2010年11月28日 第20号 (1)
2面へ
奇妙な入札結果が相次ぐ…「1社を除いて、すべて失格」「最高値が落札」
 競争入札は、安い価格を提示した企業が落札するのが本来ですが、さいたま市の工事入札では最近、「奇妙な入札結果」が相次いでいます。
 入札に参加した企業(またはグループ)が次々と「失格」になり、1社だけ残った企業(またはグループ)が、高い価格を提示していたにも関わらず、落札するというものです。
 例えば、9月議会で審議された美園小学校の機械設備工事契約には、6つの企業グループが参加しましたが、そのうち、5グループが失格となり、一番高い価格を出していたグループが落札しました(下表参照)。

価格(税抜) 結果
Aグループ 3億4599万円 直接工事費と共通仮設費で失格
Bグループ 3億4608万円 直接工事費と一般管理費で失格
Cグループ 3億4630万円 直接工事費と一般管理費で失格
Dグループ 3億5727万円 直接工事費で失格
Eグループ 3億5730万円 一般管理費で失格
Fグループ 3億5748万円 落札

 また駒場スタジアムの改修工事でも、参加した9グループのうち8グループが失格となって、価格だけで見れば7位だったグループが落札しています。同様のケースは、下水道工事でも続出しています。
 入札では、最低制限価格が設定され、これを下回って「安すぎる価格」を提示すると失格になります。「安かろう悪かろう」の工事を防ぐためです。
 しかし、今回の「奇妙な入札」は、最低制限価格は満たしていても、その内訳(直接工事費、共通仮設費、現場管理費、一般管理費)のいずれかが、値段が安すぎて失格になっています。内訳の見積りは複雑でしょうが、「1社を除き、全て計算を間違えた」では、偶然すぎます。
 一方で、09年度の決算審査にあたって、9月22日に包括外部監査人である公認会計士の江口氏から報告があり、馬宮コミニユティセンターの修繕工事の入札について、「予定調和的に行われているのではないかと見受けられる」、つまり談合をにおわせるような指摘がありました。
 その修繕工事で落札した企業は、美園小学校の工事で落札したFグループでもあり、現職の県会議員と密接な関係にある企業です。
 そこで私は9月29日の本会議で、美園小学校の機械設備工事と駒場スタジアム改修工事の契約について、「1社を除いてすべて失格という入札結果には、はなはだ疑問であり、制度の見直しが必要だ」と訴え、反対しました。

島忠オープンで大渋滞が目前!?旧中山道(大栄橋交差点)はただちに改良を!
「浦和駅周辺の4車線環状道路」の建設に熱心な清水市政ですが、その一方で大宮駅より北側の道路整備は、何ひとつ計画していません。そこで10月5日の決算審査では、旧中山道の交通渋滞について追及しました。

吉田一郎 大栄橋交差点より北側の旧中山道は、私が幼稚園の頃から40数年間、毎日ずっと渋滞だ。両側にはビルが建って、場所が空いてきた。電柱をずらして正式な右折車線を作れば、渋滞もだいぶすっきりするはずだ。
道路環境課 ご指摘の通り、旧中山道は両側にビルが建って空いてきている。いずれ電線地中化の工事に着手する構想があるので、いつとは言えないが、いずれ考える。【動画で見る】

大栄橋交差点まったくあてにならない姿勢です。市が土地を売却した島忠が来春オープンします。850台もの巨大駐車場を併設する予定で、旧中山道にマイカーが殺到します。ショッピングセンターを建てさせる市は、渋滞緩和に責任を持つべきです!

この件に関する問い合わせは048-829-1490道路環境課へ
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

(2)
09年度決算審査…「浦和優先」政策が招いた無駄の数々を追及!
800万かけた屋外モニターは使用停止。利用が1日20人もない「国際交流センター」に5000万
【関連動画】 さいたま市は、交通の利便性を考えずに、中核的な公共施設を浦和にばかり集中させています。その結果、施設利用が低迷したり、設備が放置されたりしています。
 私は09年度の決算審査で、これら「浦和優先」が招いた無駄の数々を追及しました。

交通の利便性考えず浦和で語学教室…参加者年80人
 さいたま市は3年前、浦和駅東口のコムナーレ(パルコ上)に国際交流センターをオープンさせました。その管理は外郭団体のさいたま市国際交流協会に任せ、昨年度は5034万円の運営費を支払っています。
 しかし私が決算特別委員会を通じて、国際交流センターの利用者数を公開させたところ、07年度の1万3609人から昨年度は6664人へ、たった2年間で半減。1日20人の利用もないことが判明しました。
 さらに市は、国際交流センターで英語、中国語、韓国語、スペイン語の外国語教室を開催していますが、受講者は全部合わせてわずか年間80人に過ぎず、受講者の居住地は、浦和が40人で、大宮17人、市外11人、与野9人、岩槻3人と、著しく偏っています。
 私は昨年12月議会や今年2月の予算審議で、外国語教室を、交通の利便性が良いJACK大宮で開催するように提案。外国人向けの「日本語のへや」については、今秋から大宮区役所でも開催されるようになりました。
 市は外郭団体改革の一環として、国際交流協会とJACK大宮にある観光コンベンションビューロー(旧:観光協会)とを統合させる計画を進めています。
 私は9月27日の決算審査で、国際交流センターの利用が半減している現状を追及するとともに、「統合を機に、センターは閉鎖して、その機能はJACK大宮へ移すべきだ」と改めて提案。また受講者が少ない外国語教室を、市が開催する必要があるのかも、改めて見直すよう求めました。

巨大モニターを北浦和東口に設置…広場挟すぎて画面が見えず
 市は昨年5月、北浦和駅東口広場にふるさとハローワーク(キャリアサポートセンター)をオープンさせました。私は昨年2月の予算審議で、「なぜ交通の利便性が良い大宮にオープンさせないのか」と反対しました。
 そして市は、昨年9月にふるさとハローワークの入口に65型の巨大モニターを800万円で設置したいと補正予算を計上しました。設置目的は「求人情報や、市内の観光イベントや伝統産業の紹介を行う」と説明していましたが、私が予算委員会で「観光イベントや伝統産業の紹介なら、人通りが多い大宮駅前に設置するべきではないのか」と追及したところ、ふるさとハローワークは目標(1日100人)の半分しか利用者がなく、モニターの設置目的は、ふるさとハローワークの存在を知らせることだったと判明しました。
使われていない800万円の巨大モニター ところが巨大モニターは、現在使われていません。私は9月27日の決算審査でその理由を問いただしたところ、北浦和駅の東口広場は狭すぎて、向かい側のビルの窓に当った光がモニターに反射して画面が見えず、通行人から苦
情が相次いで、ハローワークの業務に支障をきたしたため、モニターの使用を止めた…という呆れた実態が判明しました。
 まさに「浦和優先」のツケで、800万をドブに捨てたようなものです!私は「モニターは大宮へ移し、1日70万人の乗降客が利用する巨大ターミナルの駅前広場で、求人情報や観光・地域情報を提供し、有効活用を図るべきだ」と提案しました。

諸悪の根源…「公共施設の適正配置方針」はただちに破棄を!
 さいたま市では、「県の施設も市の施設も、浦和に集中していた方が便利だ」と公然と唱える「浦和優先」の御用学者らが策定した『公共施設の適正配置方針』によって、中核的な公共施設の浦和への一極集中が進められました。
 そこで私は9月8日の一般質問で、『公共施設の適正配置方針』を破棄するように迫りました。

吉田一郎 清水市長は昨年「地域に偏りのない公平公正な市政」を掲げて市長に就任したが、果たして清水市長は『公共施設の適正配置方針』が『適正』だと思っているのか。破棄や見直しは考えていないのか。

 すると清水市長は答弁に立てず、代わって野尻政策局長は「これまで適正に公共施設の整備を行ってきた」と開き直りました。
 ただし、公共施設の維持管理費が増大することから、市は統廃合や再編に向けた『公共施設マネジメント計画』を策定する予定ですが、その中で、『公共施設の適正配置方針』のあり方についても見直すことを確認させました。
 利便性や費用対効果を考えず、浦和に中核的公共施設を集中させ、ムダ金をこれ以上使うことは許せません!

HOME | TOP| 市政レポート一覧
inserted by FC2 system