2008年7月1日 第11号 (1)
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委員会での予算審議 無所属議員の発言を3分の1に制限!
「相川与党」が再び横暴!関根委員長、今村・高木副委員長が前代未聞の提案
 議会には、本会議と委員会があります。市長が提出した議案は、まず委員会でじっくり審査した後に、最終日の本会議で全ての議員が参加して、多数決で決定する仕組みです。
 さいたま市議会では、「議会改革」の一環として、今年から委員会の再編が行われ、これまで2月議会の会期中しか開かれなかった予算委員会が、年間を通じて開催されるようになり、私も今年は予算委員の1人になりました。
 しかし、自民・公明・民主の「相川与党」は、無所属の委員(=私)の発言時間を、今年から3分の1に制限しようと秘かに「談合」で画策し、正副委員長案として提出してきました。

我が国初の暴挙に、記者会見で「命賭けの戦い」宣言
 6月議会の予算委員会は、7月1日から4日まで開催されます。1日は補正予算案の内容について執行部からの説明と質疑(委員からの質問)、2日と3日は予算編成について各部局からの説明、4日は参考人の意見陳述と、補正予算に対する討論(意見表明)および採決が行われますが、その具体的な運営方法については、理事会(各政党・会派1人ずつの理事で構成)で協議されます。
 6月6日の理事会では、関根委員長(自民党・北区)と今村副委員長(公明党・北区)、高木副委員長(民主党・北区)が、討論での発言時間について「会派所属委員は15分以内、無所属の委員は5分以内」と提案。理事からは「無所属の発言時間が短すぎる」という声も挙がりましたが、11日の予算委員会に原案を提出することが了承されました。
 さいたま市議会では、法的な根拠がない「申し合わせ事項」によって、本会議では無所属議員の討論を認めない状態が続いていますが、委員会ではこれまで無所属議員も平等な発言権が認められていました(予算委員会では会派所属も無所属も10分、補正予算審議では制限なし)。それで何の不都合もなかったにも関わらず、今年から無所属議員の発言時間を3分の1に制限しようというのは理不尽です。
 また全国の地方自治体でも、委員会で無所属議員の発言権を制約するという議会はありません。
 オブザーバーとして理事会に参加していた私は、正副委員長案に強く抗議して退席するとともに、6月10日に「無所属議員にも平等な発言権を求める要望書」を正副委員長や青羽議長に提出。同時に記者会見を開いて「議員にとって発言による意見表明は命であり、私は文字通り命賭けの戦いで委員会での発言権を守り抜く」と表明しました。

自民・公明・民主の「談合」による改革に不満爆発!
 また自民彩政会(4月に自民党から分裂して結成)や共産党、みどりの風(5月に自治ネットと行政研究会が合併)など、「談合」から排除された会派からも、「正副委員長案はおかしい」との声が挙がり始めました。
 そして6月11日の予算委員会では、私が「無所属議員の発言権を3分の1に制約することは、我が国の地方議会史上、前代未聞の暴挙だ!」と抗議したのを皮切りに、自民彩政会や共産党、みどりの風の委員たちが次々と正副委員長案を批判。私の発言権問題の他にも、正副委員長案では「委員が質疑する内容は、6月20日までにあらかじめ執行部へ通告すること」となっていた点も、「7月1日に補正予算案の説明を受けるのに、その前に質問項目を知らせろというのはおかしい」等の疑問が噴出しました。
 結局、10分足らずで正副委員長案を承認して終わるはずだった予算委員会は、2時間以上にわたり紛糾。質疑は当日でも自由に行えることになり、無所属議員の発言権も、関根委員長が「吉田委員等の意見を参考にして、9月議会からは見直す」と表明して、ケリがつきました。


 さいたま市議会では、「議会改革」が本格化していますが、自民・公明・民主の「相川与党」が、まず「談合」によって改革内容を打ち合わせ、「正副委員長案」と称して他の会派に押しつけようとする手法が横行しています。
 これでは「開かれた議会」「民主的な議会」を目指した改革は実現できません。私は今後も密室談合の市議会を変えるため、最先頭で闘います!
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

(2)
病院経由で便利になったが… コミュニティバスの土曜運行を強く要求
 北区のコミュニティバスの路線が5月26日から変更され、大宮総合病院と大宮中央病院を通るようになりました。
 通院に使えるようになったのは便利ですが、新たな問題が起きています。中央病院は土曜日もオープンしているのに、コミュニティバスは土日運休なのです。
 コミュニティバスはもともと、交通が不便な場所に設置された区役所へ行くための手段として運行が始まり、区役所が休みの土日は運行していません。これまでさまざまな議員が「土日も運行を」と要望してきましたが、市側は運行経費が増大することを理由に、頑として拒否していました。
 そこで私は、6月24日のまちづくり委員会で改めてこの問題を取り上げ、「病院を経由して利用促進を図るなら、せめて病院が開いている土曜の運行は早急に検討すべきだ」と指摘。コミュニティバスを土曜運行した場合と、土日運行した場合で、それぞれ具体的にどれだけ経費が増えるのかを問いただしました。
 都市計画部長の答弁によると、コミュニティバス(6路線)運行による赤字額は年間約1億5686万円ですが、土曜も運行した場合の赤字増は2140万円、土日運行なら赤字増は4550万円と試算しているとのこと。
 つまり土曜に運行すると、赤字額は14%増える計算ですが、北区のバスは病院を経由したことによって乗客数(=運賃収入)がわずか半月で2割アップしたともいいます。
 通院利用を積極的に図ることによって、土曜運行の赤字増はもっと抑えられるはずです。土曜運行の実現に向けて今後も粘り強く要求を続けていきます。

大47(第二住宅/吉野町車庫)などバス廃止に反対
 続いて私は、バス路線の維持についても追及しました。
 大宮駅東口から産業道路を北上する東武バス(大47第二住宅経由吉野町車庫ゆき)は、かつては1時間に3~4本運行される幹線でしたが、どんどん本数が減って、今年4月から1日わずか3本(土日は2本)になりました。
 同時に大宮駅からは、浦和県庁前や日赤病院へ行くバスも廃止になっています。
 さいたま市では、ニューシャトルの各駅にエレベーターが設置できるかどうか調査を始めましたが、ニューシャトルの駅は構造上エレベーター設置が難しく、すべての駅に建設すれば数億から十数億の費用がかかります。
 また高齢者にとっては、ニューシャトルの駅まで歩くのも大変です。まず既存のバス路線を維持して、自宅近くから気軽にバスに乗れる環境を守ることこそ大事です。
 お隣の上尾市では、市がバス会社に補助金を出して上尾駅~原市”東大宮駅の路線バスを、1時間に1~2本維持させています。そこで私は上尾市の例を紹介して、「エレベーター建設にかかる金額の100分の1を、今あるバス路線の維持のために使うべきだ」と重ねて要望しました。

合併で消えた道路構想 自衛隊通りと大和田公園通りの直結を提案
 サティやステラタウン、そして鉄道博物館のオープンで、大宮北部地域では交通渋滞が年々悪化しています。
 これは大宮の市街地を避けて、北部を東西に一直線で横断する道路が存在しないためです。
 いちおう都市計画道路(指扇宮ヶ谷塔線)がありますが、20年前に大成4丁目(国道17号)と保健センター入口(旧中仙道)の間が整備されただけで、その後は放置状態となり、現在は浦和や新都心の道路整備が優先されて後回しとなり、全通の見通しは立っていません。
 ところで、私が旧大宮市の都市計画マスタープランを調べたところ、指扇宮ヶ谷塔線の約1km南側に、大宮北部を東西に横断する別の道路が記載されていたことを発見。どうやら大宮市時代には、自衛隊通りと大和田公園通りを結ぶ構想が存在したようです。
 今後何百億円もかけて、何百軒もの家を立ち退かせなければ開通しない指扇宮ヶ谷塔線とは違って、自衛隊通りと大和田公園通りなら、北中学校と寿能町交差点との間の100メートル足らずを整備すれば、大宮西警察(新大宮バイパス)と大成三丁目(17号)、赤芝(旧中仙道)、寿能町(産業道路)、大和田(第二産業道路)、蓮沼(旧16号)が一直線につながります
 私は6月24日のまちづくり委員会で、なぜ大宮市時代の道路構想がさいたま市になったら消えたのかを追及。市側は「4年前に旧市の計画を見直した時に構想から外した」と釈明していましたが、私は鉄道博物館と盆栽村などを結ぶ観光ルートとしても改めて整備が必要不可欠だと強調し、都市計画部長に今後の再見直しを約束させました。
 まちづくり委員会では、松本敏雄議員(みどりの風・大宮区)も、浦和優先の道路整備を批判していました。やはり、大宮の税収は大宮の街づくりに使える仕組みが必要です!

大宮市時代の都市計画マスタープラン
大宮市時代の都市計画マスタープラン。
上の実線が指扇宮ヶ谷塔線、下の点線が消えた道路構想

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