2013年3月特別号 (1)
2面へ
総事業費3000億円
財政破綻招く地下鉄建設は許さない
清水市長、岩槻と浦和美園に予算集中し、「17年度着手」を宣言

 清水市長は2月12日、浦和美園~岩槻の地下鉄7号線の建設について、「実現に向けて全力を挙げて取り組む」と宣言。開発予算を集中投入して、2017年度に建設に着手する決意を明らかにしました。
 地下鉄建設は、沿線開発費を含めると3000億円に達し、開業後の採算も取れず、毎年巨額の赤字を出すことが、市が依頼した専門家の調査で明らかになっています。財政破綻を確実に招く無謀な地下鉄建設は、なんとしても阻止しなくてはなりません!

 浦和美園~岩槻(7.3km)の地下鉄の建設費は、トンネルと車両購入で800億円、沿線開発を含めると総事業費は3000億円で、市民1人につき24万円強、4人家族なら約100万円もの負担です。
 市は昨年度、専門家6人による検討委員会で調査させ、昨年2月に採算性の予測結果を公表しました。 それによると、人口減少社会の到来で、浦和美園~岩槻の乗客は、開通時の1日2万3900人が、15年後には2万2200人に減少し、国の基準である「開通後30年以内に黒字転換」は不可能だと判明しました。
 埼玉高速鉄道の赤羽岩淵~浦和美園は、1日8万5100人の利用者がいますが、10年度決算では41億円の最終赤字を出して1276億円の負債を抱え、県や市が出資や貸付、補助金など、12年間で計1530億円もの税金を投じています。 その3分の1しか乗客が見込めず、さいたま市内しか通らないため、市が単独で赤字に責任を持つ地下鉄の岩槻延伸は無謀です。

地下鉄賛否の住民投票実施拒否し建設強行へ
 清水市長は昨年10月1日の本会議で、岩槻への地下鉄建設を「これまでの検討段階から、実行段階に移行した」と宣言。浦和美園~岩槻に開発予算を集中投入し、5年後に地下鉄建設に着手すると発表しました。
 しかし検討委員会では、1200億円以上かけて浦和美園の開発を進めても、乗客増は2400人、中間駅周辺の開発に330億円投じても、乗客は400人しか増えず、黒字転換は見込めないと公表しています。
 専門家の声を無視して、「地下鉄延伸に対する地域の思い」を実現するために、議会や市民と一丸となって計画を進めると言い出した清水市長を、私は同日の本会議で即座に追及しました。


吉田一郎 清水市長は「地下鉄建設は地域の思い」だと言うが、具体的にどこの地域の思いなのか。
森田政策局長 沿線も含めた市民の思い。
吉田一郎 さいたま市民全体の意向を確認するために、住民投票を実施しないのか。
森田政策局長 住民投票は検討してない。
吉田一郎 住民投票を実施せずに、「市民の思い」をどうやって確認したのか。
森田政策局長 市民に確認したわけではなく、我々が今後進めていく気持ちを伝えたもの。【動画で見る】

 清水市長は「自分の思い=市民の思い」という勝手な理屈で、地下鉄建設に3000億円も投じようというのです。
 市議会でも、自民・公明・民主・共産・改革の議員で構成する地下鉄7号線延伸事業化特別委員会が、浦和美園の大型開発を進めて地下鉄建設を促進するよう求める提言書を、8月31日に清水市長へ提出しました。
 確実に財政破綻を招く地下鉄7号線の建設を阻止するためには、市長を変えなくてはなりません。


建設費不要で岩槻から都心へ直通電車
嘘の答弁で「吉田プラン」漬し図る

地下鉄7号線と「吉田プラン」  都心から岩槻まで、ほとんど費用をかけずに地下鉄を走らせる方法があります。
 野田線と伊勢崎線を直通運転し、さらに地下鉄半蔵門線や日比谷線に乗り入れれば良いのです。野田線各駅のホームを延長する工事が必要な程度です。
 また、①2~3年で実現可能、②運賃が安い、③東岩槻や七里、大和田にも地下鉄が乗り入れる、④大宮と越谷、草加が電車1本で結ばれる、⑤開業後の赤字負担が不要…などのメリットがあります。
 私は10年6月議会と11年9月議会で、「吉田プラン」を提案しましたが、清水市政は検討すら拒みました。 しかし、東武鉄道は8月29日から5日間、大宮~春日部~東京スカイツリーの臨時直通電車を運転。「吉田プラン」が半分実現したのです。
 そこで私は昨年9月20日の本会議で、市が東武鉄道に直通電車の定期運行や増発、岩槻や北千住への停車、ラッシュ時の運行などを要望するつもりはないのかを問いただしたところ、清水市政は「要望する予定はない」と頑なに拒否しました。

吉田一郎 直通運転は技術的に可能なのに、要望するつもりはないのか。
蓜島都市局長 東武鉄道に確認したところ、野田線と伊勢崎線に配属されている車両では、両線の乗り入れ運行はできず、今回の運行に使用したのは、博物館所有の電車との回答だった。
吉田一郎 野田線や伊勢崎線を走っている8000系の電車なら、直通運転ができるはずだ。
蓜島都市局長 先の答弁は、東武に確認した結果だ。【動画で見る】

 ところが同日、東武鉄道は8000系の車両を使用して、直通運転を11月末まで延長し、岩槻など野田線各駅や北千住にも停車させると発表。「乗り入れはできないと東武に確認した」という答弁は、ウソだったことが明らかになりました。
 配島政策局長は10月1日の本会議で、「運行は可能だった」と白状しましたが、議会を欺いてまで「吉田プラン」を拒否し、地下鉄建設を強行する清水市政のやり方は許せません!

 さいたま市長選挙は 
 5月19日(日)投票です
財政破綻を招く
3000億円の地下鉄7号線建設にNO!

→東武野田線と日比谷線半蔵門線の直通 運転(吉田プラン)の実現を
赤字垂れ流しのハコモノ建設にNO!
→岩槻人形会館(30億円)、子ども総合センター(60億円)、サッカープラザ、子ども博物館の建設計画は即時中止します
→公共事業は住民生活に密着した道路、下水道、公園整備などを重点に
生活保護のバラマキにNO!
→「貧困ビジネス」の一掃と、不正受給の取り締まりを徹底
→病気や障害、高齢ではなく働ける人には生活保護は支給しません
→働ける困窮者は、すべて市が臨時雇用して賃金を支給します

2013年3月1日特別号 (2)

県立図書館の存続求め市民の声を議会に提出
 埼玉県は9月、県内3ヵ所にある県立図書館のうち、浦和と久喜を廃止して、熊谷に統合する計画を発表しました。
 久喜では近隣の7自治体が閉鎖に反対し、久喜市議会では県立図書館の存続を求める意見書が全会一致で可決されました。
 しかし、さいたま市では清水市長が10月10日の記者会見で「県の要請を尊重する」と言い、市議会でも自民党が「1つの施設のために県へ意見書を出すべきでない」と言い出して、公明・民主・共産・改革も同調。県立図書館の閉鎖に何の声も挙げないことになりました。
 そこで私は2月議会で、県立図書館の存続を求める浦和区住民からの請願を議会へ提出。議会で審議させることに成功しました。
 浦和の県立図書館には戦前の貴重な資料等も多く所蔵されていますが、このままでは熊谷まで行かないと閲覧できなくなってしまいます。県庁所在地なのに県 立図書館が無くなるのでは、文教都市も有名無実と化しかねません。 市長なら県立図書館の存続を先頭に立って求めるべきです。上田知事の言いなりになって いるようでは、清水市長は失格です。

職員にタイムカードを県は導入、市では否決
 さいたま市では昨年度、80人の職員が1000時間以上残業し、最高1873時間の残業で783万円の手当を支給された職員が判明しました。
 過度な残業の横行は財政負担を重くし、職員の健康を害します。そこで私はタイムカードの導入を求める請願を議会に提出しました。
 11月29日の本会議で、私は残業の抑制にはまず正確な残業時間の把握が不可欠だと、タイムカード導入を支持するよう呼びかけましたが、自民・公明・民主・共産がこぞって反対し、請願は否決されました。
 一方、埼玉県でも昨年度は最高2017時間の残業を行った職員がいたことが判明。上田知事は2月からのタイムカード導入を発表し、県人事課では「正確な勤務状況を把握できる」と言っています。さいたま市も見習うべきです。【関連動画】

自民党の「有力議員」の横暴をはね返しました
 12月議会では、清水市政の昨年度の決算について、浦和の公園修繕工事をめぐる不適正な事務処理や公文書偽造、「官製談合疑惑」などが明るみになり、すべての議員が反対しました。
 しかし12月20日の議会運営委員会で、青羽健仁議員(自民党・浦和区)が、「全会派が反対なら、反対理由を述べてはならないのがルール」と言い出し、 民主・公明・改革は青羽議員の圧力に屈して同意。共産党は「ウチだけは意見を述べさせてほしい」と懇願し、青羽議員に修繕工事の件には触れず、討論は短め にと条件をつけられたうえ、「特別」に認められました。
 私はその場で青羽議員の横暴に抗議。「共産党のような『弱虫』とは違い、私は自由に意見を言って反対する」と宣言し、翌21日の本会議で、浦和の公園修 繕工事をめぐる「官製談合疑惑」などを徹底批判したところ、共産党や公明党も次々と不適正な事務処理を批判する意見を述べ、議会の言論の自由を守ることが できました。 青羽議員は07年から2年間議長に就任した当時、本会議で相川前市政を批判した私を、退場処分や暴力排除して負傷させるなどの「言論圧殺」 を繰り返していました。
 そこで私は09年にいったん議員を辞職。「すべての議員が発言できる議会を」と訴え、補欠選挙で2万7045票のご支持を頂きましたが、議会の言論を封じる動きには、徹底的に闘います。



生活保護
2000万円以上の不正受給野放し
返済応じず再犯繰り返しても、警察に届けない清水市政

 生活保護は安易な申請が急増し、さいたま市では今年度331億4000万円に達していますが、不正受給も激増しています。
 さいたま市では昨年度、352件の不正受給が発覚。騙し取られた金額は計1憶7400万円と、前年より6割も増えています。
 不正受給は犯罪で、悪質な場合は詐欺罪も適用されます。大阪では8月に、700万円を不正受給してマイホームを購入していた女性が逮捕されるなど、各地 の自治体は数十万円の不正受給を次々と警察に訴えていますが、さいたま市では1件も警察に被害届を出し
ていません。
 10月1日の本会議では私の追及により、2000万円以上の不正受給を野放しにしたうえに、保護費を現在も支給し続けている実態が明らかになりました。


吉田一郎 昨年度の100万円以上の不正受給者は。
小林副市長 46件です。
吉田一郎 最高額は、一体いくら騙し取ったのか。
小林副市長 最高額は242万円…、いや2042万円でした。
吉田一郎 その人は現在、働いて毎月いくら収入を得ているのか。また生活保護費は支給しているのか。
小林副市長 月17万4400円の収入があり、2万6197円を支給している。
吉田一郎 騙し取ったお金を昨年度、毎月いくらずつ返済させたのか。
小林副市長 月2000円。
吉田一郎 その人を警察に告発しなかった理由は。
小林副市長 返還に応じる姿勢を示していれば、特に悪質ではないから。
【動画で見る】

 労働収入と保護費で毎月20万円以上の収入があるのに、月2000円の返済しか応じないというのでは、返済が終わるのは数百年先で、「返さない」と言っているのも同様です。
 12月10日の保健福祉委では、昨年度の不正受給352件のうち、騙し取ったお金を返済し終えたのは138件、分割で返済中が118件で、返済が滞っているのが54件、返済の話し合いに応じていない者が42件もあることが判明しました。
 また、352件のうち56件は、2回以上の不正受給を繰り返した再犯でした。
 数千万円の不正受給を放置し、返済に応じなくても警察に訴えないのなら、不正受給を何度も繰り返す者が相次ぐのは当たり前です。

働くよりも収入が多い
制度見直しに抵抗勢力

 12月議会では、共産党が紹介議員になって提出した、生活保護制度の見直しに反対する請願が審議されました。そこで私は12月7日の保健福祉委員会で、現状の支給額を問いただした結果が下の表です。
 4人家族で月額30万円を超え、税金や医療費無料などの「特典」を加えると、45~50万円に相当します。 総務省の調査によると、家族1人あたりの消 費支出は、一般勤労世帯ではバブル崩壊後の13年間で、月10万0623円から9万3232円へ減っているのに対し、生活保護世帯では逆に6万8540円 から7万2533円へ増えています。 医療費や学校給食費などの各種減免分を加えれば、働いている家庭の平均より実際には上回りかねません。
 私は10日の保健福祉委で、「どれだけの企業で一生懸命働いている人が毎月45~50万の給与を得ているのか」「働く者が馬鹿を見る世の中はおかしい」と批判。
 さらに離婚した母子家庭に「亡き夫の墓参り費用」を毎月支給していたり、精神障害者や知的障害者にも「切断した手足の傷口消毒代」「点字新聞の購読費」を支給するなど、生活保護制度のおかしな現状を指摘。
 共産党以外の議員は私と一緒に反対にまわり、制度見直しを拒否する請願は否決されました。

生活保護の支給よりも
市が雇用すべきと提案

 生活保護制度は病気や障害などで、働きたくても働けない人の最低限の生活を保障する制度です。
 しかし、受給者が急増しているのは病気や障害ではなく、高齢者でも母子家庭でもない、職さえあれば働ける「その他世帯」です。
 そこで私は12月10日の保健福祉委で、違法駐輪や路上喫煙の取り締まりなど、市が働ける受給者に仕事をまわしたらどうかと提案しましたが、清水市政は「雇用するのは困難」だと拒否しました。
 同じ税金を使うのなら、現金をただ毎月配るより、公園清掃やデータ入力、生活困窮者への支援・相談業務など、市がさまざまな仕事を用意し、賃金として支払った方がよほど有意義で、受給者の自立にもつながります。生活保護のバラマキに専念する市政は、変えなくてはなりません。

生活保護の受給世帯数

その他世帯 総数
07年10月  551   7601
08年10月  1093   8137
09年10月  2143   9775
10年10月  3264  11723
11年10月  3871  13078
12年10月  4148  14200

その他世帯=世帯主が病気・障害・
高齢・母子家庭ではなく働ける世帯

 さいたま市の生活保護支給額
 (冬季、住宅扶助・教材費込み)

●19歳単身の場合
  月額13万6300円
●30歳代夫婦+小学生2人の場合
  月額30万2440円
 ●40歳代母親+中学1人
  小学2人で鬱病の場合
  月額35万7190円

他に支給されるもの
医療扶助(医療費、通院交通費、入院日用品、眼鏡)
教育扶助(学校給食費、修学旅行費)
介護扶助(介護サービスの自己負担分)
出産扶助(出産費、オムツ・ミルク)
生業扶助(技能習得費、スーツ、高校授業料・通学費)
葬祭扶助(死亡診断書 運搬料、火葬料)
融時扶助(子供服、布団、家具、引越し、 敷金礼金など)
※税金、年金、NHK受信料、水道基本料、保育料は免除
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間360万円)を受け取らずに活動しています。
  

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