2007年8月特別号 (1)
2面へ
大宮図書館が危ない!
歴史資料や新聞縮刷版など5千冊が浦和へ!?
 さいたま市では今年度、市民文化部門予算164億円のうち、93%の153億円をつぎ込んで、浦和駅東口に中央図書館やコミュニティセンター、市民活動サポートセンター等を建設しており、70万冊の蔵書スペースを擁する中央図書館が11月29日にオープンします。
 この中央図書館に市内各図書館で所蔵している歴史資料や行政資料が移されようとしています。
 私が調査したところ、すでに大宮図書館では5000冊、与野図書館は4000冊、岩槻図書館は1700冊がリストアップされていることがわかりました。
 大宮図書館からは、大宮の歴史に関する郷土史料や、旧大宮市が発行した『市報おおみや』のバックナンバーや市議会の議事録、明治時代から保存してある新聞の縮刷版やマイクロフィルムなどが移動の予定。この計画が実施されれば、大宮の住民が大宮の歴史を調べるにも、浦和まで行かなくてはなりません。
 また子供たちが30年前、50年前の出来事を調べる際に、新聞縮刷版の利用は不可欠ですが、このままでは浦和へ行かないと過去の新聞を閲覧できなくなります。
 浦和には県立図書館が存在し、県内の郷土史料や明治以降の新聞はここにも保存されています。浦和の住民は県立図書館へ行けばこれらの資料が閲覧できるのに、大宮図書館の蔵書をわざわざ浦和へ移す必要はありません。
 自治体としては合併し、一つの「さいたま市」になったとはいえ大宮と浦和、与野、岩槻はそれぞれ独自の特色を擁し、異なった歴史を歩んできた街です。
 琉球王国の史料は沖縄に、薩摩藩や土佐藩の史料は鹿児島や高知に残されているように、歴史資料はその歴史を育んできた地域に残されてこそ、有効に活用されるのです。支配下に置いた地域の歴史遺産を略奪して一堂に揃えた「大英博物館」的な発想の中央図書館はいりません。
 さいたま市が発足して以来、開発予算は毎年のように浦和へ集中しているほか、大宮住民の命に関わる病院や保健所などが次々と浦和の方へと移されています。
 このうえ、大宮の先人たちが百数十年にわたって収集してきた「知的財産」である図書館の資料までも奪おうとする、「浦和中心・浦和優先」の相川市政の横暴を断じて許すわけにはいきません。
 私は教育委員長に「大宮図書館の蔵書を『中央図書館』へ移管しないよう求める請願」を提出しながら交渉を続け、一部の資料(利用者が多い開架式図書や、『朝日新聞』のバックナンバーなど)は大宮図書館に残すという方向になりつつありますが、一部の資料だけを残しても、「読売、毎日、日経のバックナンバーは浦和にあるのに、朝日だけ大宮に置いてあるのはおかしい」等の理由で、将来再び蔵書が浦和へ移されることになりかねません。
 合併後いったんは浦和の荒川河川敷に移されて中止になった大宮花火大会が、住民からの苦情殺到で今年から復活したように、大宮住民の力で大宮図書館の本を守りましょう。私も全力で闘います!

この件についてのお問い合わせは 中央図書館開設準備室
電話 048-832-2321 (北浦和図書館内)まで

「大宮の歴史をなぜ浦和に」
   新藤享弘さん(元大宮市長)
 大宮図書館の蔵書移転問題について、元大宮市長の新藤享弘さんからメッセージをいただきました。
 「大宮図書館の蔵書が浦和へ移されると聞いて、大変驚きました。大宮の歴史の資料をなぜ浦和の中央図書館に持って行かなければならないのでしょうか。大宮の方々が地元の歴史を調べるにも、大きな不便をかけるのではないのでしょうか。このような一極集中はあまりにも好ましくないと思います」

政務調査費(年間408万円)
 吉田一郎は受け取りません
 政務調査費とは、議員報酬とは別に、議員1人につき毎月34万円まで支給される議員活動の経費です。しかしその使い道がはなはだ不透明・不明確だと問題になっています。
 私は選挙では「政務調査費の廃止」を掲げ、議員となっても政務調査費は受け取っていません。

監査費用で新たに
数百万の公費負担が

 7月17日に、青羽議長は記者会見を開き、(1)政務調査費の使途基準の細目を「各派代表者会議」で決める、(2)各会派・議員の政務調査費のすべての使途を第三者機関に委託して調査してもらう、などの改革案を発表しました。
 これまでずさんに使われていた政務調査費の使い道が細かく決められ、外部からのチェックが入ることはとりあえず歓迎すべきことですが、数百万円と見積もられる調査費用の問題点もあります。そこで私は19日に議会へ2つの請願を提出しました。
▼請願第18号 政務調査費の使途基準は、無所属議員が排除されたうえ、市民や報道関係者が傍聴できない「各派代表者会議」と称する密室審議の場でいわば会派間の「談合」のように決めるのではなく、市民からパブリックコメントなどの意見を聴取したうえで、すべての議員が参与でき、かつ市民に公開された場で話し合って決めてください。
▼請願第19号 政務調査費についての第三者機関による監査費用は、各会派・議員に支給されている政務調査費から負担してください。「委員会の視察を削った費用を充てる」と称して、新たな財政支出を行うことは、市民を欺くものだと言わざるを得ません。
※  ※  ※  ※  ※  ※
  これらの請願は9月議会で審議される予定です。私自身が政務調査費を受け取らずに議員活動をこなしていることも、政務調査費の透明化に向けた大きな圧力になっているようです。

「すべての議員に発言権を!」
 解決に向け議会動かす
1043名のこ署名
ありがとうこざいました

 現在のさいたま市議会では、法的根拠がない「申し合わせ事項」によって、会派に属さない無所属議員に本会議で発言する権利がありません。全ての議員が議会で発言できるよう皆さんに署名をお願いしていましたが、5月30日までに1043筆が集まり、「無所属議員の討論を認めることを求める請願」に添えて青羽健仁議長へ提出。議会運営委員会では「9月議会までに決着すべき課題」として話し合うことになりました。

あの手この手で
実質的な発言権は確保

 もっとも、私は発言権がないからといって、議会での意見表明を諦めてはいません。6月議会では相川議案に反対する2つの請願を提出して、私が議案に反対する理由を説明しました。
 請願とは、住民(市内在住者でなくても可)が市政や議会への要望として提出するものですが、議員として本会議で発言できないのなら、文書で意見を表明しようという戦術です。議会での発言は数分間喋っておしまいですが、請願として提出すると、改めて委員会を開いて審議し、本会議で請願の討論・採決を行わなくてはなりません。
 また無所属議員にも認められている「議事進行についての異議申し立て」を、5月議会では2回、6月議会では3回行いました。私は発言権はなくても「発言回数がダントツで多い議員」になっています。
吉田一郎は、相川市長から支給される政務調査費(年間408万円)を受け取らずに活動しています。

2007年8月特別号 (2)
6月議会一般質問
「人の命も浦和優先か!」
 と相川市長を問い詰めました
 6月11日と12日にさいたま市議会の一般質問が開かれ、吉田一郎は11日午後に登壇しました。【動画で見る】
 さいたま市では、「浦和西部に公立病院を建設する」という旧浦和市の計画に基づいて、西区島根(実質的には浦和との境)に市民医療センターを建設中で、これと引き換えに来年度に大宮医師会病院(宮原メディカルセンター)が閉鎖される予定です。
 さらに社会保険庁が運営する盆栽町の大宮総合病院も、北浦和の総合病院へ統合されるという計画が取り沙汰されていました。
 北区選出の議員で、一般質問を行ったのは吉田一郎と清水議員(自民党)だけでしたが、清水議員も大宮北部の医療体制について質問していたので、これに続いて問い詰める形になりました。もっとも市長は答弁に立たず、答えたのは磯部保健福祉局長でした。

▼清水議員 さいたま市民医療センター開設後の北部地域の医療体制について、その後の具体的な検討状況は?
▼大庭副市長 市としては社会保険庁の大宮総合病院の医療機能を存続させ充実を図るほか、北区内に救急医療体制を整備するという方向性を示し、これまで社会保険庁と検討を重ねてきた。
▼吉田一郎 地域住民の間では「人の命も浦和優先か!」と不安や不満が高まっている。相川市長は医療施設について、5月19日に北区自治会連合会の総会で「まだ詳しくは言えないが、具体的に進んでいるのでご安心ください」と発言していたが、具体的な対策を明らかにせず「ご安心ください」と言われても、安心なんかできません。清水議員への答弁では、大宮総合病院の存続と充実について触れていたが、結局、医師会病院に替わる医療機関の建設や誘致は考えていないのか。市長の「ご安心ください」という言葉の意味は、大宮総合病院を残すというだけで、2つある病院が1つに減って、これでご安心くださいということなのか。
▼磯部局長 医療法により各地域の基準病床数が定められ、さいたま市はすでに基準病床数を超えているので、病院の新設や増設はできないとされている。市としては大宮総合病院と協議を重ね、今後の方向性や救急医療の運営方法について具体的な計画が策定できる段階になってきた。しかし社会保険庁では全国53の病院のあり方が決定した後でないと、具体的計画を決定し公表できない状況だ。市としては一日も早く計画を決定、公表して市民に安心してもらいたいと最大限努力している。
※  ※  ※  ※  ※  ※
病院を2つとも残せと相川市長に迫る 結局、さいたま市は大宮医師会病院の存続やそれに替わる病院の建設は考えておらず、それどころか大宮総合病院の充実すら具体的には確定していない状況です。自治会長さんたちを前にした市長の「ご安心ください」という言葉は、「安心してもらいたいと努力している」に後退してしまいました。
 しかし、基準病床数の規制には例外、特例などもあるのですが、今回は時間不足でそこまで追及できませんでした。
 今後もあらゆる機会を通じて、大宮北部地域の医療体制について、住民の要求を実現できるよう全力で頑張ります。

浦和優先の相川補正予算に反対しました
 6月20日の議会最終日の討論では、戸島議員(共産党)が7本の議案に反対する発言を、関根議員(自民党)がすべての議案に賛成する発言をしただけで、民主党や小会派の議員は黙々と相川議案に賛成するだけでした。議員が議会で発言しようとしないのでは、「チェック機関」としての議会の役割を放棄しているようなものです。
吉田だけ(1人)が
反対した議案

平成19年度さいたま市一般会計補正予算
 浦和駅前の再開発に4億8641万円追加、一方で大宮では日進駅周辺のまちづくり推進に8869万円追加など、相変わらず浦和優先の開発予算なので反対。
■街路築造工事請負契約について
 与野駅北側にある大原橋(浦和区上木崎)を4車線に拡張し、4億4415万円かけて旧仲仙道との立体交差とする計画内容。建設水道委員会で周辺の渋滞の現状や予想される通行量を問いただしたところ、「周辺の渋滞はない」との答弁。それなら日進や大和田駅周辺には歩道すらない危険な道が多く、浦和と新都心の間の道路整備よりも、もっと優先すべき個所があるはずだと反対。
指定管理者の指定について(市民活動サポートセンター)
 浦和駅東口に今秋オープンする市民活動サポートセンターの運営を「さいたまNPOセンター」に任せるという内容。しかしNPOセンターの代表者は、どのような運営が望ましいかを1年半にわたって協議してきたサポートセンター整備検討委員会の座長であり、指定管理者の選定に公正さを欠く懸念が起きると反対。
■さいたま市長選挙におけるビラ作成の公営に関する条例制定
 2年後の市長選で候補者が配布するビラ(マニュフェスト)の印刷代を、公費で負担するというもの。公選法によれば、ビラは7万枚までしか配布できず、さいたま市の人口120万人のうち大部分が入手できないビラを、税金で賄うのはおかしいと反対。

吉田と共産党(計9人)
が反対した議案

■指定管理者の指定について(市営浦和駅東口駐車場)
 浦和駅東口に今秋オープンするパルコに隣接して、市が73億円かけて建設した駐車場の管理をパルコに任せるという内容。パルコのための駐車場は、本来パルコが建設すべきという理由で反対。

共産党だけ(8人)が
反対した議案

■市税条例の一部改正(証券優遇税制の1年延長に伴う条例改正など)
 ※共産党は「株取引をする余裕がある者への優遇には反対」だそうです。
■ホテル南郷条例の制定
■しらさぎ荘条例の一部改正(さいたま市が所有する保養所の管理民営化)
 ※共産党は「民間企業は利益追求なので、食材がケチられるかも知れないから反対」だそうです。
■見沼ヘルシーランド条例の一部改正(緑区大崎=浦和東部にあるヘルシーランドの管理民営化)
■地区計画区域内における建築物制限条例の一部改正
■市道の認定について
 ※共産党は「宅地開発をした不動産会社が管理すべきだから反対」だそうです。
2007年6月議会の会派別議案賛否一覧表

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