2015年1月20日 号外 (1)
2面へ
ふざけるな!大宮住民の命より「盆栽優先」!?
宮原メディカルセンターの跡地に、「犬猫病院」の次は、「盆栽の保養所」建設を画策
 今から6年前、長年にわたって内科と小児科の24時間診療を続け、大宮住民の命を守って来た大宮医師会市民病院(宮原メディカルセンター)が、相川前市長の下で閉鎖され、浦和との境に移転されました。
 自民・公明・民主・共産の議員がこぞって移転に賛成する中で、ただ1人移転に反対した私は、オールナイト診療の継続を要求。大宮総合病院で小児科のオールナイト診療は実施されましたが、内科は中止になったままです。
 「人の命も浦和優先」というやり方に、大宮住民の怒りが爆発。その直後の市長選では相川前市長は落選し、かわって清水市政が誕生しましたが、清水市長は2年前、宮原メディカルの跡地に犬や猫などの夜間・休日診療を行う動物病院の建設を計画しました。
 私は2012年12月議会で、「大宮住民の命と、犬や猫の命と、どちらが大事なのか」と追及。内科のオールナイト診療を復活させないまま、夜間診療の動物病院を建てる「お犬様優先」ぶりは、5代将軍・徳川綱吉以来の暴挙だと批判したところ、宮原メディカル跡地への動物病院の建設計画は白紙になりましたが、清水市長はかわって(仮称)盆栽アカデミーという「盆栽の保養所」を建設しようと画策していることが判明しました。

年間赤字1億6000万の盆栽美術館に続き、盆栽アカデミー建設
 「新たな観光客が年間15万~20万人訪れる」という予測をもとに10億5000万円をかけて建設し、2010年にオープンした盆栽美術館は、地元住民や小学校の社会科見学を合わせても年間5万人の入場者しかおらず、毎年1億6000万円以上の赤字を出しています。
さらに栃木県の美術館から5億円で購入した展示品の盆栽も、約6000万円相当が枯れてしまいました。
 しかし、清水市長は盆栽美術館の拡充策として、新たに(仮称)盆栽アカデミーを建設しようとしています。
大宮の盆栽村は、相続税の支払いや、産業としての活力低下、国内愛好家の減少などで、盆栽園はわずか6ヵ所に減少しました。盆栽園の現状では後継者の育成が難しいため、盆栽関連産業に従事する人材の育成や、盆栽を体系的に学べる場を提供することで盆栽愛好家を増やすことを目的に、さいたま市は2016年度末までに(仮称)盆栽アカデミーを設置しようというのです。
 当面は、盆栽美術館や周辺の公共施設を使って講座を開設する予定ですが、実技講習や盆栽美術館で展示する盆栽の保管や培養を行う場所として、新たな施設の建設も行う予定です。
 具体的な建設場所は、盆栽美術館に隣接する県の研修センターを借用する案が出ましたが、県が使用中のため「現実的には難しい」として、清水市政は宮原メディカルセンター跡地をはじめ、市有地3ヵ所を候補に挙げています。

一方で、住民に密着した大宮図書館は統廃合で3割縮小へ
 大宮住民の命を守って来た病院を閉鎖して、浦和の方へ移し、内科のオールナイト診療は再開しようとしないうえに、その跡地に夜間診療を行う動物病院を建てようとしたり、はたまた盆栽の保養所を建設するとは、大宮住民をこれほどまでに侮辱した行政はありません。
 そもそも、盆栽関連産業の人材育成や、盆栽を購入する愛好家を増やすための施設なら、盆栽の業界団体が建設すべきであって、さいたま市が特定業界の利益のために、税金を使って建設・運営すべき施設ではありません。
清水市政は「公共施設のマネジメント計画」を策定し、公民館や図書館、保育所、小中学校など、公共施設を統廃合して2割削減する方針を掲げています。そして氷川参道の大宮図書館を、大宮区役所とともに市民会館の南側へ移転・統合して面積を3割も縮小しようとしています。
 その一方で、「盆栽や人形のための施設は、『マネジメント計画』の対象外として建設を認める」としています。
 住民生活に不可欠な公共施設は縮小して、特定業界の利益につながる箱物は、市税を投入して建設を進めるという清水市政のやり方は、明らかに間違っています!
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。
(2)
「号泣議員」がさいたま市にも! 政務活動費を二重請求
ニセ書類で郵送料を二重取りした帆足和之議員の辞職勧告を議長に要望しました
 さいたま市議会では、議員報酬(年収1313万5942円)の他に、所得税がかからない政務活動費(年間408万円)が支給されます。私は議員をしていた6年間、政務活動費(2012年度までは政務調査費)を受け取りませんでしたが、他の59人の議員は受け取っています。
 政務活動費をめぐって、昨年は「実際には行かなかったカラ出張を繰り返した」「切手を大量購入して金券ショップ売りさばいていた」という、兵庫県の野々村県議のズサンな使い方が明るみになり、記者会見で追及されるや泣きながら取り乱し、「号泣議員」として全国ニュースになりました。
 しかし、さいたま市議会でも「広報誌の発送」を名目に、政務調査費で切手を大量購入し、実際の発送には使わなかった議員がいることが判明しました。
 『吉田一郎市政レポート』12月特別号で、「X議員」として報じた帆足和之議員(自民党・浦和区)です。

大量購入した切手代の返還を求め、さいたま地裁に提訴
 帆足議員は2011年3月30日に80円切手1600枚、4月27日に80円切手850枚などを購入し、計17万2311円の政務調査費を使用しました。
また4月27日に料金別納郵便2374通を発送して、16万9911円の政務調査費を使用しました。
 しかし、①帆足議員が発送した広報誌は31グラム(送料90円)で、80円切手は使用できないこと、②大量購入した切手は「ケロロ軍曹」やディズニーキャラクターなど、マニア向けの収集用切手が多いこと…など不審な点があるため、帆足議員が切手購入で使用した政務調査費の返還を清水市長が勧告することを求め、昨年8月に住民監査請求を提出。11月にさいたま地裁で住民訴訟を行いました。
 9月4日に議長が行った聞き取り調査に対し、帆足議員は「広報誌を料金別納郵便で2374通、切手で853通発送した」と供述していましたが、帆足議員が政務調査費の請求時に提出した領収書を私たちが改めて調べたところ、政務調査費の二重請求が発覚しました。

現金を払ったのは1回分なのに、領収書を2回入手して提出
 帆足議員の具体的な手口は、料金別納郵便の発送料を現金で支払わずに、購入した切手を使って料金を支払い、切手購入時の領収書(現金で購入)と、料金別納郵便の発送時の領収書(切手で納付)の2つの領収書を提出して、政務調査費を二重請求していたのです。
 私は9人の市民とともに、12月18日に改めて住民監査請求を提出するとともに、帆足議員の辞職勧告決議を議会で挙げるよう、霜田紀子議長に要望書を提出しました。
 すると、帆足議員は29日に「二重支出だった可能性がある」と認め、2011年4月27日に切手購入で使用した政務調査費6万1911円を市へ返還しましたが、3月30日に使用した11万0400円は返還しないままです。
 また、帆足議員がニセの書類(2つの領収書)を提出して政務調査費を二重請求したことは刑法156条(虚偽公文書作成及び同行使)、議長の調査にウソの供述をして欺いたことは刑法246条(詐欺)に抵触し、お金を返したからと言って罪が消えるわけではありません。
現に兵庫県の野々村県議も、不正に受け取った政務活動費は返済していますが、議員を辞職し、県議会は警察へ告発。今年1月19日に虚偽公文書作成・同行使と詐欺の容疑で、兵庫県警に書類送検されています。

他にも怪しい議員が?帆足議員を放置するさいたま市議会
 しかし、さいたま市議会は不正請求を認めた帆足議員を警察に告発せず、12月議会では自民・公明・民主・共産・改革の各政党・会派は、帆足議員の辞職勧告決議を取り上げようともしないで、二重請求を放置しています。
 実際のところ、さいたま市議会では帆足議員以外にも、パソコンのリースで153万円と言う常識では考えられない金額を支払っている議員が存在しています。
 そもそも年間1300万円以上の議員報酬が支給されれば政務活動費は不要です。私は今後も、政務活動費の不正使用について調査を続けていきます。
2014年12月20日埼玉新聞
2014年12月20日付『埼玉新聞

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