2008年12月特別号 (1)
2面   3面   4面
9月議会5億円の盆栽購入したら
盆栽展示施設に11億円!
  維持管理に毎年一億弱の経費も
 昨年12月議会で、さいたま市は5億円の盆栽を栃木県の高木美術館から購入することを決定し、「バブルの頃ならいざ知らず……」と、多くの市民やマスコミから批判を浴びましたが、盆栽購入は実は5億円だけでは終わりませんでした。
 相川市長は9月議会で、5億円で買って来た盆栽を飾るための展示施設を、約11億円(うち建物建築費に8億1795万円、電気・機械工事費に2億5000万円)かけて建設することを提案。10月14日の市議会で、無所属3人を除くすべての議員(自民・公明・民主・共産など)が賛成して可決されました。
 建設費の他にも、盆栽の手入れと盆栽展示施設の維持管理で、毎年9000万円の税金が使われることになります。

たった1日の審議で
盆栽購入の採決強行

 昨年12月の議会では、相川市長はたった1日の審議だけで盆栽購入のための補正予算案を可決するように要望してきました。私は本会議の審議にストップをかけ、「私たち議員に調査をする時間を与えてほしい」と要求しましたが、青羽議長は却下し、採決を強行。
 続けて私は「たった1日の審議で盆栽購入を決めるのなら、5億の盆栽は『疑惑の盆栽』だと、市民の誤解や反発を招きかねない」と発言したところ、青羽議長は「議事録から即刻削除する」と宣言。自民・公明・民主の「相川与党」が賛成して、5億円の盆栽購入が可決されたのです。

5千人が10万20万へ?
あやふやな観光客予想

 さて、10月14日の本会議で、私は盆栽展示施設の建設について、以下のような反対理由を述べました。
①大宮の盆栽文化を全国・世界へ発信することは必要だが、よそから購入した盆栽を展示して、これが「大宮の文化」だと言えるのか。
②5億円の盆栽購入でさえ多くの市民の反発を招いたのに、11億円の施設建設と、年間1億円弱の維持管理費の負担に、市民の理解は得られているのか疑問。
③盆栽展示施設は、高価な建築資材を用いた豪華な建物だが、屋外展示している盆栽を台風上陸時に避難させる場所を考えていないなど、中身はズサン。
④市は年間来場者数を、一昨年は15~20万人と予測していたが、昨年は「10万人来ればありがたい」と言い出し、見通しがあやふや。盆栽の購入元である高木美術館は、年間わずか5000人の来場者しかいない。
⑤盆栽展示施設は土呂2丁目(土呂駅東口南側)に建設されるが、盆栽村との間の道はカーブが続く坂道で、歩道すら設置されていない。観光客のための最低限の環境整備すら行わず、ハコモノ建設を優先するやり方はおかしい。

反対する私の発言に
時間制限5分の暴挙

妨害はねのけ反対意見を堂々表明 すると、青羽議長は私の発言を中断させ、「吉田議員の発言は、5分以内に制限する」と言い出しました。
 私は「こんな制限がまかり通るなら、相川市長の議案に反対する発言は、5分、1分、10秒以内と、多数決でいくらでも制限されかねない」と抗議しましたが、自民・公明・民主の「相川与党」などが賛成して、私の発言は5分以内に制限されました。
 相川市長の議案に反対意見を述べただけで、演壇から引きずり降ろされて負傷させられたうえに、「出席停止7日間」の不当処分を受けた7月議会に較べればまだマシですが、相川議案に反対する発言を多数決で制限するようなやり方は、民主主義の議会にあるまじき暴挙です!

「相川与党」や共産党は
理由言わず黙々と賛成

 結局、盆栽展示施設の建設をめぐっては、誰ひとりとして賛成理由を明らかにしようとせず、採決では、5億円の盆栽購入の時には反対していた共産党も賛成にまわり、無所属3人を除く全員が賛成して可決されました(吉田は反対、日下部議員と北村議員は退席)。
 バブルの頃、「地域経済の活性化」や「村おこし」を掲げて、税金を投じて観光施設を建設した自治体が相次ぎましたが、大部分は来場者数が予想を大きく下回り、多額の借金を抱える結果になりました。
 北海道夕張市も、石炭歴史村やスキー場、遊園地、SL博物館、ロボット科学館などを次々と建て、財政破綻してしまいました。
 さいたま市がその二の舞にならないよう、ハコモノ建設優先の相川市政を、私は今後も厳しくチェックしていきます。

議員年金破綻で 一兆円 要求!?
「国策の合併に協力したから」と市議会で画策
 「消えた年金」問題が世論の激しい批判を浴びていますが、議員年金も、破綻が明らかになりました。
 市議会議員の年金は、毎月報酬の16%を天引きされ(さいたま市の場合は9万9200円)、市もほぼ同額を支出しています。そして12年(3期)以上議員を務めると、65歳以降は在職年数に応じて月額14万4667円から20万2368円の年金を、国民年金とは別に受け取れる仕組みです。
 ところが全国で市町村合併が進み、掛け金を払う議員の数が大幅に減少したため、議員年金は2~3年後に破綻するのです。

「保障要求」で手を結ぶ
与党と共産党を一喝!

 さいたま市議会では11月21日、議員年金に関する説明会が開かれました。
 議員年金を廃止して、全国の議員にこれまで支払った掛け金を全額保障すると、8000億~1兆円の公費投入が必要です
が、関東地方の市議会議長会では、「国策の市町村合併に協力したのだから、市議会議員の年金は全額保障すべきだ」と、全国の市議会が一丸となって国に要求しようと呼びかけています。
 説明会で共産党議員は、「我々は合併には反対したが、議員年金の保障を求めて、合併に賛成した議員と一緒に頑張りたい。要求なら我々は得意です!」と発言し、こともあろうに「相川与党」に媚を売り始めました。
 それを聞いて私は激怒、「住民不在の合併を進めておいて、合併で議員年金が破綻したら1兆円出せだなんて、市民の理解が得られるはずがない。2年前に廃止された国会議員の年金ですら、掛け金の8割しか保障されていない。共産党が相川与党と手を組んで『議員年金を全額保障しろ』と運動するのなら、私は市民と手を組んで『1兆円の公費投入反対』の運動を始める!」と、一喝しました。

住民犠牲の合併認め
特権要求は大胆不敵

 合併で、大宮では高齢者に毎年支給されていた敬老祝い金が、5年ごとの支給に減らされています。
 そんな合併を進めた議員たちが「国策に協力したのだから」と、1兆円を要求するとは、言語道断です。議員年金はパーになっても「自業自得」です!

2008年12月特別号(2)
1面   2面   3面   4面
9月議会一般質問
大宮北部夜間急患診療は実質中止に
相川市長の「こまかし答弁」を許さず詰問  【関連動画】
 さいたま市では、浦和との境に総事業費184億円をかけて市民医療センターを建設中です。来年3月にオープンすると、引き換えに大宮医師会市民病院(宮原メディカルセンター)は閉鎖される予定です。
 大宮医師会市民病院は、24時間いつでも診てもらえる病院として、長年にわたり大宮住民の命を支えてきた存在です。
 私は6月議会の予算委員会に続いて、9月10日の一般質問でもこの問題を取り上げ、大宮北部における夜間休日のオールナイト診療体制の維持について、相川市政を追及しました。
 当日は清水賢一議員(自民党、北区)に続き、執行部を問い詰めました。

清水賢一議員 北区の救急医療体制について、実現の見通しは?
相川市長 大宮医師会の協力により、来年3月以降は大宮総合病院で、夜間休日の小児科・内科の救急診療を実施することになった。
吉田一郎 地元住民にはいまだにきちんとした説明がなく、「人の命も浦和優先か!」と不安や不満が高まっている。
 相川市長は「いい話」を言っているが、現行のオールナイト診療体制は、きちんと維持できるのか?
盛保健福祉局長 小児科・内科の夜間診療は19時から22時まで、休日は9時から17時までを予定している。

 相川市長は「夜間休日の診療を実施」と言いながら、その実態は診療時間が大幅に縮小され、オールナイトではなくなります。
 その後、私が入手した時間表(別表)によれば、夜間診療は実質的に2時間半で、内科は土休日だけの診療です。
 相川市長の答弁とは裏腹に、夜間休日の診療は、「ほんの形だけ」のアリバイ的なものに過ぎません。

大宮総合病院は売却へ
新築移転計画は白紙に

 一方で、社会保険庁が運営する盆栽町の大宮総合病院も、合併後は閉鎖が懸念されています。
 プラザノース付近の市有地に新築して、移転するという話もありました。

清水賢一議員 大宮総合病院の存続の見通しは?
相川市長 経営を引き継ぎたいという法人が現れた。
吉田一郎 交渉が難航した場合、新たな病院は?
盛保健福祉局長プラザノース付近に大宮総合病院を移転させる話は、譲渡先が決定していないので、答えられない。

 結局、大宮総合病院はただの民間病院となり、大宮北部から公的な病院は消えてしまいます。プラザノース付近に新築する話も白紙状態です。
 大宮総合病院でスタートする「形だけ」の夜間休日診療も、民間病院になれば、中止される恐れがあります。
 自民・公明・民主の「相川与党」は、これまで浦和優先の病院移転の予算案にこぞって賛成したうえに、「大宮総合病院が存続し、夜間休日診療も続けられるので、安心してください」等と、相川市長に代わって盛んに言っていますが、トンでもありません!
 大宮総合病院は市が買い取って新築し、市立病院としてオールナイト診療を続けるべきです。
大幅に縮小される大宮の夜間急患診療体制
診療場所 現在
大宮医師会市民病院
09年3月から
大宮総合病院
内 科
(月~金)
19時~朝9時 なし
(土日祝) 19時~朝9時 19時~21時30分
小児科
(月~金)
19時~朝9時 19時~21時30分
(土日祝) 19時~朝9時 19時~21時30分

通院の足も「浦和優先」
 宮原からのバス運行を要求

 大宮医師会市民病院の患者は、移転で市民医療センターへ通うことになります。バスや電車を乗り継いで、片道1時間半以上かけて通えというのでは、肉体的な負担が大きすぎます。

吉田一郎 小学校が統廃合されれば、市が新しい学校までスクールバスを走らせるのは常識だが、宮原地区から市民医療センターまでコミュニティバスを走らせるなど、市が通院の足を責任を持って確保するべきだ。
盛保健福祉局長 大宮駅西口からのバスに加え、バス会社には浦和駅からの病院乗り入れを要望している。西区と桜区のコミュニティバス乗り入れも検討中。

 結局さいたま市は、大宮北部に住む患者のことよりも、「浦和駅からの足の確保」を優先しているのが実状です。許せません!

大宮の募金は大宮の福祉のために
大宮・与野・岩槻の募金が、浦和へ流れる実態を暴露
 さいたま市が抱える最大の問題は、大宮と浦和の予算格差です。合併で大宮と浦和の「財布が1つ」となり、大宮の税収で浦和の開発が進められていますが、福祉の分野でも、大宮と浦和で募金に不平等な格差が存在しています。9月議会で私はその実態を暴露し、「大宮の募金は、大宮の福祉に使える仕組みを!」と訴えました。
 社会福祉協議会(社協)とは、地域の福祉活動の拠点となっている半官半民の団体で、その運営経費は、市民の皆さんから集める賛助会費で賄われています。
 大宮では自治会を通じて、赤い羽根の共同募金や歳末募金、社協の賛助会費納入をお願いしていますが、集金総額を旧市別に見ると、大宮2848万円に対して浦和は1695万円で、1世帯当たりの集金額では、1・83倍もの格差があります。
 これは集金方法が異なるからで、浦和は自治会を通じた募金には消極的です。
 また、歳末助け合い募金も、大宮は自治会など229団体の協力で、各家庭に100円ずつの募金をお願いしていますが、浦和では協力団体はわずか10で、各家庭への「お願い額」もありません。
 集金額や方法が地域ごとに異なるのは、旧大宮・浦和・与野・岩槻市の募金への取り組みに、違いがあったためです。
 合併前は、募金に積極的に取り組んだ地域ほど、地域福祉が充実することになりましたが、さいたま市が成立し、社協も合併して「募金の財布」が1つになると、大宮・与野・岩槻で積極的に集めた募金が、募金集めに消極的な浦和の地域福祉の充実のためにも使われることになり、大宮の社協関係者の間では、不満がくすぶっています。
 そこで私は9月10日の一般質問で、募金の格差について追及しました。

吉田一郎 「大宮の募金が浦和のために使われている」という不満を解消する具体策は?
盛保健福祉局長 集金額の一定の割合(55%)がその地区に配分されるようにしている。
吉田一郎 募金は、地域ごとに長い間で培ってきた関係の上に成り立っている。社協を旧4市別に再分割して「財布」を分け、各地域で長年築いてきたやり方で運営し、「大宮の募金は大宮の福祉のために使う」と明確にすべきだ。
盛保健福祉局長 社会福祉法の規定により、「1市1社協」となっている。【動画で見る】

 実際には、他の政令指定都市では、区ごとに社協を設置している都市が多く、社会福祉法によると、複数の区に跨る社協、つまり旧大宮市の4区で1つの社協を置くことも可能です。
 私は今後も、募金を集めた地区への配分割合を増やすととともに、大宮・浦和・与野・岩槻に「区社協」を設置して、募金の財布を旧市ごとに分け、募金を地元の福祉に使えるように要求していきます。

■社会福祉協議会の賛助会費集金総額
集金総額 (1世帯当たり)
浦 和 1695万2000円 (76.33円)
大 宮 2848万1991円  (140.32円)
与 野 678万6300円 (163.79円)
岩 槻 830万3097円 (187.95円)

■歳末助け合い募金の集金方法
協力団体 世帯お願い額
浦 和 10団体 0円
大 宮 229団体 100円
与 野 42団体 250円
岩 槻 145団体 350円
 (いずれも平成19年度)
GoogleやYahoo!で「やっぱり大宮市民の会」と検索してくださいhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/

2008年12月特別号(3)
1面   2面   3面   4面
補正予算
「公共施設の適正配置」を口実に
浦和への一極集中に抗議
 9月議会の予算委員会で、浦和区に児童・高齢者の複合施設を建設する補正予算案が審議されました。
 市側の説明では、「児童や親子、高齢者が世代を超えて一体となって活動し、遊び、相互交流を促進するための施設」ですが、私が「児童と高齢者が、具体的にどのように遊ぶのか」を問いただしたところ、市側の答弁は「施設が完成してから考える」というものでした。これでは本末転倒です。
 結局のところ、児童や高齢者のニーズよりも、さいたま市の「公共施設の適正配置方針」に基づいて、浦和区に児童センターや老人福祉センターが未整備なので、建設を急いだものだと言わざるを得ません。
 さいたま市は相川市長の下で、「公共施設の適正配置方針」なるものを策定し、これに基づいて中央図書館や市民活動サポートセンターなどを浦和に建設し、地域中核拠点は大宮1ヵ所(プラザノース)に対して浦和は4ヵ所など、浦和への一極集中を進めています。
 また大宮の病院や保健所を、次々と浦和の方へ移す一方で、市役所は合併協定書を反故にしてまで浦和から動かそうとしません。
 予算委員会では、私はこの点を指摘し、「さいたま市の公共施設の配置を端的に言えば、『浦和にないものは浦和に作り、大宮にないものも浦和に作り、大宮にあるものは浦和へ移し、浦和にあるものは動かさない』ということだ」と、相川補正予算に反対しました。
 「公共施設の適正配置方針」
 に基づいた今後の施設建設
 ●南区役所、図書館等複合施設
 ●浦和区児童・高齢者複合施設
 ●緑区児童センター
 ●南区谷田部公民館
 (大宮、与野、岩槻は無し)

12月3日加藤議員の一般質問への答弁よリ

年金からの市民税天引き
またも民主党が二枚舌
年金は多くの高齢者にとって唯一の収入です。ところが政府は、介護保険や国民健康保険、後期高齢者医療保険を、次々と年金から天引きし始めています。
 そして相川市長は、市民税も年金から天引きしようと、「市税条例の改正」を9月議会に提案しました。
 市では「納税の手間が省ける」と、あたかも高齢者の利便性を図ったかの制度であるかのように説明していますが、自ら納税するか天引きしてもらうかは、納税者に選択させるべきです。
 年金からの天引きは、今後あらゆる税金や公共料金にも拡大されかねません。
 高齢者の命を守る病院が浦和の方へ移され、市民税は年金から強制的に天引きし、浦和の開発予算に注ぎ込むやり方は許せません!
 年金からの市民税天引きについて、国会では民主党が厳しく批判し、参議院で武内則男議員が「言語道断であり、撤回すべき」と政府を追及しています。
 ところが、さいたま市議会では、民主党は「納税が6回に分割され、高齢者が便利になる」と、相川市政と口を揃えています。
 10月14日の本会議で、私は武内議員の発言を引用して、市民税天引きに反対するよう呼びかけましたが、民主党は自民・公明両党とともに賛成に回り、相川市長の提案は可決されました。

人選不透明の海外視察
浦和優先の相川決算

9議案に反対しました
吉田一郎が反対した議案
■一般会計補正予算(2)
 浦和の県庁通りに並行して、総額211億円を注ぎ込み建設中の4車線道路「田島大牧線」への追加支出や、浦和区の児童・高齢者の複合施設建設《上の記事参照》に反対しました。
■平成19年度一般会計及び特別会計決算
 これまでに1000億円以上の税金を投じた浦和駅周辺の再開発や、大宮図書館から多数の蔵書を奪おうとした中央図書館の開館、わずか160名の生徒のために30億円も投じた浦和中学の建設や、大宮医師会市民病院の浦和との境への移転など、「浦和優先」の決算内容に反対しました。
■平成19年度下水道事業会計決算
南浦和の下水道工事から出た残土に、人体に有害なヒ素が混入しているのを知りながら大宮へ運び込み、指扇小学校の隣に山積みしていた事件が発生。議会の目を欺こうとしたうえ、いまだ父兄に説明しないのは問題だと反対しました。
■政務調査費交付条例改正
 政務調査費は本来廃止すべきとの立場から反対。
■市税条例の改正《上の記事参照》
■財産の交換、譲与、無償貸付条例の改正
 庁舎や学校など市の建物を、相川市長の裁量次第で民間企業等にタダもしくは格安の値段で、長期的に貸し出せるようにする制度。「市長の裁量」の基準も曖昧で、市民の財産を安易に企業へ提供するのは反対。
■盆栽関連施設の建築工事1面参照
■ニュージーランド視察
 自民党、民主党、自民彩政会の議員3名が海外視察。私は10月14日の本会議で「人選について市民に説明すべきだ」と求めましたが、青羽議長は具体的な根拠は説明せず、「各派代表者会議で決めた」、つまり議長応接室に各政党・会派の代表が集まり、「談合」のように決めたことを明らかにしました。そこで、人選が不透明な海外視察はおかしいと反対しました。
■議員定数の削減
 合併によって議員の数は、131→64と半分以下に減りましたが、これ以上減らしては、市議会は大政党がほとんどの議席を占め、住民の声が届きにくくなります。定数削減によって年間7050万円が浮くといいますが、それならば4年前に大幅アップした議員報酬と政務調査費をもとに戻せば年間1億2500万円が浮き、政務調査費を廃止すれば2億6100万円が節約できます。そちらを優先すべきです。

地方自治法133条に基づき
神田議員(共産)の処分要求

 8月下旬、共産党が私の懲罰問題に関して「暴力排除はなかった」などと、事実に基づかず、偽りの解釈によるビラを一部地域で配布していましたが、9月3日の本会議では、神田義行議員(共産党、北区)が発言の中で、私を「嘘つき呼ばわり」するという暴挙に出ました。
 議員が他の議員の言論を批判し、論争を行うことは、民主主義の議会として当然ですが、具体的な根拠や理由を一切明らかにせずに、相手を罵倒するやり方は、ルール以前の問題です。
 そこで私は、地方自治法第133条(侮辱を受けた議員による処分要求)に基づいて、青羽健仁議長に対し、神田議員の処分を求める要望書を提出しました。
 10月9日の議会運営委員会では、要望書の取り扱いについて協議が行われましたが、神田議員は地方自治法第117条やさいたま市議会委員会条例第18条(特定の議員の利害に関わる審議には、その議員は出席できない)などの規定を無視して委員会室に居座り続け、自己弁護を繰り返しました。
 委員会での審査は、法律に基づいて行われなくてはなりません。それを無視して委員会室に不法に居座る行為は、到底許されるものではありません。
 結局、神田議員の「侮辱発言」は、9月議会の議事録から削除されました。
2008年9月議会の会派別議案賛否一覧表
『吉田一郎 市政レポート』のバックナンバーや、市議会での動画集が、インターネットでご覧になれます!

2008年12月特別号(4)
1面   2面   3面   4面
市議会議員吉田一郎
ジャーナリスト活動 この一年
 私は昨年5月から市議会議員になりました が、ジャーナリストとして20年間、世界各地 の独立紛争や民族対立、植民地支配などを取材してきました。それらを通じて得た知識と経験を生かして、「ふるさと大宮の自治と独立」のために全力で闘っています!
著書・好評発売中
国境の謎がわかる本国境線の謎がわかる本
【監修】吉田一郎 【編著】造事務所
大和書房 ¥1,365 新刊(08年10月発売)

 地球上に存在する多種多様な国境線のうち、謎に満ちたものをエリア別に地図やイラストを多用して解説した本。
 国境線が引かれた経緯やエピソード、現状などを説明し、世界各地の民族紛争や独立問題のニュースが理解しやすくなる入門書です。

国マニア■国マニア
【著】吉田一郎 交通新聞社 ¥1,500
 勝手に独立したり、国内に政府がなかったり、領土がなかったりと、世界には驚くべき国があるのです。そんな日本のジョーシキでは考えられない52ヵ国・地域を紹介。「国」とは一体なんな
のでしょう?真面目なのに笑えます。真面目だから考えさせられます。電車の中で読むのに最適の一冊です。

世界の飛び地大全■世界飛び地大全
 ~不思議な国境線の舞台裏~
【著】吉田一郎 社会評論社 ¥2,520
「飛び地」とは、他国領によって分断された領土のこと。世界地図を眺めていると気になる飛び地を切り口に、歴史的な領土の変遷を植民地主義、民族主義、そして宗教を横糸にして、詳細に解説しています。
 ロンドンの街中に1日だけ存在したユーコスラビアの領土や、カダフィ大佐のわがままで生まれたオランダ国内のスコットランド領など、世界史に埋もれた領土問題を掘り起こした超マニアックな本。

九龍城探訪■九龍城探訪
 ~City of Darkness~
【監修】吉田一郎 【訳】尾原美保
【著】クレッグ・ジラード、イアン・ランポット
イーストプレス ¥3,675

 イギリス植民地時代の香港で、あらゆる国の法律が及ばない一角だった九龍城砦。私は香港に留学していた85年から86年にかけて、「家賃の安さ」につられてここで生活していました。
 香港の中国返還を前に、93年に取り壊された九龍城砦は、あらゆる悪事がはびこる「魔窟」だと恐れられていましたが、実際にそこで暮らしていた人たちの日常生活を、写真とインタビューを中心に紹介した本です。
ラ ジ オ 出 演
■TBS『Kakiiin』(1/25)
■文化放送『ヤマモト世界旅行社』(4/26)
■TBS『安住伸一郎の日曜天国』(5/4)
ラジオ出演■文化放送『吉田照美ソコダイジナトコ』(5/29)
■FM J-WAVE『朝日新聞Book Bar』(8/9)

 これらの番組では、世界の珍国家や不思議な国境線をめぐるエピソードの紹介や、パレスチナのガザ、南オセチアなど、その時々にニュースとなっていた独立紛争や民族・領土問題などを解説しながら、さいたま市議会議員として、住民不在の合併によって予算や病院などの公共施設を次々と浦和に奪われ、まるで植民地のように扱われている大宮の現状を、全国に向けて訴えました。
雑 誌 掲 載
■流れ星国家の現代史
雑誌『旅行人』157号(08年上期号)
雑誌 旅行人 戦後独立を果たしたものの、瞬く間に消えてしまい、世界地図や教科書に載らなかった小国の興亡を綴ったエッセイ。
・ベニン共和国(たった1日で消滅した「飢餓の国」の傀儡国家)
・アイレク共和国(リストラされた政府軍とゲリラが「ワニを捕らせろ」と大同団結)
・ロツマ共和国(カラテで島民を驚かせた男がクーデターに乗じて独立宣言)
・アドゥアン人民共和国(英軍にココナヅソを売りたいと独立したサンゴ礁の島々)
・アンジュアン、モヘリ(隣の島に威張られるくらいなら「植民地に戻りたい」と独立)
・ルウェンズルル王国(地球温暖化で独立を断念した『ジャングル大帝』の舞台)
・オマーン・イマーム国(石油採掘の邪魔だと滅ぼされた、もう1つのオマーン)
・自由ヤナム(「ガンジー精神」で争った亡命市役所と傀儡市役所)
イ ン タ ビ ュ ー
■ちば飛び地物語4 権力者の都合で分断─「世界飛び地領土研究会」代表に聞く
『毎日新聞 千葉版』08年4月12日付
 他国に領土を分断された「飛び地」が形成された背景を、世界史的に解説しました。
■九龍城で生活、日本で引きこもり、議員になった“飛び地男”
ASCll.jpデジタル(インターネット)
http://ascii.jp/elem/000/000/066/66796/
 私が香港や領土問題に興味を持ったきっかけや、政治の世界に転じた経緯を語った半生記。
国際ジャーナリストの視点で浦和優先の相川市政を批判
「昨日まで、この市議会の前でハンガーストライキ、ご飯を食べずに1週間座り込んでいましたが、座り込みながら何をしていたかというと、実は来月新たな著書が出版されますので、その校閲もしていました。
 いわゆる世界の独立紛争についての本ですが、原稿をチェックして改めて感じたことは、やはり現代の独立紛争の背景には、富の配分という問題が絡んでいる場合が多い。つまり、自分たちの地域の富を、中央政府がある首都に奪われることへの不満、自分たちの地域の富は、自分たちの地域の発展のために使いたいという住民の怒りがあるように思います。
 翻って我が大宮ですが、合併以降の住民の不満にも共通する面があるかと思います。今回は『募金の話』でございます」……《2面参照
(08年9月10日 一般質問にて)

 「合併によって成立した本市は、『一体性のある街づくり』を口実に、浦和への一極集中を進めるべきではなく、旧4市からの税収はその地域のために使い、政令指定都市移行に伴う新たな財源を、格差是正のために使う仕組みを確立すべきであり、大宮・浦和・与野・岩槻がそれぞれの伝統と文化を独自に発展させつつ、緩やかなそして離脱可能な連邦制のような連合都市を目指すべきです。
 したがって、浦和中心・浦和優先の相川市政の決算認定には反対いたします」…《2面参照
(08年10月14日 本会議にて)

 吉田一郎プロフィール 
1963(昭和38)年11月3日生まれ。
 若竹幼稚園、東大成小、植竹中、県立上尾高卒。法政大学社会学部卒。早稲田大学大学院修士(国際関係学専攻)。
 香港中文大学に留学の後、『香港ポスト』記者、月刊『香港通信』編集長、日刊『香港ビジネスポスト』編集長などを歴任しながら、ジャーナリストとしてアジア各地の紛争地帯を取材し、『AERA』『SAPIO』などに寄稿。またNHK国際放送(中国語)のレポーターとして、香港返還前後の話題を中国本土へ伝える。
 12年間の海外生活を終えて日本に帰国したところ、故郷・大宮が住民不在の合併と「浦和優先」の相川市政によって蹂躙されている現状に憤慨し、政治活動に身を投じる。
 2007年の統一地方選で、「相川市政と全力で勝負だ!」、「浦和優先の行政・予算配分の是正を」「私たちの街・大宮の自治と独立」を掲げ、さいたま市議(北区・無所属)に初当選。
東ティモールの独立ゲリラ支配地区を取材東ティモールの独立ゲリラ支配地区を取材
      (2000年夏、左下が私)
吉田一郎は、相川市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

HOME | TOP| 市政レポート一覧
inserted by FC2 system