2012年12月特別号 (1)
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総事業費3000億円
財政破綻招く地下鉄建設は許さない!
清水市長、岩槻と浦和美園に予算集中し、「5年後着手」を宣言
 清水市長は10月1日、浦和美園~岩槻の地下鉄7号線の建設について、「検討段階から実行段階へ移った」と宣言。開発予算を集中投入して、5年後に建設に着手する決意を明らかにしました。
 地下鉄建設は、沿線開発費を含めると3000億円を超え、開業後の採算も取れず、毎年巨額の赤字を出すことが、市が依頼した専門家の調査で明らかになっています。財政破綻を確実に招く無謀な地下鉄建設は、なんとしても阻止しなくてはなりません!

 浦和美園~岩槻(7・3㎞)の地下鉄の建設費は、トンネルと車両購入で800億円、沿線開発を含めると総事業費は3000億円で、市民1人につき24万 円強、4人家族なら約100万円もの負担です。 市は昨年度、専門家6人による検討委員会で調査させ、今年2月に採算性の予測結果を公表ました。
 それによると、人口減少社会の到来で、浦和美園~岩槻の乗客は、開通時の1日2万3900人が、15年後には2万2200人に減少し、国の基準である 「開通後30年以内に黒字転換」は不可能だと判明しました。 埼玉高速鉄道の赤羽岩淵~浦和美園は、1日8万5100人の利用者がいますが、10年度決算 では41億円の最終赤字を出して1276億円の負債を抱え、県や市が出資や貸付、補助金など、12年間で計1530億円もの税金を投じています。
 その3分の1しか乗客が見込めず、さいたま市内しか通らないため、市が単独で赤字に責任を持つ地下鉄の岩槻延伸は無謀です。

地下鉄賛否の住民投票
実施拒否し建設へ強行

 清水市長は10月1日の本会議で、岩槻への地下鉄建設を「これまでの検討段階から、実行段階に移行した」と宣言。浦和美園~岩槻に開発予算を集中投入 し、5年後に地下鉄建設に着手すると発表しました。 しかし検討委員会では、1200億円以上かけて浦和美園の開発を進めても、乗客増は2400人、中間 駅周辺の開発に330億円投じても、乗客は400人しか増えず、黒字転換は見込めないと公表しています。
 専門家の声を無視して、「地下鉄延伸に対する地域の思い」を実現するために、議会や市民と一丸となって計画を進めると言い出した清水市長を、私は同日の本会議で即座に追及しました。

吉田一郎 清水市長は「地下鉄建設は地域の思い」だと言うが、具体的にどこの地域の思いなのか。
森田政策局長 沿線も含めた市民の思い。
吉田一郎 さいたま市民全体の意向を確認するために、住民投票を実施しないのか。
森田政策局長 住民投票は検討してない。
吉田一郎 住民投票を実施せずに、「市民の思い」をどうやって確認したのか。
森田政策局長 市民に確認したわけではなく、我々が今後進めていく気持ちを伝えたもの。【動画で見る】

 05年に岩槻市が合併した際、大宮や浦和では地下鉄建設に反対の声が強く、合併協定書に「地下鉄建設」の文字は入っていません。 しかし、清水市長は「自分の思い=市民の思い」という勝手な理屈で、地下鉄建設に3000億円も投じようというのです。

大宮の豊かな税収使い
浦和の次は岩槻へ投入

 市議会でも、自民・公明・民主・共産・改革の議員で構成する地下鉄7号線延伸事業化特別委員会が、浦和美園の大型開発を進めて地下鉄建設を促進するよう求める提言書を、8月31日に清水市長へ提出しました。
 9月には商工会議所など財界が中心となって期成会が結成され、市民の意向はおかまいなしに、地下鉄建設に向けた「大政翼賛体制」が築かれつつあります。
 10月1日の本会議では、私の追及によって市が合併から昨年度までに投じた旧4市別の都市開発総額は、大宮が浦和を1618億円下回り、さらに湘南新宿 ラインを浦和駅に停めるための立体高架化事業420億円を加えると、2000億円もの格差が判明しました。
 このうえ、岩槻と浦和美園に3000億円を投じるのでは、私たちの街・大宮の発展は永久に不可能となってしまいます。
 確実に財政破綻を招く地下鉄7号線の建設を阻止すべく、私は孤立を恐れず死力を尽くします!

合併後の都市開発総額(2011年度末まで)
市街地再開発 土地区画整理
大宮 274億8700万円 516億7600万円
浦和 1475億5500万円 933億9400万円
与野 147億7900万円 90億9900万円
岩槻 0円 194億1000万円
(10月1日本会議での直島都市局長の答弁より)

建設費不要で岩槻から都心へ直通電車
嘘の答弁で「吉田プラン」漬し図る
2012年9月議会の会派別議案賛否一覧表 都心から岩槻まで、ほとんど費用をかけずに地下鉄を走らせる方法があります。 野田線と伊勢崎線を直通運転し、さらに地下鉄半蔵門線や日比谷線に乗り入れれば良いのです。野田線各駅のホームを延長する工事が必要な程度です。
 また、①2~3年で実現可能、②運賃が安い、③東岩槻や七里、大和田にも地下鉄が乗り入れる、④大宮と越谷、草加が電車1本で結ばれる、⑤開業後の赤字負担が不要…などのメリットがあります。
 私は10年6月議会と11年9月議会で、「吉田プラン」を提案しましたが、清水市政は検討すら拒みました。
 しかし、東武鉄道は8月29日から5日間、大宮~春日部~東京スカイツリーの臨時直通電車を運転。「吉田プラン」が半分実現したのです。
 そこで私は9月20日の本会議で、市が東武鉄道に直通電車の定期運行や増発、岩槻や北千住への停車、ラッシュ時の運行などを要望するつもりはないのかを問いただしたところ、清水市政は「要望する予定はない」と頑なに拒否しました。

吉田一郎 直通運転は技術的に可能なのに、要望するつもりはないのか。
蓜島都市局長 東武鉄道に確認したところ、野田線と伊勢崎線に配属されている車両では、両線の乗り入れ運行はできず、今回の運行に使用したのは、博物館所有の電車との回答だった。
吉田一郎 野田線や伊勢崎線を走っている8000系の電車なら、直通運転ができるはずだ。
蓜島都市局長 先の答弁は、東武に確認した結果だ。【動画で見る】

 ところが同日、東武鉄道は8000系の車両を使用して、直通運転を11月末まで延長し、岩槻など野田線各駅や北千住にも停車させると発表。「乗り入れはできないと東武に確認した」という答弁は、ウソだったことが明らかになりました。
 蓜島政策局長は10月1日の本会議で、「運行は可能だった」と白状しましたが、議会を欺いてまで「吉田プラン」を拒否し、地下鉄建設を強行する清水市政のやり方は許せません!

2012年12月特別号(2)
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庁舎の自販機、年間数億円の収入を見逃す
 区役所や公共施設に飲み物の自販機が設置されていますが、他の自治体では入札で設置業者を決め、多額の設置料収入を得るようになったケースがあります。 例えば静岡県では、222台の庁舎内自販機で入札を実施したところ、それまでの100倍にあたる年間1億6482万円の収入に結び付きました。
 さいたま市は公共施設に計652台の自販機がありますが、大部分は外郭団体や福祉団体に無償または年間数千円で設置させています。市は市立病院などで入 札を始め、1台で最高308万円の収入になりましたが、市全体で実施すれば数億円の収入になるはずです。
 また販売価格は市価よリ10円引きが多いものの、大宮区役所や与野では120円、浦和の市役所5階では90円と、値段はバラバラです。
 そこで私は市民から預かった「自販機の適正な設置基準の検討」を求める請願を議会へ提出。9月21日の総合政策委員会で審議されましたが、答弁に立った 用地管財課は、各公共施設の自販機の設置者や収益、販売価格を把握していないというお粗末な実態が明らかになりました。
 合併でさいたま市は図体ばかりが大きくなりましたが、庁舎の管理が混乱し、数億円の財源を活かせないのは、まさに合併の弊害です。

●宮原メディカル跡地のアスベスト撤去を実現
メディカルセンターにアスベスト 大宮医師会市民病院(宮原メディカルセンター)の跡地に、人体に有害なアスベスト(石綿)があることについて、私は調査や撤去を求める市民からの請願を提出しましたが、5月議会と6月議会で続けて否決されました。
 清水市政は「大気を測定したところ、アスベストの含有量は基準以下だった」と言っていましたが、風のない時に測っても意味はありません。8月になって市 はようやく土壌調査を実施したところ、アスベストが埋もれていたことを確認。ボーリング調査を行って埋蔵場所を特定し、来年早々から問題の土壌の撤去を行 うことになりました。

●市が「違法白タク営業」?中止を呼び掛ける
 選挙が近付くと、「人気取り」の政策が相次ぐのが世の常です。清水市政は今年度、3000万円以上の予算を投じて「高齢者移動支援事業」を始めると言い出しました。
 これは足が弱くなった高齢者に、通院や買い物の送迎を有料で行うサービスですが、所得や家族構成などに制限があって、対象となるのは市内で4000人だけです。
 しかし、国の許可なく有料で乗客を乗せたら、違法な「白タク」営業になってしまいます。8月10日の保健福祉委員会で私がその点を問いただしたところ、 市は「陸運局も問題だと言うので、送迎+アルファのサービスを検討中」と答弁。つまり病院への送迎+入浴の介助、買い物の送迎+調理などの抱き合わせにな り、これでは「気軽な足」としては使えません。
 市民からも「高齢者移動支援事業の中止」を求める請願が提出され、私は9月13日の本会議で「今年度は実施を止めて、考え直すべきだ」と呼びかけました。

ベンツ乗り回して生活保護
札幌市→詐欺罪で懲役4年、さいたま市→5年間放置
 札幌で6月、ベンツなど高級外車を乗り回していた生活保護受給者が逮捕され、全国ニュースになりました。札幌地裁で「生活保護制度を悪用し、不正な利益を得た悪質な犯行」として、詐欺罪などで懲役4年の判決を言い渡されています。
 一方さいたま市でも、9月24日の保健福祉委員会で、ベンツを所有する生活保護受給者がいることが判明しました。しかし清水市政は「不正受給」として訴えようともせず、5年間も保護費を支給し続けています。
 生活保護の受給者は、多額の維持費が必要な車の所有は認められません。ただし、僻地に住んでいたり、身障者の通院用、仕事で使うなどの場合は、車の所有が許可されます。
 さいたま市では身障者などに18台の所有を認めていますが、無許可の車も153台あります。
 これらの多くは、生活保護受給前に買った車を持っているケースで、市は「処分するように」と指導していますが、なかには不正受給で得た金や保護費を貯め込むなど、生活保護の受給後に車を購入したケースも10件ありました。

吉田一郎 高級外車を所有しているケースは。
保護課 高級外車というのでは、わかりません。
吉田一郎 では、具体的にべンツを所有しているのは。
保護課 わかっている範囲で2台ある。


 1台は北区で、受給開始のだいぶ前に購入した(昭和55年型)ようですが、もう1台は緑区で、ベンツ購入の2ヵ月後に生活保護を申請。職員にべンツを発 見された後も、生活保護費をベンツのローン返済に充て、5年間にわたって乗り回している悪質なケースです。
 車を隠し、「資産がない」と生活保護を申請したら、不正受給で詐欺罪です。
 しかし、さいたま市は警察に訴えようともせず、「ベンツを処分して下さい」とお願いしているだけです。

吉田一郎 車に限らず、株や飛行機でも、大きな資産を隠して生活保護の受給をしても不正にならないのか。
保護課 そうですね…。そういう資産が後ほどわかった場合には、不正受給に該当する場合もあるかと思う。
吉田一郎 じゃあ緑区のケースは不正受給ではないか。
保護課 不正受給とみなさず、処分を指導中。


 生活保護は、病気や障害などで本当に困っている人のための制度です。それを悪用して高級車のローンに充てる受給者を野放しにしていては、制度が崩壊してしまいます。

フィリピン人の受給者が激増
 生活保護は本来、日本国民の最低限の生活を保障する制度ですが、実際には外国人にも支給しています。
 何世代にもわたって日本に住んでいる在日韓国・朝鮮人が、全国では外国人受給者の4分の3を占めていますが、12月10日の保健福祉委では、私の質問によってさいたま市ではフィリピン人が最多だと判明。しかも民主党政権下の3年間で激増しています。
 大阪では昨年、入国間もない中国人の大量申請事件がありましたが、私が「なぜフィリピン人が多く、激増しているのか」「永住者か一時居留者か」「海外への送金状況は」と追及しても、保護課は「把握していない」と逃げ続けています。

    外国人の生活保護受給世帯

国籍 12年7月 09年7月
フィリピン 105 67
韓国・朝鮮 89 58
中   国 42 24
ブラジル 8 6
ベトナム 7 6


清水市政 偽造公文書事件
「百条委員会」設置を実現
 清水市政の下で、公文書を偽造するなど業者と不正な契約を結んでいたことが明らかになりました。
 市が工事を発注する場合、①入札や見積もり合わせを行い業者を選定する、②工事完了期限を決めて業者と契約を結ぶ、③業者が工事完了の報告書を提出する、④職員が工事完了を確認する、⑤業者へ工事代金を支払う…という手順です。
 しかし、南部都市公園管理事務所では、③や④の公文書を偽造して、まだ完了していない工事を「完了」したことにし、業者へ代金を先払いしていたのです。
 また①や②についても、私は9月10日に記者会見を開き、同事務所が昨年度に行った100万円以下の工事のうち、半数以上の契約金額が99万7500円だったと、「官製談合」疑惑を明らかにしました。
 9月12日の本会議で、市議会でも特別委員会を設置して、調査することになりました。
 私は職員がウソの証言をしたら処罰される地方自治法第100条の適用を提案しまたしが、自民・公明・民主・共産・改革の議員は罰則がない同98条の適用を決めました。
 ところが、私は18日に他の部署でも公文書偽造が行われていたこと、27日には今年度の公園修繕工事でも約3分の1が99万7500円で契約されていたことを、相次いで記者会見で発表。自民党からも「より厳しい調査が必要だ」という声が挙がり、10月23日の本会議では、地方自治法第100条を適用しての調査が、全会一致で決まりました。
 11月19日に行われた百条委員会の証人喚問では、証言予定だった元課長が自殺する事件が発生しましたが、課長補佐は公文書を偽造したことを認めました。
 しかし、「官製談合」については関係者全員が否定し、同一契約金額ばかりになった経緯は解明されないままです。
 私は担当職員らが、8月に事情を説明した「顛末書」を清水市長に提出していたものの、清水市政はそれを隠していることを暴露。11月26日と30日の百条委員会では「顛末書」の存在をめぐって紛糾しました。
 私は今後も、独自の調査を続け、清水市政による不正の実態解明を続けます。

GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/

2012年12月特別号(3)
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地下鉄建設と抱き合わせで
岩槻
人形会館も建設宣言
昨年度の盆栽美術館は1億6570万円の大赤字
 オープンして3年目の盆栽美術館ですが、昨年度も大きな赤字を出していたことが、9月13日の本会議で判明しました。

吉田一郎 盆栽美術館の昨年度の人件費込みの経費や収入はいくらか。そして入場者数は?
和田市民局長 経費は1億7835万7944円、収入は1265万5114円となっている。入場者数は5万0355人。

 入場者数は前年より1万5228人もの減少です。
 誇大な入場者予測で議会を欺いて着工し、経費は見込みの2倍に膨れ上がったという盆栽美術館の実態は、あまりにお粗末です。
 展示品として5億円で購入した盆栽も、すでに6000万円相当の盆栽が枯死しています。清水市長は大宮盆栽組合に4ヵ月間で600万円を支払い、盆栽の管理を委託することにしましたが、開館前に盆栽組合に預けていた盆栽は、5700万円相当が枯れました。
 今回、私は枯れた場合の責任について問いただしましたが、市は「生理的な原因で枯れた場合は組合に責任を負わせない」と言っています。
 毎年膨大な赤字を生み、盆栽が次々と枯れている盆栽美術館は、閉鎖も検討すべきです。
 しかし清水市長は懲りずに、続いて土地と建物に30億円を投じ、岩槻人形会館を建てようとしています。
 私は10年9月議会で、市が岩槻人形会館に展示するために購入した人形が、ボロボロで展示できない物が多く、さらに肝心な岩槻の人形が1つもないこと、開館後は盆栽美術館とほぼ同額の赤字が毎年出ることなどを暴露し、着工は延期が続いていました。
 ところが、清水市長は12月6日の本会議で、岩槻への地下鉄建設を推進するための一環として、人形会館の建設を「着実に進めていく」と宣言しました。
 10年10月の市民生活委では、私の追及により、市は「人形会館ができることで、岩槻への新たな観光客が増えるかと言うと、難しい」と認めているのです。
 観光客を増やす効果は無いとわかっていながら、地下鉄建設を口実に、岩槻人形会館の建設を再開しようとすることは、市民を騙すようなものです。

サッカープラザ計画も
白紙撤回から建設検討

 前回の市長選で「サッカープラザの白紙撤回」というマニフェストを掲げた清水市長でしたが、12月3日の本会議では、なんと「『新都心への建設は白紙撤回』という意味だった」「将来、必要なら建設を考えていきたい」と言い出しています。
 清水市長は建物だけで60億円を投じ、子ども総合センターを建てようとしていますが、公約を捨ててハコモノ作りに熱中するのでは、救いようがありません!

住民無視の岩槻区役所移転
震災復興のはずが増税流用

清水議案に反対しました

吉田一郎が反対した議案
■一般会計補正予算(3)
 上田知事に命じられ、浦和駅~県庁の歩道再整備に1億1000万円を支出。
■補正予算附帯決議
 岩槻区役所の取り壊しにあたり、「区役所移転反対」という岩槻区自治会連合会の請願を尊重するよう求める決議。取り壊し費用の補正予算に賛成しながら、移転反対の声に賛同したフリをする自民・公明・共産は、岩槻住民を欺いています。
■一般会計補正予算(4) 《1面参照》
■国保特別会計補正予算
 2年前に最高5万円値上げされた国保税。昨年度は42億円の黒字を出したのに還元せず、50億円を基金に積み立てるのには反対です。
■市税条例の改正
 震災復興のために県民税の値上げに続き、市民税も今後10年間値上げ。全国的に「震災復興予算」の流用が問題になっていますが、清水市長も岩槻への地下鉄建設を「震災時の足の確保のため」と言い始め、値上げ分が流用されかねません。
■美園3号線橋梁上部架設工事の請負契約
 浦和美園の開発への予算集中投入には反対です。
■町谷本太線の新設工事契約変更
 大宮の渋滞状況は「把握していない」と放置する一方で、浦和駅周辺の4車線環状道路の建設に予算追加投入は許せません。
■第三者委員会の設置■一般会計補正予算(5)
 偽造公文書事件について、市が第三者委員会を設置。しかし「官製談合」疑惑は
調査対象とせず、不十分。
■中小企業の成長支援策の拡充を求める意見書
 中小企業で働く人材を確保するには、4人家族で手取り30万円以上という生活保護の見直しが必要です。
■東京オリンピック誘致を支援する決議
 日本は五輪を3回開催しましたが、中東では1回も開かれていません。600年間対立を続けるトルコとギリシャの和解や、イスラム教圏とキリスト教圏の融和という国際的意義を持つイスタンブールに、五輪開催は譲るべきです。
■オスプレイ配備に慎重な対応を求める意見書
 沖縄の米軍基地へのオスプレイ(垂直離着陸機)の配備について、反対なのか、住民へ説得すべきという内容なのか不明確で、提案者の共産党議員を追及したところ、「人それぞれの解釈で」という答弁。これでは国に提出しても無駄です。
■JRなど鉄道会社に誠実な対応を求める意見書
 南浦和駅へのエレベーター設置などを求める内容。一方で、1日65万人が利用する大宮駅の西口への公衆トイレ設置は要望を否決し、まるで浦和市議会です。
■議会基本条例の改正
 「各議員・会派の採決態度の公表」など、制定から4年経ってもまったく守られていない条例を改正しても無意味です。
■まちづくり委員会に地方自治法98条の適用■不適正な事務処理調査特別委に地方自治法98条の適用 《2面参照》
2012年9月議会の会派別議案賛否一覧表
『吉田一郎 市政レポート』のバックナンバーや、市議会での動画集が、インターネットでご覧になれます!

2012年12月特別号(4)
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えっ!宮原メディカル跡地が動物病院に!?
災害時の「防災公園」のはずが、ペットの一時保護施設に
 今から3年半前、相川前市長の下で、大宮医師会市民病院(宮原メディカルセンター)が閉鎖され、「人の命も浦和優先」とばかりに浦和との境へ移転されま したが、清水市政はその跡地に、犬や猫などの夜間・休日診療を行う動物病院の建設を計画していることが明らかになりました。

 埼玉県獣医師会さいたま市支部は6月27日、災害時の動物保護施設と夜間救急動物病院を建てたいと要望。市に「宮原メディカルの跡地が空いている」と促 されて、清水市長に要望書を提出し、受理されました。 病院の跡地利用について、私は09年12月議会で追及し、マンションなど民間への売却は行わないこ とを明言させ、将来病院が建てられる可能性も考慮して、防災公園にすることになりました。
 しかし、防災目的をねじ曲げて、動物と一緒に避難したい被災者のための避難所→災害時の拠点となる動物保護施設→負傷した動物に対する治療施設→夜間・休日診療の動物病院→及びペットとの触れ合いの場を設置しようと言うのです。

住民の命より犬猫優先
発想がまるで徳川綱吉

 大宮医師会市民病院は、内科と小児科の24時間診療を行い、大宮住民の命を永年守って来た存在でした。
 閉鎖にあたって、市は24時間診療を廃止しようとしましたが、私は議会で存続を繰り返し要求し、小児科のオールナイト診療は大宮総合病院で継続させることができました。
 しかし、内科のオールナイト診療は中止になったままです。高齢者が夜中にいつでも駆け込める病院の存在は重要なはずです。 そこで私は、12月5日の一般質問で追及しました。

吉田一郎 宮原メディカルの跡地に建てるという動物病院の夜間診療時間は。
大塔保健福祉局長 受付時間が夜9時から0時まで。
吉田一郎 大宮総合病院で実施中の内科の夜間診療は。
大塔保健福祉局長 土日祝のみ夜7時から9時半までで、平日は実施していない。
吉田一郎 なぜ内科はオールナイトをやらないのか。
大塔保健福祉局長 できるだけ昼間の時間帯に早めの受診をお願いしたい。【動画で見る】

 私は清水市長に対して、「大宮住民の命と、犬や猫の命と、どちらが大事なのか認識を聞きたい」と追及しましたが、清水市長は答弁に立てず、代わって大塔 局長が「どちらも大事だと思うが、同列に考えているわけでもない」「それぞれで必要な対処をする」と誤魔化すだけでした。
 そこで「必要な対処」について、12月10日の保健福祉委員会で改めて問いただしたところ、清水市政は夜間診療の動物病院は「ペットブームを踏まえて対 応を図る」と言い、内科オールナイト診療は「要望の声はあるやに聞いているが困難」「夜間診療のための医師を雇うつもりはない」と言い、大宮住民の命を軽 視する姿勢が鮮明となりました。
 また同委員会では、市が9月24日に発注した防災公園の設計は、動物病院建設の可能性を含めたものであったことも判明しています。
 大宮住民の命を守って来た病院を、浦和の方へ移したうえに、その跡地に動物のための病院を建てるとは、大宮住民をこれほどまでに侮辱した行政はありません。
 また防災公園が、「ペットのための避難所」となり、近隣住民が避難できなくなる恐れもあります。
 ペット専用の避難所や夜間診療の動物病院は、見沼田んぼなどを活用すべきであり、まずその前に住民誰もが必要とする内科のオールナイト診療をきちんと復活させるべきです。

大宮署の移転計画は見直しを
大宮住民の安全考えず、市議会も市長も傍観
 埼玉県が9月に突然発表した、土手町の大宮警察署を大宮区の最南端・浦和との境の三菱原子力研究所跡地へ移転する計画。
 10月15日の県議会では、用地購入費28億8746万円の補正予算が、地元選出の県議までも賛成して、可決されてしまいました。一方、市議会で私は現在の大宮署の土地が、もともと昭和30年に大宮市が県に寄付した土地だったことや、昭和29年に県が現在の大成消防署にあった西警察署を閉鎖した代わりに、大宮署を大門町から現在の場所へ移したなどの経緯を明らかにし、移転計画をいったん白紙に戻し、移転する場合も土手町に大宮署の分署を残すよう県に求める決議を挙げることを提案しました。
 しかし10月19日の議会運営委では、浦和の議員が「1つの施設のために県へ決議を出すべきでない」と言い出して、自民・公明・民主・共産・改革も同調。結局、市議会は大宮警察署の移転問題を傍観するだけになりました。
 上田県知事は9月26日付のブログで、原子力研究所跡地に造幣局も移転して来ることを紹介しながら、その隣りに大宮署を移転することを「あまりにも出来すぎた話」だと自画自賛しており、大宮署の移転は大宮住民や地域の安心・安全をまったく考えないで計画したことを、自ら明らかにしています。
 そして清水市長も10月10日の記者会見で、「大宮署が現在の位置より『少し南側』へ移転することで、不安を感じている市民もいる」と言いながら、移転は仕方がないと言い放っています。
署名を手渡す吉田氏 私は『市政レポート10月特別号』で、大宮署移転を考え直すよう求める署名を呼び掛けたところ、1738名の方々にご協力を頂くことができました。
 皆さんからお預かりした署名は、11月28日に埼玉県庁の知事室に、大宮署の移転計画をいったん白紙撤回し、地元住民の意向を確認したうえでそれでも移 転するのなら、現在の場所に交番ではなく大宮署の分署を残すよう求める請願書とともに提出しました。
 12月3日には上田知事から、「私から警察本部に対し請願書の趣旨をお伝えする」との回答を受け取りました。
 地元選出の議員が地元の安全のために動かなければ、一体誰が地元を守るのでしょうか。

吉田一郎最新著書 消滅した国々
第2次世界大戦以降、崩壊した183ヵ国 社会評論社 ¥2,940(税込
■著者プロフィール
1963年(昭和38年)生まれ。東大成小、植竹中、県立上尾高校卒。法政大学社会学部卒。早稲田大学院修士(国際関係学専攻)。
 香港中文大学に留学し、当時「魔窟」と言われた九龍城砦に居住。香港の新聞社で『香港ポスト』記者、『香港通信』編集長、『日刊香港ビジネスポスト』編 集長を歴任。日本に帰国後、相川前市政の下で故郷・大宮が蹂躙されていた現状に憤慨して、政治活動に身を投じる。2007年にさいたま市議に当選。
 著書に、『香港街伝』(徳間書店)、『香港的秘密』『中国アナーキー』(アスペクト)、『九龍城探訪』(イーストプレス・監修)、『国境線の謎がわかる 本』(大和書房・監修)、『世界飛び地大全』(社会評論社)、『国マニア』(交通新聞社、ちくま文庫)など。

■消滅した国々  吉田一郎〈著〉

 帝ベトナム、東ドイツ、ソ連をはじめとした、「今はない国々」のうんちくが並ぶ。公海上に人工島を追ったり、無人の岩礁を占拠したりして独立を目指して挫折した例もある。「国」があやふやなものに感じられてくる。
 著者は合併で「消滅した自治体」となった旧埼玉県大宮市のさいたま市からの分離を訴える同市議。同市による旧大宮市への「植民地支配」を告発するあとがきが熱い。  (社会評論社・2940円)
2012年12月9日付『朝日新聞』書評面

消滅した国々  ソ連やユーゴスラビア、ビアフラのように世界的な注目を集めて消えた国から、ヘレロ、クワクワ、アイレク共和国、シャン邦共和国など、日本では知られな いまま消えた「泡沫国家」まで、戦後67年間に消滅した世界183ヵ国の歴史、亡国への経緯、現状、最後の大統領や国王のその後などを711ページにわ たって紹介。
 誰も書かなかった国際政治や現代史のエピソードが満載の1冊です。
●シッキム王国 アメリカ娘にたぶらかされて消えたヒマラヤの小国
●アラブ連邦 イラク版「敵は本能寺にあり」で解体した国家連合
●ベニン共和国 医師を国家元首に据えた1日だけの傀儡国家
●自由ネロリ 洪水で孤立した村に30人のインド人が押しかけ占拠
●スバディバ連合共和国 英軍にココナッツを売らせろとサンゴ礁の住民が独立

吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間360万円)を受け取らずに活動しています。
  

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