2008年10月21日 第12号 (1)
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5億円の盆栽を購入したら… こんどは盆栽展示施設に11億円!
維持管理に毎年1億円弱の費用。反対する意見に「相川与党」らが時間制限の暴挙!
 昨年12月議会で、さいたま市は5億円の盆栽を栃木県の高木美術館から購入することを決定し、「バブルの頃ならいざ知らず…」と、多くの市民やマスコミから批判を浴びましたが、盆栽購入は実は5億円だけでは終わりませんでした。
 相川市長は、盆栽を展示するための施設を約11億円(うち建物建築費に8億1795万円、電気・機械工事費に2億5000万円)かけて建設することを提案。10月14日の市議会で、無所属議員3人を除くすべての議員(自民・公明・民主・共産など)が賛成して可決されました。
 建設費の他にも、盆栽の手入れと盆栽展示施設の維持管理で、毎年9000万円の税金が使われることになります。

たった1日の審議で採決強行された5億円の盆栽購入
 昨年12月の議会では、相川市長はたった1日の審議だけで盆栽購入のための補正予算案を可決するように要望してきました。私は本会議の審議にストップをかけ、「私たち議員に調査をする時間を与えてほしい」と要求しましたが、青羽議長は却下し、採決を強行。続けて私は「たった1日の審議で盆栽購入を決めるのなら、5億の盆栽は『疑惑の盆栽』だと、市民の誤解や反発を招きかねない」と抗議したところ、青羽議長は「議事録から即刻削除する」と宣言。自民・公明・民主の「相川与党」が賛成して、5億円の盆栽購入が可決されたのです。

あやふやな観光客の予測数。わずか1年間で半減!?
さて、10月14日の本会議で、私は盆栽展示施設の建設について、以下のような反対理由を述べました。
(1)大宮の盆栽文化を全国・世界へ発信することは必要だが、よそから購入した盆栽を展示して、これが「大宮の文化」だと言えるのか。
(2)5億円の盆栽購入でさえ多くの市民の反発を招いたのに、11億円の施設建設と、年間1億円弱の維持管理費の負担に、市民の理解は得られているのか疑問。
(3)盆栽展示施設は、高価な建築資材を用いた豪華な建物だが、屋外展示している盆栽を台風上陸時に避難させる場所を考えていないなど、中身はズサン。
(4)市は年間来場者数を、一昨年は15~20万人と予測していたが、昨年は「10万人来ればありがたい」と言い出し、見通しがあやふや。盆栽の購入元である高木美術館は、年間わずか5000人の来場者しかいない。
(5)盆栽展示施設は土呂2丁目(土呂駅東口南側)に建設されるが、盆栽村との間の道はカーブが続く坂道で、歩道すら設置されていない。観光客のための最低限の環境整備すら行わず、ハコモノ建設を優先するやり方はおかしい。

反対する私の発言に、「相川与党」が5分の時間制限
 すると、青羽議長は私の発言を中断させ、「吉田議員の発言は、5分以内に制限する」と言い出しました。
 私は「こんな制限がまかり通るなら、相川市長の議案に反対する発言は、5分、1分、10秒以内と、多数決でいくらでも制限されかねない」と抗議しましたが、自民・公明・民主の「相川与党」などが賛成して、私の発言は5分以内に制限されました。
 相川市長の議案に反対意見を述べただけで、演壇から引きずり降ろされて負傷させられたうえに、「出席停止7日間」の不当処分を受けた7月議会に較べればまだマシですが、相川議案に反対する発言を多数決で制限するようなやり方は、民主主義の議会にあるまじき暴挙です!

「相川与党」や共産党は、理由も言わず黙々と賛成
 結局、盆栽展示施設の建設をめぐっては、誰ひとりとして賛成理由を明らかにしようとせず、採決では、5億円の盆栽購入の時には反対していた共産党も賛成にまわり、無所属議員3人を除く全員が賛成して可決されました(吉田は反対日下部議員と北村議員は退席)。
 バブルの頃、税金を投じてこけし会館などの観光施設を建設した自治体が相次ぎましたが、来場者数は予想を大きく下回り、財政破綻を招く結果になりました。
 さいたま市がその二の舞にならないよう、ハコモノ建設優先の相川市政を、私は今後も厳しくチェックしていきます。
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

(2)
2008年9月議会の会派別議案賛否一覧表
■政務調査費交付条例の改正
 政務調査費は本来廃止すべきとの立場から反対。
■一般会計補正予算(2)
 浦和の県庁通りに並行して、総額211億円を注ぎ込み建設中の4車線道路「田島大牧線」に、さらに追加支出を行ったり、施設の利用方法も考えずに、高齢者・児童の複合施設を建設しようとするのはおかしいと反対しました。
■平成19年度一般会計及び特別会計決算
 これまでに1000億円以上の税金を投じた浦和駅周辺の再開発や、大宮図書館から多数の蔵書を奪おうとした中央図書館の開館、わずか160名の生徒のために30億円も投じた浦和中学の建設や、大宮医師会病院の浦和との境への移転など、「浦和優先」の決算内容に反対。
■平成19年度下水道事業会計決算
 南浦和の下水道工事から出た残土に、人体に有害なヒ素が混入しているのを知りながら大宮へ運び込み、指扇小学校の隣に山積みしていた事件が発生。議会の目を欺こうとしたうえ、いまだ父兄に説明しないのは問題だと反対。
■市税条例の改正
 介護保険、国保、後期高齢者医療保険に続き、市民税も高齢者の年金から天引きしようとする制度。
■財産の交換、譲与、無償貸付条例の改正
 市民の財産である公共施設を、相川市長の裁量次第で民間企業に格安またはタダで貸し付けようとする制度。
■盆栽関連施設の建築工事請負契約
 ≪表面参照≫
■議員派遣(ニュージーランドへの海外視察)
 自民党・民主党・自民彩政会の3人を海外視察に派遣(議長応接室に各政党・会派の代表が集まり、「談合」のように決めた人選は不透明であり、反対しました。
■議員定数の削減(64→60)
 合併によって議員の数は、131→64と半分以下に減りましたが、これ以上減らしては、市議会は大政党がほとんどの議席を占め、住民の声が届きにくくなります。定数削減によって年間7050万円が浮くといいますが、それならば4年前に大幅アップした議員報酬と政務調査費をもとに戻せば年間1億2500万円が浮き、政務調査費を廃止すれば2億6100万円が節約できます。そちらを優先すべきです。

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