2010年2月17日 号外 (1)
2面へ
2010年度の清水予算案 住民の負担増やす一方で、無駄な箱物建設を続行
下水道料金は最高4割、国保税は最高5万円の値上げ!収支見通し立てずに岩槻人形会館を建設
 2月9日から、清水市長の下で初めて編成された2010年度の予算案の審議が始まっています。国保税や下水道料金などの値上げが含まれています。
 国保税と同時に徴収される後期高齢者支援金と介護保険料を合わせると、課税限度額は年額68万円から73万円へ引き上げられ、市全体で7億円の増税です。
 下水道料金は、総額28億円の値上げです。無料だった排水量1立方メートル未満は693円へ、1立方メートル~10立方メートルは693円均一から693~850円へ、それ以上の排水量では27.6%~40.5%もアップします!

国保税の値上げ案 現行 改定後
均等割(加入者1人あたり) 24,000円 29,200円
所得割(総所得への課税率) 7.20% 7.49%
課税限度額(請求最高額) 47万円 50万円

下水道使用量 値上げ幅
1立方メートル未満 693円
1~10立方メートル 0~22.7%
10~30立方メートル 27.6%
30~50立方メートル 35.6%
50~100立方メートル 38.0%
100~200立方メートル 38.5%
200~500立方メートル 39.1%
500~1000立方メートル 39.9%
1000~5000立方メートル 40.1%
5000立方メートル~ 40.5%

敬老祝い金は大幅カットで、支給総額を約2億円削減
 また住民福祉の切り捨ても行われます。旧大宮市では高齢者に毎年「敬老祝い金」が支給されていましたが、合併後は「浦和方式」に合わせて、75歳から5年ごとに支給(100歳以上は毎年)に減らされていました。
 さらに清水市政は、88歳と99歳、および100歳以上だけの支給に減らすことを2月議会に提案しています。

盆栽美術館に続いて、岩槻人形会館の建設に14億円
 その一方で清水市長は、相川前市長が計画した浦和優先を誤魔化すための無駄なハコモノ建設を見直そうとしません。
 毎年1億数千万円の赤字を垂れ流すことが確実になった大宮盆栽美術館(盆栽購入と施設建設で15億5000万円)をオープンさせるのに続いて、2010年度予算では、岩槻人形会館の用地買収に14億1896万円をつぎ込み、建設を本格化させようとしています。
 岩槻人形会館について、私は昨年9月議会と今回の2月議会で、入場者数や収入、経費などの予測資料を問いただしたところ、市はまったく計算していないことが明らかになりました。収支の見通しすら立てずに建設を強行しようというのは、あまりにも無謀です。

相変わらず浦和に集中する都市開発や公共施設の予算
 清水市長は大宮駅東口の再開発に23億7029万円(うち旧市役所通りの拡幅に23億2966万円)の予算をつけたことで、「地域間対立を超えた」と自画自賛しています。
 しかし実際には、相川前市長が制定した「公共施設の適正配置方針」を引き継いで、浦和へどんどん公共施設の建設を進めようとしています。
浦和駅高架化(湘南新宿ライン停車)  40億4020万円
浦和東部・岩槻南部の区画整理 26億2000万円
武蔵浦和駅の市街地再開発 18億5850万円
南区役所建設(武蔵浦和) 13億8000万円
武蔵浦和コミニュティセンターの建設 6億1000万円
武蔵浦和図書館の建設 4億4600万円
公園2ヵ所の用地取得(南区) 5億5877万円
駒場運動公園の改修(浦和区) 17億2500万円
老人・児童センター(浦和・緑・南区) 4億7472万円
浦和美園駅前の複合公共施設用地 12億7421万円
  ※2月議会で審議中の補正予算を含む
 私は3月に開催される予算委員会で、長引く不況にも関わらず住民により重い負担を強いる一方、無駄なハコモノ建設や浦和優先の開発を続ける清水市政を徹底追及します!
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

(2)
「トイレへ行くたびに腹が立つ!」下水道料金大幅値上げと人形会館の白紙撤回を本会議で直訴
【関連動画】 2月10日に、「人形会館の建設よりも岩槻駅の橋上化(西口開設)を優先する税金の使い方」を求める市民からの請願が審議されました。私はこの請願の採択を求め、本会議で以下のような演説を行いました(一部省略)。

 「大宮盆栽美術館に続く岩槻人形会館の建設は、まさに税金の無駄です。
 昨年9月議会の補正予算審議で、私は岩槻人形会館の年間入場者数見込みや経費、収入などの収支予測の資料提出を求めたところ、市はそのような予測を立てていなかったことが明らかになりました。何十億円ものプロジェクトで、果たして観光客がどのくらい訪れるのか、年間赤字はどのくらい発生するのかを計算しないまま、事業を進めるようなやり方は、社会の常識とはあまりにもかけ離れています!」
バブル期の産物「こけし会館」の惨状に、目をつぶる清水市政
 「今から20年ほど前のバブルの絶頂期に、全国各地の自治体が村おこしや観光振興を掲げて様々な観光施設を建設しました。しかしその多くは、来場者数が事前の予測を大きく下回り、地元自治体は多額の損失を出し、財政破綻にあえぐという結果を招いています。
 当時、東北地方のいくつかの自治体で、地域の文化であるこけしをアピールして観光客を誘致しようとこけし会館を建設しましたが、財政を圧迫する結果になっています。青森県黒石市では津軽こけし会館の目玉にしようと、89年に1億円を使い金のこけしと銀のこけしを購入しましたが、財政破綻に陥って3年前にこれらのこけしを売却。幸い18年間に金銀相場が上昇して、金のこけしと銀のこけしは1億9000万円で売れたそうですが、目玉のなくなったこけし会館は有料入場者が4分の1に激減し、赤字が拡大しています。
 世界的な経済大不況の最中に、さいたま市はこけし会館の惨状に目をつぶり、毎年1億数千万円の赤字が出る盆栽美術館に続いて、人形会館の建設に乗り出そうとすることは、まさに愚挙としか言いようがありません!」
市長選で「ハコモノ反対を掲げた清水市長の公約違反は重大
 「昨年の市長選挙で『無駄なハコモノは、もういらない』
と訴えて当選した清水市長が、相川前市長の無駄なハコモノ計画をそっくり受け継ぎ、盆栽美術館は盆栽が次々と枯死しても建設を中止しようとせず、さらに人形会館の建設を強行することは、公約違反であると厳しく批判せざるを得ません!」
 「一方で清水市長は、来年度から下水道料金を、一挙に27%から41%も値上げしようとしています。この大不況の中で、市民の生存に必要不可欠な下水道の使用に、より重い負担を課す一方で、人形会館の建設に莫大な予算をつぎ込もうとすることは、広範な市民の問から、『トイレへ行くたびに腹が立つ!』と、怒りの声が巻き起こり、怒りの炎が燃え広がりつつあります。まさに『しあわせ倍増』どころか、怒り倍増です!」
 「来年度の予算では、岩槻駅の橋上化に9000万円、人形会館の建設に14億円が計上されていますが、岩槻住民の利便性を向上させ、西口開設による街の発展が図れる橋上化事業は粛々と進め、人形会館の建設計画はゼロベースで見直すべきであり、今からでも予算書の修正を行うべきです。」

 しかし請願は、自民・公明・民主・共産などの議員がこぞって反対し、不採択になりました。人形会館建設の用地買収を含めた予算審議は3月19日まで続きます。私は人形会館の白紙撤回を求めて、引き続き清水市政を追及していきます!

NHKで放送された税金の無駄使い 県と市で地下鉄に1285億円もの財政負担!
 1月25日と2月7日、NHKの『そりゃあんまりだ!』で、さいたま市を舞台にした「税金の無駄使い」が放映されました。
 浦和美園まで地下鉄(埼玉高速鉄道)が開通した2001年に、駅の東西を結ぶ道路のトンネルを建設したにも関わらず、たった4年で埋められ、今度改めて掘り直して地下駐輪場を建設しようというのは税金の無駄使いだ!という内容です。
トンネル建設費の約14億円は、埼玉高速鉄道(SR)が負担したのですが、SRは9年間で513億円の累積赤字を出し、1474億円もの負債を抱え、さいたま市や川口市、鳩ヶ谷市、埼玉県が計297億円の税金を出資金や補助金として投入しています。つまり市や県の税金で支えられている会社です。
 SRへの補助金は09年度で終了するはずでしたが、「補助金がなければ電車の運行が止まる」と、県や市は今後も10年間で348億円の補助と、16年間で毎年40億円ずつ(計640億円)の貸付を続けることになり、さいたま市は2010年度予算で5億3823万円を計上しています。
 さらに清水市長は地下鉄を岩槻まで延長しようと、3000万円の準備費用を計上し、「2年後に建設事業に着手する」と言い出しています。
 岩槻までの建設費は780億円ですが、経営が苦しいSRは建設・運行を引き受けず、市が自前で建設し、開通後の赤字も市が税金で補うことになります。沿線の駅前整備等などを含めると、総事業費は3000億円以上です。さいたま市の人口は120万人なので、市民1人あたり25万円に相当します。
 さいたま市の財政は、政令指定都市の中では最も健全ですが、これは地下鉄やモノレールなど「動くハコモノ」を作らなかったためです。採算性の目途が立たない岩槻への地下鉄建設は、さいたま市の財政破綻を招くだけです!
吉田一郎がFM局・NACK5の番組『おとこラジオ』に出演した対談が本になりました。収録は他に角川春樹、ガッツ石松、石破茂元防衛大臣など多彩!「読むラジオ~笑激対談集~」スポーツチャンネル刊(税込1000円)

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