2009年9月29日 号外 (1)
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論功行賞?清水与党に転じた市議の雑木林を市が2億4300万で追加購入
土地所有者を説明しないまま議会に提出した清水市長。利益当事者の市議黙って審議に参加!?

【関連動画】 鳩山内閣の誕生で、国政では自民・公明が野党になりましたが、それに先駆けてさいたま市でも、5月の市長選で民主党が応援した清水市政が誕生したことで、相川前市長を応援した自民・公明は野党になりました。
 しかし自民党から「清水与党」に転じる議員が現れ、8月に4人が「未来の会」を結成しました。少数与党(議員の総数64人中、民主党13人+みどりの風6人)で、議会対応に苦しんでいた清水市長にとって、心強い援軍の登場です。
 ところが、清水市長が9月議会に提出した補正予算案に、未来の会へ移ったH議員やその親族が所有する大和田1丁目の雑木林(4159平方メートル)を、市が2億4319万円(坪単価約20万円)で買い上げる項目が含まれていることが発覚。しかも市がその事実を議会に隠していたため、H議員も審議に加わろうとしていた「事件」が起きました。

「これはH議員の土地じゃないか」…予算委が紛糾し退席
 地方自治法では、議員は自分自身や親族の利害に関係する審議に参加してはいけないと定められています。土地Hを売りたい議員が、自分の土地を市が買い上げてくれる議案に賛成したら、自己への利益誘導になるからです。
 しかし、今回の雑木林買い上げに関して、市は本会議や予算委員会での議案説明では、「特別緑地保全地区として、国からの補助金(6000万円)の内示があったため取得する」としか説明せず、H議員も委員の1人として9月17日の予算委員会に参加していました。
 そして審議の途中で、自民党の委員から「これはH議員の土地だ!」との声が挙がったため紛糾。急きょ理事会(各会派1名と私)が開かれて協議し、H議員は「自主的」に審議から退席することになりました。

土地所有者にメリット大きい特別緑地保全地区の指定
 特別緑地保全地区とは、市街地に残された緑を守るための制度で、地区に指定されると宅地造成や建築が許可制になるかわりに、①相続に際して評価額を8割減免、②固定資産税が最大5割減免、③土地所有者の求めに応じて市が買い取る場合は、譲渡所得税が2000万円控除…などの恩恵があります。
 このため、市街地に雑木林を所有する農家などでは指定を求める声が多いのですが、さいたま市が指定を認めたのは、これまで2ヵ所だけです。
 H議員の雑木林は見沼田んぼに面した斜面で、もともと父親が所有していましたが、父親の死去によりH議員や親族が相続することになったものです。
 今年5月の市長選では、H議員は「相川与党」の自民党に属していながら清水勇人候補を積極的に応援し、清水氏当選後は「清水与党」の新会派を結成しました。
 そして今回、市は土地所有者(=H議員や親族)の求めに応じて、特別緑地保全地区への指定と、雑木林を買い上げる補正予算を組み、清水市長は土地所有者が誰かを説明しないまま議会に提出。H議員もその審議に加わろうとしていました。見沼田んぼの景観や緑を守ることは大事ですが、この雑木林は中途半端に宅地開発が進んでおり、果たして市が買い上げる必要性があるのかも疑問です。
 補正予算案は10月16日の本会議で最終的に審議されます。清水市長の強調する「絆」が、しがらみや身内への利益誘導を意味するようであっては、許されません!

雑木林
市が2憶4300万円で急きょ
購入しようとしている雑木林
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

(2)
枯れた高級盆栽の代わりに密かに用意!? 替え玉盆栽の存在を暴露しました!
資料を片手に追求する吉田一郎【関連動画】 さいたま市が5億円で購入した盆栽が枯れている事件で、市が秘かに「替え玉」の盆栽を用意していたことが、9月3日の本会議で、私の追及により明るみになりました。
 枯れた盆栽3点(計5700万円相当)のうち、「靖国」(2200万円相当)は、昨年1月に栃木県の美術館から購入した時からコガネムシの幼虫が付いており、昨年春から葉が変色するなどの異常が発生し、枯れてしまいましたが、市は「靖国」が枯れたことを隠し続けていたため、購入元との契約で賠償や交換が請求できる期間(1年間)が過ぎてしまいました。
 その一方で市が昨年夏、秘かに盆栽を入手していたという証拠資料を私は入手。9月3日の本会議で私はこの資料を片手に「市が所有している盆栽は、果たしていくつなのか?」と問いただし、「盆栽美術館の開館準備予算を審議するというのに、そこに展示する盆栽が知らない間に増えたり減ったりしていては、事は重大だ!」と追及したところ、利根市民局長は「昨年8月に1点、10月に1点、合計2点の寄贈を受けた」と白状し、うち1点は盆栽園に無料で預けている(=盆栽を所有している契約が残らない)ことを明らかにしました。
 私は続けて、盆栽を追加した理由と入手先を問いただしましたが、関根信明議長は「質疑の範囲を逸脱している」とストップをかけ、9月15日の市民生活委員会でも同様の質問をしましたが、市は盆栽の入手先を明らかにしませんでした。
 市は1つ2200万円の高級盆栽が枯れたことを隠し続けたうえに、来歴不明の盆栽を秘かに入手し、これまでその存在を伏せていたのです。もし盆栽が枯れていたことが発覚しなければ、展示品がすり替わっていたかも知れません。
 まさに議会を欺き市民を騙すかのような市のやり方は許せません!

毎年1億円超の赤字を垂れ流す美術館は建設中止を
 また、9月17日の予算委員会では、来年3月末に予定されている盆栽美術館の開館準備予算(3274万円)を審議しましたが、私の追及で盆栽美術館に来場する年間観光客数の予測はわずか6300人だと判明しました。
 市は盆栽購入前の06年12月議会では「年間15万人から20万人の観光客増加が見込まれる」と発表していましたが、それと比べて実に30分の1もの大幅下方修正です。
 盆栽美術館はオープンすると毎年1億円以上の赤字が発生することが明らかになっています。
 国政では民主党政権がこれまで3200億円の公費を投じた八ツ場ダムの建設中止を掲げていますが、盆栽美術館もただちに建設を中止し、建設に投じた11億円は盆栽(市の説明では全部で20億円相当)を売却して補うべきです!

大宮の誇り 若田宇宙飛行士との交信まで浦和優先! 「帰国イベントは大宮で」と要望
【関連動画】
 大宮生まれの宇宙飛行士・若田光一さんが、国際宇宙ステーションに4ヵ月半滞在して、帰還しました。 さいたま市では、小中学生と宇宙滞在中の若田さんとの交信イベントをはじめ、長期滞在決定報告会、海底で訓練中の若田さんとの交信、打ち上げカウントダウンなど、さまざまな交流イベントを開き、若田宇宙飛行士を応援しましたが、これらのイベントはすべて浦和の青少年宇宙科学館で開催されました。大宮には宇宙劇場という市の施設があるにもかかわらず、ここでは1回も交流イベントが開かれなかったのです。
 かつて若田さんが宇宙飛行をした際には、大宮市は若田さんに「大宮市民栄誉賞」を贈って街を挙げて応援し、宇宙劇場やソニックシティ、市民会館などで交流イベントが開かれ、凱旋パレードには15万人を超える市民が参加しました。
 何から何まで「浦和中心・浦和優先」のさいたま市ですが、大宮の誇りである若田宇宙飛行士との交流イベントまで、すべて浦和で開催するというのはメチャクチャです!
 私は9月9日の一般質問でこの問題を取り上げ、「宇宙飛行士との交信まで浦和優先か!」と追及したところ、清水市長は答弁に立てず、代わって宮沢副教育長が「大宮の宇宙劇場より、浦和の青少年宇宙科学館の方が広い」「若田さんの母校である大宮別所小、宮原小、宮原中では、子供達がアマチュア無線で若田さんと交信した」と釈明するだけでした。
 浦和では誰もが参加できるイベントで、宇宙船内部の映像を観ながら若田さんとライブで交信し、大宮では母校の子供達だけがアマチュア無線で交信とは、まるで僻地扱いです!
 若田さんの帰国イベントは、まだ日時・場所とも未定ですが、私は「清水市長は『地域的に公平公正な市政』を掲げるのなら、せめて帰国イベントは大宮で開催すべきだ」と再三にわたり要望。宮沢副教育長に今後検討することを約束させました。
大宮住民の力で、帰国イベントは大宮で実現させましょう!
~~この件に関するお問い合わせは~~
℡048(881)1515 青少年宇宙科学館まで

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