2009年8月特別号 (1)
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清水市政
浦和中心・住民不在…相川市政をそのまま踏襲
「合併協定書」の反故も公言
 5月の市長選挙では、大宮住民の怒りが爆発したことで、「浦和優先」「住民不在」の相川市政が打倒され、清水新市長が誕生しました。そこで私は6月22日の一般質問で、清水市長の基本姿勢を問いただしましたが、その答弁は相川市長のものと、ほとんど同じでした。
 さいたま市はここ数年、中央図書館や市民活動サポートセンター、国際交流センターなど、中枢機能を持つ公共施設を次々と浦和駅周辺に建設し、保健所や病院までも、浦和の方へと移しています。
 これは市役所が浦和に固定化され、「さいたま市の中心は浦和」と位置付けられてしまったからです。
 大宮市と与野市、浦和市が合併し、さいたま市が誕生した際、市役所は中間の新都心周辺に建設する「合併協定書」を結びました。
 しかし相川前市長は、市役所を永久に浦和に置き続けるために、合併協定書を反故にしてしまいました。
 例えば、市役所建設を話し合う「市民参加の審議会」は、相川市長が選んだメンバーで構成される検討委員会に変えられ、市役所建設のための「庁舎建設基金」は、老朽化した区役所建て替えも含めた庁舎整備基金に変えられました。
 そこで私は清水市長に、いつまで合併協定書を無視して浦和に市役所を置き続けるのかについて、問いただしました。
大宮市旗を手に清水市長に迫る
大宮市旗を手に清水市長に迫る

吉田一郎 合併協定書について、相川市政は「道義的な責任だけで、法的な履行義務はない」と言っていたが、清水市長も同じ考えか。
新藤政策局長 道義的な責任はあるが、法的な拘束力はない。
吉田一郎 合併協定書に明記された「市民参加の審議会」を改めて設置するつもりはないのか。相川市長が任命したメンバーばかりの検討委員会を、そのまま続けるつもりか。
新藤政策局長 「市民参加の審議会など」は、あくまで一例として示したものと考えている。
吉田一郎 清水市長は合併協定書に明記された、あくまで市役所を建てるための庁舎建設基金を作るつもりはあるのか。
新藤政策局長 政令市になり、区役所庁舎の老朽化に伴う建て替えも考慮した。【動画で見る】

 清水市政の答弁は、相川市政の答弁とほぼ一言一句同じで、相川路線を踏襲する姿勢が明確になりました。
 私は「清水市長は『地域間の対立を超えるためには、絆を深めるのが重要だ』と言っているが、旧3市が調印した合併協定書を守らずに、『絆』などと言われても、市民の政治に対する信頼感が揺らぐだけだ」と、強く訴えました。

住民の意向無視した
区名の見直しも拒否

 清水市長は出馬の際、「相川市政は住民の声が届かない」と批判していましたが、その象徴が区名です。
 さいたま市は7年前、住民による区名投票を2回行いました。その結果、大宮北区、大宮東区、与野区、浦和西区…など、全ての区で旧市名を冠した名称が圧倒的1位に選ばれましたが、相川市政は投票結果をまったく無視して、北区、見沼区、中央区、桜区…などの区名を押し付けました。
 特に清水市長の地元では、8万人を超える見沼区反対署名が提出され、全国的なニュースになりました。
 そこで私は、「『日本一誇りの持てる街に』と言うのなら、住民の意向に従った区名を付け直すべきでは」と問いただしたところ、利根市民局長は「(現行の区名は)さいたま市の区の名称として相応しいものを選定した」と言い張り、区名の見直しは考えていないと言明しました。
 清水市政は合併協定書の反故や、住民の意向を無視した区名など、相川市政の過ちを改めようとしません。
 私は今後も大宮住民の代表として選出された立場から、引き続き「浦和中心・浦和優先」「住民不在・住民無視」の市政運営を議会で厳しく追及していきます。

サッカープラザに代わる箱物建設で
海外グルメ視察の批判封じ
 清水市長は公約の目玉に「新都心へのサッカープラザ建設の白紙撤回」を掲げて当選しました。しかし、新都心に合併協定書に明記された市役所を建てようとせず、アリバイ的な「検討委員会」で、新たな箱物を建てようとしています。
 相川前市長は市役所を浦和に置き続けるために、新都心に残された最後の空き地にサッカープラザを建てようとしました。
 私は昨年6月議会で、この点を確認しています。

吉田一郎 あそこにサッカープラザが建つと、新都心に市役所を建て得る候補地は、具体的にあるのか。
小林政策局長 新都心周辺での用地確保は、大変難しいと認識しています。

 「サッカープラザの白紙撤回」を掲げた清水市長が当選したことで、合併協定書を守って新都心に市役所を建てるのかと期待されましたが、清水市長は就任早々「新都心には、代わりに子供ミュージアムを建てたい」と発表しました。
 子供ミュージアムは、民主党市議が昨年秋、政務調査費140万円を使ってアメリカへ視察に行き、提案していたものです。視察中に特大ステーキやロブスターなどを連日のように食べ歩き、市民の批判を浴びていました。
 「相川与党」だった民主党の寝返りで、市長になれた清水氏による「海外視察批判封じのための恩返しだ」と批判されると、清水市長は一転して「新都心に建設する施設は、市民参加の検討委員会で代案を決めてもらう」と言い出しました。

市民が参加できない
「市民アンケート」

 7月16日に検討委員会が発足しましたが、「市民参加」と言いながら市民からの公募は行わず、メンバーは全て清水市長の指名によるものでした。
 委員会に示された代案の候補は7つで、子供ミュージアムや「白紙撤回」されたはずのサッカープラザが含まれていましたが、市役所建設は初めから検討対象外とされました。
 またインターネットでの「市民アンケート」も実施されましたが、対象になるのは特定の民間会社に登録している人だけで、一般市民は参加できないというものでした。
 こうして7月29日の検討委員会では、市民アンケートの結果は、1位が「子供の健全育成や子育ての支援拠点(=子供ミュージアム)」だったと発表されました。
 結局、一般市民が参加できない「検討委員会」や「市民アンケート」は、民主党が望む子供ミュージアム建設のための、アリバイ作りに過ぎません。
 私は合併協定書に基づいた市役所建設も、検討候補に入れるように求めて、「サッカープラザの白紙撤回」と「合併協定書の立会人だった石原信雄元官房副長官の検討委員会への参加」を求める2つの請願を提出し、9月議会で審議される予定です。

2009年8月特別号(2)
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6月議会
「5億円の盆栽」を飾る美術館
年間1億円近い赤字予測が判明
 さいたま市は1年半前、栃木県の美術館から5億円の盆栽を購入し、その盆栽を展示するために、土呂駅東口の南側に11億円をかけて「大宮盆栽美術館」の建設を進めています。しかし、私の追及で入場者数の見通しの甘さが明らかになり、毎年1億円近い赤字が出ることが判明しました。
 清水市長は、盆栽美術館を来年3月に開館しようと、「大宮盆栽美術館条例」の制定を提案し、6月26日の市民生活委員会で審議が行われました。
 そこで私は、盆栽美術館の入館者予測のデータを要求。市が「年間5万人」と予測していることを明らかにさせました。
 5億円の盆栽購入前の06年12月議会では、政策局長が「現在の盆栽村の観光客数年間20万人に加え、新たに年間15万人から20万人の観光客が増加し、観光客1人あたり平均5755円を市内で消費するので、年間10億円の経済効果が見込まれる」と説明していました。
 今回の5万人という数字は、既存の観光客が立ち寄るケースや、市内小中学生の「社会科見学」なども含めた数で、新たな観光客の増加は15万人から20万人どころか、その10分の1になりかねず、経済効果も10分の1になりかねません。
 誇大な「観光客増加」や「経済効果」の数字を示して、盆栽購入や盆栽美術館の建設を認めさせ、美術館が着工されるや、何分の1にも大幅に下方修正するやり方は、議会を欺き、市民を騙すようなものです!
 また入館料収入を問いただしたところ、年間900万円に過ぎず、盆栽美術館と盆栽維持にかかる経費は、これまで年間9000万円と説明していたものが、さらに上積みされる見込みも明らかになりました。
 つまり盆栽美術館は、毎年1億円近い赤字を垂れ流すことになるのです。

議会騙す下方修正でも
自民から共産まで賛成

 市は鉄道博物館や岩槻人形会館と連携した観光ルートの整備で、入館者数は将来12万人に増加するだろうと説明していますが、「案内板の設置」と「観光マップの作成」程度で、2.5倍に増えるとは思えません。
 採算見通しの甘さが明らかになったにも関わらず、盆栽美術館の条例は、自民・公明・民主に加え、盆栽購入には反対していた共産党も賛成にまわり、無所属議員2人(私と北村議員)を除く全員が賛成して可決されました。
 地域文化を紹介し、後世に伝える文化施設の建設は、必ずしも採算性ばかりを重視すべきだとは思いません。
 しかし栃木県の美術館から購入した盆栽を、果たして「大宮の文化」だと宣伝できるのか、そして市が毎年多額の税金を注ぐ必要があるのかは疑問です。
 盆栽美術館の建設は、浦和優先の市政の実態を覆い隠すために、「大宮も大事にしています」というポーズを見せようという、相川前市長の政治的な意図が強く働いたものです。
 市長選でサッカープラザ白紙撤回を掲げ、「反箱物」のイメージで当選した清水市長が、年間1億円近い赤字を出す盆栽美術館の建設に、改めてゴーサインを出した責任は重大です。

どんどん下方修正される
盆栽美術館の入場者予測
■盆栽購入前(06年12月議会)
「既存の観光客とは別に、年間15万~20万人増える」
■盆栽購入時(07年12月議会)
「既存の観光客を含めて、年間10万人超えたらありがたい」
■盆栽美術館着工後(09年6月議会)
「既存の観光客や小中学生の社会科見学を含めて年間5万人」

「枯れた盆栽はないのか!?」委員会での追及を契機に
5700万円分の枯死が明るみに
 市が購入した盆栽や盆器等は、7ヵ所の盆栽園に年間1200万円を支払い、預けています。
 私の追及を発端に、そのうち1ヵ所に預けてあった盆栽に次々と異常が発生し、これまでに8700万円相当の盆栽が枯れたり、枯れかけていた事実が明るみになりました。
 6月26日の市民生活委員会で、私は盆栽の現状について問いただしました。

吉田一郎 枯れてきたり、元気がなくなって展示に耐えられなくなった盆栽は、今すでに何鉢かあるのか?
文化施設建設準備室長 すべてが常に元気だというわけではないが、現在園で管理をしてもらっている。
吉田一郎 枯れたものとかはないのですね? 確認です。
文化施設建設準備室長 現在ございません。

枯れた盆栽を隠し
議会では嘘の答弁

7月16日付「朝日新聞」 ところが議会終了後の7月14日、市は盆栽4点が葉が落ちたり変色するなどして枯れかけていることを認め、さらに朝日新聞の取材で、2200万円相当の盆栽「靖国」が、昨年春に根を虫に食われ、枯れていたことも明らかになりました。
 19日に市が樹木医に依頼して診断したところ、「靖国」は完全に枯死、盆栽2点(計3500万円相当)も99%回復不可能で事実上枯死、盆栽2点(計3000万円相当)は回復の可能性ありとの結果が出ました。
 清水市長は公約の1つに「情報公開日本一の街にする」を掲げていました。
 しかし、多くの市民から批判が出ている盆栽美術館の開館を審議していた時には「枯れた盆栽はない」と言いながら、審議が終わって可決されるや盆栽の枯死を明らかにするようなやり方は、許せません!

「誰が薬を」で責任逃れ?
真相究明に議会と市が蓋

 盆栽園側は、「靖国」を除く4点は「何者かに薬品をかけられた疑いがある」と言っています。
 しかし警察は、「その疑いはない」と被害届を受理していません。
 市民生活委員会では27日、事件が起きた盆栽園へ非公式の現地調査に行きました。
 ところが、盆栽園の園主やスタッフは誰一人として姿を現さず、市の担当職員が出迎えて「盆栽園側の話によると…」と曖昧な説明をするだけでした。
 現地調査で明らかになったのは、防犯カメラは何ヵ所も設置されているが、映像データは盆栽園側が事件後1ヵ月経っても「DVDに焼いている途中だ」だと言い、警察や市に提出していない…など、盆栽園のズサンな管理や行動と、それを市が放置していることでした。
 私は7月23日に、土井裕之委員長(民主党)と関根信明議長に対し、①速やかに正式な市民生活委員会を開催し、盆栽の被害状況や「枯れている盆栽はない」という嘘答弁について、執行部に説明を求めること。
②市長や盆栽園関係者の出席を要請すること…、の2点を申し入れました。
 しかし、盆栽購入を強く推進した関根議長の下で、議会の対応も消極的です。議事録に残る正式な委員会は開こうとせず、非公式の現地視察と、「文化振興議員連盟」と称する盆栽美術館建設推進派の非公式な集まりへの説明だけで、議会への正式な説明は9月まで先送りしようとしています。
 議会として、早急に盆栽が枯れた原因の真相究明を行い、管理責任を徹底追及しなくてはなりません!
完全に枯れていた2200万円相当の「靖国」
完全に枯れていた2200万円相当の「靖国」
GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/

2009年8月特別号(3)
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議員年金の「安定的確保」求める
1兆3000億円の公費投入に反対

 市議会議員の年金が破綻しようとしています。
 市議会議員の年金は、12年(3期)以上議員を務めると、65歳以降は在職年数に応じて、さいたま市の場合では月額14万4667円から20万2368円の年金を、国民年金とは別に受け取れる仕組みです。
 ところが全国で市町村合併が進み、掛け金を払う現職議員の数が大幅に減少したため、2年後には破綻する見通しです。
 議員年金を廃止しても、各議員にこれまで支払った掛け金を全額保障すると、1兆3000億円もの公費投入が必要です。
 さいたま市議会では昨年秋、「国策の合併に協力したのだから、年金の全額保障を要求しよう」と国への意見書提出を画策しました。
 10月21日の説明会では、共産党議員が「要求なら我々は得意です!」と率先して音頭をとっていましたが、私は「住民不在の合併を進めておいて、合併で議員年金が破綻したら1兆円出せだなんて、市民の理解が得られるはずがない!」と一喝。国への意見書提出は立ち消えになりました。
 しかし全国市議会議長会の呼びかけで、6月議会では再び自民・公明・民主・共産などの議員が、『市議会議員年金制度の安定的な運営の確保に関する決議』を上げようとしてきました。

公費投入反対の請願は
審議にすらかけられず
【関連動画】
 決議文は、国に「強力に進められた市町村合併を根幹で支えた市議会議員の強い思いを厳粛に受けとめ、その責任において、将来にわたり安定的な年金給付が可能となるよう」要求するもので、国策協力の見返りとして議員年金という特権維持のため、新たな公費投入を求める内容です。
 7月9日の本会議で、私は反対意見を述べようとしましたが、関根信明議長は「無所属議員の発言を認めるのは、明日から」だと発言を封じ、無所属議員(私と北村議員)を除く全員が、理由も言わずに黙々と賛成し、決議は可決されました。
 一方で、私は市民から預かった、公費投入せずに議員年金の廃止を求める請願2件を提出しましたが、「議員年金に関する決議はすでに上がったから」と、請願は審議にすらかけられず、自民・公明・民主・共産などによって「議決不要」とされ、葬り去られました。
 合併を進めた議員たちが「国策に協力したから」と、議員年金の保障を要求するとは、言語道断です!

清水市長の「現場訪問」は
就任早々浦和優先!?

 相川市政の「浦和優先」ぶりに、大宮住民の積年の怒りが爆発したことで、清水市政が誕生しました。
 清水市長は「地域に偏らない公平・公正な行政」を掲げています。ところが市長就任後、「市民の声を聞く」と実施した現場訪問は浦和に偏っています。
 そこで私は6月22日の一般質問で、市長の姿勢を問いただしました。

吉田一郎 市長は「現場主義・現場訪問」ということで、区役所を訪問しているが、まず最初に行ったのが南区役所で、大宮へは来ていない。大宮は後回しでは「大宮軽視」ではないか。
清水市長 地域に偏らない、しがらみのない公正・公平・開かれた市政の実現、また市民の声、現場の声を大切にする「徹底した現場主義」は、いずれも市政運営に取り組む際の私の基本姿勢であります。【動画で見る】

清水市長は、質問とまったく噛み合わない答弁で誤魔化していますが、市のホームページに掲載されている6月の「現場訪問」を見ると、大部分が浦和に集中しているのは一目瞭然です。
 公正な市政運営と言いながら、「浦和市民の声」ばかりに耳を傾け、市政に反映させようというのでは、まるで「浦和市長」です!


 清水市長の「絆」をつなぐ
   現場訪問(6月分)

南区役所     〈浦和〉
青少年宇宙科学館 〈浦和〉
PTA協議会懇談会
土合地区ふれあい会食 〈浦和〉
植水地区自治会
     役員との対話 〈大宮〉
中央図書館 〈浦和〉
浦和コミュニティセンター 〈浦和〉
市民活動サポートセンター 〈浦和〉
国際交流協会 〈浦和〉
浦和消費生活センター 〈浦和〉

※さいたま市ホームページによる


パスポート申請で
天下り外郭団体が

 カード勧誘!?
上田知事に直訴
 パスポートの申請には写真が必要です。ソニックシティのパスポートセンターの隣りでは、県の天下り外郭団体である国際交流協会が写真撮影をしています。
 ところが、国際交流協会は東京三菱UFJ系の信販会社と提携し、「この場でカードを申し込めば写真代無料!」というキャンペーンを始め、写真が仕上がるまでの間、執拗な勧誘を受けるハメになります。
 県は多重債務による被害の発生・拡大防止と被害者の救済に力を入れているにも関わらず、外郭団体がパスポート申請者に安易なカード申し込みをさせている実態は矛盾しています。
 そこで私は7月2日、上田知事に請願書を提出して、国際交流協会を退去させるよう求めるとともに、県議会の各会派にもこの問題を訴えました。
 その結果、白山清彦県議(公明党)はじめ、鈴木弘県議(自民党)や浅野目義英県議(民主党)の尽力もあり、上田知事から「国際交流協会を厳しく指導する」との回答が届きました。

清水議案も厳しくチェック
吉田一郎が反対した議案 【関連動画】
■一般会計補正予算(3)
 緊急雇用対策として、各駅前でごみポイ捨てや路上喫煙の実態調査(600万円)や、小中学校でのいじめ防止のためのインターネット掲示板の書き込み監視(363万円)を実施。
 民間会社に委託するので、実際どれだけの金額が失業者の手に渡るのかはわからず、調査目的も「結果を見て考える」と不明瞭で、いかにも場当たり的です。
 屋台やフリーマーケットの規制緩和で、政府が予算を使わずに失業対策を行った香港の事例を参考にすべきと提案し、反対しました。
■盆栽美術館条例の制定
《2面参照》
■教育委員の任命(大谷氏)

 大谷幸男氏は県立大宮高校の校長として、学力や偏差値向上の実績を挙げたといいますが、「夏休み短縮」「土曜授業の実施」という手法が、義務教育である公立小中学校にもふさわしいとは思えません。
■市議会議員年金の安定的な確保を求める決議《3面参照》
■市長多選自粛条例と市長退職金半減条例の先送り《4面参照》
2009年6月議会の会派別議案賛否一覧表
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2009年8月特別号(4)
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無所属発言
「すべての議員が発言できる議会を!」
27045票の力で実現しました
 5月24日の市長選挙と同時に行われた市議補欠選挙(北区)で、私は「すべての議員が発言できる議会を」「大宮の声を市議会に!」を掲げ、さいたま市議会始まって以来の27045票という大量得票により、当選することができました。
 この結果を受けて、6月議会では会議規則が改正され、本会議での無所属議員の発言権が保障されることになりました。
 補欠選挙という有権者の皆さんによる直接の審判によって、議会制民主主義の当たり前の仕組みが、ようやく実現できることになったのです!
 さいたま市議会では、本会議での無所属議員の質疑(市長が提出した議案への説明)や討論(賛成・反対の意見表明)が禁止されていました。
 これは6年前に、自民・公明・民主・共産などの政党・会派の議員たちが「議会運営の効率化」と称して、憲法や法律をまったく無視したルール(申し合わせ事項)を作り、無所属議員の発言を禁止したためです。
 このような地方議会は、全国でもさいたま市と川崎市だけですが、これまでの無所属議員は「泣き寝入り」をしてきました。
 私は2年前に初当選して以来、地方自治法などで認められたあらゆる方法を使って、意見を表明してきましたが、そのたびに妨害され、演壇からの暴力排除や発言禁止、出席停止処分が繰り返されてきました。
 3月12日の本会議では、私が相川前市長が提出した議案・予算案に反対理由を述べただけで、出席停止処分にされようとしたことに抗議して、議員をいったん辞職しました。
 私は今回の補欠選挙で、政党の利益や利害とは関わりなく、大宮住民の代表として選ばれた議員が大宮の立場から、自由に発言できる議会の実現を訴えて、有権者の皆さんの判断を仰ぎ、結果的に投票者の6割を超える多くのご支持をいただくことができました。

市議補欠選(北区)の結果
吉田一郎 27,045 無所属
かねすぎふみこ 12,969 無所属
(自民党市
議団推薦)
中里やすいち 5,016 日本共産党

補欠選挙の圧勝で
議会を早速動かす

 5月26日にはさっそく議会運営委員会が開かれ、無所属議員の発言権問題が協議されました。
 発言権については、認めるという方向性を確認し、6月議会の開会までに、最終的に決定することで、全ての政党・会派が合意。開会前日の6月16日に、無所属議員の発言権を保障するために、会議規則の改正と「申し合わせ事項」の廃止が決まり、7月9日に全議員の賛成で可決されました。
 こうして翌10日の議会最終日、私はさいたま市議会の無所属議員として、6年半ぶりに討論を行うことができました。
 私は清水市長が提出した議案のうち、「大宮盆栽美術館条例」など3件に反対意見を述べ、中国・新疆ウイグル自治区での暴動の背景を紹介しつつ、相川路線を改めようとしない清水市政を厳しく批判しました。

吉田一郎 浦和優先の市政への大宮住民の怒りは、決して盆栽で誤魔化されるようなものではありません。地域格差の拡大を是正しようとせず、「絆」ばかりを強調し、大宮の税収は大宮の街づくりに使い、大宮の街づくりは大宮住民の手で行える仕組みを実施しなければ、大宮住民の不満は解消しません!

 私は今後も政党には属さず、あくまで無所属の議員として、大宮住民の力で実現した発言権を積極的に活用し、相川市政に代わって新たに誕生した清水市政を、大宮の立場から厳しくチェックしていきます!

市長選の結果
得票総数 旧大宮市 旧浦和市 旧与野市 旧岩槻市
清水勇人 155,966 76,967 55,355 11,387 12,257
相川宗一 98,816 20,299 57,886 8,944 11,687
中森福代 62,991 22,514 28,728 4,113 7,636
日下部伸三 32,249 23,747 5,460 1,829 1,213
松下 裕 27,448 11,718 11,369 2,437 1,924
高橋秀明 26,397 12,868 9,533 2,677 1,319

議案たな晒しで混乱続き
青羽議長ついに退陣
 清水市長にとって初舞台となった6月議会は、青羽健仁議長を先頭に、自民・公明・共産による審議引き延ばしや議案たな晒し等で、混乱が続きました。
 議会初日の17日は、冒頭に行われるはずだった「市長あいさつ」を午後まで遅らせて、傍聴に集まった市民を帰らせたり、「あいさつの内容が気に入らない」と青羽議長や共産党が言い出して審議が空転しました。
 翌18日の議会は、民主党が「青羽議長は議会運営を混乱させた」と不信任案を提出しましたが、自民・公明・共産が青羽議長の続投を支持して、不信任案は否決されました。【関連動画】
 24日の総合政策委員会では、教育委員と監査委員の審議について、共産党と自民党の委員が代わるがわる9月議会までのたな晒しを主張して決定。26日の同委員会では、清水市長が提出した「多選自粛条例」と「市長退職金半減条例」も、
たな晒しが決まりました。
 ろくに審議をしようともせず、市長への嫌がらせのような形で議案をたな晒しにするやり方は異常です。
 私は相川路線を継承し、「浦和優先」を改めようとしない清水市長を批判していますが、市長への批判は議会での追及や討論を通じて堂々と行うべきです!

後任は青羽後継の関根氏
 議案たな晒しが相次いだ背景には、①民主党の応援で当選した清水市長に対して、自民・公明が自分たち主導の与党体制を築くために、数の力を見せつけた。
②2年間在任した青羽議長が「議会の混乱」を理由に続投を図った…等の事情がありますが、②の思惑を察知した自民党内で「青羽下ろし」が起こり、議長は7月9日に辞表を出しました。
 議長選挙では、「青羽後継」の関根信明議員(自民党。公明党が支持)と、「反青羽」の真取正典議員(自民彩政会。民主党、みどりの風が支持)が、1~2票差の争いをすると予想されましたが、自民党県連の介入などで真取議員は出馬を断念。自民彩政会は土壇場で関根支持にまわりました。
 私は「これまで私への出席停止処分など不当な懲罰に賛成しなかった人」という判断で、議長には松本議員、副議長には神田議員に投票しました。
 結局、教育委員と監査委員の任命は、たな晒しを中止して、7月10日の本会議で可決。その代わり「多選自粛条例」と「市長退職金の半減条例」は、民主党も9月議会までのたな晒しに賛成にまわりました。
 来年度予算編成に向けて、自民・公明・民主の「与党体制」に戻りそうです。

   議長選挙の結果  
関根信明(自民党)  35
松本敏雄(みどりの風)17
山崎 章(共産党)  8
井上洋平(自民党)  1
無効票         3

  副議長選挙の結果 
野口言明(自民彩政会) 33
神埼 功(民主党)   22
神田義行(共産党)   9
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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