2010年6月特別号 (1)
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2010年清水予算

このままでは大宮が危ない

相川前市政と変わらない「浦和優先」の予算配分

 浦和優先の相川市政に大宮住民の怒りが爆発し、昨年の市長選挙で清水市長が誕生しました。
 清水市長は「地域に偏りのない公平公正な市政の実現」を掲げていますが、今年度予算の内容は、相川前市政とまったく変わらない浦和優先ぶりです!

浦和の環状道路を
優先し大宮は放置

 相川前市政は、新浦和橋の無料化(33億円)や田島大牧線、道場三室線、赤山東線、南大通線など、浦和や新都心周辺の東西道路を優先的に整備しました。
 そして清水市政は、それらを南北に結ぶ「浦和駅周辺の4車線環状道路が必要」だと言い出しています。一方で、大宮の市街地北部を東西に貫き、渋滞解消の切り札となる都市計画道路・指扇宮ヶ谷塔線は放置されたままです。
 私が3月11日の予算委員会で追及したところ、道路計画課は(浦和駅周辺の環状道路など)4車線ネットワークの整備が優先だと言い、今後数十年は大宮北部で道路整備をしない姿勢が明らかになりました。

公共施設の建設は
今年も浦和へ集中

 相川前市長は、中央図書館や市民活動サポートセンター、国際交流センター、ふるさとハローワーク、子ども総合センターなど、全市的な中核施設を、ことごとく浦和に集中させました。
 清水市長は相川前市政が制定した「公共施設の適正配置方針」に基づいて、地域的な施設も次々と浦和に建設しています。
 例えば、公民館は大宮18ヵ所に対して浦和29ヵ所にも関わらず、新たに浦和に谷田地区公民館を建設して格差を拡大させ、今年度は大宮にも内野公民館を建設するものの、教育施設の建設予算概要は、大宮と浦和で3ケタ違うありさまです。
 都市公園面積は大宮219・64㌶に対して、浦和は287・61㌶なのに、南区に立て続けに公園を建設しています。
 大宮にはオフィス進出が相次ぎ、NHKも移転を表明するなど、都市が持つ潜在力は優れていますが、さいたま市はそれを生かそうとせず、浦和に公共投資を集中させているのです。

旧4市の財布を分け
大宮の税収は大宮に

 さいたま市が抱える最大の問題は、大宮と浦和の予算格差です。
 この弊害を防ぐ方法が、「タッチゾーン方式」です。
 つまり、合併前の旧市町村に大きな権限と財源を与え、その地域の税収はその地域で使う仕組みで、北九州市やつくば市、いわき市などで導入されました。
 さいたま市も、合併前の旧4市で財布を分ければ、浦和への一極集中を阻止できるはずだと、私は昨年9月9日の一般質問で、問いただしました。

吉田一郎 予算編成に向け、「タッチゾーン方式」を導入する考えはないのか。
丸財政局長 本市では「総合振興計画」に基づき、地域偏在のないバランスの良い街づくりを推進しているので、「タッチゾーン方式」による予算の編成や配分は考えていない。

 結局、清水市長は相川前市長が制定した「総合振興計画」に基づいた従来の市政を、「地域偏在のないバランスの良い街づくり」だと評価し、浦和優先の市政を見直そうとしていません。
 その一方で、今年度予算の審議にあたり、私が過去の旧4市別の予算配分に関するデータを要求したところ、清水市政は「存在しない」と提出を拒みました。
 合併前、大宮市の市税収入は、浦和市を毎年20億から50億円上回り、国から地方交付税を受け取らない健全財政を誇っていました。
 大宮の税収で浦和の整備が進められる、これがさいたま市の変わらぬ実態です。

浦和への一極集中にお墨付き与えた

「公共施設の適正配置方針」

 浦和への公共施設の集中を正当化させている「公共施設の適正配置方針」とは、相川前市長が任命した学者や幹部職員など9人が、03年3月にまとめたものです。
 委員の1人だった埼玉大学の後藤和子教授(浦和在住)は、09年1月に旧大宮市役所で開催された予算委員会で、「予算の地域配分を重視し、その地域の税収をその地域で使うことは、バラマキにつながる」と言い出し、さらに「公共施設は一極集中の方が便利だ」と、さいたま市が進める浦和への一極集中にお墨付きを与えていました。
 清水市長が「地域に偏りのない公平公正な市政の実現」を本気で掲げるのなら、相川前市政の下で「浦和優先」の御用学者たちがまとめた「公共施設の適正配置方針」を、ただちに破棄すべきです!

旧4市ごとの2010年度の都市開発予算
(平成22年度予算書概要より)
【旧浦和市】
武蔵浦和第1街区市街地再開発事業 18億5850万
浦和駅周辺鉄道高架化事業 40億4020万
東浦和第二土地区画整理事業  1億6937万
浦和東部第一特定土地区画整理事業  6億1869万
浦和東部・岩槻南部地域整備推進事業(旧「浦和東部地域整備事業を名称変更したもの) 26億2000万
合計  93億0676万
【旧大宮市】
氷川緑道西通線整備推進事業  23億3966万
深作西部土地区画整理事業   3080万
大宮駅西口第4土地区画整理事業  8億3950万
指扇土地区画整理事業  1億5399万
大宮西部特定土地区画整理事業  3億5000万
★合計  37億1395万
★道路整備(氷川緑道西通線)を除くと、実質的には 13億7429万
【旧与野市】
南与野駅西口土地区画整理事業  2億1194万
与野駅西口土地区画整理事業  2億2566万
合計   4億3760万
【旧岩槻市】
江川土地区画整理事業  5億5795万
両平野土地区画整理事業  2億0299万
岩槻駅西口土地区画整理事業  2億9807万
合計  10億5901万

旧4市ごとの2010年度の教育施設建設予算
(平成22年度予算書概要より)
【旧浦和市】
校舎耐震改築事業(浦和別所小)  3億1780万
美園地区小学校新設事業 13億0000万
特別支援学校整備事業(緑区)  5億6700万
尾間木公民館移転事業   4990万
領家公民館改築事業   5495万
武蔵浦和図書館整備事業  4億4600万
谷田地区公民館整備事業  1億5952万
合計  28億9517万
【旧大宮市】
内野地区公民館整備事業    990万
合計     990万
【旧与野市】
校舎耐震改築事業(与野西中)  4億4880万
合計   4億4880万
【旧岩槻市】
合計        0

旧4市ことの2010年度の施設・整備予算
(平成22年度予算書概要より)
【旧浦和市】
南 区 役 所 建 設 13億8000万
武蔵浦和コミニュティセンター  6億1000万
駒場運動公園の改修 17億2500万
老人・児童センター(浦和・緑・両区)  4億7472万
武蔵浦和子育て支援センター  1億2000万
浦和美園複合公共施設用地(2月補正) 12億7421万
新クリーンセンター  4億7522万
浦和駅高架下仮設駐輪場   3500万
見沼通船堀公園の整備   5558万
都市公園 整備事業  4億3908万
合計  65億8881万
【旧大宮市】
春野地区障害児通園施設  3億3724万
大 宮 駅 西 口 駐 輪 場  7億0000万
エレベーター設置(東大宮・加茂宮)  1億9515万
東宮下調 整池整備  3億3660万
下町消防出張所の移転  7億1540万
都市公園 整備事業  1億9160万
合計  24億7599万
【旧与野市】
与野中央公国の整備  1億3586万
高 沼 用 水 路 の 整 備   2000万
都市公園 整備事業   5200万
合計   2億0786万
【旧岩槻市】
岩 槻 人 形 会 館 14億1896万
岩槻駅橋上化改修   9000万
合計  15億0896万

2010年6月特別号(2)
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2月議会

清水市長の在任中

市役所はずっと浦和に

合併協定書守らず、浦和中心の市政継続を鮮明に

 大宮市と浦和市、与野市が合併協定書に調印して、今年でちょうど10年。「県下最大の商業都市」として繁栄を誇った大宮は、衰退が続いています。
 これは浦和に市役所が置かれ続け、「さいたま市の中心は浦和」となったことで、都市開発や道路整備、公共施設建設の予算が、浦和に毎年集中しているためです。
 「新都心に市役所を建設する」という合併時の約束を、相川前市長は無視し続けていましたが、清水市長も2月議会で、「在任中はずっと市役所を浦和に置き続ける」という姿勢が明確になりました。
 3市が調印した合併協定書では、「新都心を候補地に、市役所新庁舎を建設する」、そのために「庁舎建設基金」や「市民参加の審議会」を速やかに設置することが明記されています。
 市役所を浦和に置いているのは、あくまで新市役所が完成するまでの「当面の間」に過ぎません。
 相川前市長は昨年ようやく基金を設置しましたが、合併協定書に基づいた「庁舎建設基金」は、各区役所や浦和の市役所の老朽化に伴う建て替え用の「庁舎整備基金」に変えられました。
 相川前市長は昨年5億円の基金を積み立てましたが、清水市長は今年4億6500万円に減額しました。
 新市役所は一体いつ建つのか、私は2月9日の本会議で問いただしました。

吉田一郎 何年後をめどに、新市役所を建設しようと基金を積み立てているのか。
新藤政策局長 一般的な建築物の耐用年数を考えて、市役所は15年後をめどに整備を考えている。
吉田一郎 「15年後」とは、着手か、着工か、完成か。
新藤政策局長 15年後に着手を考えている。
吉田一郎 「着手」とは、具体的にどういった意味か。
新藤政策局長 着手とは、基本設計に入ること。【動画で見る】

 清水市長は「任期は3期12年まで」と公約しています。つまり15年後に着手とは、清水市長は新市役所の建設に着手すらせず、「合併協定書を無視して、浦和に市役所を置き続ける」と宣言したに他なりません。
 また市は、新市役所の建設費を229億円と見積もっていますが、これは浦和区役所と一体の費用として計算しており、新市役所の建設に着手しても、場所は浦和となりかねません。

大宮市が用意した
216億円は消滅

 新市役所建設を話し合う「市民参加の審議会」は、相川前市長によって任命された「庁舎整備検討委員会」に変えられ、清水市長は相川前市長が選んだメンバーに、そのまま任せています。
 清水市政の下で、庁舎整備検討委では「他の政令市の基金積み立て状況」「各区役所の耐震化」など、合併協定書と関係ない話が続き、大宮の要員が「合併時の約束が果たされていない」と声を挙げても、浦和の委員らに「浦和の市役所を耐震補強して、新市役所は建てないと決定すべきだ」と押し切られている状態です。
 合併前の大宮市は、新市役所を建てる土地と資金を、自前で用意していました。
 1963年から「市庁舎建設資金」を109億円積み立てたのに加え、96年には富士重工跡地を107億円で購入していたのです。
 しかし109億円は、病院移転(大宮医師会市民病院を閉鎖して、浦和との境に市民医療センターを建設)や鉄道博物館の誘致などに使われ、富士重工の跡地は、一部は北区役所となり、残りは島忠へ35億円で売却されました。
 総額216億円もの大宮市民の血税を使った土地と資金は消えてしまい、1円も用意していなかった浦和に永久に市役所が置かれるのは、あまりに理不尽です!

協定書を守らない
政治は信用できず

 清水市長は市長マニフェストに、「4年以内に新市役所建設の検討を進める」と明記していました。
 しかし、マニフェストの概略版や、清水市長が今年1月に発表した「総合振興計画・実施計画改訂版」では、新市役所建設の項目が削除されています。
 その一方で「浦和優先」を誤魔化すために、相川前市長は盆栽美術館を16億円で大宮に建て、清水市長も収支予測を立てないまま、14億円かけて岩槻に人形会館を建てようとしています。
 合併協定書が公然と無視されているさいたま市の現状は、戦後わが国の自治体合併史上、前代未聞の事態です。盆栽や人形で誤魔化すことはできません!
 3市の市長と議会が調印した合併協定書が守られないのでは、市民の政治不信を拡大するだけです。

新市役所の建設費は
浦和の市役所売却で

 新都心最後の空き地である第8-1A街区には、相川前市政は県や三菱地所などと共同で「サッカープラザ」を建てようとしていましたが、「サッカープラザ白紙撤回」を掲げた清水市政に代わり、計画は暗礁に乗り上げています。
 私は2月9日の本会議で、「市は県や三菱地所と共同で、第8-1A街区に市役所を建て、建設費は不要となる浦和の市役所の土地と建物を売却して賄えば良い。浦和区役所はコムナーレに入れ、コムナーレにある中核的な公共施設は、新市役所と共に新都心に移せばいいはずだ」と提案しました。
 10年経っても合併協定書が守られないのなら、「契約違反」の合併は解消して、大宮の税収は大宮の街づくりのために使い、大宮の街づくりは大宮で決められるように戻すべきです!

岩槻へ地下鉄延長は3千億円

 「2年後に着手」と準備費用を計上

 経営破綻した岩槻駅前再開発ビル(ワッツ)の再建に、市は総額25億円を使ったうえ、今後毎年7000万円の公金を投じることになりましたが、清水市長は地下鉄を岩槻まで延長しようと、今年度3000万円の準備費用を計上し、「2年後に建設事業に着手を目指す」と言い出しています。
 建設費は780億円ですが、経営が苦しい埼玉高速鉄道(SR)は建設・運行を引き受けず、市が自前で建設し、開通後の赤字も市が負担することになります。
 沿線の駅前整備などを含めると、総事業費は3000億円以上で、市民1人あたり25万円に相当します。
 SRは浦和美園までの運行でも、9年間で513億円の赤字を出し、1474億円の負債を抱え、県やさいたま市、川口市、鳩ヶ谷市が計297億円の出資金や補助金を投入しています。

浦和美園まででも
1285億円を投入

 SRへの補助金は昨年度で終了のはずでしたが、「補助金がなければ電車が止まる」と、県や市は今後も10年間で348億円の補助と、16年間で毎年40億円(計640億円)の貸付を続けることになりました。
 岩槻との合併協定書に「地下鉄建設」はありません。
 岩槻区はさいたま市の中で唯一人口が減少し、東武野田線の乗客も、過去13年間で15%減少しています。
 採算性のメドが立たない岩槻への地下鉄建設は、財政破綻を招くだけです!

地方自治法に基づき

大宮市の独立は可能

法的手続きを市が説明

逗子・鳩ヶ谷などの実例も

 合併した市町村が再び独立することは可能です。07年12月議会で私の質問に対し、小林政策局長(現在は副市長)が、その法的な手続きについて説明しました。

吉田一郎 旧大宮市が分離独立することは法的に可能か。もし可能ならば、分離独立の法的手続きは?
小林政策局長 地方自治法第7条では、分離について市議会の議決を経た後、知事にその旨を申請し、知事は申請に基づき、県議会の議決を経て総務大臣に届け出ることとなっている。
吉田一郎 戦後、市町村が分離独立した具体例は?
小林政策局長 主な事例としては、昭和24年に山口県山口市から分離した小郡町、昭和25年に川口市から分離した鳩ヶ谷町、同じく昭和25年に神奈川県横須賀市から分離した逗子町、昭和26年に富山県高岡市から分離した新湊町などがある。
吉田一郎 住民投票を実施して分離したケースはあるのか。あるのなら、分離前の市町村全体で実施したのか、分離する一部の地域だけで実施したのか?
小林政策局長 川口市から分離した鳩ヶ谷町では、鳩ヶ谷地区の住民を対象とした住民投票を実施した。【動画で見る】

 実際に、市町村が分離独立した例は、戦後だけで70ヵ所あり、92の自治体が新たに誕生しています。
GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/

2010年6月特別号(3)
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 平成22年度 清水予算案 

無所属・大宮の

立場から反対しました

【動画で見る】
 予算委員会での追及 
●交通不便な浦和でしか開催しない外国語教室
吉田一郎(市が年間5500万円の助成金を出す)国際交流協会が、外国語教室やおしゃべりサロンを開催しているが、場所は全て浦和のコムナーレだ。外国語教室は年間74人、おしゃべりサロンは181人しか利用者がいない。利便性の良い大宮で開催し、少しでも利用者を増やすべきだ。
経済局 活動を大宮へ広げるには、ご協力いただけるボランティアの配置や、場所、予算の配分を考慮のうえ、検討していきたい。

浦和まで行かないと助成金がもらえない!?
吉田一郎 清水市長は今年度「すべての窓口業務を区役所で行えるようにする」と掲げているが、市民活動への助成金交付の説明会や申請受付は、なぜ浦和でしか行わないのか?
市民局 助成金の事務を扱う市民活動支援室が、浦和のコムナーレにあるからです。
吉田一郎 市民活動の助成金を申し込むのも、窓口業務ではないか。矛盾している!

●大宮には大宮の中央図書館を!
吉田一郎 図書館は月曜休みだが、浦和の図書館だけ一部開いている。清水市政は「地域に偏りのない公平公正な市政」を掲げているが、大宮・与野・岩槻でも1ヵ所ずつは開けるべきだ。
教育委員会 中央図書館は第1・3月曜を開けている。他の図書館でも検討はするが、今のところ規模や立地の面で難しい。
吉田一郎 大宮には大宮地区の中央図書館を建てるべきだ。将来、大宮駅周辺に大規模な図書館を建てる構想は?
教育委員会 大宮駅東口の再開発の中で、動向を考えていきたい。

●大宮軽視の「地域戦略ビジョン」を追及
吉田一郎 大宮駅周辺地域戦略ビジョンだが、昨年の予算委では「大宮駅東口にどういった公共施設を作るか、次年度きっちり検討する」と答弁していた。1年間の検討結果は?
都市局 既存の大宮区役所や市民会館の老朽化が進んでいるので、既存施設の再編を進める。
吉田一郎 浦和には中央図書館や市民活動サポートセンターなど新しい公共施設をどんどん作り、大宮は既存のものの再編だけと言うことか。
都市局 具体的に新規にどういった公共施設をというのは、議論の中になかった。

●浦和東口の道路を広げても、大宮は後回し?
吉田一郎 田島大牧線を4車線で産業道路までつなげると言うが、大宮東口駅前通りは氷川参道から先は急に細くなり、65年間ほったらかしだ。産業道路まで4車線でつなげる事業は?
建設局 4車線のネットワークが大変重要で、今やっているその辺の進捗状況を見ながら、なるべく早いうちに整備するのかと思う。

●首都高埼玉大宮線の北への延長を強く要望
吉田一郎 首都高埼玉大宮線は、宮前町までの用地買収は40年前に終わっているが、北への延伸はどうか。昨年の予算委で「協議会を立ち上げる」と言っていたが、その成果は?
建設局 昨年度に国、県、市、首都高、東日本高速の5者で新大宮上尾道路検討会を組織した。しかし国の政情が変わり、大変厳しくなった。中期計画(5年)にも入っていないが、引き続き国などへ要望する。
吉田一郎 首都高が圏央道までつながれば、大宮から関越道や東北道へとネットワークができる。積極的に働きかけてもらいたい。

3月19日の本会議で述べた反対理由(抜粋)
 清水市長が提出した予算案の審議で、私は無所属の議員として自分自身の考えで反対しましたが、自民・公明・民主・みどりの風・未来の会に所属する議員たちは、予算格差に目をつぶって賛成し、可決されました。

■大栄橋の耐震補強を後回しにする清水市政
 「橋梁耐震補強(4億5375万円)の対策個所は、すべて浦和と岩槻です。
 本市において、橋といえばまず大栄橋のはずです。大栄橋はすでに50年以上経過して老朽大栄橋化していますが、大栄橋が落ちれば首都圏から北へ向かう鉄道網はマヒし、本市のみならず東日本全体にとって多大な被害を及ぼすにも関わらず、耐震補強を後回しにすることは許せません。
 鉄道の町・大宮のシンボルであり、県下最大の商業都市・大宮繁栄の象徴である大栄橋をないがしろにすることは、大宮ひいては50万大宮住民をないがしろにすることであり、大宮住民から負託を受けた者として、また大栄橋から電車を眺めて育った大宮っ子の1人として、断じて認めるわけにはいきません!」

■相変わらず浦和優先の開発予算
 「大宮駅東口再開発に23億7029万円の予算をつけたことで、清水市政は『地域間対立を超えた』と強調していますが、実際にはそのうち99%は氷川緑道西通線(旧市役所通り)の拡幅重用にすぎません。
 一方で浦和では、湘南新宿ラインを浦和駅に停める立体高架化事業に今年だけで40億円、武蔵浦和の再開発と複合施設に50億円も注ぎ込んだうえ、先の補正予算では浦和美園の駅前に、何を建てるか決めていないのに12億円もの土地を購入するなど、100億円以上を投じており、大宮住民を欺くものだと言わざるを得ません」

■官庁街にマンション林立で都心機能を喪失
 「相川前市長が手掛け、清水市長がまとめようとしている大宮駅周辺地域戦略ビジョンも、その正体が鮮明となりました」
「浦和には中央図書館、市民活動サポートセンター、国際交流センターなど、新たな中核的公共施設をどんどん作る一方で、大宮には全市を対象とした中核的公共施設は何一つ建てないという結論であり、浦和中心を永久化するための『大宮壊滅ビジョン』に他なりません」
「大宮の官庁街となるべき一等地(ハタプラザ周辺)には、次々と高層マンションが建てられ、都心としての整備が不可能にされました。
 お隣り上尾市長から『大宮は真っ暗闇だ』と公言されましたが、かつて白井助七翁を始めとする先人たちの献身的な努力によって、県下最大の商業都市として繁栄した我が大宮は、相川前市長と清水市長の手によって、浦和の従属的な地位に置かれ、都心としての機能を喪失させられようとしています」

■もはや合併の正当性を失ったさいたま市
「合併協定書に明記された、新都心を候補地とする市役所新庁舎を建てるための庁舎建設基金の設置は、老朽化に伴う区役所の建て替えを含めた庁舎整備基金に捻じ曲げられ、市長の任期は3期12年までを公約とする清水市長の在任中には、市役所新庁舎の建設には着手すらせず、清水市長は合併協定書を完全に踏みにじった市政運営を続けることが明らかになりました。
 今定例会の代表質問では、かつて大宮市議会を代表して合併協定書に調印した議員(=鶴崎敏康議員)からも、『3市合併は全国に悪い例をもたらしたのかということが、いま真剣に問われるところに来ている』という発言がありました。
 国策に踊らされ、住民の意向をまったく無視して合併したうえに、合併協定書すら守らないのであれば、さいたま市はその成立における正当性を失い、存在そのものが悪そのもの。まさに戦後わが国の自治体合併史上、最大の失敗例に他なりません。このようなさいたま市に、誇りを持てというのは無理です」

■大宮の自治か、さもなくば独立か!
「現在、さいたま市は大きな岐路に立っています。このまま浦和への一極集中を押し進めるのか、それとも大宮・浦和・与野・岩槻が地域の歴史や文化、特性を生かして輝く、緩やかなそして離脱可能な、連邦制のような連合都市に舵をとり直すかです。
 さいたま市は真の地域主権である『都市内分権』を進めるべきです。旧4市に財政的独立を含めた強い自主権を与え、その地域から上がった税収はその地域のために使い、政令指定都市になったことで加わった新たな財源を、地域格差の是正や大型プロジェクトのために使う仕組みを確立すべきです。
 市が実施した市民意識調査では、『浦和重点の市政や地域格差の是正』という不満が毎年増え続け、1位か2位を占め続けています。
『相川さんは旧浦和市長だから、大宮と浦和の地域対立が解消されない』という意見がありましたが、これは全く誤りでした。
 吉田一郎議員公共投資やサービスの浦和への一極集中が是正されない限り、誰が市長になっても大宮の不満は増大するばかりです。一方で、自分たちの収入は自分たちの地域のために使い、それぞれの地域にその地域の規模にあった中枢機能を有する公共施設を配置し、自分たちの街のことは自分たちの街で決められる仕組みが確立すれば、誰が市長でも地域間の共存が図れるでしょう。
 それを行わず、『地域に偏りのない』とは名ばかりの、浦和中心の市政運営を続けるのであれば、50万大宮市民の間から『消えてなくなれ、さいたま市!元に戻そう、大宮市!』と、旧大宮市の分離独立を求める声が、星火燎原の如く広がるでしょう」
「自治の基本といえる精神を、さいたま市は尊重すべきであり、相変わらず浦和中心の予算案には反対します」
『吉田一郎 市政レポート』のバックナンバーや、市議会での動画集が、インターネットでご覧になれます!

2010年6月特別号(4)
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 大宮の声を市議会に! 

吉田一郎 この1年 VS 清水市政

「浦和優先の行政・予算配分の是正」という公約を実現するために、私は政党や会派の利害に縛られない無所属の議員として活動しています。相川前市長が敷いた浦和優先の路線を改めようとしない清水市政と、徹底的に闘いました!


ふるさと大宮のために実現しました

●若田宇宙飛行士の報告会、大宮開催を実現!
 大宮出身の宇宙飛行士・若田光一さんが4ヵ月半宇宙に滞在して地球へ帰還しましたが、市は若田さんとの交流イベントをすべて浦和で開催。そこで09年9月議会で「帰還報告会は大宮で開催すべきだ」と要求し、ソニックシティでの開催が実現しました。

●地域に偏りのない公平な入札制度を提案
 地上デジタル放送への移行に伴い、市は小中学校のテレビを4億4320万円で買い替えましたが、そのうち8割を浦和の業者から購入するという清水市長の提案を、09年12月議会で追及。入札を旧4市別に実施して、「大宮の子供たちが観るテレビは、大宮で購入を!」と提案しました。

●「税金使って浦和に客寄せ」を中止に追い込む
コムナーレ 市は1000億円以上を投じて浦和駅の再開発を進め、浦和駅東口にコムナーレを建てたうえに、「浦和駅東口の賑わいを創出する」と、毎年2億円以上の税金を使い、様々なイベントを開催していました。私はこれを批判し続け、09年12月議会では「浦和中心・浦和優先の象徴=コムナーレヘの自爆テロに備えるべきだ」と厳しい口調で警告。10年度予算からコムナーレ賑わい創出事業を廃止させました。

●大宮駅西口の高速パス乗り場に屋根設置
バス乗り場に屋根設置 成田・羽田空港や東海・関西方面への高速バス乗り場は、そごう前の路上です。私は08年6月のまちづくり委で「乗客は野ざらしの状態で、荷物を抱えてバスを待っている」と指摘し、整備を提案。09年夏に屋根付きの乗り場が完成しました。

●宮原メディカル跡地へ市立病院の移転を提案
 相川前市政は「人の命も浦和優先」とばかりに大宮医師会市民病院を閉鎖し、浦和との境に市民医療センターとして移転を強行しましたが、約1万㎡の病院跡地について、09年12月議会で追及し「市の事業用地とする」と答弁させ、民間への売却を阻止。さらに10年2月の予算委では、浦和の市立病院の老朽化に伴う建て替え時期を問いただし、大宮医師会市民病院跡地への移転・建て替えを提案しました。

●北区でコミニュティバスの土曜運行を実現
 区役所への足として運行が始まったコミュニティバスですが、北区では大宮総合病院や中央病院を経由するようになり、利用者が大幅に増えました。そこで私は09年6月のまちづくり委員会で、「病院は土曜も開いている。通院の足にするなら土曜も運行すべきだ」と提案したところ、今年6月から北区と桜区で、試験的に半年間の土曜運行が始まりました。

市民の立場から徹底追及しました
●5億円の盆栽が枯死していた事実を明るみに
 09年6月議会で、私の「枯れた盆栽はないのか!?」という追及を契機に、計5700万円分が枯れ、市が隠していたことが明るみに。さらに9月議会では市が秘かに来歴不明の「替え玉の盆栽」2点を用意していたことを暴露。「何者かが侵入して薬品をまいた」という当初発表した枯死原因のおかしさを追及し、撤回させました。

●大宮盆栽美術館の大幅赤字予測を明らかに
枯れた盆栽「年間15万~20万人の観光客が増える」と言われ、自民・公明・民主・共産が賛成して着工した盆栽美術館。09年9月議会で入場者数は年間5万人、うち観光客は6300人と大幅に下方修正されていたことを明らかにし、年間赤字は1億2000万円以上にのぼることを暴露しました。

●住民不在で決められた区割りの見直しを要求
 7年前に政令指定都市への移行に伴い、住民の意向をまったく無視して決められた区名や区割りについて、09年6月議会で見直しを要求。また同一町内が浦和区と南区に分断された神明地区の困窮を、地元自治会からの要望をもとに10年2月の市民生活委で追及し、「関連する自治会の意向がまとまれば、区割りを見直す」「国や県への手続きは不要」と確認させました。

●ずさんなアスベスト除去の監督責任を追及
 浦和青年の家跡地(調神社横)で、県が整地用に敷いた砂利にアスベストが含まれていた事件で、作業員が手作業でアスベストを取り除く県のずさんな除去方法について、09年9月議会で市の監督責任を追及。適正な除去を指導するよう確約させました。

●暮らしの道路整備の推進策を提案
 土地の無償提供によって生活道路の整備を進める「暮らしの道路」整備がなかなか進まない現状について、10年3月の予算委で、土地を提供した地権者に感謝状や記念品を贈るなどの制度を設けて、積極的な協力を促すべきだと提案しました。

●市長の地位と名称を利用した資金集めを暴露
清水市長政治資金パーティ 清水市長は6月のボーナス約94万円を返上すると09年12月議会に提案しましたが、その
2日前に「市長就任報告会」と称する市長の地位と名称を利用したパーティーを開催し、数千万円の資金集めをしていたことを、会場の写真を手に暴露。業者との資金的な「絆」を作ることは、しがらみになりかねないと警告しました。

●「住民が学校警備!?」安易な提案を延期に
 小中学校の校門に配置されている警備員を、清水市長は経費削減のため10年4月から午後だけに減らし、午前中は自治会などの地域ボランティアに警備を任せると提案。私は「凶器を持った不審者が侵入しようとしたら、ボランティアが止められるのか」と批判。3月16日の予算委では、まだ議会で審議中にも関わらず教育委員会の名で「地域ボランティア募集」が配布されていたことを批判し、教育長が謝罪。清水市長は警備員削減を「2~3ヵ月延期する」と発表しました。私は「経費削減が必要ならば、校門に防犯カメラや赤外線センサーを設置して、警備員を廃止したら良いのでは」と提案しました。

密室談合の市議会を変えました
●年間408万円の政務調査費見直しを要求
「政令指定都市になった」という理由で、6年前に自民・公明・民主・共産などすべての議員の賛成し、年額240万円から408万円へ7割も増額された政務調査費。09年12月議会で清水市長に減額を要求し、今度の見直し対象とすることを確認させました。

●市民に明らかにできない海外視察に抗議
 10年2月議会で、自民4人と民主2人の7日間の米国視察(費用1人70万円)が審議されましたが、「視察目的」である姉妹都市・リッチモンド市の表敬訪問は1日だけで、残りはワシントンやシカゴを「見学」するという内容。私は海外視察に反対するとともに、傍聴に訪れた市民に視察の日程や参加者、費用を伏せたまま審議を行うやり方に抗議。今後は傍聴者にも資料が配布されることになりました。

●「すべての議員が発言できる議会」を実現!
 さいたま市議会では、6年前に日本国憲法や地方自治法を無視して、自民・公明・民主・共産などの政党・会派が、本会議で無所属議員の発言を禁止する「申し合わせ」を決め、無所属議員は泣き寝入りを続けていました。
 私は3年前に初当選して以来、地方自治法に基づいたあらゆる手段を用いて、議会で意見を表明してきましたが、演壇からの暴力排除や、出席停止等の不当処分が繰り返されたうえ、出席停止期間を最長1会期に延長する「条例改正」まで行われました。
 そこで民主主義を破壊するさいたま市議会の現状に抗議して、09年3月に議員をいったん辞職。5月の補欠選挙で「すべての議員が発言できる議会」を掲げ、2万7045票というさいたま市始まって以来の高得票で復帰当選。大宮住民の力で、09年6月議会からすべての議員の発言権が獲得できました。


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吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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