2012年2月1日 第24号 (1)
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学校・保育園給食の放射能検査を実現しました!
実施求める市民の請願を提出。議会では「清水与党」らの反対で否決されても、市が方針を転換

 食品の放射能汚染に対する不安が続いています。学校給食の安全は、特に最優先すべきです。
 そこで私は、市民から預かった『公立保育園及び市立小中学校の給食の放射能検査を求める請願』を議会へ提出するとともに、12月12日の保健福祉委員会で、この問題を取り上げました。


吉田一郎 隣の蕨市では学校や保育園の給食検査を実施しているが、さいたま市の保育園は検査しないのか。
保育部長 公立保育園の給食は自国で調理しており、食材は地元業者の育成の観点から、近隣の小売店を中心に調達している。これらは県や市の検査対象となっているので、安全であると考えている。
吉田一郎 検査しないで安全だと言えるのか。
保育部長 現在は安全だと考えており、実施していない。

 市内で流通している何万点もの食材は「検査対象」になっていても、市が実際に検査しているのは、週に10点程度に過ぎません。
 市は学校や保育園の食材検査で、もし放射能が検出された場合、仕入れ元の地元小売店に悪評が立つことを恐れ、検査しなくても安全だと強弁しているようです。
 12月22日の本会議で、請願の審議が行われ、私は「市内の小売店から買っているから安全というのは、まったく論理になっていない」「子どもは放射能の影響を受けやすい」と給食の検査実施を求めましたが、「清水与党」の小川議員(民主党・北区)は「市は市内流通の食材の検査を実施して、最大限努力している」と反対し、土井議員(改革・南区)も「財政上の制約などで現実には困難」と反対。自民・公明は理由を言わずに反対し、請願は否決されました。

検査せず「安全」と言っていた市が、検査実施し被ばく量推定へ
 しかしその後、市は方針を転換。1月25日に学校と保育園給食の放射能検査を、2月から実施すると発表しました。
 各校で提供した給食の1週間分の食材をまとめて検査し、年間の内部被曝量を推定。もし1ミリシーベルト(国際放射線防護委員会の基準)を超えそうだったら、メニューを変更して再度検査するという方法です。
 検査しないで「安全です」と言い張っていた従来の姿勢よりは前進しましたが、まだ十分とは言えません。
 給食の安全性を確保するために、私は今後も議会で提案を続けていきます。

浦和駅東西バス 乗客たった11人で捕助金年間1570万 運行さらに1年半延長
 さいたま市は09年度から、「バスが浦和駅東口発着では、伊勢丹へ買い物に行くのに不便だ」という浦和東部住民の要望に応え、年間1570万円の補助金をバス会社へ払い、浦和美園~浦和駅西口に1日5往復運行しています。
 私が市に利用状況の資料を提出させたところ、1便平均11人の乗客しかいないことが判明しました。
 市は総額420億円をかけて、湘南新宿ラインを浦和駅に停車させるための高架化工事をしています。市は「バスは浦和駅の東西を結ぶ自由通路が開通するまで運行する」と言っていましたが、昨年8月に自由通路は開通したのに、バスの運行はまだ続いています。そこで私が10月11日の決算審査で追及したところ、都市交通課は「自由通路の工事が完了する2012年度末まで運行する」などと言い出しました。
 09年には大宮医師会市民病院が浦和との境へ移転させられ、宮原住民から「通院のためのバスを運行してほしい」という著名が提出されましたが、市は「電車とバスを乗り継げばいい」と言い放ち、取り合おうとしませんでした。
 共産党の議員は「浦和駅の自由通路完成後も、コミニュティバスとして運行を続けるべきだ」と主張していますが、「買い物をもっと便利に」という浦和住民の贅沢な要望よりも、病気を抱えた大宮住民の切実な声こそ優先すべきです。

吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間360万円)を受け取らずに活動しています。

(2)

大宮駅西口に公衆トイレを!大宮市議会では可決、さいたま市議会では否決
 大宮駅は全国有数の新幹線のターミナル駅ですが、西口に公衆トイレがありません。かつてはニューシャトルへ向かう通路の途中に公衆トイレがありましたが、国鉄からJRに変わったら、いつの間にか撤去されてしまいました。
 大宮住民のみならず、全国各地から訪れる人にも不便だと、私は市民から預かった『大宮駅西口に24時間利用可能な公衆トイレ設置希望』の請願を議会へ提出し、1月27日の保健福祉委員会で審議されました。
 私がこれまでの状況について執行部に問いただしたところ、旧大宮市議会でも市民から同じ内容の請願が提出されて可決され、大宮市と議会が駅前広場に公衆トイレを設置しようと現地を調査。候補地が挙がったものの、近隣の商業ビルから「ホームレスのたまり場になる」と反対された…などの経緯が明らかになりました。
 西口駅舎の南側には成田空港行きバス(ONライナー)の待合室がありましたが、2年前に閉鎖されています。広場に設置するのが困難なら、市はJRと交渉して駅構内に公衆トイレを設置するよう強く働きかけるべきですが、なんと請願は否決されてしまいました。
 途上国ですら大きなターミナル駅には必ず公衆トイレがあります。1日60万人が利用する大宮駅の西口にトイレがないとは、世界的に見ても非常識です!
 大宮市の頃は、議会も行政も大宮市民の声に耳を傾け、大宮駅を良くしようと一体で取り組んでいましたが、さいたま市になったら放ったらかしです。その一方で昨年2月議会では、浦和駅で建設中の東西自由通路に加えて、さらに数十億円かけ地下道建設を求める請願が可決されました。まさに「大宮市民不在の合併」がさいたま市の実態です。


6億6100万円が捨てられる!?世界が迷惑する安易な「タミフル備蓄ブーム」に喝
「備えあれば憂いなし」と言いますが、壮大な無駄となりそうなのがタミフルの備蓄です。
 さいたま市は3年前から、「インフルエンザの爆発的流行に備える」と、市単独では全国最高の6億6100万円を投じて30万人分の治療薬・タミフルを購入。議会で反対したのは、医師でもある日下部議員(無所属、現:県議)と私だけでしたが、インフルエンザが流行しても使われず、倉庫に眠ったまま、7年間の有効期限が来れば捨てられます。
 私はこの問題を10月7日の決算審査で追及しました。


吉田一郎 市内の病院で毎年タミフルを使っているが、備蓄分を使って、その分を補充するようにしたらどうか。そうすれば「7年経ったら全て捨てる」にはならないはずだ。
地域医療課 市場で流通している一般用タミフルと、行政備蓄用タミフルとでは、価格や使用条件が異なる。
吉田一郎 なぜ一般用タミフルを備蓄しなかったのか。
地域医療課 備蓄した時はタミフルが入手しにくく、一般用は価格も高かった。
吉田一郎 じゃあ、今後買うなら一般用にすべきだ。
地域医療課 ご指摘の点は検討材料にしたい。【動画で見る】

 一般用も行政備蓄用も薬としては同じで、製薬会社が備蓄用に大量購入された薬を市場に出回らせないよう、条件を付けているだけです。
 私は10月14日の決算委員会で「世界のタミフルの75%を日本が買い占めた結果、価格高騰を招き、途上国ではインフルエンザにかかった子どもにタミフルが投与できなくなっているうえ、耐性ウイルスの出現も招いている」と指摘。安易な「備蓄ブーム」に踊らされて、多額の税金がドブに捨てられようとしていることに警鐘を鳴らしました。

雇用対策の補助金を1商品の販促に流用 朱業者に渡るのは一体いくら!?
 昨年から大宮の新たな特産品という触れ込みで、『大宮盆栽だー!!』が発売されています。実際には浦和の企業が会津の工場で生産していますが、さいたま市では11月から1月までの3ヵ月間、市内の商業エリアで『大宮盆栽だー!!』の試飲会など販売促進キャンペーンを行うために、9月議会で387万5000円の補正予算を計上しました。
 市は「失業者を3人雇ってキャンペーン隊を組むので、雇用対策になる」と説明していましたが、アルバイト3人の3ヵ月分の人件費にしては多すぎます。そこで私は9月8日の本会議で問いただしたところ、市は民間業者へ委託するつもりだと明らかにしました。
 予算審議では、自民党が「特定の企業のために、公金を投じてキャンペーンを行うのはおかしい」と批判して紛糾。さらにこの予算は、もともと県の「緊急雇用創出事業」補助金を流用することや、業者へ委託をするため、実際に3人に支払われるのは200万円に過ぎないことも判明しました。
 私は9月12日の本会議で、「雇用対策のはずの補助金が、1企業1商品のために使われるのはおかしい」「業者へ委託するのでは、雇われる3人は『子育てが終わった主婦』か『ヒマな学生』かも知れず、失業者が確実に雇われる保証がない」と指摘して、補正予算案に反対しました。
 市にすれば、国や県からの補助金は「タダでもらえるお金」のような感覚かも知れませんが、住民にとっては補助金であろうが税金から支出されることは同じです。
 私は今後も、安易な補助金の流用を厳しくチェックしていきます。


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