2007年11月特別号 (1)
2面へ
大宮図書館の
 歴史資料を守りました

 11月29日の中央図書館(浦和駅東口)のオープンに伴って、大宮図書館の蔵書から歴史資料などを浦和へ移そうと計画されていました。私は「大宮の資料は大宮に残すべきだ」と交渉を続けてきましたが、教育委員会から正式な回答があり、要求をほぼ実現させることができました。

図書の「一極集中」に、
たった1人で反乱開始!

 この計画が明らかになったのは、6月議会で霜田紀子議員(自民党、南区)が行った一般質問です。

霜田議員 中央図書館はどのような特徴を持っているのか? また中央図書館としての位置づけは?
鯉沼副教育長 主な特徴としては、ビジネスや子育てなどの各支援コーナーや、さいたま市の歴史や文化に関する郷土情報コーナーを充実させる。これまでに各図書館で収集してきた、さいたま市に関する図書や行政資料等を集中的に管理、保存し、市民に提供する図書館として位置づけていく。

 驚いた私は翌日、大宮図書館で館長からお話を伺い、さらに教育委員会(浦和の市役所内)や中央図書館開設準備室(北浦和図書館内)で調査をしたところ、大宮図書館から5000冊、与野図書館から4000冊、岩槻図書館から1700冊の本がリストアップされて、中央図書館へ移されようとしていました。また「蔵書が1冊しかない歴史資料は、原則として中央図書館へ移す」「新聞のバックナンバーは、数年分を除いて移す」の案も明るみになりました。

元大宮市議や大宮市長…
様々な方も抗議の声

 そこで私は教育委員会へ請願を提出し、大宮の歴史資料や行政資料、新聞バックナンバーなどは大宮図書館へ残すことを要求しました。また元大宮市議の栗原公喬さんも同様の請願を出し、教育委員会へ陳情を出した市民の方もいました。
 同時に、元大宮市長の新藤享弘さんから「大宮の歴史資料をなぜ浦和へ移すのか」「このような一極集中は好ましくない」というメッセージを頂き、『市政レポート』に掲載しました。
 計8万部配布した『市政レポート』は大きな反響を呼び、これを読んだ大宮住民の方々から、図書館へ問い合わせや抗議がたくさん寄せられました。

教育委が回答「行政資料、
昔の新聞も残します」

 大宮住民の怒りの声に驚いた教育委員会では、蔵書移管を見直すことになったようです。8月29日に、中央図書館開設準備担当者の志田副理事と大野参事が私の自宅を訪れ、教育委員会からの回答を伝えてきました。
▼中央図書館への蔵書の移管については、地元図書館の利用に支障がないことをベースに考え、利用者に迷惑をかけません。
▼移管する郷土資料は、県や他市町村に関する本とし、大宮の郷土資料で中央図書館へ移すのは、大宮図書館に2冊以上の本がある56冊だけにします。
▼旧大宮市の行政資料は、一切そのまま残します。▼新聞のバックナンバーは、戦前の朝日新聞・毎日新聞のマイクロフィルムや、戦後の朝日・毎日・読売・埼玉新聞(1960年以降)の縮刷版を大宮図書館に残し、地元の利用者には支障をきたしません。
 9月議会の一般質問で、改めてこの問題を取り上げ、鯉沼副教育長から同様の答弁を得ることができました。

花火大会の復活に続く、
大宮パワーの勝利だ!

 大宮から開発予算や病院・保健所を奪い、図書館の本まで奪おうとする「浦和優先」のさいたま市にあって、私たちの街・大宮は、大宮住民の力で守らなくてはなりません。私は今後も最先頭で闘います!
連日大宮の本を守れと訴えました
連日、「大宮の本を守れり と訴えました

大宮・与野・浦和・岩槻が自治権を持つ
「連合都市」的な街づくりを
 さいたま市では現在、公共施設の浦和集中に弾みがついています。
 今秋完成した浦和駅東口の再開発ビルには、パルコのほか複合公共施設の 「コムナーレ」がオープンし、中央図書館に加えて消費生活センター、国際交流センター、市民活動サポートセンターなどが開設されました。これまで浦和駅東口再開発に600億円以上投じた上に、公共施設のために、今年度の市民文化部門予算(164億円)のうち、93%が支出されています。
 その一方で、旧大宮市が中央図書館など複合公共施設の建設を予定して購入した桜木町の土地は、広大な駐車場のまま放置されています。
 自治体としては合併して1つの市になったとはいえ、大宮も浦和や与野、岩槻も、それぞれ数百年以上の歴史を擁し、独自の文化を持つ街です。
 さいたま市は「融和」を口実に浦和への一極集中を進めるべきではありません。旧4市が自治権を持ち、バランスある多極分散型の連合都市を目指すべきです。

9月議会でも大暴れ!!
 9月議会本会議での私の登壇回数は11回に及び、圧倒的1位です。
 今後もあらゆる手段を通じて、閉塞した議会の現状を打ち破り、積極的に意見表明をしていきます。
【9月5日本会議】▼「無所属議員の発言権」「公正な議会テレビ広報番組」について、請願審査の報告を追及しました。▼議事進行への異議申し立てを行い、9月議会の一般質問が議員1人あたりたった5分になったこと(旧大宮市は30分)について、「浦和中心、浦和優先で浦和のことしか考えず、大宮を植民地支配するかのような相川市政へのチェック機能を、議会自ら放棄しましたと宣言したようなもの」だと、ただちに質問時間の見直しを審議するよう要求しました。
【10日本会議】▼各会派の「談合」によって密室審議で決められた「政務調査費の使途基準」を徹底追及。「市民から広く意見を聴取したうえで、市民が傍聴できる場で使途基準を決めるべきではないか」「第三者機関による監査費用は、政務調査費を受け取っている会派・議員が負担すべき」等を問いただしました。
※共産党は私の発言を議事録から一部削除するよう求め、自民党は私に対する懲罰を要求してきました。
【11日一般質問】▼わずか5分の持ち時間で「大宮図書館の蔵書を浦和の中央図書館へ移す件」と「花火大会の開催日程が『浦和優先』である件」を追及。
 今年の花火大会は大宮が月曜、浦和は土曜、岩槻は金曜でしたが、来年以降は花火大会を3会場とも週末開催にするように求め、「夏祭り全体の日程を総合的に勘案して検討する」との答弁を引き出しました。【動画で見る】
【13日建設水道委員会】▼大宮北部を東西に貫く都市計画道路「指扇宮ヶ谷塔線」の整備が放置されていることを追及し、「切敷川への排水ポンプ設置」を問いただしました。
【10月4日政治倫理特別委員会】▼議員が逮捕された際の報酬支給について、「起訴された時点で支給停止、無罪が確定したら停止分は支給」と主張しました。
【5日本会議】▼大宮医師会病院の閉鎖問題について、決算特別委員会の審査報告を追及しました。▼一括採決に対する異議申し立てを行い、議案2本の反対理由と、議案1本の退席理由を述べました。
吉田一郎は、相川市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

2007年11月特別号(2)
9月議会
「大宮は金も病院も奪われるのか」
 相川決算の審査を追及しました
 決算審査とは、相川市政全体の昨年度のお金の使い道を議員がチェックし、認定(または不認定)するものです。審査は主に決算特別委員会(17人で構成)が行い、本会議最終日に委員長が審査報告を行って、議会全体で採決をします。
 私は特に09年春にオープンする市民医療センターの建設と、それに伴って閉鎖される予定の大宮医師会病院(宮原メディカルセンター)の問題について、審査報告を問いただしました。

吉田一郎 市民医療センターの建設は、もともと合併前の旧浦和市が浦和西部に医療拠点を整備しようという構想で、場所は若干北(西区島根)へずらして旧市境になっていますが、旧大宮市が大宮医師会病院の建て替えのために積み立てていた医療施設整備基金10億円も使って建設が行われています。
 また市民医療センターのオープンに伴い、宮原の大宮医師会病院は閉鎖される予定であり、まさに大宮は「金も病院も奪われるのか」という状態です。
 これまでの予算審査、決算審査では、医師会病院に代わる大宮北部地区の医療施設や、特に夜間・休日の救急医療体制について、活発な質疑が行われたほか、常任委員会や一般質問でも、この問題は繰り返し取り上げられてきました。
 しかし執行部側は、「関係機関と協議中」を繰り返すにとどまっており、何ら具体的な対策を示せずにいます。
 市民医療センターのオープンは1年半後に迫っておりますが、今回の決算審査では、前年度、前々年度のように、大宮北部地区の医療体制・救急体制をどうするのかという質疑は行われなかったのでしょうか。また執行部からも説明はまったく行われなかったのでしょうか。
 大宮住民にとって非常に切実な問題ですので、詳細な答弁をよろしくお願いいたします。

 これに対する土橋委員長(自民党、桜区)の答弁は、委員からの質疑も執行部からの説明もまったく無かったということでした。
 そこで私は、大宮北部地区の医療体制をどうするのかを一向にはっきり示さないまま、旧大宮市民の税金から積み立てた基金をも注ぎ込んで、旧浦和市が計画した病院の建設を進めるような相川市政のお金の使い道は納得できないと、決算の認定に反対しました。
 市民医療センターのオープンと引き換えに、大宮医師会病院を奪われようとしている大宮住民の切実な声を取り上げず、相川決算を追及しようとしない自民・公明・民主・共産などの委員にも呆れてしまいます。
 今後もあらゆる機会を通じて、大宮北部の医療体制について、住民の要求を実現できるよう全力で頑張ります。

切敷川の浸水対策
排水ポンプ設置実現へ
 日進2丁目の松原住宅一帯は窪地になっていて、大雨が降ると道路冠水や浸水などの被害が続いています。
 雨水は切敷川(鵜沼川)へ排水されるようになっていますが、整備の見通しは立っていません。
 当面の措置として、道路に溢れそうになった雨水を、ポンプで強制的に川へ送り込むようにすれば浸水被害は減るはずで、大宮区では昨年、固定式の排水ポンプが設置されて大きな効果を挙げていますが、日進地区では設置が予定されていませんでした。
 私は建設水道委員会でこの問題を問いただしたところ、「平成19年度中に大成4丁目、20年度には日進2丁目の松原橋付近に、固定式排水ポンプを設置する」との答弁を得ることができました。
 他の地区で効果が実証された方法を、地元でも積極的に導入してもらうよう、今後も働きかけていきます。

浦和優先の道路整備
人選不透明な海外視察

厳しい目で議案チェック
 10月5日の議会最終日の討論では、共産党の議員2人が決算と一部議案に反対する理由を述べ、自民党の議員2人が決算とすべての議案に賛成する理由を述べただけで、またも民主党や小会派の議員は黙々と相川議案に賛成するだけでした。
 議員が発言しようとしないのは「チェック機関」としての議会の役割を自ら放棄しているようなものです。

吉田一郎が反対した議案
■一般会計・特別会計決算
■水道事業会計決算

 40億円の黒字を計上。政令市で3番目に高いといわれる水道料金を値下げして、市民に還元すべきと、認定に反対しました。
■一般会計補正予算(3)
 田島大牧線や道場三室線、与野中央通り線など「浦和優先、与野優遇」の道路整備を反映した内容で、反対。
■さいたま市交通災害共済条例の廃止
 交通災害共済とは、交通事故によるケガ・死亡に対して最高100万円の給付が行われる制度。掛け金は年間350円で、小中学生は無料、高校生は半額です。相川市長は「加入者が減少して赤字が続いている」「民間の保険が充実した」を理由に、共済制度の廃止を提案してきました。
 しかし現在も40万人以上(人口の34%)が加入しており、特に旧大宮市では制度の普及に力を入れ、加入率は一時65%に達していたこともありました。赤字額も平成17年度で313万円に過ぎません。民間の保険には年間350円で加入できるようなものはなく、廃止に反対しました。
■街路築造工事請負契約
 与野駅北側の大原橋(赤山東線)を4車線に拡幅し、2億5814万円追加(累計7億円)して旧中仙道との立体交差を建設。 赤山東線は新都心を取り巻く環状道路の南側部分ですが、新都心への市役所建設は実質的に立ち消え状態。周辺の道路も渋滞していないことから、市役所建設の目途がつくまで工事を凍結し、道路整備予算は他の箇所に使うべきだと反対。
■市道路線の認定
 浦和県庁前の南側で建設中の田島大牧線の認定について、県庁通りがすぐ北側に並行しているにも関わらず、25mもの幅は不必要。
■議員の海外視察派遣
 視察先のピッツバーグ市(米)は姉妹都市、マインツ市(独)は新たな姉妹都市の候補地。私は、(1)さいたま市の海外姉妹・友好都市はすでに6ヵ所あり、これ以上増やすことは慎重になるべき。(2)派遣議員の選定が不透明。青羽議長は当初「各会派から議員を派遣する」と明言していたが、一転して自民・公明・民主党だけの派遣になり、その理由説明もあやふやだと反対しました。

吉田一郎が退席した議案
■市営住宅・市民住宅条例の一部改正
 市営住宅への暴力団員の入居を禁止する内容。その趣旨には賛成ですが、暴力団員かどうかの認定の基準になる警察のリストの信憑性など、運用面で不安も。
 私が所属する建設水道委員会では、すでに同様の条例を実施している広島へ10月下旬に視察に行くので、「その後に審議しなければ視察が無駄になる」と、採決に際して退席しました。
2007年9月議会の会派別議案賛否一覧表

HOME | TOP| 市政レポート一覧
inserted by FC2 system