2008年2月10日 第9号 (1)
2面へ
許せない! 人の命も浦和優先 浦和の有害残土を大宮へ!
ヒ素が積出された南浦和の下水工事の産廃残土を、指扇小学校の隣に半年近くも山積み
 さいたま市が南浦和の下水道整備で出た産廃残土から、人体に有害なヒ素が国の安全基準値の2・2倍も検出されていたにも関わらず、土地区画整理事業を行っている指扇の造成地に運び込み、盛り土として使用していた事件が1月17日付の新聞各紙で報道されました。
 産廃残土からヒ素が検出されたのは昨年7月ですが、市は12月まで指扇へ3万8000立方メートルの残土を搬入し続けていました。現在では残土搬入は中止し、新聞報道によれば「飛散防止のためシートを被せた」とあり、今後は残土を回収して、セメント工場に運び込んで無害化処理をする予定ですが、その費用は17億円と見積もられています。

マスコミの目を欺こうとした事実を、独自調査で明らかに
 私は担当部署に残土搬入の場所を問い合わせましたが、具体的な位置は「区画整理のことなのでわからない」と曖昧な返事。そこで1月19日、自転車で現地へ出かけました。
 西大宮バイパス両側に何ヵ所か大きな盛り土があり、うち1ヵ所は、指扇小学校の校庭のすぐ隣でした。周辺住民に聞き込み調査を行ったところ、シートが被せられたのは1月中旬(新聞報道の数日前)になってからでした。
 指扇小学校の子供たちは何ヵ月もの間、ヒ素が混入した土煙を浴びていたことになります。
 21日に改めて担当部署を問いただし、具体的な場所の1つが指扇小学校の隣接地であることを認めさせました。
 有害残土を山積みした場所が小学校の横であることは、なぜか新聞では報じられませんでした。その後の私の調査で、市が報道各社に配った資料の地図では「指扇小学校」の文字が塗り消されたうえ、具体的な場所を報道しないよう各社に要請していたことが明らかになりました。マスコミの目を欺こうとした相川市政の隠蔽姿勢は、言語道断です!

大宮の下水道普及率は10%低いのに、整備は浦和優先
 都市開発、道路整備、公共施設の建設…ことごとく「浦和優先」のさいたま市ですが、下水道整備も同様です。
 昨年3月末の下水道普及率は、浦和が87・6%に対して大宮は77・7%と、10%も格差があります。特に指扇などの西区は40・1%で、全市平均(82・4%)の半分以下です。
■さいたま市の下水道普及率82.4%(07年3月末)
北区99.4% 大宮区99.1% 見沼区64.0% 西区40.1% 浦和区99.6% 南区90.5% 桜区81.1% 緑区72.6% (旧大宮市全体77.7% 旧浦和市全体87.6%)中央区(旧与野市)99.8% 岩槻区(旧岩槻市)64.1%

 それにも関わらず、市は浦和優先の整備を続けようとしています。12月議会で今年度の新たな下水道認可区域の議案審査を行いましたが、恩恵を受ける面積と人口は、浦和が375・2ヘクタール(1万2000人)に対して、大宮はたった7・8ヘクタール(800人)。岩槻は73・9ヘクタール(500人)でした。面積で実に50倍、人口でも15倍という格差です。
 合併前の4市が財政的に独立し、大宮の税収は大宮の下水道整備のために使える制度が必要です。
 大宮住民の命を守る病院や保健所を、次々と浦和の方へ移したうえに、浦和優先の下水道整備を進め、そこから出た産廃残土にヒ素が混入していると知りながら大宮へ運び込み、小学校の隣に山積みしていた相川市政を断じて許せません。
 私は2月議会で、この事件を徹底的に追及します!

小学校の校庭(手前)のすぐ隣にヒ素入り残土の山
小学校の校庭(手前)のすぐ隣にヒ素入り残土の山

「小学校」の字が塗り消されていた報道各社への配布地図
「小学校」の字が塗り消されていた報道各社への配布地図
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

(2)
チェック機能強化に自民・公明・民主が抵抗「議会改革・冬の陣」突入へ
 市議会では1年間にわたり議会改革を進めています。
 議会改革を論議しているのは議会運営委員会(議運)です。議運は5人以上の交渉会派(自民、公明、民主、共産)で構成され、4人以下の小会派(無所属の会、自治ネット、行政研究会)は制限付きで発言だけ許され、私は会派に属していないので、論議に加わることができませんでした。しかも実質的な論議は、市民や報道関係者が傍聴できない「議運理事会」という場で話し合われていました。
 そこで私は「市民への公開」「行政に対するチェック機能の強化」など、議会改革に関する提案を請願の形で提出し、12月5日の本会議で審議されました。私の提案には、小会派や共産党が一部賛同しましたが、自民・公明・民主の「相川与党」が全ての改革項目に反対して、否決されました。

議会の内と外で異なる主張に、本会議で「喝!」
 請願の採決に先立って、私は本会議で議運での審査報告を追及し、「議会の内と外とで、主張が異なることがあってはならない」と厳しく警告しました。
 議会改革を巡っては、有権者の前で言っていることと、実際の議場での態度が食い違っている議員が目立ちます。
 例えば、民主党は盛んに「議会改革」を掲げ、「一問一答形式」や「『市議会だより』で一般質問を行った議員の名前掲載」等を実現すべきとアピールしている議員もいますが、議会では同じ主旨の請願に反対しているのです。
 私は、議会の内と外とで言っていることが異なっていた議員が「市民を愚弄している」と批判され、本会議で陳謝に至った5年前の例を挙げ、「議員1人1人が議会の内と外との整合性について、重い責任を負うべきだ」と訴えましたが、しょせん馬の耳に念仏だったようです。
 私が提出した請願のうち、「無所属議員の発言権」や「議会改革論議にすべての議員を参加させること」「議会の土日開催」については、実現に向けて継続審査となりました。
 現在のさいたま市議会では、法的根拠が無い「申し合わせ事項」によって、会派に属さない無所属議員は、本会議で討論に参加し発言できないことになっています。
「会派主義」の横暴に対して、これまでの無所属議員は泣き寝入りをしていましたが、私は「討論で発言ができないのなら、あらゆる手段を使って議員としての意見を表明する!」と宣戦布告し、委員会報告への追及や、議事進行や採決への異議申し立て等を積極的に繰り返して、12月議会までの登壇回数は24回と、圧倒的なトップです。

請願否決されても実を取り、議会改革のメンバーに
 私の請願は否決されましたが、「無所属議員を排除して議会改革を進めたら、吉田が騒いで混乱するだけだ」と、1月から新たに「議運理事懇談会」が発足しました。
 これは従来の議運理事会(各政党・会派の代表1人ずつで構成)に私が加わり、具体的な議会改革を、自由に意見を出し合いながら進めるというものです。2月議会以降は、市民が傍聴できる議会改革特別委員会も発足します。
 1月17日の懇談会で、私は(1)一般質問の答弁者を議員が指名できるようにすべき、(2)形骸化している常任委員会での審議を改め、質疑(行政側への質問、追及)と討論・採決を別々の日程で行うようにすべき…等を提案しました。
 ようやく無所属議員も参加する形で、議会改革の話し合いがスタートしました。今後も「すべての議員が参加できる議会」「行政に対するチェック機能を果たせる議会」「市民に開かれた議会」の実現に向け、全力で頑張ります!吉田一郎が提出した議会改革についての主な請願内容

HOME | TOP| 市政レポート一覧
inserted by FC2 system