2010年8月特別号 (1)
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岩槻への地下鉄延伸

財政破綻を招く3千億円の地下鉄7号線建設に代わって

建設費ほとんど不要の「吉田プラン」を提案

 清水市長は浦和美園から岩槻までの地下鉄7号線建設を、2年後に着手しようとしています。
 建設費は現時点の試算でも780億円、沿線開発を含めると3000億円に上ると言われます。さらに開業後の赤字負担も重くのしかかり、さいたま市の財政破綻を招くことは確実です。
 そこで私は6月議会で、100分の1以下の費用で、岩槻への地下鉄乗り入れを実現する「吉田プラン」を提案しました。

地下鉄7号線と「吉田プラン」 春日部には伊勢崎線経由で、地下鉄日比谷線と半蔵門線が乗り入れています。
 これらの地下鉄が野田線に乗り入れれば、岩槻と東京都心は一本で結ばれます。
 既存の路線を活用するので、建設費は不要で、開業後の赤字も心配ありません。
 また、①2~3年で実現できる、②地下鉄7号線(埼玉高速鉄道)に比べて運賃が安い、③大和田や七里、東岩槻にも地下鉄が乗り入れる、④大宮と越谷・草加などが一本で結ばれる…などのメリットもあります。
 しかし、東武野田線は6両編成ですが、日比谷線は8両、半蔵門線は10両なので、野田線のホームを延長する必要があります。北大宮駅はすぐ横が踏切で、ホームを伸ばせません。
 そこで、①「急行」にしていくつかの駅は通過させる、②ホームからはみ出た車両はドアを開けない、③春日部で編成を分割する…などの対策が考えられます。
 ③については、半蔵門線直通用の東武電車(30000系)は、前4両と後6両で分割が可能なので、「前4両は大宮行き、後6両は南栗橋行き」にして、編成を分けることもできます。
 私は6月9日の一般質問で、清水市長に対して「吉田プラン」を詳細にわたって説明し、11日の連合審査会では、実現への課題や、想定される費用について問いただしました。
 しかし市の答弁は、「あくまで地下鉄7号線を建設したい」という消極的なものでした。

採算性確保せずに
着手は許されない

 岩槻では「地下鉄7号線の建設は、さいたま市と合併した時の約束だ」という声があります。
 しかし、さいたま市と岩槻市が調印した合併協定書には、「地下鉄」の文字はありません。
 そこで3月1日の予算委員会でこの問題を取り上げ、まず岩槻との合併にあたって、地下鉄を建設しなくてはならない法的な履行義務や、道義的責任はないことを、執行部に確認したうえで、追及しました。

吉田一郎 合併時の条件でないのなら、採算のメドが立たなければ、建設に着手しないと理解して良いか?
地下鉄7号線延伸対策課長 さいたま市は平成24年度末までに、法の申請手続きに入ることを目指している。
吉田一郎 目指していても、採算性のメドがそれまでに立たなければ、着手はしないと確認して良いか?
地下鉄7号線延伸対策課長 採算性の要件をクリアした上で、法の申請に入ることを目指していますので、よろしくお願いします。【動画で見る】

 担当者に「よろしくお願いします」(=議会用語で、これ以上追及しないで下さいの意味)と懇願されましたが、6月9日の一般質問でも改めて追及しました。

吉田一郎 クリアすべき採算性の具体的な基準は?
野尻政策局長 都市鉄道等利便増進法によれば、開業後30年以内に累積黒字となること。【動画で見る】

 浦和美園までの埼玉高速鉄道は、開業9年目で1474億円の負債を抱え、県と市が開業後に1285億円の税金を投入するはめに陥っています。
 鉄道建設では、利用者予測を水増しし、甘い採算見通しを立てて着工したが、開通したら大赤字というパターンが続出しています。
 市は真剣に「吉田プラン」を検討し、まず岩槻と東京都心とを一直線に結んで、岩槻の人口が増えてから、改めて地下鉄7号線の必要性を考えるべきです。

大手町(東京駅)までの運賃比較
大和田 七里 岩槻 東岩槻
7号線経由 1010 990 850 990
半蔵門線経由 820 760 760 690
日比谷線経由 690 690 640 640
大宮経由 680 700 730 780
★7号線の運賃は、埼玉高速鉄道と同水準で計算

相川前市長の商議所会頭就任に警鐘

財界を代表し、市政に口出す「院政」許すな!

 1年前の市長選では、「浦和優先」の相川前市長に大宮住民の怒りが爆発し、清水市長が誕生しました。
 ところが相川前市長が、今度はさいたま市の財界トップとして君臨しようというから驚きです。
 さいたま商工会議所の川本会頭は5月、相川前市長を副会頭に指名し、さらに10月末には、会頭を継いでもらうと発表しました。
 相川前市長の家業は米屋で、ナンブ米穀の取締役会長でしたが、02年8月に偽ブランド米販売事件(有名ブランド米に、安い品種の米を15%混ぜて販売していた事件)が発覚しています。
 商工会議所の会頭は、経済界を代表する立場として、市の審議会や委員会のメンバーに任命されています。
 相川前市長が会頭に就けば、市政運営に口を出し、「院政」を敷く恐れがあります!
 そこで6月9日の一般質問で、私はこの問題を取り上げ、相川前市長の会頭就任に警鐘を鳴らしました。

吉田一郎 市の審議会や委員会で、商工会議所の会頭や役員がメンバーに就いている数は?
清水市長 会頭は7、専務理事が7、2名の理事が10、その他の役員も合わせて、全体で36。
吉田一郎 相川前市長が会頭に就任した場合、清水市長は審議会のメンバーに任命するつもりか。例えば庁舎整備検討委員に任命して、「市役所はずっと浦和だ」と御提言いただくのか?
清水市長 新たな会頭・役員が就任した場合、「充て職」以外は自動的に引き継がれるものではないと考えている。委員会や審議会の設置目的を照らし、他の経済団体とのバランスも考慮し、総合的な見地から適材適所で委員を選任する。【動画で見る】

 とりあえず、従来は会頭が参加していた審議会等でも、そのまま相川氏に引き継がせるわけではないと明言させることができました。

相川氏の会頭就任で
経済界の中心も浦和へ

 04年に大宮・与野・浦和の商工会議所が合併し、さいたま商工会議所が誕生しました。 大宮と浦和の「2本部制」とは言っていますが、実質的な本部である総務本部は浦和に置かれ、このうえ「浦和優先」の都市開発を推し進めた相川前市長が会頭に就けば、商都・大宮の経済は、完全に浦和の主導の下に置かれてしまいます。何としても阻止しなくてはなりません!

2010年8月特別号(2)
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6月議会

市民の請願が9年ぶりに続々と可決

 議会では、主に市長が提出した議案と、市民が提出した請願が審議されます。さいたま市議会では、請願が可決(採択)されたことは9年前に1件しかなく、過去3年間は自民・公明・民主の議員が全ての請願に反対して、ことごとく否決(不採択)されてきました。
 しかし6月議会では、私が紹介議員となって提出した『サッカープラザ建設計画の白紙撤回を求める請願』が、本会議で逆転採択されたのをはじめ、合計47件の請願が可決されました《3面参照》


6/25
サッカープラザ白紙撤回
 本市初めての逆転採択に

吉田一郎議員【関連動画】 サッカープラザは、市が県やUR、三菱地所と共同で開発を予定していた新都心最後の空き地(第8-1A街区)に、相川前市長が建設を計画していました。
 昨年の市長選挙では、「白紙撤回」を掲げた清水市長が当選しましたが、議会も明確に意思を示すべきだと、私が紹介議員になって日下部伸三元市議が昨年6月に『サッカープラザ建設計画の白紙撤回を求める請願』を提出しました。
 しかし自民・公明・民主が審議先送りを主張し、請願はたな晒しにされました。
 6月議会でようやく審議に入り、委員会ではサッカープラザ建設計画を支持する自民・公明が反対して、請願は否決されました。
 そこで私は、25日の本会議で「浦和の市役所永久化を阻止し、合併協定書に基づいた新都心への市役所移転を実現するためにも、どうか1人でも多くの議員諸君が、請願の趣旨に賛同されるように」と訴え、3票差で逆転採択されたのです。
※      ※      ※
 本来なら、第8-1A街区には合併協定書に基づいて市役所を建てるべきです。
 しかし清水市長は、代わりに「子どもミュージアムを建てたい」と言い出したため、三菱地所は7月に撤退を表明。開発の見通しは立たなくなりました。
 世界的な不況の中で、さいたま市に高層オフィスビルを建設するなら、市役所のように核となり、多くの人が集まる施設を併設しなければ不可能です。
 その建設費は浦和の市役所を売却して賄うべきです。

6/15
岩槻区役所を守れ!
 1人で主張→多数派に

【関連動画】 昨年12月議会で、清水市長は経営破綻した岩槻駅前再開発ビル再建のために、市が3・4階を年間7000万円の家賃で借り、公共施設の入居を提案。「岩槻区役所の移転を想定している」と説明しました。
 私は当時、「区役所移転の必然性はない」とたった1人で反対しましたが、その後「岩槻区役所は明治16年に役場が置かれて以来、岩槻のシンボルだ」と、自治会長ほぼ全員が署名して、『移転白紙撤回を求める請願』が提出されました。
 岩槻住民の怒りに、自民・公明・共産も「移転反対」に立場を転じ、賛成多数で可決されたのです。
 ところが、議会で可決された「岩槻住民の声」も、形だけになりそうです。
 6月議会では、岩槻区役所の移転準備費用4600万円を含んだ補正予算も審議されました。「区役所移転の白紙撤回」に賛成した議員は、本来反対すべきです。
 しかし自民・公明は、「附帯決議」を付け補正予算に賛成しました。
 附帯決議とは、議案を可決するにあたり議会が付ける要望ですが、これまで市が守ったことはありません。
 つまり、市民から反発の強い議案に賛成した議員が、「ちゃんと条件を付けたから…」と、市民に言い訳するアリバイに過ぎません。
 私は25日の本会議で、附帯決議を提案した青羽健仁議員(自民党・浦和区)を「附帯決議に法的な拘束力はあるのか」と徹底追及。
「附帯決議を付けて誤魔化すのなら、請願を提出した岩槻住民を愚弄することになり、政治不信を招くだろう」と厳しく警告しました。

学校警備員の継続も
 6月15日の本会議では、小学校の『学校警備員の継続配置』を求める合計43件の請願も可決されました。
 私は「市長は学校警備を地域ボランティアに任せるというが、ボランティアが襲われたら、市は責任を取れるのか」「経費節減なら、防犯カメラや赤外線センサーを設置すべきで、それまでは学校警備員を配置すべき」と述べ、賛成しました。
 ただし、請願者が市外在住の2件は、越境通学の疑いがあるので反対しました。

6/3
採決態度の公表は否決
 議長の「目分量」で判断

 さいたま市議会では、それぞれの議員や会派がどの議案に賛成・反対したかの採決態度を公表していません。それどころか、賛成した人数すら数えず、「議長の目分量」で可決か否決を決めているのが実態です。
 そこで私は、『各議員の採決態度を市議会だよりに掲載して下さい』という請願を、紹介議員として提出しました。
 私は「採決態度を公開しないのは、『議会運営の透明性の確保』や『議会活動の市民への説明』を定めた議会基本条例に違反」「上尾市や蕨市、春日部市などでは実行している」と、全会一致で可決するよう呼びかけましたが、民主党は「採決態度を正確に把握することは困難」「議会広報委員会でも、現状では困難という結論になった」と反対。自民・公明も同調して、請願は否決されました。
 議員は住民から選ばれた代表として、何に賛成し反対したのか、有権者に公表する義務があるはずです。
 私は採決時に自分の目で確認した各議員・会派の採決態度を、今後も『市政レポート』で公開します!

首相もお墨付を与えた大宮駅の利便性

全く活かさない西口再開発に抗議

 半世紀近く続いた大宮駅西口の再開発ですが、清水市長は補正予算で、複合公共施設の設計費用9100万円を計上しました。
 主に桜木保育園と桜木南保育園を移転統合するという内容で、駐輪場の建設も行われています。
 駐輪場や保育園は、住民ニーズの高い施設ですが、大宮駅は全国と新幹線で結ばれる大ターミナルです。
 その貴重な立地を活かさず、駐輪場と保育園だけで大宮駅西口の公共施設の建設が終了では、論外です。
 その一方で、さいたま市は浦和駅の再開発に1000億円以上の予算を投じ、中央図書館や市民活動サポートセンター、国際交流センター等、中核的な公共施設を集中させています。
 私は6月3日の本会議で、この点を追及しました。

吉田一郎 首都圏の北のターミナル・大宮駅前の複合施設が、なぜさいたま市を代表する中核的な公共施設ではなく、保育園なのか。
榎本子ども未来局長 保育園の仮換地として計画した。
吉田一郎 新幹線のターミナルという立地は、まったく考慮しなかったのか。
榎本子ども未来局長 駅の直近という立地を考慮した。
吉田一郎 新幹線で子どもを預けに来る人がいるのか。
榎本子ども未来局長 新幹線で来る人はいないと思う。【動画で見る】

 参院選直前の6月19日、菅直人首相が事実上の第一声の場所として選んだのは、他ならぬ大宮駅です。
 私は25日の本会議で「一国の首相がお墨付きを与えた大宮駅前の利便性を、さいたま市は少しも活かそうとしていない」と抗議し、補正予算に反対しました。【関連動画】

具体的な公共施設
大宮には計画なし

 さいたま市は5月、「大宮駅周辺地域戦略ビジョン」を発表しましたが、その内容は惨憺たるものです。
 昨年3月の予算審議では私の追及に対し、市は「具体的などのような公共施設を建てるか、09年度にきっちり検討していく」と答弁していました。
 しかし、清水市長の下でまとめたビジョンでは、既存の大宮区役所(旧大宮市役所)や市民会館を取り壊して再編するだけで、中核的な公共施設の建設は、何一つ明記されませんでした。
 旧大宮市が、中央図書館などの複合公共施設を建設する目的で購入した鉄道病院跡地は、桜木駐車場として放置され、ビジョンでは開発の意向を示さず、このままでは富士重工跡地のように売却されかねません。
 さらに6月9日の議会では、大宮駅周辺の再開発について、渋谷都市局長は「無駄な支出を抑える」と言い出し、多額の開発予算を投じるのは浦和だけという姿勢を明確にしました。
 やはり旧4市の財布をきっちり分け、「大宮の税収は大宮の街づくりに」使える仕組みが不可欠です。
GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/

2010年8月特別号(3)
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市民不在の議場改修 60億高いゴミ処理場

清水議案を厳しくチェック


吉田一郎が反対した議案
【関連動画】
一般会計補正予算(1)
 ①議員の自己満足に過ぎない議場改修に1500万円、②湘南新宿ラインを浦和駅に停めるための高架化事業に20億円追加(総事業費420億円)、③保育所と駐輪場を建てて終了という大宮駅西口の再開発、④岩槻区役所の移転準備費用…などに反対しました。
敬老祝い金の支給削減
 75歳から5年ごと(100歳以上は毎年)に支給されている敬老祝い金を、88歳と99歳及び100歳以上だけの支給に削減。敬老祝い金は「バラマキ」ですが、子ども手当というもっと顕著なバラマキが始まる一方での削減は、バランスに欠けると反対しました。
専決処分の承認
 65歳未満で給与所得がある年金受給者に対し、年金収入分の市民税を給与から天引きする制度。税の徴収は一律で、税の配分は浦和重点という現状を批判。
市税条例の改正
 ①子ども手当を支給する一方で、扶養控除を廃止するのでは、まるで詐欺。②煙草を大幅増税する一方で、酒は「発泡酒」「第3のビール」と脱法的な商品を容認して安売りさせているのは、バランスを欠くため反対。
■老人福祉センターの設置

■児童センターの設置
 相川前市長が「浦和優先」を公然と唱えた御用学者らに策定させた「公共施設の適正配置方針」をもとにした施設建設には反対です。
■環境センターの建設工事請負契約■指定管理者の指定(余熱体験施設)
 浦和西部(桜区)にゴミ処理場と浴場を建設。今後15年間の管理運営費込みの工事契約(DBO方式)で535億と、他社より60億円高く提示した新日鉄が落札。新日鉄が管理しやすいように設計・建設したゴミ処理場を、15年後に他の会社(または市)が運営できるのか、市も「わからない」と言うので反対しました。
■深作中央公園を春岡中央公園に変更
 6月議会で名称変更を審議しているのに、すでに3月には現地に「春岡中央公園」の看板が設置されていたことが発覚。法的な手続き無視は認められません。
■タミフルの購入額変更
 インフルエンザ大流行に備えた備蓄用タミフル27万人分を、5億9000万円で購入。日本は世界のタミフルの7割を消費し、下水処理水に混じった成分が、水鳥を通じて耐性ウイルスを生む危険性があり、タミフル乱用は慎むべきです。
■広域連合加盟の自治体数減少
 加須・久喜の合併に伴う議案。住民投票を実施したところ反対多数で、いったん合併を中止したにも関わらず、今度は住民投票を行わずに合併。住民不在の合併は認められません。
■市道の認定・廃止
 清水市長は「すべての窓口業務を区役所で」と公約に掲げながら、大部分は従来通り浦和の市役所でしか行わないことが明確に。公約違反を批判し、関連する議案に反対しました。
■一般会計補正予算(1)の附帯決議(自民・公明提出)《2面参照》
■一般会計補正予算(2)の附帯決議(民主提出)
 清水市長が提案した「敬老祝い金の削減案」は否決されましたが、今後改めて敬老祝い金の削減を検討するように求める決議。提案者の民主党議員(高柳俊哉幹事長)を追及したところ、「市民が傍聴できず、議事録に残らない場」での協議を要求する内容だと判明。また私は削減に反対したので、決議にも反対。
■八ツ場ダム建設事業に関する説明を求める意見書
 市民から提出された「八ツ場ダムの建設中止を求める請願」の審議を半年以上も引き延ばしたまま、国へ意見書を出すのは疑問です。
■「韓国併合」100年を迎えての国への意見書
 朝鮮半島出身の外国人特別永住者に限って地方参政権を認めるため、韓国政府と話し合うよう求める意見書。しかし文章が曖昧で、本会議では提出者の自民党議員は「個人的に、参政権問題は含まれていないと思う」と言い出して混乱。
 参政権は日本の内政問題であり、外国政府と話し合って決めるべきではないと指摘し反対しました。

新入職員の研修の実態を追及
入庁初日から「浦和を知る」ための清掃

「県が浦和なら、市は大宮で」

公平な市政の実現を訴えました

【関連動画】 今年の新入職員に対し、「さいたま市の中心は浦和だ」と叩き込むような研修を実施していたことが判明しました。
 これは4月1日、県と共同で双方の新入職員計300人に、浦和駅と北浦和との間を清掃させるという内容で、その目的は「さいたま市職員として新たなスタートを切るにあたり、市民のための職員であるとの意識の醸成を図り、市役所本庁周辺の街(=浦和中心部)を知る」というものです。
 しかし、新入職員の多くが毎日勤務する浦和の市役所の周りを知ることよりも、県下最大の商業都市であり、全国に誇るべきターミナル・大宮駅の立地の優位性を、正しく認識させることの方が重要なはずです。
 そこで私は6月9日の一般質問で、研修の実態を取り上げ、「『県の新入職員が浦和を掃除するのなら、市の新入職員は大宮で清掃』が公平のはずだ」「大宮を『東日本の顔』『おもてなしの街』と言いながら、駅前がゴミだらけで良いのか」と追及。来年度は大宮か、市役所があるべき新都心で実施するよう求めました。
 しかし清水市長は答弁できず、代わって吉野総務局長が「来年度の研修は、職員にふさわしい活動を策定する中で、実施場所も合わせて検討する」と釈明しました。

県と市で役割分担を
 さいたま市は、「県の施設も市の施設も、浦和に集中していた方が便利だ」と公言する相川前市政の御用学者らが策定した「公共施設の適正配置方針」に基づき、中央図書館や美術館、国際交流センター等、すでに県が浦和に設置している公共施設を「県が浦和なら、市も浦和」とばかりに、市も同様の施設を浦和に集中させています。
 「県が浦和なら、市は大宮」という公平な市政の実現を目指し、私は今後も厳しく監視していきます!
2010年6月議会の会派別議案賛否一覧表

『吉田一郎 市政レポート』のバックナンバーや、市議会での動画集が、インターネットでご覧になれます!

2010年8月特別号(4)
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市民生活委員会でも、大宮のために全力投球!

吉田一郎vs清水市政

 区政見直し 
●「すべての業務を区役所で」公約違反を追及
吉田 現在、浦和の市役所では、いくつの窓口業務を取り扱っているのか?
区政推進室 830です。
吉田 清水市長は「すべての窓口業務を区役所で行えるようにします」と公約に掲げ、マニフェスト概要版にも掲載している。830の業務をすべて各区役所で行えるようにするのか。
区政推進室 マニフェストでは、市民に身近な業務という意味で、「すべての窓口業務」という表現を使った。文字通り「すべて」ではない。
吉田 清水市長は公約を変更したのか?
区政推進室 市民に身近な業務という意味だということで、何とか御理解いただきたい。
吉田 昨年の市長選では、「これからは大宮で用事が済み、浦和まで行かなくても済むんだ」と期待して清水市長に投票した人も多いのに、これじゃ期待外れだ。
結局、浦和の市役所が取り扱う830の窓口業務のうち、将来的に区役所で扱う可能性があるものは47業務に過ぎず、「浦和の市役所へ行かなければ解決しない」という現状は変わりません。

●旧4市役所に大きな権限と財源を!
吉田 清水市長はマッチングファンド(市民からの寄付を市民団体に助成する制度)を始めたが、助成金をもらうには浦和のコムナーレで申請しなくてはならない。なぜか?
区政推進室 利用の実績を含めて今後検討する。
吉田 例えば建築局だと、南部と北部に建設事務所があって、大宮のことは大宮でかなり用が果たせる。市民局も南部と北部、もしくは旧4市別に大宮市民局、岩槻市民局などに分ければ、大宮のことは大宮で解決できるはずだ。
すべての窓口業務を区役所へ移すのが予算や人員面で難しいなら、旧4市ごとに権限を分けるべきです。合併前の旧4市は「すべての窓口業務」を扱っていたので、これなら可能です。

●不透明な区の予算に、明確な算定基準を!
吉田 その地域の税収はその地域で使う「タッチゾーン方式」の導入を、清水市長は否定した。では区の予算は何を基準に決めているのか。
市民部 具体的な基準の数値はない。区役所や本庁があらゆる機会を通じて、住民のニーズをとらえながら、予算に反映している。
吉田 非常に不透明で、市長のさじ加減次第ではないか。市民にわかりやすい明確な根拠を決めるべきだ。住民のニーズを伝える区長は、予算委員会に出席すべきではないか。「住民や地域のニーズだ」と言っても、議会でチェックできないではないか。
市民部 今後、「区役所のあり方検討委員会」で区長や区役所の権限を議論する中で検討したい。

●権限のない区長がマニフェスト!?
吉田 「区長マニフェスト」ができたが、各区とも内容はほとんど同じで、行事予定とかが並んでいるばかりだ。マニフェストとは「公約」の意味だと思うが、予算も権限もない区長が、なぜマニフェストを発表できるのか。
市民部 区長マニフェストは、区長の取り組みの姿勢や具体的な組織目標を明らかにしたもの。
吉田 マニフェストとは、選挙にあたって「私はこうします」という公約だ。区長マニフェストを発表するのなら、区長は職員からの公募や、住民による準公選(選挙)で選ばれるべきだ。
市民部 公募制は、今後「区役所のあり方検討委員会」で議論するかも知れない。
住民が選挙で選ぶ東京都23区の区長と違い、さいたま市の区長は人事異動で着任を命ぜられた職員に過ぎません。

 市民活動 
●市民活動の拠点は浦和だけ!を徹底追及
吉田 浦和に市民活動サポートセンターができて、大宮では「いろんな会合が浦和になり、本当に不便になった」という声がある。大宮や与野、岩槻にもそれぞれの街の規模に合わせて、地域の市民活動をサポートするセンターが必要だ。JACK大宮や岩槻ワッツなどの既存公共施設に、市民活動の拠点を作るべきだ。
市民部 場所は浦和1ヵ所でも、市民活動のノウハウ提供は市内全域にできる。
吉田 ノウハウ提供に関し、09年2月の予算委では、浦和へ行きにくい岩槻と見沼区で「出前講座」を開催すると答弁していた。浦和は不便だと市は認識しながら、市民活動で使う印刷機や場所の提供は、浦和でしか行わないのか。
市民部(大宮などにも)コミニュティセンターや公民館はある。
吉田 上尾市も市民活動サポートセンターを設置した。人口20万の上尾には市民活動の拠点があって、人口50万の大宮にはないのか。浦和の次が上尾というのでは、大宮住民にとっては、まるで高崎線が開通した時、浦和駅の次は上尾駅だったという「明治16年の悪夢」の再来だ。
市民部 今の段階としては、さいたま市とすれば大宮にサポートセンターを作る考えはない。
吉田 教育委員会は「大宮地区の中央図書館を作らないのか」という質問に対し、大宮駅東口の再開発の中で検討すると前向きな答弁をしている。市民活動の拠点はどうか。
市民部 大宮駅東口のビジョンにも、市民活動サポートセンターの構想はない。浦和以外の設置は考えていない。

●大宮にも誰でも使える印刷機の設置を!
吉田 浦和の市民活動サポートセンターには、誰でも使える印刷機があって便利だ。チラシ500枚を550円で刷れる。大宮にも誰でも使える印刷機を設置すべきだ。
市民生活部 印刷機は利用者の声を聞いてみると大変評判が良い。段階的にコミニュティセンターに設置できるよう、予算を要求する。


 議員はそれぞれ委員会に所属し、私は昨年度と今年度は市民生活委員会に所属しています。委員会では昨年、さいたま市が5億円で購入した盆栽が次々と枯れていた事件を徹底追及しましたが、他にも区政の問題などを担当しています。



 地域要望など 
●うわべだけの「マイカー自粛啓発」を追及
吉田 地球温暖化防止に向けて、さいたま市のマイカー利用抑制への取り組みと効果は?
環境共生部 「交通環境フォーラム」を開催し、マイカーの通勤利用の抑制を呼び掛けた。
吉田 市内では毎日どれくらいの車が通勤に利用され、それを何%削減する目標なのか?
環境共生部 市内には54万台の車が登録されているが、何台利用されているかはわからない。
吉田 マイカーで通勤している職員の数は?
環境共生部 9200人の職員のうち27%。
吉田 市民や職員にいくら啓発しても、交通機関で行きにくい場所に区役所を作ったのが問題だ。新たな公共施設を作るにあたり指針はないのか。
環境共生部 「交通環境プラン」を策定して、できるだけ公共交通機関の利用に取り組む。
吉田 都市計画図を見ると、バイパス沿いを近隣商業地区に指定して、市が積極的にマイカー利用を仕向けている。市有地(富士重工跡地)を島忠へ売却して850台もの駐車場を備えたショッピングセンターを作るのでは、何の意味もない。全市的な指針を作るべきだ。
ほとんどの議員も、エコや「マイカーに依存しない社会」を唱えながら、浦和の市役所までマイカーを使っています。私は議会のたびに自転車で浦和まで往復しています。

●ライオンズで「野球の街・大宮」復活を!
吉田 西武ライオンズが大宮で公式戦を始めるが、市は積極的にバックアップすべきだ。
スポーツ文化部 公共施設でのポスター掲示やチラシ配布など、積極的に支援していきたい。
吉田 ライオンズと大宮の子供たちとの交流イベントなど、もっと踏み込んだイベントは?
スポーツ文化部 今後ライオンズと連携を図り、野球教室や市主催のイベントへの協力など、総合支援を行うことで一層の活性化を図る。
清水市長は「サッカーを核とした街づくり」を掲げていますが、サッカーの街は浦和です。「埼玉の甲子園」こと県営大宮公園球場を擁する大宮は伝統的には野球の街であり、球場が満席(2万0500人)になれば経済効果もあります。

●プラザノースの広場をもっと快適に
プラザノースの広場
吉田 プラザノースの広場を08年の防災デーで使ったら、下が石やコンクリートで暑くてたまらない。市民から木を植えたらという提案もある。プラザノースはPFI方式で建てたが、広場も含めてデザイン変更はできない契約なのか。
市民文化部 原則的 には開館時の植栽を維持管理するのが、管理運営会社との契約内容だ。
吉田 PFI方式で公共施設を建てた場合、市が市民の声を聞いて直そうとする時、管理運営会社ヘスムーズに要望が伝えられて実行できるように、あらかじめ契約に盛り込むべきだ。
公共施設の建設に民間資本を導入し、完成後の管理運営も民間に任せるPFI方式は、市民が利用しやすく変更する際に、契約や折衝が足かせとなることが問題です。

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勝手に独立したり、国内に政府かなかったり、 領土がなかったりと、世界には驚くべき国があるのです。そんなの日本のジョーシキでは考えられない52ヵ国・地域を紹介。「国」とは一体なんなのでしょう?真面目なのに笑えます。真面目だから考えさせられます。
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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