2009年12月20日 第16号 (1)
2面へ
相川後援会長の団体が市民会館、宇宙劇場など公共施設の運営を独占!
「しがらみ一掃」のはずの清水市長が提案。225億の指定管理料は新たな利権の温床に!?
 指定管理者制度とは、市の公共施設の管理運営を、民間企業や外郭団体などに任せる制度です。
 民間手法の導入で、公共施設の管理コスト削減やサービス向上が図れるメリットがある反面、儲け主義で運営されたり、職員がパートや契約職員になり、手抜き管理やサービス低下につながる(愛想だけが良くなる)恐れが心配です。
 また、指定管理者には市から施設の管理料が毎年支払われます。したがってその選定にあたっては、工事の入札と同じように、透明で公正な審査が不可欠です。

「民間経営のノウハウを」…全く活かされず利用率は低迷
 12月議会で清水市長は、「さいたま市文化振興事業団」に、大宮・浦和・岩槻の市民会館や大宮宇宙劇場など7施設の管理運営を任せ、今後4~5年間で34億6693万円の指定管理料を支払うことを、議会に提案しました。
 文化振興事業団は市の外郭団体で、役員人事は市長が決定します。理事長は相川前市長が兼任していましたが、昨年事実上のトップであった副理事長に就任した佐伯鋼兵氏は、相川会連合会(相川前市長の後援会)の会長です。
 清水市長は5月の市長選で、相川前市長を「長期政権でしがらみが生まれた」と批判し、しがらみのない公正公平な市政の実現を訴えて当選しました。
 その清水市長が、相川市政の「しがらみの象徴」である外郭団体に、公共施設を委ねることは矛盾しています。そこで私は11月26日の本会議で、この点を追及しました。

吉田一郎 「相川前市長の長期政権が生んだしがらみをなくす」と言っていた清水市長が、相川前市長が自分の後援会長を副理事長に据えている外郭団体に、指定管理者を任せることに問題はないのか!?
島田行財政改革推進本部長 法的な問題はない。副理事長は私人で、民間経営のノウハウを活かしてもらうために就任を要請したので、道義的な問題もないと理解している。【動画で見る】

 文化振興事業団は05年度からこれまで、計32億1910万円の指定管理料で7施設の運営を行ってきました。
 しかし過去4年間の各市民会館の利用率の推移は、大宮81%→77%、浦和78%→73%、岩槻31%→32%と、低下あるいは低迷。宇宙劇場の利用者も2年間で約3000人減少しており、「民間経営のノウハウ」が活かされているとは思えません。
 また文化振興事業団は、市が栃木の美術館から購入した5億円の盆栽に関して、市と盆栽を預かっている盆栽園との間に入り、今年だけで委託管理料約1000万円をピンハネしていたことが、8月に私の追及で明るみになっています。

市が新たな条件を付け加えたため、他の団体は応募を断念
 指定管理者の選定は公募で行われます。しかし7施設のうち宇宙劇場と文化センターは、「非公募」で最初から文化振興事業団で決められ、残り5施設も応募したのは文化振興事業団だけでした。
 しかし12月6日の市民生活委員会では、5施設の指定管理者公募では、各施設で当初3~9団体から申し込みがあったものの、市が今回「市内で5年以上、500席(または1000席)以上のホールを管理運営した経験のある団体」という応募条件を新たに加えたため、文化振興事業団以外はすべて応募を断念した経緯が明るみになりました。
 これではまるで、相川前市長の後援会長が副理事長を務める外郭団体が、不十分な実績しか挙げられなかったにも関わらず、引き続き指定管理者にするために、有利になる条件を市が付け加えたとしか言いようがありません!
 清水市長は12月議会に、計168施設の指定管理料として、225億円を計上した補正予算案も提出していますが、その中には現職の市議が代表に就任している団体や、清水市長が理事をしていた団体も含まれています。
 指定管理者制度を利権の温床にしてはいけません!
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

(2)
「盆栽管理料ピンハネ疑惑」で市が釈明 盆栽を数百メートル運んで680万円!?
 さいたま市が2年前に栃木県の美術館から5億円で購入した盆栽100鉢は、土呂町2丁目(土呂駅東口の南側)に建設中の盆栽美術館が完成するまで、市の外郭団体である文化振興事業団を通じて、市内7ヵ所の盆栽園に預けています。
 盆栽等の預かり料について、市はこれまで年間1200万円と説明し続けてきました。
 しかし8月27日の全員協議会(議員への非公式説明会)で、私は市が文化振興事業団に支払う委託管理料を問いただすと、今年度は2010年2月末までの11ヵ月分で2032万8000円で、盆栽園などへの支払い(11ヵ月分で1100万円)に1000万円近く上乗せされていたことが判明しました。
 委託管理料の契約を結んだのは、相川前市長と事業団の佐伯副理事長(相川前市長の後援会長)です。
 そこで私は佐伯副理事長を参考人として呼ぶように求めましたが、11月11日に開かれた市民生活委員会の参考人招致では、佐伯氏は姿を現さず、天下り官僚の永堀理事長(今年7月に就任、元環境経済局長)が出席。盆栽の委託管理料を上乗せしたのは、盆栽美術館がオープンした時の盆栽の運搬費用だと釈明しました。
 その費用は、市によれば680万円ですが、盆栽を預けている盆栽園のほとんどは盆栽村にあり、盆栽美術館とは数百メートルしか離れていません。
 すかさず私は、「じゃあ2年前に、栃木県の美術館から大宮の盆栽園まで盆栽を運んだ時の費用は、いくらだったのか?」と追及したところ、市の担当責任者や永堀理事長は「わかりません」と繰り返すだけでした。
 盆栽100鉢を数百メートル移すのに、680万円かかるというのは法外です。「盆栽利権」としか言いようがありません!

清水市長の夏ボーナス返還 その一方で「市長」の地位利用した資金集めの実態を暴露
【関連動画】 12月議会で、市長や市会議員、市職員の期末手当(ボーナス)減額が決まりました。さいたま市は黒字財政とはいえ、不況が長引く現在の経済情勢からすれば当然です。
 さらに清水市長は「6月に支給されたボーナスの金額を、12月のボーナスから差し引いて返還する」と、10月22日の記者会見で発表し、そのための条例改正案が審議されました。
 これは5月末の市長選挙で就任した清水市長が、わずか6日間の在職で6月ボーナスを部分支給(約94万円)されたことが、新聞で批判されたためです。清水市長のボーナス返還は「行政のムダ削減を重点公約とする清水市長が、自ら範を示した」と、新聞などでは好意的に報道されました。

旧相川陣営の業者も、清水市長のパーティー券をこぞって購入
 しかし、清水市長はその2日前、浦和パインズホテルで「市長就任報告会」を開催し、市長という地位を利用して、1枚8000円のパーティー券を大量に売りさばいていたのです。
 当日の参加者は1600人で、会場は押すな押すなの大盛況でしたが、チケットを購入したのは3000人とも言われています。
長引く不況の中で、市から仕事を請け負うことで経営が成り立っている業者にとっては、「市長」の名でパーティー券の購入を求められれば、無理をしても何枚か購入しなくては…という心理が働いたことは言うまでもありません。
 そこで私は11月30日の本会議で、パーティー会場の写真を片手に登壇し、「数十万円のボーナスを返還しますと記者会見で大々的に発表した2日前に、市長の地位と名称を利用して、数千万円の資金集めをしていたやり方を、黙って見過ごすわけにはいかない」と批判。「清水与党」の民主党議員が激しいヤジを飛ばす中、条例改正案に反対しました。

「業者の利益損ねるから」と225億円めぐる情報公開を拒否
清水市長の資金集めパーティ 政治家がパーティー券を売って資金を集めることは、法律で認められています。しかし、業者と資金的なつながりができることで、「しがらみ」が生まれる温床となっています。
 12月議会では総額225億円にのぼる指定管理者の選定≪表面参照≫が審議されていますが、これまでの相川前市政では公開していた「公共施設の管理運営に応募した企業・団体名」について、清水市長直属の行財政改革推進本部は「企業の利益を損ねる」ことを理由に、議会に対しても非公開にすると決定しました。これでは業者選定の過程が公平公正なものであったか、議会でチェックしようがありません。
 清水市長が強調する「絆」が、業者との癒着の絆であっては許されません!
『吉田一郎 市政レポート』のバックナンバーや、市議会での動画集が、インターネットでご覧になれます!GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/

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