2011年1月11日 号外 (1)
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火を噴くような追求で 岩槻人形会館の今年度着工を断念させました!
誇大な数字で着工を認めさせ、フタを開けたら大赤字…盆栽美術館の二の舞いは絶対に許さない!
 「無駄な箱物はもういらない」が公約の清水市長ですが、盆栽美術館をオープンさせたのに続き、今年度中に26億円かけて岩槻人形会館を着工しようとしていました。
 盆栽美術館の建設の際に、市は「新たな観光客が年間15万~20万人増える」「経済効果は年間10億円」と誇大な数字を発表して着工を認めさせ、建設工事が始まるや、「入場者は年間5万人、うち市外からの観光客は6300人」「経済効果は3000万円」と数字を大幅下方修正して、年間1億数千万円の赤字を出すハメになっています。
 岩槻人形会館の建設にあたり、私は市に同じ手を使わせないよう、再三にわたって追及を続けた結果、今年度中の着工を阻止することができました。

入場者数や収支、経済効果…着工前の公表確約させる
 昨年3月9日の予算審議で、私は年間入場者数や収支、経済効果の予測を明確にするように要求し、市は「3月末までにある程度の数字を出す」と答弁しました。
 しかし、半年以上経っても清水市政はそれらの予測を発表しようとせず、私は9月10日の市民生活委員会で再度追及し、着工前の公表を確約させました。

吉田一郎 3月末までに「ある程度の数字」を出す方針だったはずだ。
文化施設建設準備室 しっかりした数字を提示するのが、私どもの役割と考えている。
吉田一郎 「しっかりした数字」はいつ出るのか。2011年2月議会で着工の議案が審議される前に、出せるのか。
文化施設建設準備室 吉田委員のおっしゃる通り、建設工事の審議前にはしっかりした数字を提示したい。

既存観光客は計算から除外を…経済効果の水増し許さず
 続いて10月29日の市民生活委員会では、「経済効果」の中身について、誇大な数字を出させないように、私は念入りに問い詰めました。

吉田一郎 経済効果の具体的な算定方法は?
スポーツ文化部 ①建築業者やその家族が潤うことによる消費額、②開館後に入場者による飲食等の消費額、③管理運営業者のもうけ。
吉田一郎 盆栽美術館の建設時に発表していた「経済効果」では、①と③は含まれていなかったはずだ。
市民局長 確かに建設時の効果は一過性のもので、一般には開館後の経済効果を示しているのが常だと思う。
吉田一郎 入場者の消費額による経済効果だが、すでに岩槻に来ている観光客(年間117万8000人)が立ち寄る分は除いて、人形会館ができて新たに増えた観光客だけで算出すべきだ。盆栽美術館の時はそうだった。
スポーツ文化部 実際に人形会館ができたことにより、新たに(観光客の)人数が増えるかと言うと、難しい。
吉田一郎 観光客は市内からと市外からできちんと分けて計算すべきだ。市内の人が岩槻人形会館へ来て、周辺でラーメンを食べたとしても、その人はもともと大宮か浦和で食事をするはずだったのだから、さいたま市全体の経済効果としてはゼロのはずだ。
スポーツ文化部 統計では、市内と市外を分けたい。

岩槻への観光客は増えない!…無駄な箱物は計画中止を
 これまで私の追及によって、「展示用の人形がボロボロ」「展示品に岩槻人形は1つもない」などの事実が判明していましたが、さらに人形会館を建てても岩槻を訪れる観光客は増えず、経済効果もほとんどないことが明らかになってしまい、着工前に「しっかりした数字」を出せなくなった清水市政は、着工を延期せざるを得なくなりました。
 民間企業が26億円を使うなら、「どのくらいお客さんが来るか」「収入・経費の見込みは」と事前に予測を建ててから、建設するかどうかを決めるのが当たり前です。
 予測すら立てずに、まず箱物建設ありきの市のやり方は、あまりにも常識からかけ離れています!
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

(2)
市議選に向けた政党活動=民主党「事業仕分け」に職員残業させて協力!?
【関連動画】 民主党政権が発足して、「事業仕分け」が注目されました。政府の事業1つ1つを、外部からの視点を入れながら、継続や見直し、廃止と判定するという手法ですが、「廃止」と判定されても強制力は無く、「結局パフォーマンスに過ぎない」とも言われています。
 さいたま市でも、11月2日に民主党市議団が「事業仕分け」を実施しました。市の18事業を対象に、廃止・見直し…と判定を下したと言いますが、自民・公明・共産などから強い批判の声が挙がりました。

議会の「事業仕分け」=決算では賛成して、「廃止」を主張?
 実は議員は、法的な「事業仕分け」ができます。毎年9月議会で行われる決算審査がそれで、前年度のすべての事業について執行状況を問いただし、「拡大すべき」「廃止すべき」「見直すべき」と追及します。審査の様子は市民が傍聴でき、インターネット中継もあります。
 そして「総合評価」として、決算の認定に反対したのは、無所属2人(吉田・北村)と共産党だけでした。
 決算認定に賛成した民主党の議員が、同じ事業を1カ月後に「廃止」「見直し」と判定するとは、おかしな話です。
 今回の事業仕分けを、民主党市議団は「あくまで政務調査活動の一環だ」と主張しています。しかし事業仕分けの案内は『プレス民主』(民主党機関紙)で宣伝され、それを市議選に出馬予定の民主党新人候補者が配布していました。民主党の政党活動と表裏一体で行われたのです。

「事業仕分け」にかかった費用の公開を…住民が監査請求
 清水市長は「事業仕分けの結果が市政に反映されるわけではない」と言明していましたが、その一方で民主党の「事業仕分け」に協力するために、午後9時まで職員をのべ55人を派遣して、残業手当を支払っていたことも判明。住民から「特定の政党活動への関与を禁止する地方公務員法に違反する」として、清水市長に残業手当などの返還を求める監査請求も提出されています。
 春の市議選で、民主党が掲げるマニフェストのタイトルは「事業仕分けで市政改革」の予定だと言います。ブームに乗った4年前の市議選と違い、民主党としては「事業仕分け」を掲げて、なんとか逆風をしのごうということでしょう。
 12月議会では、「すべての会派・議員が行う事業仕分けに市は協力を」「民主党市議団の事業仕分けには協力反対」「事業仕分けにかかった費用の公開」など、市民から提出された3つの請願が審議されました。
 私は、どの会派・議員の主催でも、純粋な事業仕分けには市は協力すべきだが、民主党の政党活動の一環だった今回の事業仕分けには協力すべきではなく、残業手当などの費用は公開すべきだと、3つの請願に賛成しました。

家賃補助を使い込み市営住宅の家賃滞納 野放し状態な生活保護の不正受給
 長引く不況で生活保護を受給する世帯が急増しています。市内の受給世帯数は、2010年8月時点で1万1257世帯で、5年前と比べて6割も増えました。12月議会の補正予算では、生活保護費が42億円増額され、今年度の合計額は276億円にのぼっています。
 やむをえない事情で生活に困窮している家庭に、生活保護を支給するのは必要ですが、不正受給への対処はなかなか進んでいません。
 9月議会では、市営住宅(見沼区)の家賃滞納者に対し、部屋の明け渡しと滞納家賃の支払いを求めて市が裁判を起こす議案が審議されました。
 この滞納者は母子家庭と称して生活保護を受給していますが、実は離婚したはずの元夫と同居しており、元夫は自治会長をしていることが判明しました。市は実情を把握しており、「注意深く見守っている」と答弁していましたが、見守るだけでいいのでしょうか?
 また、生活保護者には生活扶助(生活費)の他に、住宅扶助(家賃)が現金支給されています。つまりこの滞納者は、市から毎月家賃分のお金を受け取りながら、何年間も市営住宅の家賃を払わず、使い込んでいたのです。さすがにひどいと、私は10月1日の決算審議で問いただしました。

吉田一郎 この人は市から住宅扶助をもらっているのに、なぜ市営住宅の家賃を回収できないのか。
福祉総務課 住宅扶助は本人に支給することになっている。「家賃に充ててくれ」とケースワーカーが指導しているが、今後も一層の生活指導を行っていく。
吉田一郎 役所の中で、この人の家賃分の住宅扶助をまわすことはできないのか。
福祉総務課 住宅課に滞納の情報提供を行ってもらい、生活保護の適正な実施を行っていきたい。【動画で見る】

 裁判で市が勝って、市営住宅を明け渡すことになっても、引っ越し費用や引っ越し先の家賃は、生活保護の一環として市が支払うことになります。私は「訴えるべき内容は、家賃の滞納だけではないはずだ」と、裁判議案に反対しました。
 生活保護は本当に困っている人を助けるための保障です。不正受給にはもっと積極的な姿勢で対処すべきです。

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