2009年5月特別号 (1)
2面へ
政調費
無所属議員だけ4割減額
本会議での発言禁止し、政党議員らが強行
 政務調査費とは、議員報酬(年額1355万円)の他に、市長から議員1人あたり年間408万円支給される補助金です。政務調査費の使い方については、そのズサンさが全国的に問題になっています。
 さいたま市議会でも、例えば民主党では、市議4人が政務調査費を使ってアメリカ視察へ行き、特大ステーキやロブスターなど連日のように食べ歩いたり(『1月特別号』既報)、「ケガ」を理由に3ヵ月間で150回もタクシー代に使ったり、大学院の学費に充てるなどの使い方がまかり通っています。
 そして3月議会では、政党会派所属の議員たちが「政務調査費交付条例」の改正案を提出しました。
 その内容は、領収書の公開を拡大する一方で、政務調査費の交付額を、会派支給分(年額168万円)と議員支給分(年額240万円)に分け、無所属議員は240万円に減額するというものです。

議長応接室で談合
重ね共産党は優遇

 この「改正案」は、昨年から各政党会派の代表が、無所属議員を排除して議長応接室に集まり、「談合」のように話し合ってまとめたもので、「共産党として全額使いたい」という党利党略的な要求は認めて、全額会派支給とすることも可となりました。
 私自身は「政務調査費の廃止」を掲げ、相川市長からの政務調査費は1円も受け取っていませんが、無所属議員だけ減額するという不公平な「改正案」は、断じて許せるものではありません。
 3月12日の本会議で、「改正案」の審議が行われましたが、①本会議での質疑(質問)・討論を一切省略、②無所属議員の発言権は認めない、③吉田一郎議員は当日の発言を禁止…という異常な状況下で、すべての政党会派が賛成して、無所属議員の政務調査費減額が可決されました。
 政務調査費を会派支給分と議員支給分に分けたというものの、何を会派分・議員分にするかの基準はなく、「各会派任せ」というズサンなもので、政務調査費を使った海外視察や、「ケガ」を理由にしたタクシー利用も野放しのままです。

5年前に7割増額
第2報酬は廃止を

 さいたま市議会では、5年前に「政令指定都市になった」というだけの理由で、政務調査費を一挙に7割も増額した経緯があります。
 この時は自民・公明・民主・共産など、すべての政党会派が賛成しました。
 政務調査費は議員にとって、所得税がかからない「第二の報酬」と同じです。このような制度は、やはり廃止すべきです。

一人70万円の海外視察
  密室談合で決まる人選

 さいたま市議会では毎年、海外視察が行われています。私が2月23日の予算委で問いただしたところ、今年度は70万円×13人分で、総額910万円の海外視察費用が、議会費に計上されていることがわかりました。
 海外視察の人選も、議長応接室に各会派の代表が集まり、密室の場で決められています。このような不透明な海外視察には、私は毎回反対し続けています。

過去1年間の海外視察
・ニュージーランド 民主1人 自民1人 彩政会1人
・アメリカ 民主4人(政務調査費を使用)
・ドイツ 民主1人 自民3人 彩政会2人 みどりの風1人
合計 民主6人 自民4人 彩政会3人 みどりの風1人

相川予算
浦和優先の開発予算、合併協定書潰しのサッカープラザ建設
自民・公明・民主の賛成で可決
 旧大宮・与野・浦和市が調印した合併協定書では、新都心周辺を候補地に新市役所を建設すると明記されています。
 しかし相川市長は、市役所をずっと浦和に置き続けるべく、新都心に残された空き地にサッカー関連施設を作ろうとしています。
 今年度予算では、サッカープラザを年度内に着工するために、調査費など2171万円を計上しています。
 市では当初、サッカー博物館の建設を計画していましたが、いつの間にか「市民やサポーターの交流の場」と称するサッカープラザに変更されてしまいました。
 観光客が主体の博物館と、市民の交流の場とでは、経済効果は大きく異なるはずです。
 そこで私は2月23日の予算委員会で、サッカープラザの年間来場者見込み数や経済効果を問いただしたところ、担当者は「3月末に発表する予定」と答弁したため、私は「収入や採算、経済効果はまだわからないのに、とにかく年度内に着工したいから、予算を通せということか!」と抗議しました。
※      ※      ※
 さいたま市の開発予算は、今年も地域格差が著しく、大宮は浦和の3分の1以下です。
 こんな相川予算に賛成しなかったのは、無所属議員3人(日下部、北村、吉田)と共産党だけでした。
 市長選では「独自候補」を応援するという民主党も、浦和優先の相川予算には自民・公明と歩調を合わせて賛成し、可決されました。「地域対立の解消」を唱えるなら、まず予算案に反対すべきでした。

旧4市ごとの今年度の都市開発予算
【旧浦和市】
浦和駅立体高架化事業 22億9087万
浦和駅西口南高砂再開発事業 8億5908万
武蔵浦和駅前再開発事業 36億3300万
浦和東部第一土地区画整理事業 5億3099万
東浦和第二土地区画整理事業 2億1749万
浦和東部・岩槻南部地域整備推進事業 23億5164万
(旧「浦和東部地域整備事業」を名称変更したもの)
          合計 98億8307万

【旧大宮市】
大宮駅西口再開発事業11億8400万
日進駅周辺整備事業 7億3128万
深作西部土地区画整理事業 2億6800万
指扇土地区画整理事業等 2億8173万
大宮西部特定土地区画整理事業 5億9000万
          合計 30億5501万

【旧岩槻市】
岩槻駅西口土地区画整理事業 4億3101万
江川土地区画整理事業 7億0894万
南平野土地区画整理事業 1億4500万
          合計12億8495万

【旧与野市】
与野駅西口土地区画整理事業 2億9269万
南与野駅西口土地区画整理事業 4億2700万
           合計 7億1969万

大宮の声を市議会に!
すべての議員が発言できる議会を
浦和優先の行政・予算配分の是正/政務調査費と海外視察の廃止
市議会議員補欠選挙は
 5月24日 (日) です 

市長選挙と同時に実施されます
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

2009年5月特別号(2)
大宮の立場から、市政を厳しくチェック
吉田一郎 この1年 相川市政
VS
 2年前の市議選で掲げた「浦和優先の行 政・予算配分の是正」を実現するために、私 は政党や会派の利害に縛られない無所属の議員として活動し、相川市政やそれを支える自民・公明・民主の「相川与党」と、徹底的に闘いました!
ふるさと大宮のために実現しました
●小児科オールナイト診療の維持を実現!
 内科・小児科の24時間診療を行っていた大宮医師会市民病院(宮原メディカルセンター)の閉鎖に伴い、オールナイト診療の維持を2年間にわたって追及。09年3月から大宮総合病院で小児科のオールナイト診療を実現させました。

●富士重工跡地に病院の誘致を明言させる
 旧大宮市が「大宮の新たな中心地」として購入した富士重工跡地の再開発事業を、市が終了すると言い出したため、09年2月のまちづくり委で「プラザノース北側は空き地のまま放り出すつもりか」と追及。半日がかりで「病院を誘致する」と公式に明言させました。

●大宮駅東口駅前広場に時計を復活
 大宮駅東口の駅前広場改修工事で、時計が撤去されたため、まちづくり委で「大宮駅は首都圏の北の玄関口であり、時計を再設置すべきだ」と問いただし、実現しました。

●宮原地区の通学路に、側溝を整備
宮原地区の通学路に側溝を整備 07年夏に宮原小の裏で、登校中の児童がスクールゾーンで車にはねられ死亡する痛ましい事故が起きました。現場周辺には側溝に蓋がない通が多く、08年12月のまちづくり委で通学路の優先的な∪字溝整備を要望し、09年2月議会の補正予算で実現することができました。

●公民館や学校の耐震化を、より完全に
 公民館や学校の耐震化工事が進められていますが、建物自体は倒壊する恐れはなくても、窓ガラスや天井の内装などが崩れ落ちる危険性を予算委で再三指摘。09年度は別枠の予算での大規模修繕を実現しました。

●旧大宮市役所での議会開催を提案し、実現!
旧大宮市役所での議会開催を提案し実現 相川市政が推し進める「浦和への一極集中」をストップさせるべく、大宮区役所(旧大宮市役所)での議会開催を予算委員会理事会で提案。各政党・会派が合意して、09年1月に旧大宮市役所6階で、合併以来8年ぶりに予算委員会が開かれました。

●大宮夏祭りでも前夜祭を開催へ
 夏祭りへの補助金に、大宮と浦和で大きな格差がついていたことを批判するとともに、大宮の議員にも浦和の夏祭りへ参列するように招待状は届くのに、大宮夏祭りの招待状が届かないのはおかしいと、観光コンベンションビューローに直訴。08年から大宮夏祭りでも前夜祭が開催され、大宮の議員は大宮の夏祭りに、浦和の議員は浦和の夏祭りに招待されることになりました。

●「鉄道の町・大宮」を守る!
 市立博物館の展示で「鉄道の町・大宮」と「鉄道の町・さいたま」が混用されているのはわかりにくいと、予算委で追及。地域住民に意見を
求めるよう約束させ、後日「鉄道の町・さいたま、ではおかしい」と確認させました。

●ターミナル・大宮駅の充実を!
 大宮駅のみどりの窓口(長距離切符売場)の営業時間が22時までに短縮されたことについて、「首都圏のターミナル駅でありながら、これでは当日に夜行列車の切符が買えない」と、09年2月のまちづくり委で追及。JRへ営業時間の延長を強く要望すると約束させました。
※また、旧大宮市議会が決議を上げていた「大宮駅への新幹線全列車の停車」や、「大宮駅から武蔵野線への直通列車増発」への取り組みについて改めて問いただし、「周辺市町村と連携して要望を続ける」と確認させました。

浦和優先の相川市政を徹底追及しました
●予算配分の「浦和優先隠し」を追及
予算配分の「浦和優先隠し」を追及 大宮と浦和の予算格差について、相川市長が相川与党の議員と組んで「合併時から07年度まで、都市基盤整備の予算配分はほぼ同じ」と答弁したことに疑問を抱き、元になった
データを独自に分析。数字がデタラメだったことを発見し、08年6月議会で徹底追及しました。

●大宮の募金が浦和へ流れる実態を暴露
 社会福祉協議会の賛助会費や歳末助け合い募金の集金方法が旧4市で異なり、1世帯あたりの集金額で大宮と浦和では1.83倍もの格差があることを、08年9月議会で追及。旧4市の募金はその地域のために使える仕組みを求めました。

●「合併協定書を守れ!」と繰り返し迫る
 新都心への市役所建設を明記した旧大宮・与野・浦和市の合併協定書が一向に実行されず、市役所がずっと浦和に置かれ続けている現状を繰り返し批判。新藤元大宮市長の「大宮市を代表して、調印した者として遺憾です」というコメントを発表し、協定書の履行を迫りました。

●11億円の盆栽展示施設建設に反対
 08年9月議会で、市が栃木県の美術館から5億円で購入した盆栽を展示するために、11億円かけて施設を建設すると提案。その管理費用は年間9000万円にのぼります。自民・公明・民主の「相川与党」や共産党が理由も言わずに黙々と賛成する中、私はただ1人、年間来場者数の見通しや周囲の道路整備がズサンであることなどを指摘し、反対しました。
※その後、まちづくり委で盆栽村を中心とした歩道整備を追及し、整備を確約させました。

●1兆円の公費投じての議員年金存続を批判

 市町村合併で地方議員の数が急減し、議員年金が破綻します。相川与党と共産党は「国策の合併に協力したのだから、1兆円の公費を投じて議員年金を全額保障してもらえるよう国に要求しよう」と意気投合していましたが、私は「住民不在の合併を進めておいて、議員年金だけ保障しろとは、市民の理解が得られるはずがない」と猛反対。国への決議案を葬りました。

●税金投じ浦和東口の「賑わい創出」を批判
 さいたま市は1000億円を超える税金を浦和駅の再開発に投じ、コムナーレや中央図書館を建設したうえに、「浦和駅東口の賑わいを創出する」と称して、毎年2億円以上の予算を計上してさまざまなイベントを開催し、客寄せしている実態を予算委で重ねて批判。3年後を目途に終了すると答弁させました。

●ヒ素残土事件 真相究明と再発防止を追及
ヒ素残土事件 真相究明と再発防止を追及 南浦和の下水道整備で出た産廃残土に、国の安全基準の2倍を超えるヒ素が検出されたにも関わらず、残土を大宮へ運び込み、指扇小学校の横に山積みにしていた事件で、市が報道機関や議会に事実を隠ぺいした資料を配布していたことを暴露。08年2月議会の建設水道委で現地調査を含め2日間にわたり追及したほか、現場周辺の地下水脈の調査などを実施させました。

●渋滞が激化する大宮北部の早急な道路整備を
 大宮北部を東西に貫く都市計画道路「指扇宮ヶ谷塔線」の整備が放置されている現状を繰り返し追及。また自衛隊通りと大和田公園通りを直結させる旧大宮市の道路構想が、合併後に消された理由を、08年6月のまちづくり委で問いただし、今後の再見直しを約束させました。

●ずさんなレーシック手術の実態把握を要請
 レーシック(近視矯正手術)による感染症被害が問題となった銀座眼科と同じ経営者の診療所が、北浦和東口に存在し、医療器具の消毒が不十分だったという内部告発が、数年前に警察に害せられていた事実を暴露。09年3月の予算委で保健所が実態を把握していなかったことを追及し、警察との連携を強く求めました。

●武蔵浦和に新幹線停車の相川プランを阻止!
 8年前の市長選で、相川市長が掲げた「武蔵浦和駅に新幹線を停車させる」という構想について、09年2月のまちづくり委で「湘南新宿ラインを浦和駅に停めるために、300億円の税金を使ったうえに、公費を投じて新幹線まで武蔵浦和に停めるのか」「通勤快速じゃあるまいし、大宮の次に武蔵浦和に停車では、東北・上越方面の人にも迷惑をかける」と強く批判。市に「具体化するつもりはない」と明言させました。

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