2010年6月20日 号外 (1)
2面へ
なんと相川前市長が「財界」を代表して、市政にあれこれ口を出す!?
商工会議所の会頭就任で、市の審議会等のメンバーに!?「院政許すな!」と清水市長に警告しました
 1年前の市長選では、「浦和優先」の相川前市長に大宮住民の怒りが爆発し、清水市長が誕生しました。
 相川前市長はこれで引退かと思いきや、今度はさいたま市の財界トップとして君臨するというから驚きです。
 5月21日、さいたま商工会議所は臨時議員総会を開き、川本会頭が相川前市長を副会頭に選任することを提案し、さらに10月末の任期満了後は、会頭を継いでもらうつもりだと発表。大宮の議員からは反発の声が相次ぎましたが、「拍手で承認された」とのことです。
 川本会頭は、相川前市長を後継に選んだ理由に、「サラリーマンや家業の米屋(ナンブ米穀)経営に携わり、経済・政治の両面で経験があること」を挙げています。
 相川前市長はナンブ米穀の取締役会長でしたが、02年8月に偽ブランド米販売事件(コシヒカリ、あきたこまち、ひとめぼれ等のブランド米に、安い品種の米を15%混ぜて販売していた事件)が発覚した時には、「実際に経営に携わっていないので、責任はない」と言っていました。
 本人の言葉が本当なら、財界での実績は無いはずです!

議会で追及し「相川氏には自動的に引き継がせない」と確認
 商工会議所の会頭は、さいたま市の様々な審議会や委員会のメンバーに任命され、市内の経済界を代表する立場として、市政に意見を述べています。
 相川前市長が会頭に就けば、市政運営に口を出し、「院政」を敷く恐れがあります!
 そこで6月9日の一般質問で、私はこの問題を取り上げ、相川前市長の会頭就任に警鐘を鳴らしました。

吉田一郎 市の審議会や委員会で、商工会議所の会頭や役員がメンバーに就いている数は?
清水市長 会頭は7、専務理事が7、2名の理事が10、その他の役員も合わせて、全体で36。
吉田一郎 相川前市長が会頭に就任した場合、清水市長は審議会のメンバーに任命するつもりか?例えば庁舎整備検討委員に任命して、「市役所はずっと浦和だ!」と相川前市長から御提言をいただくつもりか?
清水市長 新たな会頭・役員が就任した場合、「充て職」以外は自動的に引き継がれるものではないと考えている。委員会や審議会の設置目的を照らし、他の経済団体とのバランスも考慮し、総合的な見地から適材適所で委員を選任していきたい。【動画で見る】

 とりあえず、従来は会頭をメンバーに任命していた審議会や委員会では、そのまま相川氏に引き継がせるわけではないと清水市長に明言させることができました

「商業は大宮」のはずが浦和中心に運営される商工会議所
 3市合併の3年後、04年に大宮・与野・浦和の商工会議所が合併し、「さいたま商工会議所」が誕生しました。大宮と浦和の「2本部制」とは言っていますが、実質的な本部である総務本部は浦和に置かれ、このうえ旧浦和市長として「浦和優先」の都市開発を推し進めた相川前市長が会頭に就けば、商都・大宮の経済界は、完全に浦和の主導の下に置かれてしまいます。何としても阻止しなくてはなりません!

敬老祝い金の大幅削減自民・公明・共産・無所属(吉田・北村)が反対し清水提案を否決!
 敬老祝い金とは、70歳以上の高齢者に5年ごと(100歳以上は毎年)現金が支給される制度です。清水市長は今年から支給対象を88歳と99歳および100歳以上だけに削減することを提案しましたが、6月3日の本会議では、反対多数で否決されました。私は「清水市長が言うように、敬老祝い金は『バラマキ』だが、毎月支給される子ども手当はもっとひどいバラマキだ。敬老祝い金を削減する一方で、子ども手当を配り、後期高齢者医療制度を導入する一方で、中学生までの医療費を無料化するなど、国と市の現在の政策は、あまりにも高齢者と子育て世代とのバランスを欠いている」と反対しました。
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

(2)
岩槻120年の中心地 岩槻区役所を守れ!1人で主張→議会の多数派に拡大し、住民の声可決
【関連動画】 サティ撤退に伴う岩槻駅前ビル「ワッツ」の経営再建で、清水市政は岩槻区役所を取り壊し、ワッツへ移転すると発表しました。ところが岩槻住民から大きな怒りが沸き起こりました。

岩槻区役所を駅前雑居ビルへ!自治会長が連判で反対
 清水市長は昨年12月議会で、ワッツ再建のために25億円を投じたうえ、市がテナントの見つからない3階と4階を、年間7000万円の家賃で借り、公共施設を入居させる再建案を提案し、入居する公共施設には「岩槻区役所を想定している」と説明しました。
 私は当時「市が今後、再開発ビルに毎年7000万円も投じ続けるのはおかしい」「岩槻区役所移転の必然性は無い」と、たった1人で再建案に反対。北村議員(無所属・岩槻区)も退席しましたが、自民・公明・民主・共産など政党・会派の議員はこぞって賛成し、可決されました。
 しかし5月、市が岩槻で区役所移転についての説明会を開いたところ、「岩槻区役所の場所は、明治16年に郡役所が設置されて以来、町役場、市役所が置かれた岩槻の中心地だ」と住民が猛反発。岩槻区の自治会長ほぼ全員が署名して、「区役所移転の白紙撤回」を求める請願が提出されました。
 突然燃え広がった岩槻住民の激しい怒りに、自民・公明・共産の議員たちも「移転反対」を主張し始め、6月15日の本会議で、請願は賛成多数で採択(=可決)されるに至ったのです。
 賛成40 自民・公明・共産・無所属(吉田・北村)
 反対23 民主・みどりの風・未来の会

「移転に反対し、移転予算に賛成は許さない」本会議で警告
 ところが、せっかく議会で可決された「岩槻住民の声」も、雲行きは怪しくなりそうです。
 6月議会では、岩槻区役所の移転準備費用4600万円を含んだ補正予算案も審議されています。本来なら、「区役所移転の白紙撤回」に賛成した議員は、補正予算案に反対するか、移転費用を削除した修正案を出すべきです。
 しかし自民や公明からは、補正予算案には賛成し、「附帯決議」を付けようという声があります。
移転が計画される岩槻区役所 附帯決議とは、議案を可決するにあたり議会側が付ける要望で、例えば大宮医師会市民病院の閉鎖と移転にあたっては「周辺に救急医療機関を整備すること」、5億円の盆栽購入にあたっては「鉄道博物館などとの回遊ルートを整備すること」などの附帯決議を挙げましたが、法的な拘束力はなく、これまで市が守ったことはありません。
 つまり、市民から反発の強い議案に賛成した議員が、「ただ賛成したのではなく、ちゃんと条件を付けたから・・・」と、市民に言い訳するためのアリバイのようなものに過ぎません。
 こうした動きを察知した私は、15日の本会議で「移転反対の請願に賛成する一方で、もし移転を進める補正予算にも賛成し、附帯決議を付けて誤魔化そうとするのならば、請願を提出した岩槻住民らを愚弄することになり、政治不信を招くことになるだろう」と厳しく警告しました。

次は大宮区役所も取り壊し、浦和への一局集中を固定化へ!
 岩槻の街が衰退した大きな原因は、合併と「浦和への一極集中」によるものです。
 さいたま市は「浦和優先」の相川前市政のもとで、公共施設の適正配置方針なるものを策定し、中核的な公共施設をことごとく浦和に集中させて、浦和へ行かなければ用事が足せないような市政運営を進めてきました。
 清水市長は昨年の市長選で、「すべての窓口業務を、区役所で行えるようにします」と掲げていましたが、6月14日の市民生活委員会で私が追及したところ、公約は反故にされていたことが判明しました。

吉田一郎 現在、浦和の市役所では、いくつの窓口業務を取り扱っているのか?
区政推進室長 830です。
吉田一郎 それをすべて各区役所で行えるようにするのか。
区政推進室長 マニフェストでは、市民に身近な業務という意味で、「すべての窓口業務」という表現を使ったわけで、文字通り「すべて」ではない。
吉田一郎 清水市長は公約を変更したのか?
区政推進室長 市民に身近な業務という意味だということで、何とか御理解いただきたい。
吉田一郎 昨年の市長選では、「これからは大宮で用事が済むんだ、浦和まで行かなくても済むんだ」と期待して清水市長に投票した人も多いのに、何だかこれじゃ期待外れだ。

 清水市長は岩槻区役所に続き、大宮区役所も取り壊す構想を発表しています。その一方で、合併協定書に基づき、真つ先に新都心へ移転すべき浦和の市役所は、1500万円かけて議場改修を行い、末永く使い続けようとするなど、「浦和への一極集中」を固定化しようとしています。
 大宮や岩槻の衰退を防ぐには、旧市役所に大きな権限を与え、その地域のことはその地域で行える仕組みが必要です!

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