2009年7月25日 号外 (1)
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5億円の盆栽委員会での追求を契機に5700万円分の枯死が明るみに!
6月議会で「枯れている盆栽はない!」と嘘の答弁をした清水市政、議案可決後に「枯れてました…」
 さいたま市は1年半前、栃木県の美術館から5億円の盆栽を購入し、その盆栽を展示するために、土呂2丁目に11億円をかけて「大宮盆栽美術館」の建設を進めています。
 6月議会では私の追及により、盆栽美術館が来年3月にオープンすると、毎年1億円近い赤字が出ることが明らかになりましたが、私の追及を発端に、合計8700万円分の盆栽が枯れていたり、枯れかけていた事実も判明しました。

毎年1億近い赤字出る盆栽美術館に、自民から共産まで賛成
 市が5億円で購入した盆栽は現在、市内7ヵ所の盆栽園に年間1200万円を支払って預けています。盆栽美術館の開館を審議した6月26日の市民生活委員会で、私は盆栽の現状について問いただしました。

吉田一郎 枯れてきたり、元気がなくなって展示に耐えられなくなった盆栽は、今すでに何鉢かあるのか?
文化施設建設準備室長 すべてが常に元気だというわけではないが、現在園で管理をしてもらっている。
吉田一郎 枯れたものとかはないのですね?確認です。
文化施設建設準備室長 現在ございません。

 「すべてが常に元気だというわけではない」という答弁が引っ掛かりますが、7月10日の議会最終日に、盆栽美術館の開館に向けた条例制定は、盆栽購入を推進した自民・公明・民主「旧相川与党」に加え、盆栽購入時には反対していた共産党も賛成にまわって可決。私は「毎年1億円近い赤字を出す盆栽美術館の建設はただちに中止すべき。中止による損失は『枯れた盆栽はない』ということなので、盆栽を売却して補うべきだ」と発言し、唯一反対しました。

◆盆栽美術館開館のための条例制定の採決結果
賛成 自民、公明、民主、共産、彩政会、みどりの風
反対 吉田  退席 北村

 ところが14日、市は盆栽4点が6月下旬から葉が落ちたり変色するなどして枯れかけていることを公表。さらに朝日新聞の報道で、2200万円相当の盆栽「靖国」が、昨年春に根を虫に食われて、枯れていたことも明らかになりました。
 そして19日に市が樹木医に依頼し盆栽を診断したところ、「靖国」は完全に枯死、盆栽2点(計3500万円相当)も99%回復不可能で事実上枯死、盆栽2点(計3000万円相当)は回復の可能性ありとの結果が出ました(裏面参照)

「薬品かけられた」は責任逃れ?真相究明で責任徹底を
 清水市長は選挙の時、公約の1つに「情報公開日本一の街にする」を掲げていました。
 しかし、多くの市民から批判が出ている盆栽美術館の開館を審議していた時には「枯れた盆栽はない」と言いながら、審議が終わって可決されるや盆栽の枯死を明らかにするようなやり方は、議会を欺き、市民を騙すようなものです!
 盆栽を預かっていた盆栽園は、「靖国」を除く4点は「何者かに薬品をかけられた疑いがある」と言っていますが、警察は「その疑いはない」と被害届を受理していません。
 27日に市民生活委員会で盆栽園を現地調査しましたが、盆栽園は防犯カメラに映った映像を、1ヵ月経っても警察や市へ提出しようとしていません。盆栽が枯れた原因の真相究明を行い、管理責任を徹底させなくてはなりません!

自民党からも「盆栽売却」の声。鉢だけ飾る美術館に!?
 盆栽購入を推進してきた議員たちの間でも、「やっぱり盆栽は売却すべき」との声が挙がり始めています。
 自民党市議団は、24日付『産経新聞』に「盆器だけ残し、盆栽は売却しても良いのでは」とコメントしています。しかし、盆栽の鉢だけ飾る美術館では、「大宮の盆栽文化を紹介し、観光客を集める」という本来の建設目的から外れ、もはや何のための美術館建設なのかわかりません!
 盆栽を売却するなら、美術館の建設を中止すべきです。
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

(2)
【7月16日付『朝日新聞』】
盆栽「枯れていない」 6月議会委 さいたま市 
 さいたま市が来春開館予定の大宮盆栽美術館用に購入した高級盆栽5鉢の葉や色が落ちるなどしている問題で、樹齢800年のエゾマツ「靖国」(2200万円相当)の葉がほとんど落ちた状態だったにもかかわらず、6月市議会の委員会質疑で市が「枯れている盆栽はない」と答えていたことが15日分かった。
 市は「きちんと説明すべきだった」と陳謝したが、「今も養生中で枯れてはいない」との認識を改めて示した。
 6月議会に市が出した大宮盆栽美術館設置条例を市議会市民生活委員会で審査した際、吉田一郎議員(無所属)に「枯れてきたり、展示にたえられなくなったりした盆栽はあるのか」と問われたのに対し、所管の文化施設建設準備室長が「現在はない」と答えたという。
 市は15日に記者会見し、公表しなかったことを陳謝。「靖国」の葉がほとんど落ちた状態だと公表し、購入直後の昨年1月と15日現在の「靖国」の写真も公開した。
 市によると、「靖国」は購入直後の昨年4月、管理を委託していた北区の植木業者から「鉢の中に虫がいる可能性がある」との報告があり、ガの幼虫が十匹見つかり根が食い荒らされていたという。業者は虫を取り除き、回復に努めたが、同6月には3分の1が落葉。同8月ごろから残った葉が緑色から茶色になり、今年4月には全体的に葉が落ちたという。
 市は業者が警察に被害届を提出するのを待つとともに、業者への5鉢を含む計12鉢の委託管理を続けるかどうか検討するという。清水勇人市長は15日、同業者を視察。公表しなかったことについて、「業者から回復の可能性があるとのことで公表しなかった。不適切で大変申し訳ない」とのコメントを出した。 
【画像でみる】


【7月24日付『産経新聞』】
 盆栽美術館計画に反対していた無所属の吉田一郎市議は「購入時、市は実際の価値は総額20億円と説明していた。美術館計画を中止にしても、全部売れば建築費を穴埋めできる」と話す。
 一方、賛成派の自民党市議団青羽健仁団長は「購入時の評価額は盆器だけで9億円だった。税金の無駄遣いには当たらず、市民にもっとよく説明する必要がある」とした。
 だが、美術館を予定通り進める考えの青羽団長も、「盆栽管理のずさんさは杏めない。盆器だけを残し、盆栽は売却しても良いのでは」と新たな美術館の方向性も示唆している。 
【画像でみる】


【7月19日夜に各議員自宅へ送られて来たFAX】
平成21年7月19日
 議 員 各 位                   
さいたま市長 清 水 勇 人
           
市所有盆栽の被害等の診断について

本日、下記のとおり.市所有盆栽の診断について.記者発表を行いましたので、お知らせします。                  
1.日 時 平成21年7月19日(日)13時~16時40分

2.場 所 蔓青園 (さいたま市北区盆栽町285)

3.診断した盆栽
 「真柏」、「黒松」、「五葉松」、「獅子頭もみじ」、えぞまつ「靖国」の計5点

4.診断者  樹木医2名
 (1).塚本 こなみ あしかがアラワーパーク園長(栃木県足利市内)
 (2).須永 敏明  有限会杜 大成造園(さいたま市見沼区内)
 診断結果については、すべで2、3週間あるいはそれ以上かかる予定ですが、 診断結果が出来次第報告いたします。
 なお・樹木医では判断しかねる、薬剤・菌などによる影響については、葉と土、根を採取し樹木医を通して独立行政法人森林総合研究所(つくば市)へ検査を 依頼いたしました。

5.樹木医による現時点での診断結果など
 披害については、複合的要因よるもので、詳細については、診断結果を待つ ことになります。ただし、本日現在の目視による診断は以下のとおりです。
 
 (1).「靖国」  枯死 (原因については調査依頼済)
 (2).真柏・五葉松99%蘇生は困難。根、土壌などの調査のため、鉢上げを実施。
 (3).獅子頭もみじ・黒松 養生に努め回復を待つ
 
6.立会者
 (1).大宮盆栽協同組合 理事長、副理事長
 (2).さいたま市  総務局長、市民局長、生活文化部長、次長、文化振興課文化施設建設準備室長、室長補佐
 (3).文化振興事業団 理事長、総務課長、担当者1名                   
以上、11名
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枯死した盆栽「靖国」

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