2010年4月5日 号外 (1)
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年間赤字1億2000万超の盆栽美術館 館長辞任騒動でさらに赤字拡大ヘ!?
 栃木県の美術館から5億円で購入した盆栽を展示するために建設していた大宮盆栽美術館。昨年夏には盆栽が次々と枯死していた事件が発覚したにも関わらず、清水市長は建設を続け、3月28日にオープンしましたが、いい加減な収支見通しや集客体制が改めて浮き彫りとなっています。

コロコロ変わる入館者数予測。しどろもどろの算定根拠を追及!
 盆栽美術館の年間入館者数について、市は盆栽購入前「観光客が15万~20万人増える」と公言していました。しかし、昨年9月議会では。入館者は年間5万人(ただし初年度は開館効果で7万5000人)で、そのうち市外からの観光客は6300人と大幅に下方修正。年間の収入は955万円に過ぎず、毎年1億2000万円以上の赤字が出ることが判明しました。
 ところが3月9日の予算審議で、市は「初年度は5万人だが、5年後には12万人に増える」と言い出しました。

吉田一郎 なぜどんどん増えていく数字になったのか。
文化施設建設準備室長 企画展や全国規模の盆栽展等いろいろ開催して、だんだん増える数字になった。
吉田一郎 昨年9月の資料でも、イベントは毎年やると費用を計上していた。それなのになぜ5万人が12万人になるのか。
文化施設建設準備室長 単に予算だけでなく、職員の努力によっていろいろ開催していきたいと考えた。
吉田一郎 初年度は7万5000人だったのが5万人に減っているではないか。職員の努力で減るのか。矛盾している。
文化施設建設準備室長 その後いろいろ検討した結果、この数字になった。岩槻人形会館の整備もあるので、そういったところとの連携を進めていきたいと思っている。
吉田一郎 では、岩槻人形会館の入館者数の予測は?
文化施設建設準備室長 いま基本計画を立てており、3月末までにはある程度の数字を出し、来年度精査していきたい。
吉田一郎 おかしい。岩槻人形会館にどのくらい来るのかわからないのに、なぜ盆栽美術館は連携して7万人増えるのか。
文化施設建設準備室長 連携に努力していきたい、相乗効果を期待したい、と考えております。【動画で見る】

中国の盆栽美術館を調べずに「世界初」と宣伝!?危うく大恥
 盆栽美術館のオープンにあたり、市は「世界初の公立盆栽美術館」と謳ったポスターを制作し、「中国や韓国など東アジアの観光客を呼び込む」と発表していました。
 しかし私の調査で、中国湖北省荊州市には、1987年に市が建設した盆栽美術館が存在し、8000鉢もの盆栽が展示されていることがわかりました(大宮盆栽美術館は100鉢)。
 3月16日の予算委員会で、私は現地の写真を手に、「これでは開館早々『看板に偽りあり』だ!」と指摘。その後、新聞各紙では「国内初」と報道されています。
 盆栽のルーツである中国に、公立の盆栽美術館が存在するのかきちんと調べないまま「世界初」だと謳い、中国人観光客を呼ぼうとするのでは、あまりにお粗末です。

盆栽美術館の教訓生かそうとせず、次は人形会館に14億円!
 盆栽美術館の館長に就任した大熊敏之氏(富山大学准教授)は、開館初日の28日「準備不足があまりにひどい」と抗議し、館長を辞職すると表明しました。
 31日に清水市長が面談して、盆栽美術館のスタッフや予算を増やし、駅からの案内板などを設置することを約束し、大熊館長は辞意を撤回しましたが、開館初日に館長が「辞める」と言い出すとは、我が国の箱物建設史上、最大の失態です。
 盆栽美術館のスタッフは、館長と副館長のほか、学芸員や職人、職員が3人ずつの計11人ですが、これ以上スタッフや予算を増やしても赤字が拡大するばかりです。
 清水市長は「盆栽美術館の収支が取れなくても、経済波及効果を期待したい」と言っていますが、経済効果(市内の商店等の売り上げ増)は3500万円足らずにすぎません。
 しかし、清水市長は続いて岩槻に人形会館を建てようと、入館者数や収支予測を公表しないまま14億円の建設費を計上。建設に反対しているのは無所属議員2人(吉田・北村)だけで、自民・公明・民主・共産は建てるべきだと言っています。
 清水市長は昨年の選挙で「無駄なハコモノはもういらない!」を公約に掲げていたはずです。人形会館の建設はただちに白紙撤回すべきです!
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

(2)
■下水道料金の大幅値上げ案が可決
 平均3割、最高4割も値上げする清水市長の提案が自民・公明・民主などの賛成で可決されました(無所属2人と共産は反対)。3月18日の本会議では、私が委員会の審査報告を追及したところ、市は4年後に再値上げを画策していることも判明しました!
■敬老祝い金の削減案は6月議会へ審議先送りに
 75歳から5年ごとに支給されている敬老祝い金を、清水市長は88歳と99歳の支給に削減することを提案。民主・みどりの風・未来の会の 「清水与党」は賛成したが、自民・公明・共産が反対し継続審議に。私も削減反対ですが、即否決すべきと先送りに反対。
■相川前市政と全く変わらない浦和優先の予算
 清水市長は「地域に偏りのない公平公正な市政」を掲げているものの、予算案の内容は相変わらず浦和優先です。特に教育施設の建設予算の概要は、大宮990万円に対して浦和は33億1621万円と、なんと335倍という前代未聞の格差です!
2010年2月議会の会派別議案賛否一覧表

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