2010年4月特別号 (1)
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盆栽美術館
年間赤字1億2千万超で、経済効果は僅か3626万円

館長辞任騒動で赤字さらに拡大へ!?

 栃木県の美術館から5億円で購入した盆栽を展示するために建設していた大宮盆栽美術館。昨年夏には盆栽が次々と枯死していた事件が発覚したにも関わらず、清水市長は建設を続け、3月28日にオープンしました。しかし、いい加減な収支見通しや集客体制が改めて浮き彫りとなったうえ、オープン初日に館長が辞意を表明するという「前代未聞」の事態が起きています。

 盆栽美術館の年間入館者数について、市は盆栽購入前に「観光客が15万~20万人増える」と公言していました。
 しかし、昨年9月議会では、入館者は市内小中学校の社会科見学等も含めて年間5万人(ただし初年度は開館効果で7万5000人)で、そのうち市外からの観光客は6300人と大幅に下方修正。年間の収入は955万円に過ぎず、毎年1億2000万円以上の赤字が判明しました。 清水市長は「盆栽美術館の収支が取れなくても、経済波及効果を期待したい」と言っていますが、経済効果は、市外からの観光客数6300人×市内での平均消費額5755円=3626万円にすぎません。

 コロコロと変わる
 入館者予測を追及
 ところが3月9日の予算委で、市は「初年度は5万人で、5年後には12万人に増える」と言い出しました。

吉田一郎 なぜどんどん増えていく数字になったのか。
文化施設建設準備室長 企画展や全国規模の盆栽展等いろいろ開催して、だんだん増える数字になった。
吉田一郎 昨年9月の資料でも、イベントは毎年やると費用を計上していた。それなのになぜ5万人が12万人になるのか。
文化施設建設準備室長 単に予算だけでなく、職員の努力によっていろいろ開催していきたいと考えた。
吉田一郎 初年度は7万5000人だった予測が、職員の努力で5万人に減るのか。矛盾している。
文化施設建設準備室長 その後いろいろ検討した結果、この数字になった。岩槻人形会館の整備もあるので、そういったところとの連携を進めていきたい。
吉田一郎 では、岩槻人形会館の入館者数の予測は?
文化施設建設準備室長 いま基本計画を立てており、3月末までにはある程度の数字を出し、来年度精査していきたい。
吉田一郎 おかしい。岩槻人形会館にどのくらい来るのかわからないのに、なぜ盆栽美術館は連携して7万人増えるのか。
文化施設建設準備室長 連携に努力していきたい、相乗効果を期待したい、と考えております。【動画で見る】

 盆栽のルーツ中国
 を調べず「世界初」
中国の盆栽美術館の写真を手にする吉田議員 盆栽美術館のオープンにあたって、市は「世界初の公立盆栽美術館」と謳ったポスターを制作し、「中国や韓国など東アジアの観光客を呼び込みたい」と発表していました。
 しかし私の調査で、中国湖北省荊州市には、87年に市が建設した盆栽美術館が存在し、8000鉢もの盆栽が展示されていることがわかりました(大宮盆栽美術館は100鉢)。
 3月16日の予算委員会で、私は現地の写真を手に、「これでは開館早々『看板に偽りあり』だ!」と指摘。その後、新聞各紙では「国内初」と報道されています。
 盆栽のルーツ=中国に、公立の盆栽美術館が存在するかきちんと調べないまま「世界初」だと言い、中国人観光客を呼ぼうとするのでは、あまりにお粗末です。

 人や予算増やすと
 館長慰留する市長
 盆栽美術館の館長に就任した大熊敏之氏(富山大学准教授)は、開館初日の28日「準備不足があまりにひどい」と抗議し、館長を辞職すると表明しました。
 31日に清水市長が面談して、盆栽美術館のスタッフや予算を増やし、駅からの案内板などを設置することを約束し、大熊館長は辞意を撤回しましたが、開館初日に館長が「辞める」と言い出すとは、我が国の箱物建設史上、最大の失態です。
 仮に観光客が倍になったとしても、収入は百数十万円しか増えません。これ以上、人や予算を増やしても赤字が拡大するだけです。
 やはり盆栽美術館は閉鎖して、市によれば20億円の価値があると言う盆栽(枯死した分を除くと約19億円)を売却し、建設費を補うべきです。

次は岩槻人形会館に14億円

自公民共揃って「建てるべき」

 清水市長は盆栽美術館に続いて、岩槻に人形会館を建てようと、入館者数や収支予測を立てないまま、今年度予算案で14億円の建設費を計上してきました。
 バブルの絶頂期に、全国各地の自治体が村おこしや観光振興を掲げて様々な観光施設を建設しました。
 青森県黒石市など、いくつかの自治体では、地域の文化であるこけしをアピールして観光客を誘致しようと、「こけし会館」を建設しましたが、財政破綻を招く結果になっています。
 しかし、議会で岩槻人形会館の建設に反対しているのは、無所属2人(吉田・北村)だけで、盆栽美術館の建設にも賛成した自民・公明・民主・共産などは建てるべきだと言っています。
 清水市長は昨年の選挙で「無駄なハコモノはもういらない!」を公約に掲げていたはずです。
 人形会館の建設はただちに白紙撤回すべきです!

下水道料金最高4割アップ

「トイレへ行くたびに
腹が立つ!」と直訴

4年後にも再値上げが判明
【関連動画】 清水市長は2月議会で、下水道料金を6月から最高4割値上げすることを提案しました。
下水道料金のアップ率 清水市政は「下水道事業は赤字のため、23億円の増収を図って一般会計からの繰り出しを減らす」と言っていますが、その一方で水道事業は、毎年30億円以上もの黒字を出しています。
 また国民健康保険も、介護保険と合わせて年間最高5万円の値上げです。
 私は2月10日の本会議で「この大不況の中で、市民の生存に必要不可欠な下水道の使用に、より重い負担を課す一方で、人形会館の建設に莫大な予算(14億円)をつぎ込もうとすることは、広範な市民の間から『トイレへ行くたびに腹が立つ!』と、怒りの声が巻き起こり、怒りの炎が燃え広がりつつあります」と、見直しを強く訴えました。
 さらに3月18日の本会議で、私が委員会の審査報告を追及したところ、市は4年後に再び下水道料金の値上げを検討していることも判明しました。
 公共料金の値上げをする前に、まず赤字垂れ流しの箱物建設を中止すべきです。
NACK5の『おとこラジオ』での吉田一郎の対談が本になりました。「読むラジオ」(税込 1000円)

2010年4月特別号(2)
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大宮総合病院での小児科オールナイト診療

中途半端な診療内容の改善を強く要望

 長年にわたって大宮住民の命を守ってきた大宮医師会市民病院(宮原メディカルセンター)が閉鎖され、市民医療センターとして浦和との境へ移転してから、1年が経ちました。
 大宮医師会市民病院では、内科と小児科のオールナイト診療を実施してきました。
 私は「人の命も浦和優先か!」「大宮は金も命も奪われるのか!」と相川前市政を激しく攻撃し続け、盆栽町の大宮総合病院で、小児科オールナイト診療を維持させることができました。
 ところが、実際に利用した人たちから、新たな不満の声が挙がっています。
 大宮総合病院でのオールナイト診療は中途半端で、注射は打つが点滴やレントゲンは行わないのです。

 注射はOK点滴はダメ
 救急車呼び処置遅れも
 私は3月8日の予算委員会で、この問題を取り上げました。

吉田一郎 点滴やレントゲンが必要な場合は、どう対応するのか。
健康増進課長 搬送手続きで対応すると思う。
吉田一郎 大宮医師会市民病院で夜間診療を行っていた時とは、どう違うのか。
健康増進課長 その時は二次救急(入院や手術が必要な治療)までやっていた。現在は初期救急(入院や手術が不要な治療)だけなので、二次救急の病院へ搬送することになる。
吉田一郎 救急車を自分で呼べと言うことか。大宮総合病院に入院できないのか。
市立病院長 大宮総合病院は場所を貸しているだけなので入れない。救急車は恐らく医師か職員が呼んでくれると思う。「点滴が必要な人は入院が必要」と言う考え方があり、恐らく点滴を断っているのではと思う。【動画で見る】

 例えば喘息の発作など、すぐに点滴をすれば帰宅できたのに、点滴を断られて救急車を呼び、処置が遅れたために入院することになったケースもあります。
 小児科オールナイト診療は、市内の主要病院や医師会が持ち回りで医師を派遣し、1晩で20万円の報酬を支払っています。
 私は3月16日の予算委で、「1晩20万円の報酬を払っているのなら、そのお金で市が直接医師を雇用して、内科も含めたオールナイト診療を復活させるべきであり、医師の判断で『注射はOKだけど、点滴はダメ』という硬直した運営を見直すべきだ」と強く要望しました。

「御用市民団体」に市が新たな特権

自分の団体に寄付して税金逃れ!?

【関連動画】 清水市長は「行政と市民活動との協働によるまちづくり」を掲げ、2月議会でマッチングファンド(市民活動及び協働の推進基金)の設置を提案しました。
 市民からの寄付金を、市のお薦めする市民団体に配分する制度で、市が配分先を決める「一般助成事業」と、寄付者が「この団体に寄付したい」と指定することができる「団体希望助成事業」とがあります。
 2月22日の市民生活委員会では、自らのお金を使って市民活動をしている人が、「団体希望助成事業」を利用し、市を通じて自分の団体へ寄付すると、税額控除が受けられることが明らかになりました。
 市はこれまでも、さまざまな市民団体に補助金を出していますが、市民の自発的な寄付までも、市が「お墨付き」を与えた市民団体に誘導し、さらに市が合法的に税金逃れを幇助するようなやり方には反対です。

 議会で審議中なのに
 市報で早々と募集開始
 2月議会の会期は、2月9日から3月19日までです。
 通常なら、そこで審議された新たな制度は、可決されれば4月から実施となりますが、清水市長は「ぜひとも3月中に開始したい」と、そのための補正予算案も提出してきました。
 さらに、2月末に市内全世帯に配布された『市報さいたま』には、寄付金を受け取りたい団体の募集案内が掲載されました。
 私は3月1日の予算委員会で、『市報』を片手に「まだ審議中で可決されていない制度を、市がさっさと実行するのはおかしい!」と抗議したところ、自民党も同調して予算審議は中断。小林副市長が謝罪し、募集は議会で可決後に延期されることになりました。3月中に制度が始まれば、2つの会計年度を跨ることで、税額控除の枠が拡大し、市から「お墨付き」をもらえる市民団体は、企業等からの寄付を集めやすくなりますが、清水市長が議会での立法手続きを無視してまで、3月から強引に制度をスタートさせようとしたことは問題です。
 「行政と市民活動との協働」が、一部の特権的な市民団体との癒着になってはいけません。

清水市長の外郭団体改革の実態
相川後援会長の団体が

貸館業務25億円を独占!

旧大宮市の団体を吸収合併
 イベントや会議などで、市民に貸し出している施設(貸館)のうち、無料の公民館は教育委員会が運営していますが、有料施設は「指定管理者制度」を導入して、市の外郭団体に管理運営を任せています。
 市民会館など大型施設は主に文化振興事業団が、コミュニティセンターなどの小型施設は公立施設管理公社が運営してきましたが、清水市長は4月から公立施設管理公社を文化振興事業団に吸収合併させました。
 消滅する公立施設管理公社は、旧大宮市が設置した外郭団体です。一方で、存続する文化振興事業団は旧浦和市が設置し、相川前市長が自らの後援会長である佐伯鋼兵氏を副理事長に据えていた団体です。
 文化振興事業団は、市が盆栽美術館に展示するために購入した5億円の盆栽の管理で、市と実際に盆栽を預けていた盆栽園との間に入って、多額の管理委託料をピンハネしたうえ、盆栽園から盆栽美術館まで盆栽100鉢を数百メートル運ぶだけで、680万円もの法外な運搬費用を市に請求しています。
 このような文化振興事業団が、旧大宮市の外郭団体を吸収合併して、市の貸館業務をほぼ独占することは、許せません!
 市は文化振興事業団に対し、市民会館等の指定管理料としてこれまで年間15億円を支払ってきましたが、公立施設管理公社の分を合わせると、今後は年間約25億円もの指定管理料が流れることになります。
 私は2月議会で、コミニュティセンター等を文化振興事業団に委ねる清水市長の提案に反対しました。
 公共施設の管理運営を、民間や外郭団体に任せる「指定管理者制度」は、コスト削減とサービス向上が図れるとして拡大されていますが、新たな利権の温床にしてはいけません!

市長マニフェストの検証大会
公金と職員使い「自画自賛」

 昨年の市長選挙では、清水市長や相川前市長が、マニフェスト(政権公約)を発表していました。
 そして清水市長は、自分が掲げたマニフェストの達成度を検証するために、市民や有識者による外部評価委員会を設置し、その結果を発表する「マニフェスト検証大会」を毎年開催しようと、予算を計上しました。
 公約の達成度を公表するのは良いことですが、選挙公約の検証は、次回の選挙で「実績」をアピールする、現職の再選に有利です。
 清水市長や市長の後援会が実施するのではなく、市の予算や職員を使い、清水市長の再選に向けたイベントを開催するのは問題です。
 清水市長はマニフェスト検証大会に132万円の予算を組んだほか、平均年収1275万円で、マニフェスト検証担当の特定任期付職員という、いわば「縁故採用枠」の専門スタッフを雇い入れています。
 そこで私は3月1日の予算委貝会で、この問題を追及しました。

吉田一郎 市長マニフェストの検証大会を、市の公金や職員を使って開催するのは問題ではないか。
都市経営戦略室副参事 「しあわせ倍増プラン2009」は、市の計画なので問題ない 。
吉田一郎 外部評価委員の市民や有識者は、誰が任命するのか。
都市経営戦略室副参事 市長が任命します。【動画で見る】

 市長のマニフェストが市の計画になったのなら、その評価や検証は、住民が選挙で選んだ代表(=議員)が行うべきであり、清水市長が自分で選んだ評価委員会メンバーが清水市政を検証するのでは、「自画自賛」に他なりません。
 市長が選挙で掲げたマニフェストは、次回の選挙で市民が評価を下すべきです。
GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/

2010年4月特別号(3)
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浦和優先の予算案
不透明な海外視察

清水議案など36件に反対

 2月議会では本会議で15回、予算委員会で10回発言し、清水市政や議会の現状を厳しく追及しました。

吉田一郎が反対した議案
【関連動画】
■一般会計予算
 清水市長は「地域に偏りのない公平公正な市政」を掲げていましたが、相川前市政と全く変わらない浦和優先の予算配分でした《詳細は次号》。
■国民健康保険事業特別会計予算■介護保険事業特別会計予算■国保税の値上げ
 国保税と介護保険税を合わせて、最高5万円の値上げは認められません。
■老人保健事業特別会計予算■後期高齢者医療事業特別会計予算
 後期高齢者医療制度は、制度そのものに問題があり、廃止すべきです。
■東浦和第二土地区画整理事業特別会計予算■浦和東部第一特定土地区画整理事業特別会計予算
 浦和優先の開発予算は認められません。
■水道事業会計予算
 毎年30億円以上の黒字を計上する水道料金は、市民への還元を検討すべきです。
■下水道事業会計予算■下水道料金の値上げ 《1面参照》
一般会計補正予算(10)■子ども手当の全額国庫負担を国へ求める意見書■一般会計予算の附帯決議
 子ども手当は「バラマキ政策」で、海外在住の養子が数十人いても支給されるなど、制度的な欠陥もあります。国会でまだ審議中の時点で、子ども手当の支給準備のためにシステム変更をしたり、国に「全額負担してほしい」と要望するのはおかしいと反対しました。
■一般会計補正予算
 公園面積は、大宮219・64haに対して浦和287・61haと、浦和が圧倒的にも多いにも関わらず、南区に立て続けに3ヵ所公園を建設(計8億1134万円)するのは問題です。
用地先行取得補正予算
 浦和美園駅前に複合公共施設を建てると、12億7421万円で用地買収。しかし何を建てるか「まだ未定」では認められません。
■下水道事業会計補正予算
 日進櫛引の雨水幹線整備工事が、入札で4割以上も安く落札。そもそも当初の見積り額の算定が誇大で相川前市長の「大宮にも多く予算をつけた」という選挙向け宣伝に使われたと指摘。
■市民局を市民・スポーツ局へ変更【スポーツ関連事務の市長部局への移管■委員会条例の改正
 教育委員会が管轄していたスポーツ行政を、市長の管轄に。今後図書館や公民館でも権限移譲が進んで、教育委員会の縮小・解体につながり、教育の自主性・中立性を損いかねません。
■市民活動協働推進基金の設置《2面参照》
■善前公民館の設置
 公民館の数は浦和29ヵ所に対して、大宮18ヵ所と格差が著しいにも関わらず、4億1108万円をかけて浦和に新たな公民館を設置することは認められません。
■スポーツ振興まちづくり条例の設置
 清水市政は「サッカーが盛んな地域特性を生かした、サッカーを核とした街づくり」を掲げていますが、サッカーの街は浦和です。大宮にもアルディージャがありますが、歴史的には「埼玉の甲子園」こと県営大宮公園球場を擁する野球の街で、ベーブ・ルースを招いた日米親善野球や、長嶋茂雄が高校時代に初めて本塁打を打ったこと等が語り継がれています。『大宮市史』を否定した、浦和文化への「同化政策」には反対です。
■指定管理者の指定(大宮体育館
 大宮体育館の管理運営を、日産の関連会社に委ねる内容。清水市政の下で、E・KIZUNA(電気自動車普及プロジェクト)や、日産カーナビへの市内観光情報の提供など、日産との関係が急速に深まっている現状に、懸念を表明しました。
■指定管理者の指定(コミュニティセンター等)《2面参照》
■相模原市の自治宝くじへの加入
 相模原市では政令指定都市への移行反対運動が起こり、住民投票の実施を求める2万7487名の直接請求署名が提出されたにも関わらず、議会で否決。さいたま市でも同じですが、政令指定都市になってメリットがあるのは、権限が増えた市長と、報酬や政務調査費が増えた議員だけです。
■加須市の都市競艇組合への加入
 加須市と騎西町、大利根町、北川辺町の合併に伴う議案。住民投票を実施したところ合併反対が多数を占め、いったん合併は中止になったにも関わらず、今度は改めて住民投票を行わずに合併。住民不在の合併は認められません。
■市道の認定と廃止
 清水市長は相川前市政を「市民の声が届かない」と批判しながら、1万7763名が直接請求した区名・区割りの見直しを拒否する一方、「区の花」制定なら住民投票を実施しても良いという姿勢に抗議して、関連する議案に反対しました。
■敬老祝い金の審議先送り
 清水市長は、75歳から5年ごとに支給されている敬老祝い金を、88歳と99歳の支給に削減すると提案。反発した自民・公明・共産が6月議会への審議先送りを主張。「清水与党」はすぐに可決すべきと先送りに反対。私はすぐに否決すべきだと先送りに反対しました。
■議員派遣(アメリカ視察)
 自民党4人と民主党2人がアメリカへ1週間海外視察。目的は姉妹都市であるリッチモンド市への表敬訪問というものの、表敬訪問するのは1日だけで、あとはワシントンやシカゴを見学。視察の日程や参加者を、市民に伏せたまま審議を行うやり方は許せません。
2010年2月議会の会派別議案賛否一覧表
『吉田一郎 市政レポート』のバックナンバーや、市議会での動画集が、インターネットでご覧になれます!

2010年4月特別号(4)
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「副都心」になるはずの富士重工跡地

島忠が契約無視して駐車場に転用

安く買戻し 議会で提案

 市は昨年1月、北区役所南側の土地を、島忠へ売却しました。市は「副都心としての賑わいが創出できる」と言っていましたが、1年以上経っても着工せずに放置されています。さらに私は2月議会で、島忠が売買契約を無視して、隣接する住宅展示場の駐車場に転用していた事実を暴露。市の責任を追及しました。

島忠が貸し出した駐車場 かつて大宮市は、旧大宮の中央に位置する富士重工の工場跡地のうち、西側部分を「大宮発展のための新たな中心地」として、96年に107億円で購入。新市役所を核とした副都心(北部拠点宮原)を建設すると発表しました。
 しかし合併後のさいたま市は、北区役所(プラザノース)を建てただけで、旧中山道に面した南側を、昨年1月に35億円で島忠へ売却。新藤享弘元大宮市長をはじめ大宮住民の怒りを呼びましたが、自民・公明・民主の「相川与党」が賛成して、承認されたのです。
 市は島忠へ土地を売却するにあたって、「1年以内に着工すること」「10年間は市と交わした利用計画(ホームセンターと本社の建設)に準じた土地利用を行うこと」という契約を結んでいます。着工もせず、駐車場として貸し出していることは、明らかに契約違反です。
 そこで私は2月26日の補正予算審議で、駐車場と化している現場写真を明らかにしたのに続き、3月9日の予算委員会で改めてこの問題を追及しました。

吉田一郎 島忠が着工していないのは、契約違反ではないか。
大宮北部まちづくり事務所長 昨年12月に島忠から、経済情勢が急転し市場が悪化したことに伴い、事業計画の再構築のため着工を延期したいとの申し出があり、市は6月末までの着工延期を認めた。
吉田一郎 市は駐車場への転用を把握していたのか。
大宮北部まちづくり事務所長 駐車場への転用を知ったのは2月26日で、島忠へ確認したところ、電気工事工業組合やスバル興産、スバルがオーナーの住宅展示場に貸し出していたことがわかった。【動画で見る】

 つまり市は島忠に着工の延期を認めたものの、駐車場への転用は、私が補正予算審議で指摘するまで知らなかったという、お粗末な実態が明らかになりました。
 契約違反があった場合、市は島忠に違約金を請求したり、土地売却の取り消しを求めることができます。
 島忠が「経済不況による事業見直し」を理由に、ホームセンターや本社の建設計画を縮小し、土地の一部を転売してしまったら、何のために旧大宮市が購入した貴重な一等地を島忠へ売ったのかわかりません!
 私は3月16日の予算委で、「島忠が無用になった土地を抱えて困っているのなら、市は改めて将来の公共用地として安く買い戻すべきだ」と提案しました。

 武蔵浦和や浦和美園
 に比べて宮原は放置
北部拠点宮原周辺図 市の総合振興計画では、北部拠点宮原と武蔵浦和、浦和美園、岩槻の4ヵ所が「副都心」と位置付けられています。
 しかし清水市政は、昨年12月に岩槻駅前再開発ビルの経営再建に25億円を投じ、今年度予算では武蔵浦和の公共施設建設と用地購入・再開発に43億円、浦和美園の公共施設用地の購入と学校建設に26億円を計上しましたが、北部拠点宮原は予算ゼロです。
 ステラタウンとサティの開店以来、北部拠点宮原の周辺では交通渋滞が深刻になっています。
 それにも関わらず、清水市政は大宮北部の道路整備に取り組もうとしません。
 大宮北部を東西に貫き渋滞解消の切り札となる都市計画道路・指扇宮ヶ谷塔線(サティ北側の道)の整備について、3月11日の予算委では、「(浦和駅周辺の環状道路など)4車線道路のネットワークが完成した後に、着手するかと思う」などと言い出し、今後数十年間は着手しない姿勢が明確になりました。
 相川前市政をそっくり受け継いだ、清水市政の浦和優先ぶりは許せません!

合併協定書を無視!「議場改修」で浦和に市役所を永久化

議員の自己満足・議長の箱物主義に1500万円

 さいたま市議会では、浦和の市役所の本会議場を改修しようとしています。
 これは関根信明議長(自民党・北区)が言い出したもので、市長と対面する形で演壇をもう1つ設置しようというのです。
 対面式演壇は、三重県議会が03年に導入し、「臨場感が出てカッコイイ!」と、全国の地方議会でブームになっています。
 しかし、さいたま市議会の一般質問は、議員1人当たり質問+答弁で10分しかありません(旧大宮市議会は質問時間だけで30分)。議場を改修しても、時間が異常に短いままでは、中身のある追及ができません。
 傍聴席は議員席の後ろにあるので、対面式演壇になれば、傍聴に訪れた市民は議員の背中しか見えません。そこで正面に120インチの特大モニターを設置して、議員の顔や提示する資料を映すと言いますが、傍聴に来た市民に「テレビをご覧ください」では失礼です。
 まさに「市民に背を向ける議会」であり、議場の改修は「議員の自己満足」に他なりません!

 改修急ぐ背後に
 議長交代の「密約」
 議場改修には、演壇とモニターの設置、議席の移動(4席分)で、1500万円の費用がかかります。
 さいたま市議会では、来年春の選挙で定数が4減ることが決まっており、移動した4つの議席を、来年また撤去することになります。議場改修を一年延期すれば、改修費用は安く済みます。
 議場改修をすぐに行おうとする背景には、昨年6月議会の議長選で、関根議長と接戦になるかと言われた真取議員(自民彩政会・桜区)が、直前に出馬を取り止めた際、「1年後に真取議員と交代する」という「密約」があり、関根議長は退任前に「目に見える実績」を残したいと、議場改修を進めようとしていると言われています。
 4月6日の議会運営委員会では、改修費用1500万円を6月の補正予算に計上するように、清水市長に要求することになりました。
 議会改革の実績を残すなら、議員の「自己満足」や議長の「銅像を建てたい的発想」で工事をするよりも、質問時間の延長や密室審議の廃止などが先のはずです。
 議場改修は、合併協定書に基づいて新都心に市役所を移転する時にすべきであり、いま多額の費用をかけて議場改修を行うことは、このままずっと浦和に市役所を置き続けることを正当化しかねません。
 清水市長は、議員の自己満足のための予算要望に応じるべきではありません!

深夜バスが4月から増発されました
◆大宮駅東口⇔北区役所⇔宮原駅⇔宮原4丁目⇔上尾駅東口
大宮発 23:37 0:12 0:34 0:55 1:13
(金曜は0:50も運行、土曜は23:30のみ運行)
上尾発 23:35 23:55 0:15
◆大宮駅東口⇒北区役所⇒東宮原⇒今羽⇒吉野原⇒伊奈内宿
大宮発 0:30
◆大宮駅東口⇒赤芝⇒植竹⇒本郷住宅⇒東大宮駅⇒原市団地
大宮発 0:25
◆大宮駅西口⇒櫛引⇒三進自動車⇒シティハイツ三橋
大宮発 23:25 23:42 0:22 0:40 1:10
◆大宮駅西口⇒大成3丁目⇒櫛引⇒日進1丁目⇒平方
大宮発 23:40

  問い合わせ 東武バスウエスト(048)665-2681

吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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