2009年4月特別号 (1)
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市民参加の審議会 市庁舎建設の基金
合併協定書の反故を追及
市役所を浦和永久化するために、相川市長手段選ばず
 大宮市と浦和市、与野市が合併し、さいたま市が誕生して8年。合併後は新都心に市役所を建設し、大宮・新都心・浦和の「3つの都心」を核とした街づくりを行うというはずでしたが、相川市長は市役所を永久に浦和に置き続けるために、合併協定書を反故にしました。このような事態を、合併時に大宮市民は誰が想像したでしょうか。
 3市が調印した合併協定書では、新市役所の位置は「新都心周辺」が挙げられ、旧浦和市役所は「当面の間」使用しているに過ぎません。
 合併後は速やかに、庁舎建設基金と、市民参加の審議会を設置することが明記されていますが、一向に実行されませんでした。
 そこで昨年、私や大宮出身の議員が相次いで議会で問いただし、相川市長はようやく実行しましたが、その中身は合併協定書を完全に反故にしたものでした。

市民参加が市長任命に
 昨年11月18日、「庁舎整備検討委員会」が浦和の商工会議所で開かれました。
「審議会」は自治体附属の行政機関で、その協議結果は答申としてまとめられますが、「検討委員会」は任意の諮問組織で、重要度はまったく異なります。
 メンバーは全て相川市長の任命です。私は12月議会の一般質問で、「検討委員会」に関し追及しました。

吉田一郎 検討委員会は、合併協定書に明記された「審議会」と同じなのか、別なのか。市民に事前に告知せず、委員の公募も行わずに、「市民参加」なのか?
小林政策局長 合併協定書における「市民参加の審議会」とは、協議方法の一例を示したものと認識しており、検討委員会は合併協定書の趣旨に沿って設置した。

 検討委員会では、市の担当職員は新市役所の建設場所を「新都心周辺は一例を示しただけ」と説明しています。
 市長の意向で、意見を誘導されているのが実態です。

基金は区役所建設を優先
南によりすぎている暫定市役所の位置 相川市長は2月議会で、「庁舎整備基金」を設置し、今年度は5億円を積み立てる議案を提出しました。
 しかし、その基金で建設するのは「市役所」ではなく、「本庁舎(市役所)及び区役所庁舎」で、基金設置の目的も「合併協定書に明記された新市役所建設を実行するため」ではなく、「区役所(旧各市役所)老朽化に伴う建て替えに備える」と、まったく別物に変えられました。
 建て替えの順番とその費用は、まず大宮区役所38億円、次に中央区役所(与野)33億円、岩槻区役所14億円、市役所及び浦和区役所229億円の順で、費用合計は314億円です。
 年間5億円の積み立てでは、市役所の建て替えが可能となるのは60年後で、それまでずっと旧浦和市役所を使うことになります。
 さらに市役所と浦和区役所の建て替えを一体として見積もっており、市役所はその後も浦和になります。
 そこで私は2月23日の予算委員会で、この問題について問いただしました。

吉田一郎 この基金は、市役所と浦和区役所が同一で、浦和区内に市役所を作るという前提なのか。
政策局 市役所と浦和区役所は同時期に建て替えると考えている。
吉田一郎 合併協定書には、法的な履行義務はないのか。
政策局 重要な文書であり、道義的な責任はあるが、法的な拘束力はない。

消えた大宮の基金100億
 市役所が半永久的に浦和に置かれることで、「さいたま市の中心は浦和」と位置付けられ、中核的な公共施設は浦和へ集中的に建設されています。
 開発予算も浦和に集中し、50万郡市の商都・大宮は、あたかも浦和の植民地と化してしまいました。
 前大宮市長の新藤享弘氏は、「大宮市を代表し調印した者として遺憾です」と怒りの声明を発表していますが、平成の大合併が進む中で、合併協定書に調印した一方の当事者が、公然と協定書の反故をなじる例が、他にあるでしょうか。
 旧大宮市は昭和30年代から市役所建設のための基金を積み立てていて、その総額は109億円に達していました。しかし、その基金は合併後の市役所建設のためには使われず、相川市長は病院移転や、鉄道博物館の誘致に使ってしまいました。
 大宮選出の議員の大部分は、「長いものには巻かれろ」と相川市長に追随したり、政党・会派の方針に盲従したりで、大宮のために敢然と立ち上がる議員がほとんどいないのも残念です。

有名無実の「中央区」
旧与野市は中央区と命名され、「与野」の地名は消えてしまいました。
 7年前の区名選定にあたっては、住民による投票では「与野区」が1位となりましたが、区名選定委員会の委員長だった井原前与野市長は「合併協議会では、与野区ではなく中央区にしようと決めたことで、3市合併が達成できた」と言い、住民の反対運動を無視して、中央区になった経緯があります。
 つまり新都心に市役所を建て、名実共に「さいたま市の中央」にするために、地域住民の意向も無視して中央区になったのですが、相川市政によって、市役所も中核的な行政機関もことごとく浦和に集中され、中央区は「有名無実」となっています。
 これでは消し去られた「与野」という地名が浮かばれません。

大宮の声を市議会に!
すべての議員が発言できる議会を
浦和優先の行政・予算配分の是正/政務調査費と海外視察の廃止
市議会議員補欠選挙(北区)は
 5月24日投票の予定です

市長選挙と同時に実施されます

2009年4月特別号(2)
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大宮市役所で合併以来8年ぶり議会を開催
浦和への一極集中にストップを!予算委で提案し実現
 8年前に大宮市と与野市、浦和市が合併して、市役所が浦和へ移ってから、大宮の街の衰退が顕著になってきました。私はあらゆる機会を通じて、浦和への一極集中を批判し続けてきましたが、その一環として、旧大宮市役所(現・大宮区役所)での議会開催を提案。予算委員会理事会で了承され、1月23日に予算委員会が旧大宮市役所で開催されました。
 大宮での議会開催は、実に8年ぶりです!
「浦和優先」の御用学者と対決
 当日は、予算審議の参考人として埼玉大学の後藤和子教授(浦和在住)による『魅力ある都市づくりに向けた財政について』と題する講演と、議員との討論が行われました。
 ところが後藤教授は冒頭、10月議会における私の発言をヤリ玉に上げ、「予算の地域配分を重視し、その地域の税収をその地域で使うことは、バラマキにつながる」と批判。さらに「公共施設は一極集中の方が便利だ」と、さいたま市が進める浦和への一極集中にお墨付きを与えました。
 講演後の討論で、私は後藤教授に「奪う者と奪われる者、支配する側とされる側の違いだ」と反論。さいたま市は「公共施設の適正配置方針」と言いながら、浦和にばかり公共施設の建設を進めている現状を説明
し、「現状では浦和への一極集中が進められているが、交通の利便性などを考えた場合、さいたま市の中枢機能は大宮か新都心、浦和か、果たしてどこに集中させるのがふさわしいか?」を問いただしました。
 すると後藤教授は、「中央図書館や美術館はすでに(浦和に)建ててしまったのでしょうがない」と言いながらも、「大宮は大宮の特徴を、新都心は新都心の特徴を生かして、クラスター(ぶどうの房)のように連なる形でいくべき」と、浦和への一極集中を否定し始め、多極分散の連合都市を認めるに至りました。
 さいたま市と埼玉大学は昨年3月に協定を結び、地域課題の取り組みについて、市は埼大の教授たちを「活用」しています。「学の独立」という言葉があるように、大学は権力に奉仕するためのものであってはならないはずです。

大宮と浦和との「2本部制」実現を
 さいたま市は浦和への一極集中を進めるべきではありません。旧4市が、それぞれの歴史と伝統を生かした、連邦制のような連合都市を目指すべきです。
 そして合併によって成立した北九州市の「タッチゾーン方式」をモデルに、大宮・浦和・与野・岩槻からの税収は、それぞれの地域で使う仕組みをが必要です。
 新都心への市役所建設が相川市長によって反故にされた今、「連合都市」への第一歩として、さいたま市役所の2本部制(大宮と浦和)を確立すべきです。
 12月議会の予算委員会では、大宮(業務本部)と浦和(総務本部)の2本部制を採用している商工会議所から、「地域に密着したきめ細やかサービスが可能になる」という、2本部制のメリットが紹介されました。
 旧大宮市役所での議会開催は、「2本部制」実現への布石です。私は今後も、浦和への一極集中を阻止するために、全力で闘います!

旧大宮市役所での議会開催を祝う
大宮の長老議員の鶴崎元議長(右)、松本元副議長(左)とともに、旧大宮市役所での議会開催を祝いました

病院移転
宮原から通院バス運行を
吉野町住民65名の連署請願を提出
 大宮医師会市民病院(宮原メディカルセンター)が2月末で閉鎖され、市民医療センターとして浦和との境へ移転しました。
 旧浦和市が立てた計画をもとに、一方的に病院を移転したのですから、宮原地区から市民医療センターまでバスを走らせるなど、市が責任を持って地域住民の通院の足を確保すべきです。
 私はこれまで予算委員会やまちづくり委員会で、通院バスの運行を要求し続けてきましたが、私が紹介議員となって、吉野町の住民65名が宮原地区からのバス運行を求める請願を議会へ提出。65名連署の請願提出は、さいたま市議会始まって以来です。
 1月15日の保健福祉委員会で請願審査が行われ、傳田ひろみ議員(北区、みどりの風)が「住民からすれば、自分たちの病院が自分たちの意思とは関係なく、遠くへ移されたという思い」と請願に賛成しましたが、関根信明議員(北区、自民党)は「市内主要駅からのアクセス向上を図るべきだ」と反対を主張。
 2月4日の本会議では、無所属議員とみどりの風、共産党が賛成したものの、自民・公明・民主の「相川与党」が反対して、請願は否決されました。

非現実的な乗り継ぎ
 一方で、市は西大宮駅から市民医療センターまで、新たにコミュニティバスを走らせましたが、バスは西大宮駅で折り返しのため30分以上も停車しています。
 そこで私は2月17日のまちづくり委員会で、宮原駅までのバス延長を提案しました。

吉田一郎 西大宮駅と宮原駅は目と鼻の先だ。1日に何本か宮原駅西口まで走らせたらどうか。
都市計画部長 宮原駅から西大官駅まで東武バスを利用し、乗り継いでほしい。

 しかし、宮原駅からバスを乗り継ぐと、西大宮駅で50分も待たされ、市民医療センターまで片道1時間40分かかるというダイヤです。これでは話になりません!

公平な交通政策を
 その一方で市は今年度、「バスが浦和駅東口発着では、伊勢丹やコルソヘ行くのに不便だ」という浦和東部住民の要求に応えて、バス会社に年間2700万円もの補助金を出し、浦和駅西口行きのバス運行をお願いしようとしています。
 病気を抱えた大宮住民の切実な声には頑なに耳を傾けようとせず、買い物をもっと便利にという浦和住民の贅沢な要望には即座に対応するなど、まるで「浦和に居らずば、市民にあらず」かのようなさいたま市の姿勢は、断じて許せるものではありません!

密約で駐車場購入に待った
 「相川与党」の横暴で追及中断!
 さいたま市は岩槻駅前の7階建て立体駐車場を、2億6825万円で買い取りたいと、2月議会に提案してきました。
 この駐車場は、旧岩槻市が駅前再開発でサティを誘致するために、地権者に頼んで建設してもらったものですが、当時の岩槻市長は、議会や市民には秘密裏に地権者と「覚書」を交わして、買い取りを密約していたのです。そして買い取りを求めた地権者が訴訟を起こし、市は和解に応じたのです。
 駐車場はこれまでサティが借り切っていましたが、2月16日のまちづくり委員会で、私が買い取り後の活用方法を追及すると、市は「周辺住民や商店街に貸す予定」と答弁しました。
 サティに貸すのなら、サティの営業時間だけオープンすればいいのですが、住民に貸すとなると、管理人を24時間常駐させる必要があります。管理コストが上昇し、市は新たに赤字を背負うことになりかねません。
 私がその点を問いただしていたところ、自民・公明・民主などの「相川与党」は、私の追及打ち切りを多数決で決定し、中断させられてしまいました。
 ところが、その4日後の予算委員会で、市は一転して「買い取った立体駐車場は、閉鎖する」と言い出しました。
 管理コストと赤字を真剣に検討すれば、閉鎖した方が得策なのでしょうが、これでは行き当たりばったりの感じが拭えません。
 私は「裁判で敗訴したのならともかく、廃墟と化しかねない立体駐車場を、市が和解という形で自ら買い取るのはおかしい」と、関連する議案に反対しました。
 それにしても、たかだか数十分の追及で「時間が長い」と不満を言い出し、私が市の痛い点を突き始めるや、多数決で追及を中断させる「相川与党」の横暴には呆れてしまいます。
 これでは議会のチェック機能は、形骸化するばかりです。

■追及中断に賛成した委員
 井上、青木、細沼(自民党)
 上三信、宮沢(公明党)
 阪本、添野、高木(民主党)
 加藤(自民彩政会)
■追及中断に反対した委員
 福島(自民彩政会)
 青柳(共産党)
 松本(みどりの風)
 吉田(無所属)
GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/

2009年4月特別号(3)
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浦和優先の相川予算病院整備基金の廃止
24議案に反対しました
 議会は行政をチェックする大切な機関です。
 つまり、市長が誤った判断で独走しないようにチェックし、議決という形で市政の大きな決定を下します。
 「チェック機能」という意味では、本来の地方議会の姿は与党ではなく、常に野党のはずなのです。
 その議会の機能が働いていないのは、「相川市長が提出する議案に何でも賛成する代わりに、行政によって優遇される」という与党の構造があるからです。
 相川市長の擁護を使命とする自民・公明・民主の「相川与党」が、可決に必要な過半数を占め、さらに無所属議員の発言権を認めず、「共産党が定型通りの反対意見を述べるだけ」というのでは、チェック機能も緊張感もなくなり、議会は形骸化しています。
 すべての議員に発言権を認めるとともに、会派拘束をなくし、「市長擁護と優遇」という構造を変えなければなりません。

吉田一郎が反対した議案
■平成21年度一般会計予算《4面参照》
■国民健康保険事業特別会計予算
 昨年、議会への説明が不十分なまま行った国保税の引き上げは不当であり、再度見直すべきです
■老人保健事業特別会計予算■後期高齢者医療事業特別会計予算
 後期高齢者医療制度は、制度そのものに問題があり、廃止すべきです。
■介護保険事業特別会計予算■介護保険料の値上げ
 介護保険は認定基準が厳しくなり、本人や家族が本当に必要とするサービスを受けられない状況なのに、保険料値上げには反対です。
■東浦和第二土地区画整理事業特別会計予算■浦和東部第一特定土地区画整理事業特別会計予算
 浦和優先の開発予算は認められません。
■平成21年度水道事業会計予算
 毎年巨額の黒字を計上する水道料金は、市民への還元を検討すべきです。
■平成20年度一般会計補正予算(6)■裁判上の和解 《2面参照》
■平成20年度一般会計補正予算制
 定額給付金は、生活に困窮しているホームレスやネットカフェ難民には届かず、しかも3年後の消費税増税とセットであり、「バラマキ一瞬、増税一生」の愚策だと反対しました。
■大字深作の一部を春岡1~3丁目に変更
 「春岡」という地名は旧春岡村全体を指す地区名であり、混乱を招くとともに、歴史的経緯を無視した地名の変更には反対しました。
■北部拠点宮原土地区画整理事業の終了
 旧大宮市が市役所建設など、大宮の新たな中心地にするために購入した、富士重工跡地の再開発を、プラザノースを建てただけで終了するというもの。南側の用地を島忠へ売却し、浦和優先の施設建設・開発予算に注ぎ込むやり方は許せません!
■庁舎整備基金の設置 《1面参照》
■病院整備基金の廃止
 さいたま市は、旧浦和市が立てた計画をもとに、市民医療センターを建設し、大宮医師会市民病院を閉鎖。さらに旧大官市が積み立てていた病院建て替えの基金20億円も流用され、まさに大宮は「金も病院も奪われる」という惨状です。このような形で病院整備基金が廃止されることは、大宮住民として強い怒りと深い失望を感じざるを得ません。
教育職員の勤務時間、休日及び休暇条例の一部改正
 校長や教頭以外に「主幹教諭」という「管理職もどき」の役職を新設。教育現場の民主的運営や教員間の協力関係を妨げかねません。
■下町庁舎取り壊しによる事務所移転
 旧大宮市が「中心市街地整備構想」で購入した下町庁舎を取り壊し、その敷地を道路整備の代替地として処分することに伴う事務所の移転。大宮の行政機関を縮小して一等地を処分し、浦和優先の施設建設に注ぎ込むやり方は許せません。
■道路占用料の改定
 電柱や公衆電話、看板、ガス管などの設置・埋設に対する占用料を、国では大幅に引き下げたのに対し、さいたま市は合併で人口が増えたため大幅値上げ。住民不在の合併による負担増には反対です。
■財産の取得
 新型インフルエンザ対策として、6億3560万円で治療薬「タミフル」を27万人分購入する契約。タミフルが効かないウイルスが世界的に拡大しており、厚生労働省は他の治療薬も1割以上確保するよう指導しています。それにも関らず、タミフルだけの大量備蓄はおかしいと反対しました。
※3月23日の臨時議会で、今年度のタミフル購入は15万人分に縮小されました。

■首都高通行料の割引拡大

 「選挙対策」から始まった高速料金値下げは、マイカー利用を促進し、鉄道・バスなど公共交通機関に打撃を与え、CO2排出や地球温暖化を促す愚策です。
■議員派遣(ドイツ視察)
 ドイツのマインツ市と姉妹都市協定を結ぼうと、議員7人が海外視察。すでに6ヵ所ある姉妹都市はこれ以上増やすべきではなく、また議長応接室に各会派の代表が集まり、「談合」のように決めた人選は不透明。
■会議規則の改正
 「特定議員(=私)への対処」を理由に、懲罰処分の出席停止期間を最長7日間から1会期へ延長。
■政務調査書交付条例改正
 無所属議員の政務調査費だけを、月額34万円から20万円へ減額するというもの。私は政務調査費を受け取っていませんが、無所属への不当な差別には反対です。

さいたま市議会この1年から
 与野党度チェック
 相川市長が提出した
 180議案に反対した数
自 民 党 0
公 明 党 0
民 主 党 0
自民彩政会 0
北村隆幸(無所属) 0 (退席6)
みどりの風 2
日下部伸三(無所属) 6 (退席28)
共 産 党  34
吉田一郎(無所属) 40 (退席1)
※委員会や自己請願(文書)での反対を含む

2009年2月議会の会派別議案賛否一覧表
『吉田一郎 市政レポート』のバックナンバーや、市議会での動画集が、インターネットでご覧になれます!

2009年4月特別号(4)
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平成21年度相川予算案
吉田一郎無所属の立場から反対しました
吉田一郎市議予算委員会での追及
●公民館の「浦和偏重」の是正を要求
吉田 今年度の公民館の耐震化は12ヵ所が対象だが、片柳公民館を除き全て浦和か与野だ。
老朽化が進む公民館教育委 確かにそうだが、これは地域格差ではなく緊急性・優先度が高いものを選定した。
吉田 外壁や窓枠が痛み、地震が来たら危ない公民館もある。大規模改修はどうするのか。
教育委 公民館の平均築年数は25年で老朽化が進み、そういう箇所もある。今年度は別枠の経費で、外壁や漏水の修繕を行う。
吉田 「公共施設の適正配置方針」と言いながら、公民館の数は大宮18ヵ所、浦和29ヵ所だ。地域バランスの解消には取り組まないのか。
教育委 そういうバランスを考えていきたい。

●小児科に続き、内科もオールナイト診療を!
吉田 大宮総合病院で小児科のオールナイト診療が継続されたが、内科は継続しないのか。
保健福祉局 市内に救急医療機関が26ヵ所あるので、現実的にはそちらで受けられると思う。
吉田 長期的には市が直接医師を雇って、オールナイト診療を実施してほしい。

●大宮にも市民活動のサポート拠点を!
吉田 浦和駅東口に市民活動サポートセンターができて、大宮住民にとっては、自治会や福祉団体、様々な市民団体でも、会合が浦和になって困るという声がある。大宮には市民活動サポートセンターを作る見込みはないのか。
市民局 現在のところありません。
吉田 「浦和への一極集中」という方針はよくわかった。浦和へ行きにくい地域では「出張セミナー」を行うというが、具体的にはどこか。
市民局 岩槻あるいは見沼区を考えている。
吉田 大宮駅なら電車で1本じゃないか。市内どこからでも電車1本で来られる大宮にも、市民活動をサポートする拠点が必要だ。

●アリバイ的な「地域戦略ビジョン」を批判
吉田 大宮駅周辺の位置付けは、旧大宮市のプランでは「100万都市の機能を担う都心」だったが、さいたま市のプランでは「100万都市さいたま市の顔」「表玄関」になった。都心と表玄関とでは意味が違う。大宮が顔や表玄関なら、さいたま市の中枢・母屋はどこなのか。
都市局 都心は、大宮駅周辺とさいたま新都心、それと浦和駅周辺と位置付けられる。
吉田 それなら、さいたま市は大宮・新都心・浦和の連合都市という構造がはっきりする。さいたま市のプランで、大宮駅東口は「多様な市民サービス機能を集積した拠点」「広域交流拠点」と位置付けられているが、地域戦略ビジョンでは具体的にどんな公共施設を盛り込むのか。
都市局 これからどうしましょうという形で、次年度以降きちっと検討していきたい。
吉田 大宮駅東口に拠点となり、中枢機能を持つ大きな公共施設や行政庁舎を作るという考えを、ビジョンに盛り込む可能性はないのか。
都市局 具体的には決めていない。

3月12日本会議で述べた反対理由
 『当初予算というものは、さいたま市がどのような都市を目指すのか、その方向性やビジョンを具体的に示したものです。相川市政が描くさいたま市の方向性は、私にはまったく受け容れられません。
 さいたま市の現状は、「一体性のある街づくり」を口実に、浦和への一極集中・中央集権が進められていますが、新年度予算においても、中枢機能を有する施設はことごとく浦和に集中させようとしています。
◆             ◆
 例えば「子ども総合センター〈※1〉」は、場所が最初から浦和区上木崎に限定され、「キャリアサポートセンター」も、交通の利便性を考えずに北浦和に設置されます。「中高一貫校」を大宮には建設するつもりはなく、市民活動へのサポートも、浦和でしか行わない姿勢が明確になりました。市民活動の世界にまで浦和への一極集中を押し付けようとするやり方は、断じて許せるものではありません。
 また市は、「コムナーレ賑わい創出事業〈※2〉」と称して、今年は学校や自治会、市民団体までも動員して、浦和駅東口で毎月さまざまなイベントを開催しようとしています。パルコの客寄せのために市民の税金を注ぎ込んでいるものだと疑わざるを得ません。
 道路整備も浦和優先・新都心優遇です。大宮の道路整備は遅々としたペースで、渋滞解消の切り札となる指扇宮ヶ谷塔線の整備には、一向に着手しようとしていません。
 公共施設の建設も、市は武蔵浦和に10階建ての複合施設〈※3〉を建てようとしています。
 駅前再開発にしても、浦和駅では東口の再開発が終わるや、続けて西口の南高砂地区の再開発に着手する一方で、大宮駅では西口の再開発に浦和ほどの積極性は見られず、広大な市有地があるにも関らず、市は「将来の種地にする」と称して、何ら具体的な公共施設を建設しようとしません。
 「大宮駅周辺地域戦略ビジョン」と称する事業もアリバイ的です。行政は公共施設の整備を行うという役割を掲げながら、都心としての機能を具現化する行政機能や公共施設の建設については、論議を先送りにしています。その間に、市の中枢機能を担う各種の公共施設は次々と集中的に浦和へ建設されており、大宮をさいたま市の「表玄関」や「顔」だと規定することで、東京における上野駅周辺のような地位に落とし込めようというものだと言わざるを得ません。
 地下鉄など「動く箱物」を作らないことで、さいたま市の財政指標は政令市の中では健全であり、子育て支援などいくつかの取り組みは評価できますが、浦和中心・浦和優先で浦和のことしか考えず、大宮を植民地支配するかのような相川市政は、大宮住民から負託を受けた者として、断じて許すわけにはいきません。
◆             ◆
 現在、さいたま市は大きな岐路に立っていると思います。このまま浦和への一極集中を押し進めるのか、それとも大宮・浦和・与野・岩槻が地域の歴史や文化、特性を生かして輝く、緩やかなそして離脱可能な連邦制のような連合都市に舵をとり直すかです。
 さいたま市は「都市内分権」を進めるべきです。旧4市に財政的独立を含めた強い自主権を与え、その地域から上がった税収はその地域のために使い、政令指定都市になったことで加わった新たな財源を、地域格差の是正や大型プロジェクトのために使う仕組みを確立すべきです。
 昨年、市が実施した市民意識調査では、「浦和重点の市政の是正」という不満が、住民税が高いという声を上回って第1位となっています。
 「相川市長は旧浦和市長だから、大宮と浦和の地域対立が解消されない」という意見がありますが、これはまったくの誤りです。
 公共投資・公共サービスの浦和への一極集中が是正されない限り、誰が市長になっても大宮の不満は増大するでしょう。
 一方で、自分たちの富は自分たちの地域のために使い、それぞれの地域にその地域の規模にあった中枢機能を有する公共施設を配置し、自分たちの街のことは自分たちの街で決められる仕組みが確立すれば、誰が市長に就こうと地域間の共存が図れるでしょう。
 以上述べました立場から、浦和への一極集中の道をひた走り続ける、相川市政の予算案には反対いたします。』
※1「子ども総合センター」親子で遊べる大型屋内施設や子育て支援・総合相談の中枢拠点。予算委の質疑で、私や自民党委員が交通の利便性が良い大宮駅周辺の立地を提案したが、市はあくまで浦和区上木崎に限定すると答弁。
※2 「コムナーレ賑わい創出事業」浦和駅東口の賑わいを創出すべく、市が2億2937万円で毎月イベントを開催。予算委で市は「大宮や岩槻では実施しない」と答弁。
※3 武蔵浦和駅前に、南区役所とコミニュティセンター、図書館、子育て総合支援センター、老人福祉センターを併設した10階建ての地域複合公共施設など3棟を建設。今年度の予算は36億3300万円。複合公共施設の分布は、浦和4ヵ所に対して、大宮は1ヵ所(プラザノース)。


議会で意見を述べると処分される
現状に抗議し、一旦辞職しました
 3月12日の本会議で、私は相川市長が提出した議案に反対する理由を述べたところ、相川与党の議員たちが「意見を述べた」ことを理由に、私への懲罰処分を要求しました。
 その後、本会議で行われた弁明(釈明)で、私は「次のような意見を述べたかったに過ぎない」と、ここに掲載した予算案への反対理由を述べたところ、議長が中止を命じたため、私は「無所属議員に本会議での質疑・討論を認めない、さいたま市議会の現状に抗議する」と、辞職願を提出しました。
 2年前の市議選で、私が掲げた「浦和優先の行政・予算配分の是正」という公約に基づいた立場から、党利党略とは一切関係ない無所属議員として、議案・予算案に反対意見を述べただけで、出席停止処分を行う議会は、異常です。
 私は5月24日に実施される補欠選挙を通じ、「すべての議員が発言できる議会」の是非を、住民の皆さんに判断してもらいたいと思います。 
すべての議員が発言できる議会を
 有権者の皆さんの「信」を問います
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

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