2007年12月26日 第8号 (1)
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盆栽購入5億円の相川補正予算たった1日で採決強行!
議会の基本ルールより「売主の都合」を優先する市長。批判する発言は片っ端から削除!
 相川市長が栃木県の美術館から5億円の盆栽を購入しようとしていることに対して、1年前にマスコミなどで大きな論議を呼んでいましたが、相川市長は12月5日から始まった議会で、盆栽購入のための5億円を計上する補正予算案を提出。たった1日の審議だけで、自民・公明・民主党の「相川与党」などが賛成し、可決されました。

「議員に調査する時間を与えてほしい」…議長が却下
 12月議会は5日から19日まで15日間開かれました。市長が議会に提出する議案は、初日の本会議で議案の説明を行い、議員がそれぞれ内容を調査したり、委員会で審査した後、最終日に議会全体で委員会の審査報告と、討論・採決を行って、可決か否決かが決まります。
 しかし、今回の盆栽購入をめぐる補正予算案は、相川市長は委員会審査から本会議での討論・採決まで初日に1日で片付けてしまう、「先議扱い」にするよう要求してきました。
 本会議では、「なぜ先議扱いにするのか」という質問に対し、市長側の答弁は「(盆栽の売主が)早く購入してほしいと要望しているため」でした。議会の基本ルールよりも、売主の都合を優先するとは、まさに議会軽視に他なりません。
 私はその場で議事進行に関する異議申し立てを行い、「盆栽購入の補正予算案の審議を1日で終わらせず、他の議案と同じように最終日までじっくり審議し、私たち議員に調査をする時間を与えてほしい」と要求しましたが、青羽議長に却下され、その日のうちに討論・採決が強行されました。

ずさんな「経済効果」「市民の意向調査」を徹底追及
 その後、私は委員会の審査報告を追及し、(1)大宮の盆栽文化を全国・世界へ発信するのは良いことだが、よそから購入した盆栽を展示して「大宮の文化」だと言えるのか。(2)盆栽園は固定資産税や相続税の支払い困難でかつての40ヵ所から6ヵ所まで減少しているのに、これらの対策を講じずに盆栽だけ展示しても、やがて「エジプト文明滅んでピラミッドだけ残る状態」になってしまう。(3)市長側は鉄道博物館と盆栽会館、岩槻人形会館(予定)を結ぶ観光ルートを設置すれば経済効果が上がると言うが、肝心な道路整備は浦和優先で、「観光ルート」になる都市計画道路「指扇宮ヶ谷塔線」の整備はまったく見通しが立っていない。(4)昨年12月の議会で市長側は「購入にあたっては市民の意向を調査して検討を進めたい」と答弁していたが、市民に何の説明もなければ、パブリックコメントなどの意見聴取も行っていない…などの点を指摘しました。

市長に「耳障りな発言」は、議事録から即刻削除する議長
 また「地元には盆栽購入を熱烈に支持する一部の人もいるが、『無駄使いだ』『5億は他に使うべき』『浦和への予算集中を誤魔化すためだ』という声が多い」「このまま1日で決めてしまっては、5億の盆栽は『疑惑の盆栽』だと、市民から誤解や反発を招きかねない」と発言したところ、青羽議長は「議事録から即刻削除する」と宣言。補正予算案は可決されました。
賛成50:自民・公明・民主・無所属の会・行政研ほか
反対11:無所属(吉田一郎)・自治ネット(2)・共産
退席1:(自民)
 自民党は「盆栽購入で地域活性化が図れる」と言っていますが、市長側は予想観光客数を、昨年は「年間15万~20万人」と説明していたかと思えば、今回は「10万人来ればありがたい…」になるなど、見通しはあやふやです。
 また、購入する盆栽の維持管理には年間2000万円かかりますが、「市民から寄付を募ればいい」とアテにもならないことを言って賛成した民主党にも呆れてしまいます。
※      ※      ※
 5億円の盆栽購入の話は、相川市長の特別秘書が先頭に立って進めたため、盆栽の維持管理費や経済効果などについては、担当職員の答弁も曖昧でした。
 たとえ市民から批判の声が多くても、市にとって盆栽購入が不可欠ならきちんと審議をすれば良いはずです。批判する発言を議事録から抹殺してまで、たった1日で審議を終わらせるような相川市政と与党のやり方は、言語道断です!
吉田一郎は、市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

(2)
首都高大宮線を大宮北部へ!
 新大宮バイパスの上を通る首都高大宮線は、その名称とは裏腹に大宮の手前で東に曲がってしまい、新都心の官庁街を経て、第二産業道路(浦和区三浦)へ向かっています。今後、さらに東へ伸ばして東北自動車道(浦和インター付近)へつなげようという構想は取りざたされていますが、北への延長は、宮前町までバイパスの中央分離帯に建設用地が40年前から確保してあるにも関わらず、一向に具体化していません。
 私は12月13日の建設水道委員会でこの問題を取り上げ、「鉄道博物館のオープンで、首都圏各地から大宮北部へ来る車が増えた」「現在のルートは、大宮住民よりも新都心の官僚の利便性が優先されている」と追及。建設局から「(北への延長の)実現に向けて、国などへ積極的に働きかける」との答弁を得ることができました。

国への積極的な働きかけを約束させました
 新大宮バイパスの渋滞緩和については、三橋交差点の立体交差化も問いただし、「三橋中央通り線(西口駅前通り)の拡幅整備の進捗をみて、国へ働きかける」と回答させました。
 また私は大宮北部を東西に貫く指扇宮ヶ谷塔線(サティ~大成4丁目~保健センター入口)の早急な整備を、9月議会に続いて取り上げ、「市は5億円の盆栽購入の経済効果として、『鉄道博物館と盆栽会館、岩槻人形会館を結ぶ観光ルートを設置すれば観光客が来る』と説明しながら、観光ルートとなる道路を作ろうとしないのでは、矛盾している」と指摘しました。
 鉄道博物館が盛況なのは良いことですが、大宮北部の交通渋滞に拍車がかかっています。今後もさいたま市の「浦和・新都心優先」の道路整備計画を是正させるために、あらゆる機会を通じて追及を続けます!

大宮4分割の弊害を直訴! 銀座通りの一方通行化は周辺住民の声も
 大宮駅東口商店街の再生の一環として、銀座通りの電線地中化やアーケードの撤去などが予定されていますが、それに関連して、銀座通りを一方通行(駅→大栄橋方向)にしようという構想が浮上しました。
 市ではとりあえず9月26日から1週間、試験的に一方通行化を実施し、地元商店街や歩行者へのアンケートでは「好評」との結果が出ていました。しかし、大栄橋方向から駅へ向かう車が旧中仙道に集中したために渋滞が激化し、上尾行きや宮原行きのバスを利用する植竹、東大成、宮原一帯の住民からは、不満の声が相次いでいました。
 そこで私は、大宮区役所や大宮東口まちづくり事務所と交渉し、一方通行化の検討にあたっては、バスやタクシーを利用する北区住民の声も反映させるように強く求めました。
 そして12月議会では、大宮区選出の議員の一般質問に対して、市側は「(銀座通りの一方通行は)街の賑わい効果がある反面、旧中仙道の渋滞などの課題があり、周辺住民や警察の意見も聞いて、ふさわしいやり方を検討していく」と答弁するに至りました。
 大宮中心街の再開発等では周辺部の住民も大きな影響を受けます。4年前に「旧大宮市をそのまま大宮区に」という1万7762人もの直接請求署名を無視して大宮を4分割する「区割り」を押し付け、周辺部を一方的に大宮から切り離して、「北区」「見沼区」「西区」にしたうえに、「大宮中心街のことは、大宮区と浦和の市役所だけで決める」では困ります。
 今後も、大宮のまちづくりには、大宮周辺部の住民の声も生かせるように頑張ります!

許せない! 今年の大宮の下水道整備は浦和の50分の1
 都市開発、道路整備、公共施設の建設…ことごとく 「浦和優先」のさいたま市ですが、下水道の整備ではあまりにも極端な格差があることが発覚しました。
 12月13日の建設水道委員会で、今年度の下水道認可区域について審査を行いましたが、恩恵を受ける面積と人口は、浦和が375・2ヘクタール(1万2000人)に対して、大宮はたった7・8ヘクタール(800人)。岩槻は73・9ヘクタール(500人)でした。私は「このような著しい偏りは、大宮住民として到底容認できない」と議案に反対しました。
 今年の大宮の都市開発予算は浦和の6分の1、夏祭りへの補助金は18分の1でした。北九州市のように合併前の各市がそれぞれ財政的に独立して、「大宮の税収は大宮の街づくりに」使える制度が必要です。大宮をないがしろにする相川市政を厳しく監視し、徹底的に闘います!

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