2017年1月特別号 (1)
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バカ殿まつり
トリエンナーレの
寄付集め、目標の20分の1以下
自民・共産・吉田一郎の共同提出で中止・見直しを可決

「バカ殿まつりのような芸術祭」と批判したトリエンナーレが、12月11日に終了しました。会期2ヵ月半の来場者数は目標の半分、集まった寄付は目標の20分の1以下に過ぎない一方で、経費は当初の説明の10倍以上に膨れ上がっています。
 市はトリエンナーレ実行委企画の来場者を、20万人と見込んでいました。
 しかし実際には、半分の約10万人で、岩槻会場は予想の4分の1、大宮会場はわずか7分の1でした。
 清水市長は市民から寄付を募り、トリエンナーレの経費の一部に充てようと、15年度と16年度にそれぞれ1千万円ずつ集める目標を掲げていました。
 私が9月8日の本会議で確認したところ、15年度の寄付は36件・55万0016円で、お礼の品等の経費に26万0517円かかったことが判明しました。

吉田一郎 寄付を集めた担当職員の人件費分(約20万円)も含めると、トリエンナーレの寄付収入は、実際には10万円もなかったということか。
原財政局長 議員ご指摘の通りです。

 今年度の寄付は、12月末までで20件・39万5029円しか集まっていません。

  トリエンナーレの来場者数
   ●与野~大宮エリア  (目標8.5万人)  
    市民会館おおみや     6916人   
    大宮区役所     7551人   
   ●武蔵浦和エリア (目標3.5万人)   
    旧部長公舎   1万1206人   
    西南さくら公園   5万1106人   
   ●岩槻エリア (目標7.0万人)   
     旧民俗文化センター   1万5269人   
     K邸   2331人   
   ●期間限定イベント (目標1.0万人)   
      1万3379人   
       
    合計 10万7758人   

1億円も不要のはずが
上限決めず予算10億超

 経費は昨年度と今年度で8億円、担当職員の人件費を加えると、10億円を大きく上回ります。
 清水市長が新たな文化芸術事業(=トリエンナーレ)を開催すると言い出した11年2月9日の市民生活委で、私は経費について念を押していました。

吉田一郎 これは何億円、何十億円単位の多額の支出も想定しているのか。
文化振興課長 新たな文化芸術事業をやるに当たっては、そんな何億円という金額はかからない、できるだけ安くお金のかからない芸術祭を考えています。

 何億円もかからない=数百万円か数千万円で行うはずだったトリエンナーレが、どうして10億円以上に膨らんだのでしょう。
 総合政策委で参考人招致した総合責任者(ディレクター)の芹沢高志氏は、「全体のことには、ある意味権力がないと言えば、権力がない」と言い、芹沢氏をディレクターに就任させた総合アドバイサーの加藤種男氏は、「予算規模は市や議会が決めたこと」と発言して、責任逃れに終始。
 12月13日の総合政策委で清水市長は、「あらかじめ予算を決めるのは難しく、市全域での開催を重視して積み上げていった結果」だと、上限を考えずにどんどん予算を膨らませた実態を自ら明らかにしました。

議会の決定を無視して
開催こだわる清水市長

 トリエンナーレの担当職員は、国が定めた「過労死ライン」の1・5倍を超える残業を長期的に強いられたことも問題になりました。
 江戸時代のお殿様が、年貢の取り立てにあえぐ民百姓や、振り回される家臣たちのことを顧みず、享楽的な遊びにふける「バカ殿まつり」そのものです。
 トリエンナーレとは「3年に1度開催する芸術祭」の意味ですが、12月議会では、「トリエンナーレやクリテリウムの中止を含めた抜本的見直しを求める請願」を、私と自民党・共産党が共同提出し、22日の本会議で可決されました。
 しかし清水市長は「オリンピックを視野に入れて、開催時期を検討する」と、議会を無視して今後も「バカ殿まつり」を続ける意向を発表しています。
 神戸市は3億円の予算で38万人が来場した芸術祭を1年おきに開催していましたが、当初は7500万円集まっていた寄付が3500万円に減ったため、昨年で中止しました。
 神戸の何倍もの予算を使って2ケタ少ない寄付しか集まらないトリエンナーレを開催し続けることは、あまりにバカげています。

議員年金の復活は許さない!
自民・公明・民進が「復活要望決議」
 市議会議員の年金は、12年以上議員を務めると、65歳以上は在職年数に応じ、さいたま市議会の場合は月額14万4667円~20万2368円が、国民年金とは別に受け取れる制度でした。
 平成の大合併で掛け金を払う現職議員が大幅に減って破綻が確実になり、11年6月に廃止になりました。
 しかし、すでに年金を支給されていた元議員や、当時12年以上在職していた受給資格者は、廃止後も議員年金をもらえることになり、さいたま市では昨年度も2億7488万円の公費負担を続けています。

無投票になった原因は
議員年金廃止のせい?

 廃止から5年半が経って、再び「議員年金が欲しい」という声が挙がっています。12月22日の本会議で、自民・公明・民進が「地方議員の政府管掌年金制度への加入に向けた意見書」を共同提出しました。
 その内容は、近年の無投票当選者の増加は、議員のなり手不足が原因で、多様な人材を確保するために、地方議員を安定した年金制度に加入できるようにして、身分保障を図るよう国に求めるというものです。
 私は提出者筆頭の鶴崎敏康議員(自民・見沼区)を徹底追及しました。

吉田一郎 国民年金は政府管掌年金に含まれないのか。
鶴崎議員 含まれる。
吉田一郎 議員は国民年金には入れないのか。
鶴崎議員 入れる。
吉田一郎 それなら議員は政府管掌年金=国民年金に入れるのだから、この意見書は必要ないはずだ。
鶴崎議員 議員年金を廃止した時、国会で「議員に新しい年金を考える」という付帯決議があがった。だから国に対して早くしなさいという意見書なので、国民年金とは一線を画している
吉田一郎 ようするに、議員を対象に特別な年金を作ってほしいということか。
鶴崎議員 どういう年金かは、具体的に話していない。【動画で見る】

 私は「国民年金の安定こそ国に要望すべき」「ボーナスアップで議員の年収1348万7000円に加え、私と川村議員以外は政務活動費408万円も受け取っているのだから、毎年100万円貯金できるはず」「国民的批判を浴びて廃止された議員年金の復活という、無駄な抵抗はやめるべきだ」と批判しましたが、意見書は賛成多数で可決されました。
 ただし、採決で民進の一部が退席する意向が明らかになると、自民は「うちも退席が出るかもしれない」と言い出し、「お互い退席は2人ずつにしよう」などと、廊下で裏取引を始める有り様でした。
 市民の目が気になるのなら、議員年金の復活はきっばり断念することです。
吉田一郎市政報告会 2月4日(土) 14:00~16:00 プラザノース第3セミナールーム(入場無料)
2017年1月特別号(2)
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市立病院建て替え
421億円の費用は大宮住民も負担するのに
大宮からの通院患者は浦和の6分の1
 さいたま市は、「人の命も浦和優先」と言わんがばかりです。
 大宮医師会市民病院は市民医療センターとして浦和との境に移転。さいたま日赤(旧・大宮日赤)も新都心へ移されました。一方で、さいたま市立病院(旧・浦和市立病院)は、現在の場所(緑区三室)で建て替えようとしています。
 市はその理由を、6月議会で「駅から離れているが、バス路線が多く、交通の利便性が良い」と説明していましたが、市立病院へのバスの本数は、浦和駅69本、北浦和駅184本に対し、大宮駅は24本しかありません。しかも新都心や浦和区を通るルートです。
 市は東浦和駅からのバスを新設しようと、国際興業と協議していますが、私は「大宮、特に市立病院と隣接する見沼区からのバス路線を作るべきだ」と主張。
 国際興業が既存路線を延長して、大宮駅(片柳経由)や東大宮駅(アーバンみらい経由)で市立病院への路線を新設するよう交渉することや、市が運行する見沼区コミュニティバスの終点を、さぎ山記念公園(緑区)から市立病院に変更することを提案しました。

バスがないから通えない
まず見沼区からコミバス

 9月議会の決算審査で、市立病院の区ごとの患者数を公開させたところ、大宮住民の通院者は、浦和住民の6分の1しかいないことが明らかになりました。
 そこで私は10月4日の企業会計予算決算特別委で追及しました。

吉田一郎 見沼区から2万3千人が通院しているが、どうやって通っていると思っているのか。
本間副市長 バスで来院しないのなら、自家用車か他の手段かと思う。
吉田一郎 見沼区コミュニティバスの乗り入れを6月議会で提案したが、検討結果はどうか。
本間副市長 病院が交通手段についてのアンケートを行う準備をしている。【動画で見る】

 私の提案が契機となって、見沼区では「コミュニティバスの市立病院乗り入れ」を求める署市立病院へのバスルート名運動が広がり、私は集まった署名を議会に提出して審議させるとともに、12月15日には見沼区住民らとともに都市局長に署名を手渡して、交渉を行いました。
 市立病院の建替えには341億円、建替え後7年間で予想される赤字(80億円)を加えると421億円かかり、市民1人あたり3万3千円もの負担です。
 浦和市立病院がさいたま市立病院になったことで、巨額の建替え費用は大宮住民も負担させられるのに、大宮各地から通院する交通手段を確保しないのでは、あまりに理不尽です。

 市立病院の地域別患者数
(2015年度)
     外来 入院   
  西 区   1,264 1,145   
  北 区   2,617 2,638   
  大宮区   3,659 3,409   
  見沼区   23,201  17,831  
  旧大宮市計   30,741  25,023  
  桜 区   8,456  6,288  
  浦和区  56,357  40,863   
  南 区   34,782 25,985   
  緑 区  76,002  42,004   
  旧浦和市計  175,597  115,140   
  旧与野市  5,791  5,120   
  旧岩槻市   5,695 5,242   
  市外   19,993 15,511   

経緯説明しないまま和解金支払い

保険料は毎年2千万円アップ
 清水市長は12月議会で、市立病院の浦和区在住の元入院患者に1億3986万円の和解金を支払う議案を提出しました。
 この患者は09年8月に入院し、11日後に低酸素脳症を発症。「病院が適切な処置を怠り後遺症が残った」と裁判で訴えていました。
 市は病院の過失を否定し、警察も刑事責任が問われる医療ミスはないと判断しましたが、裁判官の勧めで市は「人道的な立場から患者と家族の心情を考慮した」と、保険で賄える範囲内で和解金を支払うことに同意し、病名や経緯は公開しないこととなりました。
 11月30日の議会運営委では、市の要請に従って議会で質問しないことを各政党会派が申し合わせようとしましたが、私は多額の和解金を支払う以上、質問をすると拒否。
 各会派は「吉田にガンガン追及されたら、どんな結果になるかわからない」と、私の質問を「さいたま市議会を代表する質問」にして、12月1日の本会議で議会運営委の阪本克己副委員長(民進・桜区)が読み上げることになりました。

阪本克己副委員長 現在、市立病院が加入している保険の年間保険料はいくらか。
藤原保健福祉局長 平成28年度の保険料は、1528万4419円。
阪本克己副委員長 今回の件で保険料はどのくらい上がると見込まれるのか。
藤原保健福祉局長 保険会社からは、平成29年度は今年度と同額だが、30年度は概算で約3570万円になると聞いている。【動画で見る】

議会認めるわけいかず
審議中断したまま廃案

 保険料が年間2千万円もの負担増になることが明らかになると、それまで「どうせ保険で賄える」と思っていた議会の空気は一変。
 和解案はそれ以上の審議をせずに廃案になり、和解金を支払いたければ清水市長が専決処分(市長の独断で支払いを実行)すればいいということになりました。
 病院で医療ミスがあったのなら、患者に賠償するのは当然の責任です。
 しかし、過失はないと言いながら、「人道的な理由=可哀想だから」で、1億4千万円を支払うなど、民間病院ではありえません。
 市民に毎年2千万円の負担増を強いる以上、経緯はきちんと説明すべきです。

●利用率が低いのに、差額ベッドを大幅増
 市立病院の建て替えで、差額ベッドが57から198に増え、一般病床ほ510から449に減る計画です。
 差額ベッドを増やす理由について、病院側はこれまで「患者のニーズ」と説明していました。しかし私が昨年度のベッド利用率を公開させたところ、一般病床81.9%に対して差額ベッドは74.7%に過ぎず、10月4日の企業会計予算決算特別委で追及しました。

吉田一郎 差額ベッドのニーズは低いじゃないか。
市立病院施設整備室長 療養環境向上のために、プライバシーのことを考えて個室を増やした。
吉田一郎 実際の患者のニーズや利用状況から増やすのではなく、病院側が勝手に考えて増やすのか。
市立病院施設整備室長
 全国的にも個室を利用する人が増えていると聞いているので、その辺も加味した上で増やすと考えてもらえばよいかと思う。

 市立病院の差額ベッド料金は、A室1日1万0800円、B室1日3240円ですが、建て替え後はもっと高い料金を徴収する特別室も設置する予定です。
 一般病床を減らしてまで差額ベッドを増やす手法には疑問です。

●高すぎる病院事務員の人件費、説明が二転三転
 12月議会で清水市長は、市立病院スタッフの総額1億0134万円分のボーナスアップを提案しました。
 私は市立病院の職種別年収を公開させたところ、事務員の年収は改定前が785万円で、市職員の平均年収714万円を1割も上回っていたことが判明。12月15日の企業会計予算決算特別委で追及しました。

吉田一郎 事務職の平均年収は、6月議会で「750万円です」と言っていたのが、785万円に増えている。
庶務課長 事務職は時間外勤務が少し増えている。
吉田一郎 事務職は月平均何時間残業しているのか。
庶務課長10月まで月平均50時間、昨年度は45時間。
吉田一郎 残業は市の他の部署の方が多いのに、なぜ年収は病院の事務職の方が1割多いのか。
庶務課長 年齢構成によるものだと思う。
吉田一郎 では市職員と病院事務職の平均年齢は?
庶務課長 病院の事務職は39.0歳、一般の事務職員は42.1歳。すみません、ちゃんと分析していません。

 市立病院は地方公営企業法を全部適用することによって、明確な経営責任者を置き、人事や給与の権限を委ねることで、効率的な経営を目指すべきです。
市立病院の職種別平均年収(改定後)
   医 師 1962万4520円(+5万1657円)   
   看護師 618万9483円(+3万5993円)   
   医療技術員 699万9790円(+4万0395円)   
   事務員  789万2871円(+4万2521円)   
   労務員 715万0022円(+2万9675円)   
GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/
2017年1月特別号(3)
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春岡の農村広場
実態合わない農業施設
コミセンへ転換提案し
 議案は廃案に

 見沼区宮ケ谷塔に農村広場があります。広場とソフトボール場、若手農民の研修施設があり、毎週土曜に朝市をやっていますが、清水市政は17年度から5年間の管理・運営を、1億0355万円で民間業者に委ねる議案を提出しました。
 しかし、私が12月9日の総合政策委で問いただしたところ、農業関係者の利用は年に1組か2組しかないことが判明しました。
 農村広場は大宮市が81年に農業施設として建設しましたが、周辺の都市化が進み、コミュニティセンターがない春岡地区の住民が、コミセン代わりに使っているのが現状です。
 しかし、コミセンなら「公共施設予約システム」で、自宅のパソコンから会議室等を予約できますが、農村広場は農業施設扱いのため、現地まで直接行かないと予約できず、「知っている人しか使えない施設」と化しています。
 そこで私は、6年前に勤労女性ホームを日進公園コミセンに転換したように、農村広場をコミセンに変えて、幅広い市民が使えるようにすべきだと提案したところ、自民党も賛同。
 さらに管理を委ねる予定の業者が、周辺で地上げを行っていたことまで発覚して、農村広場の議案は廃案になり、市は農村広場の今後や管理者の選定を検討し直すことになりました。

平日はバス廃止、野菜直売が縮小
大宮花の丘の活性化を!
 大宮花の丘農林公苑は、大宮市が市制施行50周年を記念して、ゴミの最終処分場跡地に建設し、91年にオープンしたものです。
 敷地の3分の1がチューリップやサルビアなどのお花畑で、「花いっぱい運動」に積極的だった大宮市が力を入れていた施設でしたが、さいたま市になって、来場者は01年の20万9千人から15年は17万4千人へと減少しています。
 私は12月1日の本議会で、花の丘の現状と活性化について追及しました。

吉田一郎 花の丘への路線バスの本数は?
井上経済局長 宮原駅西口から東武バスが土曜と休日に3便、上尾駅からコミュニティバスが毎日9便。
吉田一郎 以前と比べてバスが減っている。高齢者にとっては行きにくい。
井上経済局長 確かに以前は宮原駅から平日もバスがあり、西区のコミュニティバスも乗り入れていた。今後は高齢者への対応も必要なので、アンケートを取って要請していきたい。
吉田一郎 大宮市の頃のように、来場者を増やす取り組みをしないのか。
井上経済局長 花が咲いてない時期は来場者が少ないので、年間を通じて花が咲くよう新たな植栽や、イベント開催に取り組みたい。【動画で見る】

花の丘放置する一方
浦和に11億で新施設

 花の丘では地元農家の直売が好評ですが、最近は毎週水・土・日曜だけです。そこで12月9日の総合政策委で問いただしました。

吉田一郎 なぜ週3回という中途半端な営業なのか。
見沼グリーンセンター所長 地元農家が高齢化で減り、荷造りして販売するのは週3日が限界になった。
吉田一郎 農家は農産物の提供だけにして、管理者が販売するようにしたら、毎日販売が可能になり『新鮮な地元の農産物が買える』と利用者が増えるのでは。
農業政策部長 もっと幅広く利用者が増えるように、我々としても今後仕事を進めていきたい。

一方で清水市政は、浦和東部(緑区大崎)に、農産物の直売や加工体験を楽しめる農業交流施設を、11億1470万円をかけて建設し、8年後にオープンする基本計画を立てています。
 大宮市が力を入れていた施設を寂れるままにして、浦和で新たな施設建設に力を入れるようなやり方には疑問です。

 吉田一郎が反対した議案  【関連動画】
■一般会計補正予算(5)
 オープンすれば毎年1億4千万円の赤字が出るうえに、総額50億円近くに膨れ上がった岩槻人形博物館の建設には反対です。
■一般会計補正予算(6)
■その他特別会計補正予算
■議員のボーナス増額■市長等のボーナス増額■職員のボーナス増額
 市長と議員、職員の3年連続のボーナスアップで、年間17億6500万円の財政負担増です。
■一般会計補正予算(7)《3面参照》
■病院事業特別会計補正予算(1)《2面参照》
■NPOの海外送金や現金持ち出しを届出不要に
 マネーロンダリングに悪用される懸念があります。
■社会保障と地域経済構築の地方財政措置を求める意見書
 お礼の品や手数料などで地方自治体の税収を減らす「ふるさと納税」をまず廃止すべきです。
■南スーダンの自衛隊員の安全確保を求める意見書
 海外での交戦権が禁止されている自衛隊が、「駆け付け警護」で戦闘を行うのは違憲です。安全確保ではなく即時撤退すべきです。
■地方議員の政府管掌年金制度へ加入に向けた意見書《1面参照》

●与野の消防署移転で地元自治会を「騙し討ち」
 市は与野の区役所横にある中央消防署を、下落合の国の宿舎跡へ移転するため、12月議会で用地購入費9億7000万円の補正予算を提出しようとしました。
 しかし地元の自治会が「住民への説明が不十分だ」と反発。12月5日に私が紹介議員になり、自治会が現在地での建て替えを求める請願を提出しました。
 補正予算は提出保留になり、9日の市民生活委員会で自治会が意見陳述。与野選出議員の連名で「丁寧な住民説明会を求める要望書」を消防局に提出し、消防局長も自治会に「ゼロベースで話し合いを行う」と約束したため、請願は19日に取り下げられました。
 ところが20日、市は補正予算を議会に提出。自治会は抗議文を提出し、21日の本会議で追及しました。

吉田一郎「ゼロベースで話し合う」の意味は、計画をいったん白紙にして話し合う意味ではないのか。
辻消防局長 地元住民に十分な説明をしていなかったので、「丁寧な説明を実施していく」という意味。
吉田一郎 現在地での建て替えはなぜ不可能なのか。
辻消防局長 さいたま新都心周辺には政府関係機関などが集積し、テロ災害発生時に必要な機材の保管庫や訓練施設を整備するため。【動画で見る】

 現在の場所で建て替えれば、用地購入や宿舎解体の費用など10億円以上が不要です。国の官庁街を守るために、国に巨額のお金を払うとは馬鹿げています。
 地元住民にきちんと説明しないまま、騙し討ちのような形で消防署移転を強行するやり方には反対です。
2016年12月議会の会派別議案賛否一覧表
『吉田一郎 市政レポート』のバックナンバーや、市議会での動画集が、インターネットでご覧になれます!
2017年1月特別号(4)
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大宮駅北口開設に東口商店街が難癖
首相も国会で重視「抵抗勢力」排除に大胆に推進を!
 北陸新幹線や北海道新幹線の開通で、大宮駅の拠点性が注目されています。
 国会では昨年、西田実仁参議院議員(公明・埼玉)の質問に、安倍首相が「大宮駅の機能向上は単に大宮駅にとどまることではなく、広域による連携の嵐が進んでいくように、(全国)8つのブロックにも拡大していくものではないか考えている(3月3日参議院予算委)」「大宮はもはや首都圏の東日本に対する玄関口であるだけではなく、中部や近畿も含めた巨大都市圏の玄関口としての機能を果たすことが期待される(10月6日参議院予算委)」と答弁し、政府も大宮駅の開発を重視しています。

●人工地盤で北口広場か、単なる乗り換え通路か
 大宮再生の切り札が、かつて大宮市が「大宮都心構想」の1つに掲げた大宮駅高度化計画、つまり大宮駅と大栄橋との間の線路上に人工地盤を建設して北口広場や商業ピルを作り、新たな玄関口とするプロジェクトです。
 私は一貫して北口開設の重要性を力説。清水市政は10年9月議会で「時代が変わった」と計画を放棄しようとしましたが、11年9月議会では「今後の大宮駅東口を考えると、北口も非常に有効」「鉄道会社と接触していきたい」と、前向きに変えさせました。
 現在、清水市政は「大宮駅グランドセントラルステーション化構想」を策定しようとしています。
しかし8月26日の大宮駅機能高度化小委員会で配布された資料には、北口の開設は書かれていませんでした。

吉田一郎 大宮駅高度化計画、具体的に言うと北口を大栄橋に向けて作るのは、やめてしまったのか。
東日本交流拠点整備課長 乗り換え改善や駅東西の回遊性向上を想定している。大宮都心構想で描かれた絵柄も参考にしながら、東西連絡通路を検討していく。
吉田一郎 乗り換え改善と高度化計画では、全くレベルが違う。東西連絡通路とは、一番街あたりからJACK大宮へ歩道を作って、それに面して改札を作る程度のことなのか、それとも大栄橋との間にバスやタクシーが入れる広場を作ることも検討しているのか。
東日本交流拠点整備課長 具体的にはこれからだが、今言った2つの案があり今後検討していく。

●呆れた反対理由「大栄橋から線路が見たい」
 市では国土交通省や県、鉄道会社、学識経験者や東口の商店街関係者らをメンバーに推進会議を開催し、「2つの案」が論議されています。
 8月の第1回会議では、大学教授が「線路上にバスターミナルを作ったり、ビルを建てたりできないか」と発言。JRは「線路があるのでハードルもあるが、アンタッチャブルではない」と、積極姿勢を見せましたが、東口商店街の委員が「大栄橋から線路を見る風景こそ大事にすべきだから無理」と言い出し妨害。10月の第2回会議でも「開発をすると高層化されるが、息苦しいから避けるべき」「線路の上では1日3時間しか工事できず非現実的」などと言って、開発そのものや東西を結ぶ歩道にすら反対し、大学教授からは「バラ色の夢を盛ることは難しい」と見放されています。
大宮駅北口広場 過去数十年にわたって、東口の商店街は再開発を拒み続けてきました。人口減少社会が本格的に到来したら、大宮再生の大きなプロジェクトは実施不可能になり、今がラストチャンスなのです。
 北口開発とは利害が反する東口商店街を委員にしては、新たな玄関口は作れるはずはありません。大宮駅の高度化や北口開設は、既存の利益にしがみつく「抵抗勢力」を排除し、市営桜木駐車場での複合公共施設の建設と合わせて、大胆に進めるべきです。

 桜木駐車場 
ホテル側が言いたい放題
 大宮市が市民生活を充実させる複合公共施設の建設のために、240億円を投じて購入した市営桜木駐車場。清水市長はオリンピックを口実に、外国人観光客を誘致するためのホテルにすべく、さいたまMICE(国際観光都市戦略)を画策しています。
 市は昨年7月に業者を選定しようとしていましたが、6月議会で私が「大宮市民1人あたリ5万8000円もの血税で購入した一等地を、タダでホテルに提供するつもりか!?」と猛然と抗議して頓挫。とりあえず、ゼネコンやホテルなど13社を対象に行ったマーケットサウンディング調査(投資意向調査)の結果が、10月17日に発表されました。
 それによると、業者側からは土地の無償貸与だけでなく、「建物も市が建てるか、建築費相当分の支援(補助金など)をしてほしい」「オープンしてからも黒字になるまで財政支援を」「市が大宮駅から無料循環バスを走らせることを希望」などと、好き勝手な条件を出されたうえ、「オリンピックまでを目標にする必要はない」と諌められる始末でした。
 私は9月議会で、栗原公喬元大宮市議らによる「桜木駐車場について旧大宮市民の意見を聞いたうえで活用方法を決めるよう求める請願」を提出。
それに対して市は、周辺住民だけを対象に説明会を開いて要望を聞きましたが、そこで出た意見は「スーパーを建ててほしい」などでした。
 桜木駐車場の目の前に住んでいる住民とっては、スーパーができれば便利でしょうが、桜木町にスーパーマーケットを建てるために、大宮市民が240億円も負担し合ったわけではありません。
 桜木駐車場には大宮市が策定した計画をもとに、旧大宮市域(大宮区・北区・西区・見沼区)の住民全体が利用する中核的な公共施設を整備すべきです。

大宮区役所はお稲荷様の土地
神社の意向無視してタクシープールに?
 大宮区役所の南隣にある倉屋敷稲荷神社は、戦国時代に存在した寿能城(現在の寿能公大宮区役所倉屋敷稲荷神社園)の倉屋敷に由来する神社です。
 かつて境内はもっと広く、大宮市役所の建設にあたり、大宮市が64年に敷地の大部分を賃借。大宮区役所敷地の7分の1にあたる商館の約半分は、神社から借りている土地です。
 清水市政は大宮区役所を大宮図書館と統廃合し、市民会館南側に移転しようとしています。
 現在の大宮区役所について、市はタクシープールや仮店舗にすると言っていますが、私は12月12日の総合政策委で神社との契約を確かめました。

吉田一郎 神社との契約期間や条件は?
大宮区副区長 さいたま市・旧大宮市が庁舎敷地として不要になる時まで。
吉田一郎 大宮区役所が移転したら、神社に返すということか。
大宮区副区長 民間事業者に貸す場合は、神社と協議したうえ判断すると思う。
吉田一郎 市はこれまで神社と協議もせずに、タクシープールや仮店舗にすると勝手に発表していたのか。
伊藤大宮区長 (発表は)正式なものではなく、市の意向というか、1つの流れという案として、そういうことも有り得るのではないかと思っているが、最終的な判断は神社と協議していく。

 中山道大宮宿の守り神として由緒ある神社が、境内の大部分を市に提供したのは、「大宮の中枢となる市役所」を建てるためです。
 そのような歴史的経緯を無視して、大宮区役所を街外れに移転し、跡地を中心街の空洞化を招くタクシープールにしようとする清水市政は問題です。
 タクシー会社も、神社に賃料支払いが必要なことを知っているのでしょうか。

賃料を長年個人口座に
崇り恐れぬ追及で発覚

 神社の土地賃料は、現在は年間551万8336円で、市は「一般社団法人正一位倉屋敷神社」に支払っていますが、この団体が設立されたのは09年です。
 それまで賃料は誰に払っていたのでしょう。かつて大宮市では、「お稲荷さまの問題に触れると、タタリがある」とタブーになっていたようです。

吉田一郎 それまでの相手はどこだったのか。
大宮区副区長 神社の代表理事の方。
吉田一郎 09年まで毎年550万円の賃料が、個人の口座に振り込まれていたということか。
大宮区副区長 神社の代表と契約して、代表に支払う形になっていた。
吉田一郎 個人の口座に入ったお金を神社のために使ったのか、決算書などを市は確認していたのか。
大宮区副区長 賃料として出したその後のことは確認していない。

 大宮区役所前の道路拡幅(氷川緑道西通り線)で、神社の敷地の一部(326・472㎡)を1億3590万円で買収することが契機となり、支払い先を「法人としての神社」に変えたようですが、それまで45年間にわたって個人の口座に振り込み続け、何に使っていたかを確かめなかったとは、あまりにお粗末です。
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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