて、林間学校を舘岩に一本化する方針を決めました。
 そこで館岩に、収容人数200人の新館を建設するため、昨年2月3日に予定価格19億円で、建築工事の入札を実施しました。
 しかし21億2700万円で1社が応札しただけで、予定価格を上回ったためやり直しとなり、市は翌4日に仕様を一部変更して再入札を告示。18億9000万円で業者が決まりました。
 予定価格を事前に公表していたのに、業者が落札できない高値で応札したり、市がたった1日で仕様の変更を決めるなど、再入札の経緯には疑惑が残ります。
 まるで業者から事前に「仕様をこう変えれば、19億円で工事ができる」と言われていたかのようです。
 変更内容は、地元産の木材を多用するはずだった床や壁などの材質を落とし、窓枠も木のサッシからアルミサッシに変更。また食堂のテーブルや椅子の設置、駐車場や外構の整備は中止というものでした。
 そこで私は昨年2月9日の総合政策委員会で問いただしました。

吉田一郎 バスの駐車場は砕石舗装を止めて、泥のままでいいのか。食堂はテーブルや椅子も無しで、立ち食い形式に変更するとは思わないが、別の形でお金をかけて工事をするのか。
契約課長 別発注として検討している。

 素材を落として工事費も高くなるのなら、新館建設を1~2年延期しても、入札をやり直すべきです。私は昨年3月10日の連合審査会で確認しました。

吉田一郎 赤城少年自然の家が閉鎖になって、しばらく民間施設を使うのか。
舘岩少年自然の家所長 16年歴と17年度に、47校4千人の子どもが使う。
吉田一郎 民間の施設だと、教育効果は劣るのか。
舘岩少年自然の家所長 舘岩や赤城と同等の自然体験ができることを選定条件にしているので、劣らない。

 私は、「完成を延期しても、子どもたちにとってより良いものを建てるべきだ」と工事契約(電気や機械設備を合わせて総額29億6668万円)に反対しましたが、自民・公明・民主が賛成して可決されました。

不十分な地質調査で
工事遅れ開館延期か

 舘岩は豪雪地帯にあるため、12月から4月末まで工事はできません。
 昨年5月から新館建築が始まりましたが工事が遅れ、11月までに2階床まで完成させるはずが、1階の床が完成しただけでした。
 1月26日の連合審査会で、市は工事が遅れた原因を「直径2㍍の転石(岩の破片)が多数出てきた」と説明しましたが、私は市が着工前に2ヵ所で行ったボーリング調査結果を入手したところ、ゴミやコンクリート片が出てきたものの、転石という記載はありませんでした。

吉田一郎 石が出てきたとか自然が悪いようなことを言っているが、ボーリング調査が2ヵ所だけで不十分だったということか。
建築部長 細かく調査すれば、それにこしたことはなかった。

 また途中で建物の設計条件を変更したのに、実施設計に十分反映されなかったため、工事開始で施工図が作成できないというお粗末な実態も判明しました。
 結局、来春のオープンは間に合いそうになく、工事費は17年度予算で約1億6千万円を追加しています。
 まさに「急いては事を仕損じる」そのものです。

ニューシャトル各駅の駐輪場
ずっと値下げに
 1月末まで「キャンペーン」で24時間100円に値下げしていたニューシャトル各駅の市営駐輪場。私は自転車まちづくり課に値下げを延長するよう求めていましたが、無期限で値下げさせることができました。
 ニューシャトル駅前の市営駐輪場が有料化されたのは、15年11月です。
 清水市政はコンサル会社にコミュニティサイクル(貸自転車)を始めさせるために、その赤字を埋める目的で、ニューシャトル各駅の市営駐輪場の運営を抱き合わせでコンサル会社に移し、有料化したのです。
 一時預かりは10時間ごとに100円で、他の駅の市営駐輪場は1日ごとの料金設定なのに比べて、朝から夜まで停めると200円かかり割高です。
 私は15年9月議会で料金の高さを追及して以来、料金引き下げを要求してきましたが、有料化後は駐輪場の利用者が激減。アテが外れたコンサル会社は、昨年秋から「24時間100円」の値下げキャンペーンを始めていました。
 住民の利便性をまったく無視した料金設定は、結局は破たんするのです。
GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/
2017年3月特別号(3)
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採算性良好
与野~上尾南の高速は首都高に
出資金は開通後38年で配当つき返済
 私は07年に議員になってから、新大宮バイパスの中央に半世紀前から確保してある用地を使い、首都高を宮前町まで北へ伸ばすよう提案してきました。昨年春、国が新規事業(新大宮上尾道路)として採用し、宮前町の先の上尾南まで、2027年度の開通を目指した建設が決まりました。私は2月議会で、建設費や市の負担、採算性などを明らかにさせました。

首都高による経営で
東京への通行料安く

 国が高速道路の建設を決めても、誰が経営するかは決まっていませんでした。
 圏央道と同じ東日本高速が経営すると、与野から北は別料金となり、東京から来る車は与野で降りてしまい、大宮の渋滞緩和にはなりません。
 そこで昨年6月2日の一般質問で、私は首都高が経営するように求めました。

吉田一郎 経営主体が決まらなければ、測量の予算が出せない。上尾南まで首都高が経営すべきだと思うが、市は国や県、そして首都高に言っているのか。
金井建設局長 早期具体化を国に対し要望していく。

 こうして12月に、国交省の社会資本整備審議会で「首都高による経営が妥当」となり、首都高も了承。東京方面へ通し料金で通行できることになりました。

1日3・7万台通行
費用対効果2倍以上

 上尾南までの高速道路の総事業費は約2千億円ですが、心配なのは採算性です。17年度予算では、2千万円の出資金が計上されましたが、私は2月16日の本会議で確認しました。

吉田一郎 さいたま市の負担額と、費用対効果は。
金井建設局長 本市の負担は452億円で、B/C(費用対効果、1以上が黒字)は2・2。
吉田一郎 出資金はいつ回収できるのか。利益の配当はどうなるのか。
金井建設局長 2065年(開通の38年後)に返還され、剰余金(利益)も配分される。【動画で見る】

 新大宮バイパスを走るトラックなどが首都高に移り、通行量は1日3万7千台と予測されています。
 B/C(費用対効果)が0・78で赤字確実な岩槻への地下鉄建設とは異なって、上尾南までの首都高建設は、採算性も十分です。

首都高の開通までに
周辺道路整備を要望

 大宮西署の南側に、宮前南インター(仮称)が設置される予定ですが、周辺の道路を整備しなければ、インター周辺が渋滞してしまいます。

吉田一郎 10年後の開通までに、自衛隊通りや指扇宮ヶ谷塔線など、アクセス道路を整備すべきだ。17年度は予算をつけたのか。
金井建設局長 予算計上はしていないが、次期道路整備計画で考慮する。

 自衛隊通りはバイパスの西側は500㍍先で途切れ、大宮北部を東西に貫く都市計画道路・指扇宮ヶ谷塔線(旧サティ北側の道)は、30年前に国道17号~旧中山道の区間が整備されただけです。
 高速道路だけ作って、インターへ向かう道路を作らないのでは無責任です。
 首都高の開通に向けて、新大宮バイパスと産業道路を一本で結ぶ道を実現できるよう、私は引き続き頑張ります。

採算性絶望
清水市長「17年に建設着手」と宣言したはずが
岩槻への地下鉄は事実上無期延期
 沿線開発を含めると3000億円以上かかると言われる岩槻~浦和美園の地下鉄7号線建設計画。
 清水市長は12年10月1日の本会議で「これまでの検討段階から、実行段階に移行した」と言い、5年後(=2017年)に建設に着手すると宣言しました。
 そして翌月、「浦和美園~岩槻成長・発展プラン」を策定し、沿線に開発予算を集中させながら、15年7月に専門家による採算予測を発表しました。
 その結果は、B/C(費用対効果、1以上が黒字)が0・78で、11年度の試算(0・9)よりも悪化。
 開通後も毎年赤字が続き、国の建設基準(都市鉄道等利便増進法が適用できる基準)の「開通後30年以内に黒字転換」は完全に不可能だと判明しました。
 さらに東武野田線と伊勢崎線の直通運転(吉田プラン)が今年4月から実現し、東京都心から岩槻へ通勤特急が走ります。
 地下鉄7号線の採算見通しは、ますます暗くなるばかりです。
 清水市長の「着手宣言」から、今年で5年目です。私は2月16日の本会議で問いただしました。

吉田一郎 清水市長はかつて「2017年に建設に着手する」と宣言していたが、具体的にいつ建設に着手するのか。今年着手するつもりはあるのか。
高橋都市戦略本部長 具体的にいつ着手するかは答えられない。都市鉄道等利便増進法が適用できる環境が整い次第、鉄道会社と協議を進め、一日も早い事業着手を目指したい。【動画で見る】

 さすがに無謀な年内着手は諦めたようです。「国の基準での黒字転換は不可能」という調査結果が出ているのですから、「一日も早い事業着手」はしょせん絵に描いた餅です。

実現しない地下鉄に
今年138億円浪費

 地下鉄の建設着手は不可能になったのに、清水市長は岩槻人形博物館の建設や、岩槻~浦和美園の快速バス運行など、関連予算を投入し続けています。

吉田一郎 「浦和美園~岩槻成長・発展プラン」に位置づけられた43方策の、17年度の予算総額は。
高橋都市戦略本部長 概算で約138億円。

 16年度の96億8100万円と比べ、4割以上もアップしています。
 このままでは建設できない地下鉄のために、トータルで数千億円もの税金をつぎ込むことになります。
 まさに税金をドブに捨てるようなものです。

 「吉田プラン」で通勤特急
 東武が4月21日から運転開始
 私はかねてから「財政破綻を招く岩槻への地下鉄建設の中止」を主張し、かわりに東武野田線と伊勢崎線を直通運転して、岩槻と東京都心を一本で結ぶ「吉田プラン」を提案。2013年の市長選に出馬して全国的に報道されたことで、東武鉄道は翌14年の中期経営計画で、野田線と伊勢崎線の直通運転と、大宮~春日部間の急行運転を実施すると発表しました。
 昨年3月のダイヤ改正で、急行(途中は岩槻のみ停車)の運転が始まり、今年4月21日のダイヤ改正では、野田線と伊勢崎線を直通運転する通勤特急「アーバンパークライナー」の運転が始まります。
 浅草発は20時30分と21時30分で、とうきょうスカイツリー、北千住、せんげん台、春日部~岩槻の各駅に停車して、大宮着は21時28分と22時31分。折り返しで大宮22時43分発運河行きも運転されます(春日部までノンストップ)。特急料金は浅草発が410円(せんげん台以降からの乗車は料金不要)、大宮発は310円(春日部以降からの乗車は料金不要)です。
 私は引き続き、特急料金がいらない急行や普通電車の直通運転や、19年度までに野田線と同じ規格の車両(4ドア20m車)に交換される地下鉄日比谷線への乗り入れを東武と交渉するよう、市に求めていきます。
『吉田一郎 市政レポート』のバックナンバーや、市議会での動画集が、インターネットでご覧になれます!
2017年3月特別号(4)
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大宮駅グランドセントラルステーション化構想
全力追及で大宮駅北口の計画復活へ 
住民が駅まで行きやすく、再び買い物できる街に!
 大宮再生の切り札になる
 線路上に北口と新しい街

 大宮駅東口はかつて埼玉随一の商業地として賑わっていましたが、ここ10年足らずでロフトや十字屋、長崎屋、中央デパートが次々とパチンコ屋になり、地元商店もどんどん呑み屋に変わって、東口全体の「南銀化」が進んでいます。
 過去数十年の間に、東口駅前を再開発しようという計画はありましたが、駅前商店街が反対して頓挫。買い物客は激減し、銀座通りの歩行者数は過去10年間で3割減少、駅前通り(高島屋の向かい側)の歩行者は7割も減少しました。
 そこで新しい大宮の玄関口を作ろうという計画が、大宮市が「大宮都心構想」の1つに掲げていた大宮駅北口の建設です。
 大宮駅と大栄橋の間の線路上に人工地盤を作れば、銀座通りと旧中山道との間に匹敵する広大な空間が生まれます。ここに北口広場やデパート、ホテルなどを建設すれば、新たな街が生まれ、東口~銀座通り~北口~ソニックシティ~西口の回遊ルートが形成されて、中心街の活性化が図れます。
 旧16号の東西や、旧中山道と国道17号を北から来るバスやタクシーは、大栄橋を通って直接北口に入れるようになり、土手町・高鼻町・大成町などの住民も大宮駅までの所要時間が大幅に短縮され、東口周辺の渋滞緩和の切り札になります。また北口改札ができると、東武野田線やニューシャトルとJRとの乗り換えも格段に便利になります。
 大宮都心構想では、鉄道工場向かいに北口の拠点となる文化ホールなど複合公共施設を建てる計画(西口都心北側拡大計画)も盛り込まれ、大宮市は鉄道病院跡地(現:市営桜木駐車場)を240億円かけて購入しました。

 市に重要性認識させるも
 東口商店街の難癖で頓挫

 合併で01年に成立したさいたま市は、浦和駅周辺の開発は浦和市の計画を引き継ぐ一方で、大宮都心構想は忘れられた存在になりかけていました。
 私は合併直前に大宮市のHPに掲載されていた大宮都心構想のページをすべて保存。「大宮市亡命市役所」というHPを作り、公開し続けています。
 07年に市議に当選してからは、再三にわたって大宮都心構想の復活、特に北口建設の重要性を力説。清水市政は「時代が変わった(10年9月議会)」といったんは計画を放棄しようとしていましたが、11年9月議会では「今後の大宮駅東口を考えると、北口も非常に有効なもの」「鉄道会社と接触していきたい」と、前向きに変えさせました。
 現在、清水市政は「大宮駅グランドセントラルステーション化構想」を策定しようと、昨年8月から市と国や県、鉄道会社、学識経験者や東口商店街をメンバーに、推進会議を開催しています。
 線路上に北口広場を作り、バスターミナルやビルを建設する提案について、JRは「ハードルは高いがアンタッチャブルではない」と積極的な姿勢を見せていましたが、東口商店街の委員が「大栄橋から線路を眺める光景こそ大事にすべきだから無理」などと難癖をつけて妨害。今年1月に発表された整備方針(案)では、北口の建設は盛り込まれず、一番街とJACK大宮の間に東西連絡の歩道を作り、それに面して改札を作る程度の案に縮小。線路の上に広場を作るどころか、線路を眺める「視点場」の設置が盛り込まれました。

 地権者はJRのはずだ!
 復活目指し粘り強い追及

 2月3日の大宮駅機能高度化小委員会で、私は鶴崎敏康副委員長(自民・見沼区)の了解を得て、北口計画を復活させるべく、追及を重ねました。

吉田一郎 この整備方針(案)には一番肝心なもの、つまり大宮駅を日常的に使う住民の利便性が抜けている。大宮駅に行くのに何が問題で、どう整備したら使いやすくなると思っているのか。
東日本交流拠点整備課長 大宮駅までのアクセスが、バスも含め十分な道路交通が確保されていない。
吉田一郎 その通りで、私も幼稚園に入る前から50年間、赤芝から大宮駅までバスがいつ着くのかわからない状態だ。片柳から来る人も同じだと思う。大宮駅を利用する人にとってのそのような問題は、これまでの推進会議で話が出たことはあるのか。
東日本交流拠点整備課長 恐らくなかった。
吉田一郎 大宮駅を毎日利用している大宮区や西区、見沼区、北区の住民の意見を言う人が、推進会議には1人も入っていないのか。
東日本交流拠点整備課長 地権者の合意形成が大きく影響を与えるので、推進会議には地権者の団体の代表者に入ってもらった。
吉田一郎 東口の再開発は東口の地権者が合意しなければ進まない。だから大宮市の頃から何十年も進まないできたが、大宮駅の地権者はJRのはずだ。なぜごっちゃにしているのか。整備方針(案)ではなぜ北口の計画が抜け落ちたのか。
東日本交流拠点整備課長 北口は、市としても実現に向けてどの位置だったら作れるのか、費用対効果はどうか、鉄道会社と調整を進めていきたい。
吉田一郎 ではJRと協議して、大栄橋に面して北口を作るのは、技術的に経済効果や資金的に可能だとなったら、北口計画が再び出てくる可能性はあるのか。
東日本交流拠点整備課長 検討の結果、そういう結論になれば可能性もあると思う。
吉田一郎 これまでの推進会議で、東口商店街の委員が「大栄橋から線路を見る光景は、鉄道マニアにとって大事だから無理」とか、「線路の上は1日3時間しか工事ができないから非現実的」などと言って、北口計画に反対する意見を言っているが、今後の協議によっては変わると理解してよいか。
東日本交流拠点整備課長 そういうことも有り得る。
吉田一郎 第3回の推進会議で、東口商店街の委員が「プラスになることならいいが、マイナスになることは決して困る」と発言している。こういう利害当事者を委員にしているのは、おかしいのでは。
東日本交流拠点整備課長 現在の整備方針はあくまで(案)なので、追記や修正も考えている。これから市民からもさまざまな方策で意見をいただきたい。
吉田一郎 線路の上に新しい北口広場やビルを作ったり、デパートを誘致する場合の地権者は誰か。
東日本交流拠点整備課長 線路の上は鉄道会社だと考えている。
吉田一郎 ということは、地権者との合意は、JRがいいと言えばいいのですね。
東日本交流拠点整備課長 これから事業主体や重用負担についての詰も出て来るので、JRに対して市も相応の責任として意見は言っていく。
吉田一郎 東口駅前が呑み屋、パチンコ屋、ゲーセンばかりになっているが、私が子どもの頃「大宮へ行く」と言って買い物したように、北口や新しいデパートを作って再び買い物ができる街にしてほしい。基盤整備にあたっては、利害関係にある東口商店街は抜きにして、鉄道会社と国と市との間で、積極的に大宮の新しい玄関口の実現のために、頑張っていただきたい。ラストチャンスだと思うので。
東日本交流拠点整備課長 私も吉田委員と同じように、大宮駅東口は旧態たる状態になっているので、最後のチャンスだと思って一生懸命やりたい。

 他の議員も北口開設迫り
 市長も取り組むと答弁へ

「北口計画の復活は有り得る」ことを確認した私の追及を受け継いで、2月13日の自民党代表質問では、鶴崎副委員長が清水市長に大宮駅北口の建設を、迫りました。

鶴崎議員 北口の開設が整備方針(案)に書かれていない。一体なぜか。
清水市長 北口開設は地元の大きな期待を受け、大宮駅周辺の賑わい創出や回遊性の向上につながると考えており、鉄道会社をはじめとする関係者と調整を進め、北口開設に向けて積極的に取り組む。
鶴崎議員 新宿駅のように、線路上空をバスターミナルとして活用すべきだ。
清水市長 提案の内容も可能性の1つとして考えながら、駅と周辺の交通アクセスをいかに円滑に繋いでいけるかを、しっかりと検討していきたい。

「大宮駅グランドセントラルステーション化構想」の推進会議は、4月から2つの部会に分かれ、大宮駅高度化は基盤整備推進部会で具体策を話し合います。そのメンバーは市と国、鉄道会社、バス・タクシー会社、学識経験者、警察で、北口計画の「抵抗勢力」である東口商店街は抜きにして、協議を進めることになりました。
 大宮駅の整備は、安倍首相が昨年「巨大都市圏の玄関口としての機能を果たすことを期待」と国会で繰り返し言及し、国土形成計画の重要項目の1つに位置付けられています。
 国からの支援を得て、大宮を発展させる最後のチャンスを逃さないよう、大宮都心構想の要である北口広場の建設を実現するために、私は引き続き全力で闘います!
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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