2016年6月特別号 (1)
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2016清水予算
採算予測の悪化無視して地下鉄建設の強行を公言
浦和美園と岩槻に予算100億円集中
 沿線開発費を含めれば3千億円以上かかると言われる岩槻~浦和美園間の地下鉄7号線吉田プランの建設。採算性の予測調査は、実施するたびに結果が悪化しているにも関わらず、清水市長は「17年度に建設に着手する」という無謀な姿勢を崩していません。16年度予算では、岩槻と浦和美園に100億円近い予算を集中投入。大宮住民からの税収が、浦和に続いて岩槻に注ぎ込まれようとしています。
 市が昨年7月に発表した地下鉄の採算予測では、費用対効果(1以上が黒字)は0・8で、11年度の試算(0・9)より悪化。国の建設基準(開通後30年以内に黒字転換)は満たせないことがはっきりしました。
 採算予測の悪化は、①地下鉄本体の建設費が770億円から900億円に高騰、②岩槻区は市内で唯一人口が減少、③上野東京ラインの開通で大宮経由のルートが便利になったこと…などが主な原因です。
 さらに東武鉄道は今年3月から大宮~春日部間で急行運転をスタート。私が13年の市長選を通じて提案した野田線と伊勢崎線の直通運転(吉田プラン)を、17年3月から実施すると発表し、岩槻から東京まで電車1本で結ばれます。
 春日部ルートが便利になることで、地下鉄の採算性はさらに悪化し、開通後は大赤字が続きます。
 そこで私は昨年6月17日の一般質問で、清水市政に建設断念を迫りました。

吉田一郎 野田線と伊勢崎線の直通運転を、東武鉄道が実施すると発表したが、市から東武へ直通運転の本数や急行について要望を出しているのか。
関都市局長 直通運転には特段要望は行っていない。急行は春日部と大宮の間のいずれかの駅に停めてほしいと要望した。
吉田一郎 いいかげんに「地下鉄建設は断念する」と決断すべきではないか。
大熊都市戦略本部長 引き続き浦和美園と岩槻の副都心の街づくりを進めることで、一日も早い延伸の実現に取り組んでいく考えだ。
吉田一郎 採算予測がどんなに悪化しても、あくまで地下鉄を建設するつもりか。
大熊都市戦略本部長 結果に関わらず、これまで通り実現に取り組む。
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 市が自ら行った採算予測の結果を無視して、地下鉄建設を強行しようという清水市政は、まさに無謀です。地下鉄先行の快速バス乗客1日たったの76人 市は年間3459万円の補助金を出して、岩槻~浦和美園に快速バスを走らせています。
 その目的は、同区間の交通需要の創出のためですが、私が1日平均の乗客数を公表するよう要求したところ、わずか75・9人だったことが判明。2月23日の予算委員会で徹底追及しました。

吉田一郎 1便平均4・7人で、赤字ローカルバスだ。
東部地域鉄道戦略部参事 乗客数については、他の路線バスの比較対象がないので、どのくらい少ないか比較できない。
吉田一郎 大宮と上尾の間の東武バスですら、1日平均5500人以上乗っている。地下鉄は浦和美園と岩槻の間を1日何人くらい乗ったら、採算が取れるのか。
東部地域鉄道戦略部参事 費用対効果が0・78と算出した時の需要予測は2万3千人だった。費用対効果1(30年後に黒字)になると、ここで申し上げるのは控えさせていただきたい。「現在は算出していない」ということで理解して頂きたい。
吉田一郎 『浦和美園~岩槻地域成長・発展プラン』に位置付けられている方策のために、16年度いくら予算を盛り込んでいるのか。
東部地域鉄道戦略部副参事 43方策の全体額で96億8100万円。
吉田一郎 16年度だけでなく、全部完成させるには。
東部地域鉄道戦略部副参事 その後のものは積算していない。
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 快速バスの乗客の300倍以上が地下鉄に乗っても、まだ採算は取れません。
 国土交通省の交通審議会は、今後の首都圏の鉄道整備について、4月に答申案を発表しましたが、地下鉄7号線(浦和美園~岩槻~蓮田)は、「事業性に課題がある」と、建設には消極的な内容でした。
 それにも関わらず、浦和美園と岩槻に今年度だけで100億円近い予算を集中させるというのでは、まさに税金をドブに捨てるようなものです。

4つの副都心の予算配分
2015年度 2016年度
北部拠点宮原 6億2900万円 1億2700万円
武蔵浦和 39億2200万円 10億3000万円
浦和美園 61億6300万円 55億5000万円
岩  槻 33億0300万円 28億0200万円
都市開発・道路・公共施設・学校整備の予算総額


赤字の地下鉄建設のために赤字のハコモノ
岩槻人形会館、4200万円の人形購入を画策

 国の採算基準を満たせない地下鉄7号線の着工許可を得るために、清水市長が建設を強行しようとしているのが、岩槻人形会館(人形博物館)です。
 清水市政が2012年9月に策定した『浦和美園~岩槻地域成長・発展プラン』では、集客力の高い観光拠点施設(=人形会館)を建設することで、年間7万人超の観光客が増えると発表しています。
 しかし、さいたま市は以前から、岩槻人形会館は盆栽美術館と同様に年間1億5000万円の赤字を出し、入場者の大部分は市内の住民や小中学生の社会科見学、既存の観光客で、新たな観光客は増えないと公言していました。
 そこで私は2月23日と26日の予算審議で、確認しました。

吉田一郎 観光機能の拠点施設の整備で、観光客が「7万人増える」というのは、人形会館のことか。
東部地域鉄道戦略部副参事 岩槻人形会館の入場者の目標としている数値が7万人と聞いていたので、それを含めて7万人と予定した。
吉田一郎 2010年10月29日の市民生活委員会で、スポーツ文化部長は「人形会館が出来たからといって、新たな観光客は増えない」と言ったが、確認したい。
文化施設建設準備室長 議事録の通りです。
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 岩槻人形会館の建設は総事業費40億円と言われていましたが、清水市長は昨年9月「人形会館を2ヵ所建設する」と言い出し、6月議会では展示品として4200万円の人形を購入することを提案しています。
 赤字の地下鉄を建設するために、数値を誤魔化してまで赤字のハコモノを建てようという清水市長のやり方は、ストップさせなければなりません!

 地下鉄推進の特別委、議長が「消滅」宣言
 さいたま市議会では、自民・公明・民主・共産の各政党・会派の議員が、東部地域における地下鉄7号線及び公益施設整備推進特別委員会を構成し、地下鉄7号線の「延伸推進」を目的に活動していました。
 私はこの委員会の廃止を主張し続け、5月26日の本会議では中間報告を行った青羽健仁委員長(自民・浦和区)を、「中間報告ではなく、最終報告にすべきだ」と追及。翌27日の本会議で、桶本議長が同委員会の「消滅」を宣言するに至りました。【動画で見る】
 かわって広域的交通ネットワーク推進特別委員会が設置され、私は大宮駅機能高度化や大宮東西交通ルート担当の小委員会のメンバーになりました。
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。
2016年6月特別号(2)
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手抜き公共工事の温床を暴露
写真修正で浅い穴を深く掘ったように…
偽造工事写真 修正前修正後 市はさまざまな工事を業者に発注しています。工事がきちんと完了したかを確認したうえで工事代金を支払いますが、すべての工事現場に職員を派遣して、常時監視し続けるわけにはいきません。
 そこで実際にほとんどは、業者に写真を提出させて確認するのですが、私は「工事写真の修正・偽造」を専門に行っている写真屋の存在を暴露。市に繰り返し対策を迫りましたが、清水市政は放置し続けています。

 この写真屋は緑区にあり、HPで「工事写真の専門店」を謳っています。
 見本の修正前と修正後を比べると、浅く掘った穴を深くしたうえに、存在していない木枠や物差しを加えるなどの加工をして、「翌日仕上げOK、1枚700円より」と宣伝しています。 私は昨年12月7日の総合政策委員会で、この写真屋の存在を暴露し、対策を問いただしました。

吉田一郎 工事の写真を業者に提出させているが、ピントや露出を補正することはできるのか。
契約管理部長 正しい写真を提出するのが大前提。
吉田一郎 いかなる調整もしてはならないのか。
契約管理部長 当然そのものズバリを撮ってもらうという認識でいる。
吉田一郎 緑区の写真屋が、工事写真を修正しますと派手にHPで宣伝している。公共工事の請負の写真に関しても取り扱っていることを、知っているのか。
契約管理部長 申し訳ないが、認識していない。
吉田一郎 実際に市内で工事をしていて、「ここに写真を出しに行った」という業者もある。市は対処をどう考えているのか。
契約管理部長 吉田委員にご指摘いただいた事項は、内容を把握したうえで、今後は現場立ち合いを増やし、写真による確認は、注意を喚起していきたい。
吉田一郎 修正を頼んだ業者や写真屋は、刑法上どうなるのか。
契約管理部長 公文書の写真なので、偽造や詐欺になる可能性がある。

 私は契約管理部にHPのコピーを渡して、至急対処するように求めた後、2月23日の予算委員会で、改めて確認しました。

吉田一郎 来年度はどう対策を取るつもりか。
工事検査課長 電子媒体には更新日時が記載されているので、一緒に提出される工事日報と比較すれば、修正は容易にわかると思う。
吉田一郎 データを更新した日時は、容易に修正できるはずだ。
工事検査課長 ご指摘の通りだが、そこまでして訂正するのかと思う。
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 データの更新日時の修正は、数十秒でできる作業です。工事写真の修正を専門に行う写真屋が、写真の撮影日時のデータを修正し忘れて足がつく…なんてヘマをするはずがありません。
 昨年は横浜のマンションで、データを偽装して杭を深く打ったかのように偽って建物が傾き、結局すべて建て替えになる事件が全国ニュースになりました。
 さいたま市の公共事業でも、規定の深さに達していない穴を、写真の修正で深く掘ったように見せかけ、完了検査をパスする行為がまかり通っているのでは、大問題です。
 私の度重なる指摘に対しても、何ら具体的な対策を取ろうとせず、工事写真の修正を放置し続けている清水市政は、業者との癒着を疑わざるを得ません。


東日本連携支援センター
大宮駅近くに「金喰い虫」の公営商店
5か月の営業で1億3777万円の公金投入
 北陸新幹線に続いて、北海道新幹線の開通で、大宮駅のターミナルとしての重要性は高まるばかりです。
 そこでさいたま市は、東北や北陸の6市(盛岡、福島、郡山、高岡、氷見、南砺)と連携して、大宮駅近くに「東日本連携支援センター」をオープンすることを計画。2月17日の予算委員会で審議されました。
 しかし、一体何をするセンターなのでしょう?

吉田一郎 イメージがはっきりしない。6市の特産品を売ったり、岩槻産ヨーロッパ野菜《3面参照》の商談コーナーを設けるのか。
経済政策課長 それに加え、各自治体のPRコーナーも設置できればと思う。
吉田一郎 ふるさと納税の受付をやって、さいたま市民に対して東北や北陸の自治体が「こんな商品がもらえますよ」と、さいたま市に納税しないよう呼びかけるつもりか。
経済政策課長 情報発信としてそういう機能も必要で、人集めの一助になると思う。
吉田一郎 さいたま市の税収を増やすための活性化なのに、減らすようなことは絶対やめてもらいたい。

 市は「JRと連携して、(東北や北陸の特産品の)販売促進を行いたい」とも説明していましたが、大宮駅のコンコースでは、普段から各地の駅弁や特産品を販売しています。
 私が「JRは自分の懐にテナント料が入る駅での販売を考えるはずで、連携はメインにならないのでは」と指摘すると、「おっしゃる通りの部分も多分ある」と、うろたえました。

国の補助をアテにして
何を扱うかは今後検討

 センターは11月から5ヵ月間、実験的にオープンする予定ですが、家賃や改装費、業務委託費、調査費、販路拡大費などで1億3777万円もの費用がかかります。
 今年度は国の補助金を活用するため、さいたま市の負担は約4千万円ですが、来年度以降も続ければ、年間7千万円の維持費が必要になります。
 ターミナルとして立地に優れた大宮駅の近くに、「人が集まる拠点を作る」というのは良いのですが、「国から補助金が出るので使ってしまおう。後は野となれ山となれ…」という役人的発想では、街の発展にはつながりません。
 その一方で、さいたま市は中央図書館や市民活動サポートセンター、国際交流センターなど、市民が日常的に集まる施設は浦和駅前ばかりに集中させており、大宮と浦和のどちらの発展を重視しているかは、一目瞭然です。

業務委託で寄付が大幅減!ふるさと納税
 自分の好きな自治体に寄付すると、自分が住んでいる自治体の住民税などがその分安くなる「ふるさと納税」。豪華な御礼の品を競う自治体が相次いでいますが、さいたま市の16年度予算では、寄付収入の見込み4000万円に対して、寄付を集める経費が1840万円です。
 経費の内訳は、御礼の品(約3割)や業者への委託手数料(8~16%)、カード手数料、宣伝費などで、寄付の半分近くが消えてしまう計算です。
 さいたま市は寄付した人に、ヌゥのぬいぐるみ(2200円相当)やストラップ(1100円相当)を送っていましたが、昨年9月からHPで寄付を集める業者「ふるさとチョイス」に受付業務を委託し、同社の提案で御礼の品を1万円寄付で3000円相当、3万円寄付で1万円相当にアップしました。 その結果、寄付件数は14年度117件から15年度は1月末までで283件と、2倍以上に増えましたが、寄付総額は1347万円から822万円へかえって減少しています。
「福祉のために使って」という大口寄付が減り、御礼の品目当ての小口寄付が増えたのが実情です。
 そこで私は2月23日の予算委員会で追及しました。

吉田一郎15年度は年間トータルで1000万円しか集まらないのに、16年度は4000万円もどう集めるのか。
財政課長15年9月から民間サイトを通じて集めている。16年度は年間を通して民間の活力で集めたい。
吉田一郎15年度は7か月間、民間業者を通じて集めたが、寄付額はかえって3割減っている。景品目当ての小口が増えただけだ。経費ばかりかかるのなら、いっそやめたらどうか。
財政課長 寄付額が少なくなっているので、増やす方策を考えていきたい。
吉田一郎 考えてから予算計上してもらいたい。
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 結局市は、私が手数料の高さを批判した「ふるさとチョイス」との契約を3月末で打ち切り、手数料が不要なヤフーを通じて寄付を集めることにしました。 寄付額の6~7割に相当する御礼の品で人気を集めている自治体もありますが、手数料を含めれば、約8割が業者の懐に入ります。そのぶん、全国トータルの税収は減るわけで、こんなバカげた制度は廃止すべきです。
GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/
2016年6月特別号(3)
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震災時の避難所体制
実情に合わせた備えを要望
 熊本の震災で、防災に対する関心が高まっています。
首都圏直下型地震に備えたさいたま市の避難体制はどうなっているのでしょう。
 私は昨年12月7日の総合政策委員会で、避難所について問いただしました。
避難所はトイレ不足
備蓄の状況の周知を

 さいたま市の避難所は198ヵ所あり、備蓄食糧は1ヵ所につき2200食分、仮設トイレは3台ずつです。
 市では「冬の18時で強風時に直下型地震が発生」という最悪ケースの場合、12万3千人が避難すると想定しています。つまり避難するのは住民の10分の1で、各避難所に平均620人が来るという予測です。

吉田一郎 地元の会合で、「仮設トイレが3つだけでは、大変なことになる」と問題になった。
危機管理部長 仮設トイレの他に、使えなくなったトイレに被せて使う袋を、1千枚ずつ用意している。学校にはマンホール型トイレ(=マンホールのフタを便器に交換)もある。
吉田一郎 自宅が大丈夫だった人が、家にはお菓子があるのに、「避難所へ行けば食べ物がタダでもらえる」と来たら、食糧は1食分ももたない。
危機管理部長 在宅での避難生活も有効であることを、積極的に啓発する。

ペットと一緒に避難
郊外に専用避難所を

 ペットと一緒に避難したい人もいれば、ペットが苦手な人もいます。熊本では車の中でペットと生活し、エコノミー症候群になる人がいました。

吉田一郎 市内でペットを連れて行ける避難所は?
危機管理部長 共同生活を営むので、居室内は動物持ち込み禁止。敷地内の屋外に専用スペースを設ける。
吉田一郎 庭先で吠えてもペットが嫌いな人とトラブルになる。見沼田んぼや荒川河川敷などに、ペットを連れた人の専用避難所を設けたらどうか。
危機管理部長 提案頂いた専用避難所は、他市の事例を見ながら研究していく。

大宮駅に8千人滞留
避難所は全く足りず

 平日夕方に震災が発生した場合、大宮駅には8千人の帰宅困難者が溢れます。

吉田一郎 避難所はどこか。
危機管理部長 130人収容のJACK大宮や、1千人収容できるソニックシティ。
吉田一郎 数が合わない。危機管理部長 周辺を含めると、スーパーアリーナは8千人収容できる。
吉田一郎 大宮駅にいる人は主に北へ行く人だ。南のアリーナへ行けと言ったら反発される。JRと協議して駅構内に入れてもらい、駅で売っている食料品を配るよう連携しておくべきだ。
危機管理部長 JRは大宮駅で、独自に2200人を受け入れる準備をしている。


バカ殿祭りに8億円
熊本へ義援金は50万

 熊本の震災に際して、さいたま市は救援物資の援助や職員の派遣を行いました。
 しかし127万人の市民を代表して、市が熊本に送った義援金(災害見舞金)はたった50万円です。
 その一方で清水市長は、8億円もの税金を投じて、バカ殿まつりのような芸術祭「トリエンナーレ」を開催しようとしています。
 私は大宮住民から預かった「トリエンナーレの予算を減額して、熊本への義援金や防災対策にまわすよう求める請願」を提出。6月議会で審議される予定です。

  7月国政選挙
他区での期日前投票
 北区住民は投票不可
 大宮区民は与野で!?

 7月の国政選挙では、自分が住む区以外でも、駅や大型商業施設に設けた期日前投票所で投票できます。
 利便性の高い場所に設置し、投票率アップを図る狙いですが、さいたま市では期日前投票所を、新たにイオンモール与野(大宮区、西区、中央区、桜区民が利用可)、浦和コミュニティセンター(浦和区、南区民が利用可)、イオンモール浦和美園(緑区)に3日間設置。その費用2798万円が審議されました。
 しかし、大宮駅周辺には設置されず、北区や見沼区の有権者は、新たな制度を利用できません。
 そこで私は5月27日の本議会で追及しました。

吉田一郎 合併前の大宮市の期日前投票所(当時は不在者投票所)は、どこに設置していたのか。
後藤選管事務局長 大宮市役所に設置していた。
吉田一郎 旧大宮市(北区、西区、大宮区、見沼区)の有権者の期日前投票所を、大宮駅周辺に設置すべきだ。
後藤選管事務局長 大型商業施設ではスペース確保が難しかった。
吉田一郎 大宮区役所をなぜ使わないのか。
後藤選管事務局長 大宮区役所の地下食堂はバリアフリー対応になっていない。
吉田一郎 大宮区天沼や西区清河寺、桜区田島の住民が、与野の期日前投票所へ行くには、どんなルートでいくらかかるのか。
後藤選管事務局長 天沼はバスで大宮駅へ行き、別のバスに乗り換えて往復760円、清河寺はバスで宮原駅へ行き、新都心からバスで往復980円、田島は西浦和駅から北与野へ行き、バスで往復700円。
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 大宮区役所は高齢者に不便と言いながら、電車やバスを何回も乗り継いで与野郊外のイオンまで行けと言うのは、矛盾しています。
 実は大宮区役所の地下食堂は、トリエンナーレの会場準備のため、清水市政は期日前投票所に使わせないのが真相のようです。
 旧大宮市の有権者には、日常的に寄れる大宮区役所に設置すべきです。同様に旧浦和市の桜・緑区の有権者にも、浦和駅前のコミセンを利用させるべきです。


特定企業に集中するさいたま市の「模範労働者」
模範労働者表彰式 中国や北朝鮮など社会主義国では、政府が毎年「模範労働者」を選出し、マスコミを動員して宣伝。「××同志に学べ!」とキャンペーンを張っています。
 日本では無縁の話かと思いきや、さいたま市でも毎年「優れた技能を有し、他の模範と認められる者」を対象に、技能功労者や優秀技能者、優良勤労者を選出。15年度は94万7000円をかけて、浦和のコルソで表彰式を行いました。
 優良勤労者の選出理由は「勤続30年または20年」で、11人が表彰されましたが、私が表彰者の氏名と勤務先の公表を求めたところ、うち10人が同じ企業(東和アークス)で働いていることが判明しました。
 そこで2月24日の予算委員会で追及しました。

吉田一郎 なぜ市内の模範労働者は東和アークスの社員ばかりなのか。他で働く労働者はダメなのか。
労働政策課長 過去数年の状況でも、2~5社の10人前後を表彰している。したがって数字上は例年通り。
吉田一郎 勤続30年や20年なら、社長が自分の金で表彰して記念品を渡すべきだ。なぜ市の税金を100万円近く使って表彰させるのか。図々しい資本家だ。
労働政策課長 単独では表彰も含めて従業員の福利厚生を図ることが難しい中小企業を対象にしている。
吉田一郎 東和アークスは従業員数214人で、零細企業ではない。
20年前に本社が大宮に移転して来たが、もとは東松山の会社で、川越や日光など関東あちこちに工場がある。表彰された10人のうち、大宮で勤務していたのは何人か。
労働政策課長 その点について、手元に資料はない。
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 市内に居住も勤務もしていない人を、さいたま市が模範労働者だと表彰するのでは、公金を使う意義がわかりません。制度自体見直すべきです。

販売好調なヨーロッパ野菜に多額の補助金投入
 さいたま市では特産品として「ヨーロッパ野菜」
を売り出そうとしています。2月議会では、販路開拓事業に280万円、PRによるブランド化推進に952万円などの補助金交付が審議されました。
 ヨーロッパ野菜は、岩槻の農家12軒がビーツ、ズッキーニ、黒キャベツなど約40種類を栽培。卸問屋と提携して、売上高は2013年の100万円から15年には3149万円と30倍以上に伸び、急成長しています。
 販売が順調なのになぜ1000万円以上の補助が必要なのか、私は2月19日の予算委員会で追及しました。

吉田一郎 農地の土壌改良に補助金を出すならわかるが、販売ルートができて順調に売り上げが伸びているのに、なぜ販路拡大に税金を投入するのか。
経済政策課長 それをさらに伸ばしていきたい。
吉田一郎 そもそもなせさいたま市で、税金を投入してまでヨーロッパ野菜を作らなければならないのか。TPPによる貿易自由化が国の方針ではないのか。
経済政策課長 こだわりのある飲食店が、輸入に頼ると鮮度が落ちるという悩みがあった。

 ヨーロッパ野菜の販売先はほとんどがイタリア料理店やフランス料理店で、一般消費者は市内では大宮そごう(土曜のみ)と浦和伊勢丹でしか買えません。
 私の追及を見ていた共産党議員も、昔から守り続けている野菜も大事だと追及し始め、市は慌てて「サツマイモのPRを図る」と答弁していましたが、典型的な「補助金漬け農政」は改めるべきです。
『吉田一郎 市政レポート』のバックナンバーや、市議会での動画集が、インターネットでご覧になれます!
2016年6月特別号(4)
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高速道路の建設決まっても
一般道はまだ整備不十分
吉田一郎vs清水市政
 大宮の都市構造で最大のネックになっているのは、道路整備が不十分なことです。大宮北部から中心街へ向かう国道17号や旧中山道、産業道路は、私が幼稚園の頃(50年前)から産業道路バイパス計画図毎日渋滞が続いています。
 さいたま市はこれまで浦和・新都心優先の道路整備を進めていましたが、私が9年間提案を続けてきた首都高大宮線の宮前町までの延長計画は、上尾南までの建設が決定し、新大宮バイパスや国道17号など大宮西部の渋滞解消は目途が立ちました。
 東口周辺の道路整備では、旧中山道と並行する氷川緑道西通り線(市役所通り~ときわ通り)を、駅前通りから旧16号まで2車線化するよう、2008年9月のまちづくり委員会で追及。14年に実施が決定し、今年度から用地の取得や立ち退きが始まっています。
 しかし、東口周辺の渋滞を抜本的に解消するには、中心街を迂回するルート(産業道路バイパス~指扇宮ヶ谷塔線~新大宮バイパス)の整備が不可欠です。
 そこで私は3月3日の予算委員会で、大宮の道路整備の状況を問いただしました。

大宮の交通渋滞の状況は
 「認識しておりません」

■大宮警察移転で産業道路バイパスが重要に
吉田一郎 産業道路バイパスの北袋から天沼にかけての1工区は、2014年度末に完成するはずだったのに、遅れている原因は何か。いつ頃完成するのか。
道路計画課長 用地買収率96.5%で更地の状態だが、今後道路の築造工事に入る予定。
吉田一郎 いつ開通するのか。
道路計画課長 開通時期についてはお示しできない。
吉田一郎 交差する南大通り線の整備だが、共産党の事務所の用地買収は済んだのか。
道路計画課長 そちらの契約は終了した。
吉田一郎 あとは2工区(東口駅前通りまで)と3工区(旧16号まで)をやるということだが、大宮市時代の本来の計画では、その先サッカー場まで建設して再び産業道路と合流し、バイパスになるはずだった。さいたま市は旧16号までしか建設しないと言うが、その先はどうするのか。
道路計画課長 旧16号の北側400㍍については、いま事業中の工区の進捗を見据えて、今後検討する。
吉田一郎 大宮市では「やる」と大宮都心構想に入れていた。やる方向で実施時期を検討するのか、やらないかも知れないという意味の検討なのか、どちらか。
道路計画課長 委員がおっしゃっている旧16号北側の産業道路まで行く予定で、検討していく。
吉田一郎 大宮の産業道路で、堀の内、東町、浅間町といくつか交差点があるが、日常的に渋滞が一番激しいのはどこか。
道路計画課長 3つの交差点は渋滞個所だと認識しているが、どこが一番かは認識しておりません。
吉田一郎 前の課長も認識していなかった。浦和に市役所が来ると、大宮の道路は全然見てもらえないのか。堀の内交差点の北が一番渋滞が激しいのに、旧16号までしか道路を作らなかったら、南から来た車がみんな旧16号に入って堀の内で曲がることになり、大混乱する。特に大宮警察署が南へ移転すると、北区で事件が起きた時にパトカーが真っ直ぐ来られない。産業道路のバイパスをサッカー場までつなげれば、市街地を通らずにパトカーが来られる。大宮警察署を移転するならきちんと検討すべきだ。
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※大宮市時代の計画では、現在の産業道路の東側に4車線の産業道路バイパスを建設する計画でしたが、さいたま市の『道路整備計画』では、旧16号~サッカー場の計画を外し、かわって清水市長のお膝元の見沼区へ向けて、旧16号の4車線化を進める計画になっています。まさに我田引水ならぬ「我田引道」です。

■旧中山道の歩道整備は大栄橋側から完成を
吉田一郎 旧中山道の大栄橋から裏参道までの歩道整備は、完成時期が未定と言うことだが、大栄橋から宮町郵便局までは、あと2、3軒の立ち退きだけだから、先行整備すべきだと思うが、どうか。
道路環境課長 宮町郵便局って…?
吉田一郎 中間地点までです。
道路環境課長 事業区間として全体でやっているが、歯抜けの状態の用地買収を進めている中で、歯抜け状態にならないようそういう用地交渉の手法も考えていきたい。
※「さいたま市はメインストリートに歩道すらない現状を放置して、岩槻に地下鉄を建設するとは順序が逆だ!」と私が徹底的に批判し続けてきた旧中山道の歩道整備。市は14年度から大栄橋交差点から北側の整備に着手しましたが、立ち退き対象となる店が多く、完成のメドは立ちません。そこですでにオフィスビルが立ち並び、用地が確保できている宮町郵便局より南側を先に進め、大栄橋交差点にきちんとした右折レーンを確保すれば、旧中山道の渋滞が緩和できます。しかし浦和の市役所では、整備担当の責任者が「宮町郵便局」の場所を把握しておらず、話になりません。

中途半端な4車線道路は
 全線きちんとした完成を

■病院進入路としてステラ4車線道路の完成を
加茂宮広路線計画図吉田一郎 ステラタウンと北区役所の間の加茂宮広路線は、あと100㍍のところで4車線道路が途切れている。この先どうなるのか。
道路計画課長 2004年から地権者に交渉を行っているが、現時点では合意に至っていない。
吉田一郎 昔からの交渉記録を読んだが、地権者は「うちだけどいても無駄だ」と言っている。砂本郷線も合わせて整備して、きちんと17号までつなげるのなら可能ではないか。
道路計画課長 地権者にご理解いただけるよう、今後取り組んでいく。
吉田一郎 副都心ごとの予算総額は、北部宮原は他の副都心よリ1ケタ少ないので、よろしく頼む。
※北部医療センター(大宮総合病院)が2018年度末までに北区役所の北側へ新築移転します。それに合わせて加茂宮広路線を全通させるとともに、国道17号の中央分離帯に阻まれている砂本郷線の加茂宮駅前の交差点を改良して、右折と左折どちらにも行けるようにし、救急車の進入ルートを確保すべきです。

■第二産業道路は鉄道と交差部分も4車線化を
吉田一郎 第二産業道路の大和田の東武野田線のガードは片道1車線だが、周りが空いていてもったいない。北側に1軒立ち退かない大きな家があるが、片道2車線で東大宮まで整備するのは、進めているのか。
道路計画課長14年に用地買収したので、4車線化に向けて警察や地元自治会と協議を始めた。
吉田一郎 東武線のガードも4車線化できるのか。
道路計画課長 今後4車線化に向けて進める。
※同様に片道1車線の東大宮の宇都宮線陸橋も拡幅して、第二産業道路はすべて4車線化すべきです。

 渋滞解消の切り札となる
 北口計画は放棄させない

吉田一郎 清水市長は「大宮駅グランドステーション化構想」と言うが、これは大宮市の「大宮都心構想」にあった大宮駅高度化計画、つまり大栄橋と駅との間に人工地盤を作って、北口広場を作るという計画を引き継いだものなのか。
交通政策課長「大宮駅グランドステーション化構想」は清水市長が施政方針で述べている通り、大宮駅の乗り換え改善と機能高度化、それから東口広場をまちづくりと一体的に進めるというもので、今の時点ではそこまで。
大宮駅高度化計画図※竣工から57年経った大栄橋の架け替えに合わせて、新宿駅南口のように大栄橋に面した大宮駅北口を開設すれば、旧16号の東西や、旧中山道と国道17号を北から来るバスやタクシーは、大栄橋を通って直接北口に乗り入れるようになり、大宮駅までの所要時間が大幅に短縮されます。 また東口~銀座通り~北口~ソニックシティ~西口という新たな回遊ルートができることで、大宮中心街の活性化を図ることができます。
 しかし清水市長は大宮市が策定した「大宮駅高度化計画」を、「大宮駅の機能高度化」に捻じ曲げて、J Rと東武野田線の乗り換え改札を作る程度に縮小し、北口の建設計画を放棄しようとしています。
 私は6月から新たに設置された「広域的交通ネットワーク特別委員会」のメンバーになり、大宮駅の機能高度化の担当になりました。旧大宮市が立てた計画に戻すべく徹底的に追及を続けていきます!
大宮市が製作した計画図を広げて北口開設を迫る吉田一郎氏
吉田一郎は、市長から支給される政務活動費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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