2013年1月特別号 (1)
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総事業費3000億円
財政破綻招く地下鉄建設は許さない
清水市長、岩槻と浦和美園に予算集中し、「5年後着手」を宣言

 清水市長は10月1日、浦和美園~岩槻の地下鉄7号線の建設について、「検討段階から実行段階へ移った」と宣言。開発予算を集中投入して、5年後に建設に着手する決意を明らかにしました。
 地下鉄建設は、沿線開発費を含めると3000億円を超え、開業後の採算も取れず、毎年巨額の赤字を出すことが、市が依頼した専門家の調査で明らかになっています。財政破綻を確実に招く無謀な地下鉄建設は、なんとしても阻止しなくてはなりません!

 浦和美園~岩槻(7.3km)の地下鉄の建設費は、トンネルと車両購入で800億円、沿線開発を含めると総事業費は3000億円で、市民1人につき24万円強、4人家族なら約100万円もの負担です。
 市は昨年度、専門家6人による検討委員会で調査させ、昨年2月に採算性の予測結果を公表しました。 それによると、人口減少社会の到来で、浦和美園~岩 槻の乗客は、開通時の1日2万3900人が、15年後には2万2200人に減少し、国の基準である「開通後30年以内に黒字転換」は不可能だと判明しまし た。
 埼玉高速鉄道の赤羽岩淵~浦和美園は、1日8万5100人の利用者がいますが、10年度決算では41億円の最終赤字を出して1276億円の負債を抱え、 県や市が出資や貸付、補助金など、12年間で計1530億円もの税金を投じています。 その3分の1しか乗客が見込めず、さいたま市内しか通らないため、 市が単独で赤字に責任を持つ地下鉄の岩槻延伸は無謀です。

地下鉄賛否の住民投票実施拒否し建設強行へ
 清水市長は昨年10月1日の本会議で、岩槻への地下鉄建設を「これまでの検討段階から、実行段階に移行した」と宣言。浦和美園~岩槻に開発予算を集中投入し、5年後に地下鉄建設に着手すると発表しました。
 しかし検討委員会では、1200億円以上かけて浦和美園の開発を進めても、乗客増は2400人、中間駅周辺の開発に330億円投じても、乗客は400人しか増えず、黒字転換は見込めないと公表しています。
 専門家の声を無視して、「地下鉄延伸に対する地域の思い」を実現するために、議会や市民と一丸となって計画を進めると言い出した清水市長を、私は同日の本会議で即座に追及しました。


吉田一郎 清水市長は「地下鉄建設は地域の思い」だと言うが、具体的にどこの地域の思いなのか。
森田政策局長 沿線も含めた市民の思い。
吉田一郎 さいたま市民全体の意向を確認するために、住民投票を実施しないのか。
森田政策局長 住民投票は検討してない。
吉田一郎 住民投票を実施せずに、「市民の思い」をどうやって確認したのか。
森田政策局長 市民に確認したわけではなく、我々が今後進めていく気持ちを伝えたもの【動画で見る】

 05年に岩槻市が合併した際、大宮や浦和では地下鉄建設に反対の声が強く、合併協定書に「地下鉄建設」の文字は入っていません。
 しかし、清水市長は「自分の思い=市民の思い」という勝手な理屈で、地下鉄建設に3000億円も投じようというのです。

大宮の豊かな税収使い
浦和の次は岩槻へ投入

 市議会でも、自民・公明・民主・共産・改革の議員で構成する地下鉄7号線延伸事業化特別要員会が、浦和美園の大型開発を進めて地下鉄建設を促進するよう求める提言書を、8月31日に清水市長へ提出しました。
 9月には商工会議所など財界が中心となって期成会が結成され、市民の意向はおかまいなしに、地下鉄建設に向けた「大政翼賛体制」が築かれつつあります。
 10月1日の本会議では、私の追及によって市が合併から昨年度までに投じた旧4市別の都市開発総額は、大宮が浦和を1618億円下回り、さらに湘南新宿 ラインを浦和駅に停めるための立体高架化事業420億円を加えると、2000億円もの格差が判明しました。
 このうえ、岩槻と浦和美園に3000億円を投じるのでは、私たちの街・大宮の発展は永久に不可能となってしまいます。
 確実に財政破綻を招く地下鉄7号線の建設を阻止するためには、市長を変えなくてはなりません。

合併後の都市開発総額(2011年度末まで)

市街地再開発 土地区画整理
大宮 274億8700万円 516億7600万円
浦和 1475億5500万円 933億9400万円
与野 147億7900万円 90億9900万円
岩槻 0円 194億1000万円

(10月1日本会議での蓜島都市局長の答弁より)




建設費不要で岩槻から都心へ直通電車
嘘の答弁で「吉田プラン」漬し図る

地下鉄7号線と「吉田プラン」  都心から岩槻まで、ほとんど費用をかけずに地下鉄を走らせる方法があります。
 野田線と伊勢崎線を直通運転し、さらに地下鉄半蔵門線や日比谷線に乗り入れれば良いのです。野田線各駅のホームを延長する工事が必要な程度です。
 また、①2~3年で実現可能、②運賃が安い、③東岩槻や七里、大和田にも地下鉄が乗り入れる、④大宮と越谷、草加が電車1本で結ばれる、⑤開業後の赤字負担が不要…などのメリットがあります。
 私は10年6月議会と11年9月議会で、「吉田プラン」を提案しましたが、清水市政は検討すら拒みました。 しかし、東武鉄道は8月29日から5日間、大宮~春日部~東京スカイツリーの臨時直通電車を運転。「吉田プラン」が半分実現したのです。
 そこで私は昨年9月20日の本会議で、市が東武鉄道に直通電車の定期運行や増発、岩槻や北千住への停車、ラッシュ時の運行などを要望するつもりはないのかを問いただしたところ、清水市政は「要望する予定はない」と頑なに拒否しました。

吉田一郎 直通運転は技術的に可能なのに、要望するつもりはないのか。
蓜島都市局長 東武鉄道に確認したところ、野田線と伊勢崎線に配属されている車両では、両線の乗り入れ運行はできず、今回の運行に使用したのは、博物館所有の電車との回答だった。
吉田一郎 野田線や伊勢崎線を走っている8000系の電車なら、直通運転ができるはずだ。
蓜島都市局長 先の答弁は、東武に確認した結果だ。【動画で見る】

 ところが同日、東武鉄道は8000系の車両を使用して、直通運転を11月末まで延長し、岩槻など野田線各駅や北千住にも停車させると発表。「乗り入れはできないと東武に確認した」という答弁は、ウソだったことが明らかになりました。
 配島政策局長は10月1日の本会議で、「運行は可能だった」と白状しましたが、議会を欺いてまで「吉田プラン」を拒否し、地下鉄建設を強行する清水市政のやり方は許せません!


2013年1月特別号 (2)
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「歯みがき条例」で毎年80億円の財政負担!?
 12月20日に各政党・会派の議員が「歯科口腔保険の推進のための条例案」を提出。その内容は、市民の責務として年1回の歯科検診や「正しい歯みがき」の努力を義務付けるものです。
 私は同日の保健福祉委員会で、提出者の自民党と民主党の議員に、市民が全員歯科検診を受けた場合の財務負担額を問いただしたところ、「わからない」という回答でした。
 そこで、執行部に確認したところ、市が現在行っている歯科検診(自己負担600円)は、歯科医が目で見てチェック簡単なもので虫歯が発見できる確率は不 明。口腔ガンなどの重大な病気は発見できたことがなく、毎年1万人の受診で市は6219万円を支出しており、125万人に検診が義務付けられれば年間80 億円近い財政負担になることが判明しましたが、翌21日の本会議で私以外は全員賛成して可決されました。
 4年前に子ども医療費が中3まで無料化しました。安易な受診が増えたことで予想より財政負担が10億円増えましたが、それでも53億4772万円です。
 自民党や民主党は歯科医師会に要望されて条例を制定してしまう議会の現状は問題です。

職員にタイムカードを県は導入、市では否決
 さいたま市では昨年度、80人の職員が1000時間以上残業し、最高1873時間の残業で783万円の手当を支給された職員が判明しました。
 過度な残業の横行は財政負担を重くし、職員の健康を害します。そこで私はタイムカードの導入を求める請願を議会に提出しました。
 11月29日の本会議で、私は残業の抑制にはまず正確な残業時間の把握が不可欠だと、タイムカード導入を支持するよう呼びかけましたが、自民・公明・民主・共産がこぞって反対し、請願は否決されました。
 一方、埼玉県でも昨年度は最高2017時間の残業を行った職員がいたことが判明。上田知事は2月からのタイムカード導入を発表し、県人事課では「正確な勤務状況を把握できる」と言っています。さいたま市も見習うべきです。

浦和の「有力議員」の横暴をはね返しました
 12月議会では、清水市政の昨年度の決算について、浦和の公園修繕工事をめぐる不適正な事務処理や公文書偽造、「官製談合疑惑」などが明るみになり、すべての議員が反対しました。
 しかし12月20日の議会運営委員会で、青羽健仁議員(自民党・浦和区)が、「全会派が反対なら、反対理由を述べてはならないのがルール」と言い出し、 民主・公明・改革は青羽議員の圧力に屈して同意。共産党は「ウチだけは意見を述べさせてほしい」と懇願し、青羽議員に修繕工事の件には触れず、討論は短め にと条件をつけられたうえ、「特別」に認められました。
 私はその場で青羽議員の横暴に抗議。「共産党のような『弱虫』とは違い、私は自由に意見を言って反対する」と宣言し、翌21日の本会議で、浦和の公園修 繕工事をめぐる「官製談合疑惑」などを徹底批判したところ、共産党や公明党も次々と不適正な事務処理を批判する意見を述べ、議会の言論の自由を守ることが できました。 青羽議員は07年から2年間議長に就任した当時、本会議で相川前市政を批判した私を、退場処分や暴力排除して負傷させるなどの「言論圧殺」 を繰り返していました。
 そこで私は09年にいったん議員を辞職。「すべての議員が発言できる議会を」と訴え、補欠選挙で2万7045票のご支持を頂きましたが、議会の言論を封じる動きには、徹底的に闘います。



ベンツ乗り回して生活保護
札幌市→詐欺罪で懲役4年、さいたま市→5年間放置
 札幌で6月、ベンツなど高級外車を乗り回していた生活保護受給者が逮捕され、全国ニュースになりました。札幌地裁で「生活保護制度を悪用し、不正な利益を得た悪質な犯行」として、詐欺罪などで懲役4年の判決を言い渡されています。
 一方さいたま市でも、9月24日の保健福祉委員会で、ベンツを所有する生活保護受給者がいることが判明しました。しかし清水市政は「不正受給」として訴えようともせず、5年間も保護費を支給し続けています。
 生活保護の受給者は、多額の維持費が必要な車の所有は認められません。ただし、僻地に住んでいたり、身障者の通院用、仕事で使うなどの場合は、車の所有が許可されます。
 さいたま市では身障者などに18台の所有を認めていますが、無許可の車も153台あります。
 これらの多くは、生活保護受給前に買った車を持っているケースで、市は「処分するように」と指導していますが、なかには不正受給で得た金や保護費を貯め込むなど、生活保護の受給後に車を購入したケースも10件ありました。

吉田一郎 高級外車を所有しているケースは。
保護課 高級外車というのでは、わかりません。
吉田一郎 では、具体的にべンツを所有しているのは。
保護課 わかっている範囲で2台ある。

 1台は北区で、受給開始のだいぶ前に購入した(昭和55年型)ようですが、もう1台は緑区で、ベンツ購入の2ヵ月後に生活保護を申請。職員にべンツを発 見された後も、生活保護費をベンツのローン返済に充て、5年間にわたって乗り回している悪質なケースです。
 車を隠し、「資産がない」と生活保護を申請したら、不正受給で詐欺罪です。
 しかし、さいたま市は警察に訴えようともせず、「ベンツを処分して下さい」とお願いしているだけです。

吉田一郎 車に限らず、株や飛行機でも、大きな資産を隠して生活保護の受給をしても不正にならないのか。
保護課 そうですね…。そういう資産が後ほどわかった場合には、不正受給に該当する場合もあるかと思う。
吉田一郎 じゃあ緑区のケースは不正受給ではないか。
保護課 不正受給とみなさず、処分を指導中。


 生活保護は、病気や障害などで本当に困っている人のための制度です。それを悪用して高級車のローンに充てる受給者を野放しにしていては、制度が崩壊してしまいます。

フィリピン人の受給者が激増
 生活保護は本来、日本国民の最低限の生活を保障する制度ですが、実際には外国人にも支給しています。
 何世代にもわたって日本に住んでいる在日韓国・朝鮮人が、全国では外国人受給者の4分の3を占めていますが、12月10日の保健福祉委では、私の質問によってさいたま市ではフィリピン人が最多だと判明。しかも民主党政権下の3年間で激増しています。
 大阪では昨年、入国間もない中国人の大量申請事件がありましたが、私が「なぜフィリピン人が多く、激増しているのか」「永住者か一時居留者か」「海外への送金状況は」と追及しても、保護課は「把握していない」と逃げ続けています。

    外国人の生活保護受給世帯

国籍 12年7月 09年7月
フィリピン 105 67
韓国・朝鮮 89 58
中   国 42 24
ブラジル 8 6
ベトナム 7 6
GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/

2013年1月特別号 (3)
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41億円「耐震化」口実に浦和の市役所に新庁舎建設
合併協定書を無視して、「浦和中心」を恒久化へ

 12年前に大宮市と与野市、浦和市が合併した際に調印した合併協定書では、市役所は「さいたま新都心を候補地に建設する」と明記され、浦和の市役所はあくまで「当面の間」使用しているにすぎません。
 しかし相川前市長と清水市長の下で、合併協定書はまったく無視され、「さいたま市の中心は浦和」が既成事実化したことで、開発予算や中核的な公共施設の整備は浦和に集中しています。
 さらに清水市長は、巨額の費用を投じて浦和の市役所を耐震化し、60年間使い続けようとしています。 高度経済成長期に建てられた旧4市の市役所は、老朽化が進み、耐震性が問題になっています。
 清水市政は昨年、耐震補強すれば十分だった岩槻区役所を取り壊し、岩槻住民の強い反対の声を無視して経営破綻した市街地再開発ビル(ワッツ)へ移転。
 続いて大宮区役所も取り壊し、氷川参道の図書館や博物館と統廃合して、市民会館向かいへ移転させようとしています。一方で浦和の市役所も、耐震診断で「大地震で倒壊の危険性あり」という結果が出ました。
 これを機に浦和の市役所を取り壊し、合併協定書に基づいて、新都心に新市役所を建設するのかと思いきや、清水市長は浦和の市役所を使い続けるために、12月議会の補正予算で1憶6562万円の耐震化設計費を計上しました。
 私はさっそく11月29日の本会議で追及しました。


吉田一郎 耐震化の総事業費の見込みはいくらか。
安田財政局長 41億円。
吉田一郎 耐震化で浦和の市役所をあと何年使うのか。
安田財政局長 耐震化で建物の耐用年数は伸びるのではなく一般的に60年。平成27年度の耐震化完了から約20年ということになる。【動画で見る】


実は3年前の2月議会でも、私は「浦和の市役所をあと何年使い続けるつもりか」と清水市政を追及したことがあります。
 その時、政策局長は「耐用年数は50年なので、平成38年まで」と答弁していました。
 つまり清水市政は、議会を欺いて、こっそりと浦和の市役所の寿命を10年伸ばそうとしているのです。
 さらに、耐震化工事に合わせて敷地内に新たな庁舎を建てる計画です。現在の市庁舎の寿命が来ても、「新庁舎がまだ使えるから」と、浦和の市役所を永久化することになりかねません。

浦和の市役所を60年使い庁舎審議会は有名無実に
浦和の市役所  合併協定書には新市役所建設位置を、審議会を設置するなどして、「速やかに検討する」とも明記されていました。
 しかし相川前市長は合併協定書を無視して審議会を作らず、清水市長も放置し続けたあげく、合併から11年経って昨年6月にようやく審議会を設置しました。
 しかし、清水市長は設置から半年近く経っても審議会を開催せず、メンバーすら明らかにしませんでした。
 11月29日の本会議で私が「一体いつ開催するのか」と追及したところ、市は翌30日に慌ててメンバーを公表、12月19日に第1回の審議会を開きました。
 ところが、「速やかに検討する」はずの市役所位置の審議は先送りにされ、答申が出るのは3年後という超スローペースです。
 その間に、浦和の市役所の耐震化と新庁舎の建設が完了し、新都心に残された最後の空き地である第8-1A街区には病院(県立小児医療センターと日赤病 院)が建ってしまい、「新都心には土地は無いし、浦和には新庁舎ができたから」と、浦和の市役所を永久的に使うと結論が目に見えています。

建設費タダで新都心へ市役所移転
清水市長が拒否して漬す
新都心第8-1A街区  第8-1A街区はさいたま新都心の中央に位置する最後の空き地です。相川前市長はここに県や民間と共同でオフィスビルとサッカープラザ建てようとしてい ましたが、08年6月議会で私が「ここにサッカープラザを建てたら、新都心で他に市役所を建てられる場所はあるのか」と追及したところ、小林政策局長 (現・副市長)は「大変難しい」と答弁していました。 その後、オフィスビルを建てる予定だった三菱地所が、「景気低迷でテナントが埋まりそうにない」 と、ビルの半分以上を市が借りてくれるように要請。市は市役所移転も含めた検討を行ったものの、最終的に清水市長が拒否し、企業側はオフィスビルの建設計 画を破棄したことが、11年6月議会で明らかになりました。
 もし清水市長がビルへの入居を決断していれば、建設費ゼロで数年以内に合併協定書に基づいた市役所移転が実現し、浦和の市役所の耐震化や新庁舎建設も不要だったのです。
 それを拒否してこのまま浦和に市役所を置き続けることを決定し、さらに上田知事と一緒になって第8-1A街区に2つの病院を移転・統合して、新都心最後の空き地を潰そうとする清水市長の判断は、50万大宮住民にとって裏切り以外の何ものでもありません!

大宮駅を無視して「さいたま市のメインは浦和駅」
浦和駅前の整備に予算を集中投入
 清水市政は大宮駅周辺の交通渋滞を放置して、「浦和駅周辺4車線環状道路」の建設に巨額の予算を投じていますが、続けて浦和駅~県庁~市役所~市民会 館~浦和駅の「環状歩道整備」を画策。9月議会ではその第一弾として、浦和駅から県庁までの歩道整備を1億1000万円かけて行う補正予算案を提出しまし た。
 しかし、浦和駅と県庁の間には、すでに立派な歩道が整備されています。
 実は清水市長が上田知事と県庁通りを歩いた際に、知事から命じられて整備することになったもので、上田知事は「県庁所在地のメインストリートにふさわしい整備を」と言い、清水市長も「玄関口にふさわしい道路にしたい」と発表しました。
 しかし合併によって、埼玉県の「県庁所在地」は浦和市ではなく、さいたま市になったはずです。
 そこで私は9月13日の本会議で「さいたま市の玄関口はどこか」と問いただしたところ、清水市長は答弁することができず、代わって
角南技監が「いろいろ見方はあるでしょうが…」と、答えをはぐらかすだけでした。
 神奈川県の県庁所在地は横浜市で、横浜市の玄関口は横浜駅か新横浜駅です。
関内駅は「県庁の最寄り駅」に過ぎません。
 全国有数の巨大ターミナル駅である大宮駅の存在を無視して、浦和駅を「玄関口」「メインストリート」だと讃え、歩道すらない大栄橋北側の旧中山道の整備 を拒否する一方で、すでに立派な歩道がある浦和駅周辺に予算をつぎ込む清水市長のやり方は、相川前市長とまったく変わらない「浦和優先」ぶりです。

箱物に熱中する 清水市長
サッカープラザ
ー転
白紙撤回から建設へ
岩槻人形会館も着工宣言
 4年前の市長選で「サッカープラザ白紙撤回」を掲げた清水市長でしたが、12月3日の本会議では、「新都心への建設は『白紙撤回』という意味だった」「必要なら建設を考えていきたい」と言い出しました。
 また、3年前に私の追及で「展示品の人形がボロボロ」「岩槻人形が1つもない」などの実態が明るみになり、着工延期が続いていた岩槻人形会館(総工費30億円)も、6日の本会議で岩槻への地下鉄延伸を促進するために、着工する意向を明らかにしました。
 盆栽美術館は、9月13日の本会議で私の追及により、昨年度は収入1266万円、経費1億7836万円で、1億6570万円もの赤字が出たことが判明しています。
 清水市長は浦和区に子ども総合センター(総工費60億円、年間経費21億5000万円)の建設準備も進めていますが、「無駄な箱物
はもういらない」という公約を捨て、赤字垂れ流しの箱物作りに熱中するのでは、救いようがありません。
『吉田一郎 市政レポート』のバックナンバーや、市議会での動画集が、インターネットでご覧になれます!
2013年1月特別号(4)
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吉田一郎議員 このままでは
大宮
が危ない

2013市長選 吉田一郎は
新たに決意しました
 私、吉田一郎は先日記者会見を開き、5月に行われる予定のさいたま市長選挙に出馬する意向を表明したと報道されています。
 私は6年前の市議選で「大宮の声を市議会に」「浦和優先の行政・予算配分の是正」を掲げて初当選し、2年前の市議選では1万3322票を賜り、市内トッ プの得票で再選させて頂きましたが、故郷・大宮を救うためには、市長を変えて、さいたま市を変えなくてはならないと決意するに至りました。
 大宮市と与野市、浦和市が調印した合併協定書は無視されて、「さいたま市の中心は、市役所がある浦和」が既成事実と化したことで、浦和優先の市政運営が続いています。
 例えば、合併後の都市開発予算の総額は、湘南新宿ラインを浦和駅に停車させるための立体高架化・ホーム新設工事(総事業費420億円)を含めると、浦和 は大宮を2000億円以上も上回り、道路整備予算の総額も、旧浦和市が520億円に対して、旧大宮市は412億円と、100億円以上の格差がついていま す。
 また、「公共施設の適正配置方針」の名の下に、市民活動サポートセンターや国際交流センター、中央図書館、子ども総合センターなど、中核的な公共施設は 浦和にばかり建設され、地域の拠点となる複合公共施設の建設も、旧浦和市4ヵ所(プラザウェスト、プラザイースト、サウスピア、浦和美園=計画中)に対し て、旧大宮市は1ヵ所(プラザノース)だけ。 内科と小児科の24時間診療で大宮住民の命を守って来た大宮医師会市民病院(宮原メディカルセンター)をは じめ、公的な病院や保健所が次々と浦和の方へ移転し、さらに大宮住民の安全を守る大宮警察署までも浦和との境(三菱原子力研究所跡地)へ移されるなど、 「人の命も浦和優先」とでも言うべき政策が続いています。
 清水市長は4年前の市長選で、「地域に偏りのない公正公平な市政の実現」を掲げて当選しました。しかし市長の座につくや、相川前市長の路線を引き継い で、「浦和優先」の市政を続けています。 例えば、次世代自動車・スマートエネルギー特区(浦和美園と桜区上大久保)や、ハローワーク特区(武蔵浦和)、 産業集積拠点(桜区田島)など、雇用創出と地域経済活性化のための重点地区は、すべて浦和に集中させています。
 かつて相川前市長は「コムナーレ賑わい創出事業」と称して、浦和駅前に多額の公費を注ぎ込んでさまざまな客寄せイベントを開催しましたが、清水市長もま た、湘南新宿ラインの浦和駅停車に乗じて、1500万円を投じて、浦和駅周辺で賑わい創出のためのイベントを開催しようとしています。
 一方、清水市長は大宮駅東口では、区役所と図書館、博物館などの公共施設を統廃合して保健所跡(市民会館向かい)へ移そうとしていますが、その規模は解 体費込みで100億円と、武蔵浦和のサウスピア(南区役所=建築費だけで100億円)よりも小さなものに過ぎず、大宮駅周辺の空洞化に拍車をかけるだけで す。
 大宮駅周辺には、中核的な公共施設を何一つ作ろうとせず、中央デパートへのNHK移転も遅々として進まずに計画規模が縮小。3月末で大宮ロフトが閉店すると報道されましたが、商業都市としての大宮の繁栄は、いま存亡の危機に立たされようとしています。2015年以降の医療機関
 合併前の税収は、大宮市が浦和市を毎年20億~50億円上回り、大宮市は国から地方交付税を受け取らない健全財政でした。
 旧4市の財布をきっちり分けて、大宮の税収は大宮のために使い、旧4市に権限を委譲して、大宮の都市政策は大宮で決める仕組みを確立しなければ、大宮の再生は永久に不可能です。


吉田一郎は実行します
財政破綻を招く3000億円の地下鉄7号線建設にNO!
→東武野田線と日比谷線・半蔵門線の直通運転(吉田プラン)の実現を
赤字垂れ流しのハコモノ建設にNO!
→岩槻人形会館(30億円)、子ども総合センター(60億円)、サッカープラザ、子ども博物館の建設計画は即時中止します
→公共事業は住民生活に密着した道路、下水道、公園整備などを重点に
生活保護のバラマキにNO!
→「貧困ビジネス」の一掃と、不正受給の取り締まりを徹底
→病気や障害、高齢ではなく働ける人には生活保護は支給しません
→働ける困窮者は、すべて市が臨時雇用して賃金を支給します
市政の私物化にNO!
→市長による縁故採用や、現職市議が所有する土地購入の禁止
→電気自動車など特定の業界に多額の補助金投入の中止
→「官製談合」の徹底調査と契約ガイドラインの遵守
→住民や地域団体へのさまざまな責務や動員の押し付けに反対
中央集権と一極集中にNO!
→旧4市にそれぞれの街の規模に合った中核的な公共施設の整備
→「埼玉都構想」で、旧4市に自治体並みの権限と財源を →地域の税収は地域で使い、地域のことは地域で決める。地域の仕事は地域の業者に
→住民不在の合併、区名・区割りの見直し
◎さいたま新都心への小児医療センターと日赤病院の移転・集約を阻止
◎政務調査費の支給方法・金額・使途を全面的に見直し、不適正な使用には交付しません

大宮復活のために全力
旧大宮市が策定した大宮駅北口の開発計画●大宮駅北口の開設
・大栄橋と大宮駅との間の線路上に人工地盤を建設し、新宿駅南口のような新たな拠点として大宮駅北口を開設。大宮駅の新たな玄関口として、大宮駅周辺の活性化を図ります
大宮総合庁舎を建設し、市役所機能の一部を浦和から移転
大宮駅東口駅前通りの産業道路までの拡幅
大宮駅西口駅前通りと新大宮バイパスとの立体交差化
首都高大宮線を宮前町まで延伸
自衛隊通りと大和田公園通りの直結
・大宮北部を東西に貫く道路整備で、中心街の渋滞緩和を図ります
大宮市立病院の開設と内科・小児科24時間診療の実施
・今後の運営が不明確な大宮総合病院を市が買い取り、第二の「市立病院」として、早急にプラザノース北側へ移転改築します
大宮市復活について4年以内に住民投票

吉田一郎
最新著書 消滅した国々
第2次世界大戦以降、崩壊した183ヵ国
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最新著書 消滅した国々 ソ連やユーゴスラビア、ビアフラのように世界的な注目を集めて消えた国から、ヘレロ、クワクワ、アイレク共和国、シャン邦共和国など、日本では知られな いまま消えた「泡沫国家」まで、戦後67年間に消滅した世界183カ国の歴史、亡国への経緯、現状、最後の大統領や国王のその後などを711ページにわ たって紹介。
 誰も書かなかった国際政治や現代史のエピソードが満載の1冊です。

消滅した国々 吉田一郎〈著〉
 南ベトナム、東ドイツ、ソ連をはじめとした、「今はない国々」のうんちくが並ぶ。公海上に人工島を造ったり、無人の岩礁を占拠したりして独立を目指して挫折した例もある。「国」があやふやなものに感じられてくる。
 著者は合併で「消滅した自治体」となった旧埼玉県大宮市のさいたま市からの分離を訴える同市議。同市による旧大宮市への「植民地支配」を告発するあとがきが熱い。 
(社会評論社・2940円)
▲2012年12月9日付『朝日新聞』書評面

■吉田一郎プロフィール
1963年(昭和38年)生まれ。東大成小、植竹中、県立上尾高校卒。法政大学社会学部卒。早稲田大学院修士(国際関係学専攻)。
 香港中文大学に留学し、当時「魔窟」と言われた九龍城砦に居住。香港の新聞社で『香港ポスト』記者、『香港通信』編集長、『日刊香港ビジネスポスト』編 集長を歴任。日本に帰国後、相川前市政の下で故郷・大宮が蹂躙されていた現状に憤慨して、政治活動に身を投じる。2007年にさいたま市議に当選
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間360万円)を受け取らずに活動しています。

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