2011年12月18日 号外 (1)
2面へ

 大宮盆栽美術館「5億円の盆栽」また枯れる
多額の公金投じた盆栽は4割近くが養生中。「展示品が足りない」と、新たな盆栽の購入を画策

枯れた盆栽  大宮盆栽美術館に展示するために、さいたま市が栃木県の美術館から5億円で購入した盆栽。一昨年夏、私の「枯れた盆栽はないのか!?」という追及をきっかけに、盆栽3点(5700万円相当)が枯れていたことが発覚しましたが、市は12月13日、新たに評価額250万円の盆栽が枯れたことを公表しました。
 枯れたのは樹齢120年の五葉松で、10月初旬から枝が枯れ始めてから、あれよあれよと言う間に進行が進み、11月2日にはすっかり枯れて、11月17日に正式に枯死が確認されました。
 枯れた原因は「生理不順」、つまり五葉松は涼しい山地に自生する植物なので、夏の暑さがストレスになったのだろうと発表しています。

4割近い盆栽が展示不能に…対応策は盆栽を買うこと!
 実は盆栽美術館の盆栽が、次々とダウンしつつあります。現在所有している103点のうち、展示が可能なのは64点に過ぎず、39点が展示不能となり暮生中なのです。
 その結果、「元気な盆栽」が頻繁に展示されることになり、盆栽にストレスがたまって、さらに次々とダウンするという悪循環に陥っています。市では今後の対応策として、「盆栽へのストレスを重ねないよう、各盆栽の展示期間を減らすために盆栽を増やす」などと称して、新たに盆栽を購入すべく具体的な検討をすると言い出しています。

入場者は目標大きく下回り、咋年の赤字は1億7450万
 9月議会の決算審査では、盆栽美術館はオープン初年の昨年度、1億7450万円もの赤字が出ていたことが判明しています。
市は4年前、5億円の盆栽購入にあたって、「盆栽会館(盆栽美術館)のオープンで、盆栽村への既存の観光客に加えて、新たに年間15万~20万人の観光客が増える」「運営経費は人件費込みで年間9000万円」と説明していましたが、昨年度の入場者は6万5563人に過ぎず、一方で運営経費は1億9125万円に膨れ上がりました。10月6日の決算審査では、今年度は入場者数がさらに落ち込んでいることが明るみになりました。

吉田一郎 今年上半期の入場者数はどれくらいか。
盆栽美術館副館長 8月末現在で、1万9110人。
吉田一郎 開館当時の目標では、「オープン5年後に年間12万人」と言っていたが、このペースでは、今年度は4万人くらいか。どうやって今後12万人へ増やすつもりなのか。
盆栽美術館副館長 今後は年間5万人を目指して、さらなるPRを目指したい。


 自民・公明・民主・共産がこぞって賛成して建設した盆栽美術館ですが、経費が大きく膨らむ一方で、入場者数は予測を大幅に下回り、巨額の赤字を垂れ流しています。12月1日の本会議では、盆栽や人形などの「本市の文化」を支援するために、建設費予算の1%を充てようという文化芸術都市創造条例が、私以外のすべての議員が賛成して可決されました。
 このうえ、公金を投じて高級盆栽を次々と購入しようという動きは、断じて認められません!

盆栽枯死を1か月近く隠し続け、議会での追求を封じる
 2年前の盆栽枯死事件で、市は私の「枯れた盆栽はないのか!?」という追及に対して、「ありません」とウソの答弁を行っていましたが、今回も、議会での質問が終了した翌日の12月13日まで盆栽が枯れていた事実を伏せ、議会での追及を封じる姑息な手段に出ています。
 このような盆栽に関する清水市政の隠蔽体質は許せません。私は盆栽枯死についての市民からの請願を提出し、議会での追及を行わせる予定です。

吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間360万円)を受け取らずに活動しています。
(2)

HOME | TOP| 市政レポート一覧
inserted by FC2 system